なぜ広島には空襲がなかったのか?
少し前の記事になるのですが、盆休みもあって、たまった新聞を整理していたところ目に留まる記事が。
「日本中の都市が次々に焼け落ちていくのに、なぜか広島には空襲がなかった。1945年夏。市民は首をひねりつつも、まずは平穏を喜んでいた。」
2018年8月6日付 日本経済新聞朝刊「春秋」より引用
『この世界の片隅に』を見た直後の私に取って、引き込まれる書き出し。
読んだとたんに、映像が頭によみがえる・・・
『この世界の片隅に』の主人公すずは、広島県広島市で生まれ育ち、戦時中に呉市へ嫁ぐ。
呉市には”東洋一の軍港”があり、だから広島市より呉市が空爆の対象になっているのだと映画を観ていた私は解釈していた。
主人公すずも妹から「広島へ帰っておいで。酷い空襲もないし・・・」と言われる。
迷い込んできたサギに、呉で居場所を見失っていた自分を重ね、広島方面へ追いやる・・・
なぜ、広島には空襲がなかったのか?
理由について、記事は続く。
「なかった」のではなく「残されていた」
「そのころ米軍は日本本土への原爆投下計画を着々と進め、目標検討委員会を設けて犠牲とする都市を絞り込んでいた。さまざまな候補地が浮かんでは消え、実際に投下されたのが広島と長崎だった。」
2018年8月6日付 日本経済新聞朝刊「春秋」より引用
広島は空爆から「まぬがれていた」のではない、原爆の威力を試す候補地として、投下まで被害を出さないよう「残されていた」のだ。
記事には更に、投下都市の条件が連なりますが、引用は(多くなりすぎるので)控えます。
広島を原爆投下の都市に選んだ理由は(酷い話ですが)筋が通り説得力があります。
サッと読める文量なので、購読されてない方は図書館等でどうぞ。
『この世界の片隅に』を見た方なら、思う所がある記事だと思います。
映画『この世界の片隅に』鑑賞後の戦争への感じ方
ああ、もっとこの時代のことを知りたくなりました。
戦争に関心を持つようになったこと、これが作品を見た事による一番の効果なのかもしれない。
私に取っては、どんな映画やドキュメンタリーよりも、太平洋戦争についての教科書として、『この世界の片隅に』はずっと心に残り続けるでしょう。
太平洋戦争の記事や映像を見る度に思い出すのでしょう。
その事実に気付いた瞬間でした。
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クローズアップ現代で『この世界の片隅に』が取り上げら得れました
