アンゴルモア 元寇合戦記

TVアニメ【アンゴルモア 元寇合戦記】鑑賞前に知っておくとより楽しめる豆知識

アンゴルモア 元寇合戦記
あらすじ

舞台は鎌倉時代1274年の対馬。

中国大陸を支配したモンゴル帝国およびその属国の高麗王国は日本へ攻め入るために準備をしていた。

高麗王国(朝鮮半島)と九州の間に位置する対馬へ流人が辿り着くことから物語は始まる。

主人公は、流人の一人、朽井迅三郎(くちい じんざぶろう)

こんばんは。時文です。
TVアニメ『アンゴルモア 元寇合戦記』最終話まで観賞しました。

アンゴルモア 元寇合戦記』はコミック原作。
モンゴル帝国が日本へ侵攻してきた「蒙古襲来」をモデルにしたフィクションです。

フィクションですが、かなりの歴史考証された様子が伺え、史実や地理を知っているともっと楽しめます

本記事では、アニメ『アンゴルモア 元寇合戦記』を、より楽しむために知っておくとよい豆知識をまとめました

鑑賞前にどうぞ♪

史実についても記載しています。
作品のネタバレには極力触れないようにしてますが、史実も「作品の結末を推測できるから見たくない!」という方はお気を付け下さい。

既に見られた方は、確認の意味も兼ねて読んで頂ければ、新たな発見をして、アニメをもう一度見たくなるかもしれませんよ♪

作品の舞台となる「対馬」

「対馬」の位置関係

TVアニメ『アンゴルモア 元寇合戦記』の舞台は対馬(つしま)。
現在の所在地で言うと、長崎県対馬市。

対馬は、朝鮮半島と九州のほぼ中間に位置します。
陸路と海路しかない時代、ユーラシア大陸と日本の貿易や交流の窓口的役割を果たしてきました。

反面、有事の際、朝鮮半島から九州へ侵攻するには、対馬はルート上の中間点。
対馬を押さえておかないと、博多へ侵攻する際に背後から突かれる形になります。

このように、対馬は戦略的に重要な場所。
飛鳥時代(538-710年)には防人(防衛のための兵士)が置かれました。

余談ですが、
1592年、豊臣秀吉の朝鮮出兵時、対馬は釜山への中継地になるほど、地政学的に重要な場所です。

「対馬」島の大きさ

面積は、約700平方km
日本の列島で第10位の大きさ(淡路島より大きいとは知りませんでした!)

形状は南北に長く、南北に82km、東西に18km

作品内では、南北に「徒歩5日」、東西に「山越え1日」
「村の数も意外と多い」と表現されています。

「対馬島」>東京「23区」

700平方kmと聞いてもピンとこないと思います。
分かりやすい比較をすると、東京都「23区」の広さが約600平方km
#東京都ではないですよ。東京都は約2,200平方kmです。

この東京都の地図は対馬と同じ縮尺です。

残念ながら、東京23区ではなく東京都でしか赤枠で囲めなかったので、広く見えますが、対馬島の大きさのイメージは掴んでもらえると思います。

対馬島の大きさが南北に82kmということは、東京駅から鎌倉や横須賀よりも遠いですね・・・
広い!

作品内でも、「島と言うよりは『一国』だったか」と表現されてます。

「対馬」島内マップ

※公式HP-「対馬マップ」から引用

アンゴルモア 元寇合戦記 対馬マップ

上記の対馬マップは『アンゴルモア 元寇合戦気』公式サイトから引用させていただきました。
原作者・たかぎ七彦先生イラストらしく、とても雰囲気のいいマップです。
アニメ鑑賞時に手元に置いておくと、重宝しますよ。

鑑賞前の知識としては、「国府」「佐須」の位置を知っておくと良いでしょう。
あとは、鑑賞しながら主人公たちの軌跡を辿ってはいかがでしょうか。

「国府(こくふ)」

主人公たちが最初に辿り着くのは対馬の「国府」。
※「対馬マップ」の右下。
現在の対馬市厳原町。

国府は対馬島の中心地

主人公たち流人を呼び寄せた輝日姫を始めとする島を治める宗家(そうけ)もここにいました。

「佐須(さす)」

佐須」は国府から西へ、山を越えた島の反対側に位置します。
※「対馬マップ」では小さいので「佐須」は見つけにくいかも。
「小茂田濵神社」と記載されている場所です。

史実では、蒙古軍が最初(1274年・文永の役)に上陸したのは「佐須浦(さすうら)」

対する対馬の宗家主力は国府に。
島の反対側の佐須へ一晩かけて向かったと言われています。

蒙古軍は主力が国府にいることを知っていて、佐須を攻めたのでしょうか・・・

公式サイトには、対馬マップに対応して、観光案内とストーリーに絡んだ説明も記載されています。
更には、現在の対馬をロケした予告動画もあり!
輝日姫の声優Lynnさんが案内役なのもGood!!

対馬の美しい風景と、今も残る江戸末期の城下町の面影が、作品をより理解する助けになりますよ♪
#「予告映像」なので、「ネタばれ”あり”」です。気を付けてください。

強大な国「モンゴル帝国」

「蒙古」「むくり」などの呼び方

モンゴル帝国はいくつかの呼び名があります。

モンゴル帝国=蒙古(もうこ)=元(げん)=むくり=むこ

※厳密に言うと違いますが、アニメでは同じと見て問題ないでしょう。
また、他の呼び方もありますが、アニメでは使われないので省略。

「蒙古」軍と「高麗」軍?

元寇で攻めてきたのはモンゴル帝国(蒙古軍)と、その属国である高麗王国の高麗軍。

「高麗(こうらい)」は朝鮮半島を統治していた国

モンゴル帝国に何度も攻められ、徹底的に抗戦するも、1259年に政権が倒され、モンゴル帝国の配下(属国)となった

モンゴル帝国に内政干渉されながらも、高麗としての形も残していた。
日本へ攻め入る際、最も日本に近い高麗軍も派遣され、蒙古軍、高麗軍が別部隊のように行動しているのはそのためである。

前線となる高麗は兵だけでなく、船の建造や食料の補給も命令され、被害も負担も大きかったと言う。

作品内で最初に攻めてきたのは「高麗」軍です。

「モンゴル帝国」の支配領域

モンゴル帝国は元々はモンゴル高原の遊牧民を統合したチンギスカンが創設した国家
#「チンギス”ハーン”」とも言いますが、本レビューでは「チンギスカン」で統一します。

チンギスカンと後継者は領土を拡大し、西は東ヨーロッパ、南はアフガニスタン、東は朝鮮半島まで、(ユーラシア)大陸を横断する帝国となった。

百聞は一見にしかず。
言葉より、以下にあるWikipediaのGIF画像を見ると、その強大さが分かります。

海を隔てていたとは言え、日本はよく守り切ったものですね。

「アンゴルモア」って?

作品のタイトルにもなっている「アンゴルモア」。
ノストラダムスの「予言集」に記載された言葉から取ったのでしょう。

恐怖の大王が『アンゴルモアの大王』を蘇らせに天から来るだろう

予言集の中で、最も知られている一文。

予言集が書かれたのは16世紀であり、モンゴル帝国解体後

なので、蒙古襲来当時、「アンゴルモア」という言葉が使われていたわけではありません

20世紀に入り、予言集が注目され、研究されるようになりました。

いくつか説がある中、
アンゴルモア(Angolmois)は、モンゴル(Mongolois)のアナグラムだと解釈する人が現れ、「アンゴルモアの大王」とはチンギスカンの再来を予言しているのではないかと恐れられたのです。

モンゴル帝国解体後も、それだけ恐れさせていたことを物語るエピソードですね。

主人公「朽井迅三郎」

主人公・朽井迅三郎について、事前に知っていると良い情報を紹介します。

「朽井迅三郎」はフィクション

『アンゴルモア 元寇合戦記』には歴史上実在する人物が登場します

物語は、流人が対馬へ辿り着くことから始まります。

当時の書物「八幡愚童訓」に、

対馬に蒙古と戦った流人たちがいた

と言う記載があり、作者はそこから着想。

主人公・朽井迅三郎(くちい じんざぶろう)は作者の創作ですが、
対馬の戦いに参加した流人として「口井藤三」という名があり、そこから取ったそうです。

夢がありますね!

「御家人」とは

朽井迅三郎は流人として対馬へ流刑されますが、2年前までは御家人(という設定)。

「御家人」は、貴族や武家に仕える者
各国に10名程度、関東諸国は多く、各国に数十人いたようです。

“仕える”というと何をするのかイメージしにくいですね。
ざっくり言うと、”将軍直属の武士”と捉えて問題ないのでは、ないかと・・・

武士の中でも、偉い人、と言う感じですかね。(←もっとザックリ(笑))

御家人の最も重要な仕事は「領土を守ること」。

当時の武士は自分の命より、土地が大事だと考えてました。
与えられた土地を命をかけて守り抜く。

そのことから「一所懸命」という言葉が生まれたのです。

その後、土地を守るということがなくなり、「命がけで取り組む」ことから「”一生”懸命」に変わっていきました。

「義経流」とは

読み方は「ぎけいりゅう」
#「”よしつね”りゅう」ではありません。

牛若丸として有名な源義経(みなもと よしつね)。

「牛若丸」は源義経の幼名(幼少時の名前)。

怪力の武蔵坊弁慶との戦いは有名です。

「義経流」は、源義経が編み出した戦い方。

史実では、明確な証拠があるわけではなく、創造のモノだとも言われてます。
現代の言葉で言うと「強かったのは確かだが、かなり”盛っている”」という感じでしょうか(笑)
#あくまで私個人の解釈です。

作品では、主人公・朽井迅三郎は義経流の使い手という設定です。

「チンギスカン」=「源義経」説

世界を恐怖に陥れたモンゴル帝国の創始者・チンギスカン。

チンギスカンは源義経ではないか、と言う説があります。

少し荒唐無稽な気もしますが、チンギスカンが歴史に登場する前の半生の資料がなく、源義経もまた資料が少ないので、完全に否定はされていません。

まあ、歴史のロマンですね♪

作品では、「チンギスカン」=「源義経」説を知っていると、ニヤリとする所がありますよ♪

でも、まさか・・・ね・・・

おわりに

私は今まで「元寇」に興味がなかったし、ほとんど知りませんでした。
ところが、原作未読で見たTVアニメ『アンゴルモア 元寇合戦記』があまりにも衝撃的!

もっと作品を理解したいと強く思い、調べたことを、本レビューにまとめました。

今回まとめたのは、”事前に”知っておくと作品を”より”楽しめる豆知識

ストーリーが進んでいくと、更に知りたいことが増えていきます。
レビューにできるだけのネタが集まれば、まとめるかもしれません。

まずは、もっと元寇に関する知識を深め、
それから、原作コミックを読みたいと考えてます。(←早く読めって!?)

「これも事前に知っていた方が面白い」という情報があれば追加していきます!

それでは、『アンゴルモア 元寇合戦記』をお楽しみ下さい♪

作品紹介のレビューも書いてます。
ネタバレ「あり」の記事ですが、「前半」はネタバレ「なし」で書いてます
未視聴の方でも参考になると思うので、良かったらご覧下さい。

アンゴルモア 元寇合戦記
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