こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『白い砂のアクアトープ』第9話、鑑賞しました。
新しくできる水族館「アクアリウム・ティンガーラ」から新人飼育員・知夢がやってきた。
知夢をライバル視するくくるだが、逆にマウントを取られてしまう(苦笑)。
“ごっこ”は手厳しいが、ある意味事実・・・
素人にぶっつけ本番、出産間近の獣医の産気に、禁止されていたカニ混入。
この手のミスは、昨今許されない。
ただ、昔ながらの水族館だからこそ良いところ、がまがま水族館ならではの魅力があるはず。
「古き良き時代」 VS 「最先端」対決勃発!?
(リンクは該当箇所へ)
※私なりの解釈を含め考察
白い砂のアクアトープ(全24話)各話リスト
話数 | サブタイトル | レビュー |
第1話 | 熱帯魚、逃げた | まとめ |
第2話 | 濡れるのも仕事のうち | |
第3話 | いのちは、海から | |
第4話 | 長靴をはいた熱帯魚 | |
第5話 | 母の来訪 | |
第6話 | スイーツラプソディ | |
第7話 | アイスで乾杯 | |
第8話 | crab crisis | |
第9話 | 刺客のシンデレラ | 本レビュー |
第10話 | 置き去りの幻 |
各話 |
第11話 | 籠城の果て | 各話 |
第12話 | 私たちの海は終わらない | 各話 |
13話以降はこちらからどうぞ |
※リンクは各話レビューへ
感想レビュー 第9話 「刺客のシンデレラ」

建設中の水族館「アクアリウム・ティンガーラ」の新人飼育員・南風原 知夢(はえばる ちゆ)が、がまがま水族館へ研修にやってきた。
館長の指示で、くくるは知夢の教育係を任されるが・・・
古き良き時代 VS 最先端
新しい水族館「アクアリウム・ティンガーラ」の存在を認めたくない、くくる。
知夢を試すような態度ばかりを取ってしまう。
が、知夢は新人とはいえ、飼育員を目指して狭き門をくぐり抜け、知識も豊富。
幼い頃から水族館に接してきたくくるに対しても引けを取らなかった。
知識として、最先端水族館を知っている知夢。
海の生き物が好きだが、がまがま水族館しか知らないくくる。
「古き良き時代」 VS 「最先端」と言った様相。
『白い砂のアクアトープ』では、水族館はこれまで「がまがま」しか描かれてきませんでした。
初めて水族館関係者が現れ、外から見たがまがま水族館の評価を語ります。
がまがま水族館を批判することで、最新の水族館や飼育員事情をくくるや視聴者に知らせる。
逆説的に、他の水族館にはない、がまがま水族館の個性が見えてくるのです。
知夢から見れば、がまがま水族館のお客は全然魚を見てない。
でも本当は、魚にとても親しんでおり、当たり前の存在になっている。
魚や海の生き物を身近に感じているのが、がまがま水族館のお客様。
水族館は生き物が主役。
来たからには生き物を見なくては意味がない、と考えるのはよく分かります。
が、おじい館長の願いは──
入り口はなんでもいいさね。
こうやって、海の生き物に興味を持ってくれたら。by おじい『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第6話
重要なのは、水族館を通して、海の生き物、命の大切さを知ってもらうこと。
興味や知識は、お客様に押しつけるものではありません。
自然と感じて欲しい。
だから、がまがま水族館での過ごし方に、これが正しいなんてのはない。
それどころか、がまがま以外で、海の生き物に興味を持ってもらっても一向にかまわない。
おじい館長から、そういったスタンスを感じ取りました。

「ごっこ」遊び
あなたはお仕事”ごっこ”をして楽しいかもしれないけど、私は必死なの。
- 中略 -
あなたはまだ高校生で、家業の手伝いをしてるだけよね。
お金を稼ぐ苦労なんて何も分かってない。
甘いわよ。by 南風原知夢『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第9話
くくるに突きつけられる厳しい言葉。
知夢が何を指して、くくるを”ごっこ”呼ばわりしたのかは分かりません。
が、ここまで見ていると、くくるのやっていたのは、確かに「ごっこ」でした・・・
オリジナルアイスや移動水族館。
アイデアは良いが、ノリと規模は部活レベル。
館長代理として、権限得るも──
- 飼育員の経験のない風花に、ぶっつけ本番でペンギン餌やり (2話)
- 出産間近の獣医の先生に連絡してしまい、危うく命を危険に (3話)
- 移動水族館では禁止されていたカニを持ち込んでしまう (8話)
実害が出てないのは、運が良かっただけ。
一つのミスが、大事故に繋がることも。
特に昨今は、この手のミスは許されません。
それと、そもそも、くくるがやってきたことは大した増収に繋がっていません。
「やれることをやっていく」のは聞こえがいいですが、がまがま水族館継続に繋がることは「何一つやってない」のです。
これを「ごっこ」と言わずに何という、ということですね。
ただ・・・
逆に言うと、それでも、くくるに任せておける。
がまがま水族館は、のんびりした所だとも言えるのです。
余計なお世話な・・・余談
今回の知夢の研修について。
確かに、くくるは悪いですが、もっと悪いのは館長です(苦笑)。
現実的な話をすると──
教育係を”当日に”任せるのは、かなり酷い仕事のやり方です。
他社から研修員を受け入れる事など、事前に分かっています。
研修員が来る前に、何を学ばせ経験してもらうか計画します。
その内容を踏まえ、教育係を決め、すり合わせることが必要。
本作では、これら一切を省いて、当日いきなりくくるに指示しています。
それも、くくるが嫌がるだろう事を分かっていながら、やっています。
#くくるが嫌がらないと思っているなら無能です
#くくるが嫌がると分かってやらせたなら乱暴です
相当、いい加減で、意地の悪いやり方です(苦笑)。
くくるに事前に伝えていたら、嫌がっていたとしてもクールタイムがあり、少しは態度が改まったかも。
知夢の能力、知識を事前に伝え、何を学びたいのか分かっていれば、くくるは試すようなこともしなかったかも、もっと知夢に合った研修ができたかも・・・
まあ物語ですからね。
くくると知夢の対立構造を作りたかったのは分かってますが(苦笑)。
はい、余計なお世話でした(笑)。
風花の成長
お客様の前でも、態度を表に出す、くくると知夢。
くくるはあんな性格だから分かりますが(笑)、知夢もとは(苦笑)。
知夢は、くくるより年上で社会人。
この研修に真剣だったのも分かります。
真剣だからこそ、年齢以上に子供なくくるに教えられイラついたのでしょう(苦笑)。
だけど、お客様の前で、あの態度は接客業失格です。
それに比べ、風花はオトナでしたね。

ケープペンギンと言うのは、南アフリカのケープ地方から取った名前で、アフリカにいる唯一のペンギンです。
攻撃的な相手に出会うと、噛みついたりすることもあるそうですが、がまがまの子達はみんな仲良く歩いてま~す・・・
な・か・よ・く、歩いてま~~す。
by 宮沢風花『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第9話
ツンケンする二人を自然にたしなめる。
風花が、がまがま水族館で働き始めて約1ヶ月。
最初はペンギンに餌をやることもできなかったのに・・・
最初、風花は世間知らずで肉体労働なんてできない天然かと思ってましたが、段々飼育員らしくなっていきましたね。

風花はくくると同い年。
でも考えてみれば、風花は中学時代に上京し、アイドル目指して努力してきた。
ジャンルは違えど、ずっと社会の荒波に揉まれてきました。
飼育員の仕事は初めてなれど、人間関係や仕事面、お客様に対しての姿勢は慣れたもの。
風花は高校生でありながら、くくるどころか、知夢よりもずっと社会経験豊富なのです。
余談
風花は、ペンギンのお散歩タイムも、お客様への案内も板についてきました。
やはり、風花は人前で映える。
決して見た目だけでなく、お客様の前で何かをして、お客様に喜んでもらう事にやりがいを感じる──
そういう仕事に向いているのではないでしょうか。
風花の経験は、社会経験だけではありません。
風花は日本の最先端流行を走っていた元アイドル。
その風花が、がまがま水族館に魅力を感じたのなら・・・
がまがま水族館には、都会の人にも通じる魅力があるのではないでしょうか?
その魅力をもっとアピールすれば、集客に繋がるのでは?
風花のアイドルとしてのセンスと、ユーザー目線の視点が活かせるのです。
と思っていたところへ、昔の仲間のルカから電話(苦笑)。
風花にも選択が迫られるのでしょうか?
おわりに (『白い砂のアクアトープ』9話)
前回は、8話までまとめて各話レビューを書きました。(1~8話レビュー)
今回も、まとめて書こうと計画していて、12話鑑賞後、書き始めたところ・・・
9話だけで3,000文字程度に(苦笑)。
考えてみれば、『白い砂のアクアトープ』はストーリー物でありながら、1話完結の形を取っています。
特に、9~12話は、取り扱う内容が次々と変わりました。
まとめて書くよりも、各話で書いた方が書きやすい(笑)。
結局、出遅れ感ありますが、9話から各話レビューに切り替えました(苦笑)。
10話以降もなる早で書いて、最新話に追いつきますね!
以上、TVアニメ『白い砂のアクアトープ』第9話の感想レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
10話のレビューも書いてます。
良かったらご覧ください。
ではでは。
ぱっと見、知夢と風花の顔の区別がつかない(涙)
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