こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『白い砂のアクアトープ』第16話、鑑賞しました。
『白い砂のアクアトープ』はP.A.WORKS制作のオリジナルアニメ。
沖縄の水族館を舞台に、2人の少女の絆や葛藤、成長を描く青春群像劇。
全24話の2クール放送。
2クール目は、舞台をアクアリウム・ティンガーラ水族館に移し、より本格的な「お仕事アニメ」になりました。
では、各話レビューをどうぞ。
(リンクは該当箇所へ)
※私なりの解釈を含め考察
白い砂のアクアトープ(全24話)各話リスト
話数 | サブタイトル | レビュー(R) |
12話以前はこちらからどうぞ | ||
第13話 | 海の遥かなティンガーラ | 各話R |
第14話 | ペンギンチェイサー | 各話R |
第15話 | ウミウシ大論戦 | 各話R |
第16話 | 傷だらけの君にエールを | 本レビュー |
第17話 | くつろぎ処 海月風 | 各話R |
第18話 | あかりの灯るとき | 各話R |
第19話 | さよならハイヒール | 各話R |
第20話 | 迷子のプランクトン | 各話R |
第21話 | ブルー・タートルの夢 | 各話R |
第22話 | 覚悟の帰還 | 各話R |
第23話 | 水族館の未来 | 各話R |
第24話 | 白い砂のアクアトープ | 各話R |
※リンクは各話レビューへ
目次
感想レビュー 第16話 「傷だらけの君にエールを」

ペンギンの孵化が近くなり、泊まり込みをすることになったペンギン担当。
だがなぜか、知夢だけ泊まりのシフトから外されていた。
知夢が特別扱いだとくくるは文句を言うが、その理由を知ると・・・
好きな仕事は何があっても続けたい。
一度手に入れた憧れの仕事を奪われたくない。
プレッシャーが意地となり。
苦労しているから、がまがま組のお気楽ぶりが腹立たしく見える。
話の展開を優先したのか、くくるを子供っぽく短絡的にしているのが気になりますが(苦笑)。
知夢の子育てだけを直接見せるのではなく、獣医・竹下先生の久々の登場でワンクッション置いて働くママを見せるのが上手い。
子供がいると判明した後の皆の反応、館長の言葉──
ティンガーラ水族館は人間関係最悪の職場だと思っていましたが、実は懐広い働きやすい職場でした。
水族館バカ・・・いや、一緒に仕事を楽しむ子がまた増えましたね。
獣医・竹下先生 復帰
私もこれからティンガーラで働くことになったのよ。
by 獣医・竹下先生『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
3話に登場した獣医の竹下先生が再登場。
産休から復帰です。
なんと、竹下先生までティンガーラに(笑)。
これで、がまがま水族館で働いていた人は全員ティンガーラに来ましたね。
今、10ヶ月になったところ。
春から保育園に入れてホッとしたわ。by 獣医・竹下先生『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
竹下先生の出産は3話。
高校の夏休み直前、7月中旬でした。
子供が10ヶ月になったということは、現在は翌年の5月中旬。
ペンギン・どらやきが産んだ卵は35日経過と言っていたので、風花たちが就職した直後に卵は産まれていたのです。
竹下です、よろしく。
あれ?どこかで・・・by 獣医・竹下先生『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
竹下先生を紹介され、目を背ける知夢。
直前に、がまがま水族館で働いていてことが紹介されたので、知夢は「また、がまがま」と辟易したように見えたらミスリード。
知夢は、保育園で竹下先生に見覚えがあったので、子供がいるのがバレると思い、目を背けたのでしょう。
今回は、知夢の秘密と過去が描かれ、これまで気になった点が一気に解消されました。
知夢はシングルマザー
そうやって、皆がフォローしてくれると助かるなぁ。
南風原さんも小さいお子さんいて、大変だからねぇ。by 飼育部長 雅藍洞凡人『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
余談
会社という組織で働いていると、どうしても個人や家庭のプライベートなことを話さなくてはならない事があります。
諸事情あって、上司にしか話したくない事もあるでしょう。
だからこそ、上司は部下のプライバシー情報を慎重に扱わなくてはなりません。
普通は、部下のプライバシーを本人の許可無く話してはダメ。
それも他部のくくるに話すのは、大問題です・・・。
とは言え、知夢の性格だから、本人を説いても過去のトラウマがあるのでなかなか許可しなかったでしょう。
まあ、ある意味、雅藍洞部長の「うっかり」が偶然功を奏した。
結果オーライ。
子供の存在がバレてしまうのは展開上必要だったと思います・・・。
が、それでも本来明かしてはいけないことを話してしまったのだから、雅藍洞部長が知夢に謝るシーンでもあると良かったのですが・・・
まあ、この後記載するように、雅藍洞部長は知夢に気を遣っています。
だから、知夢も雅藍洞部長に対して怒ったりしなかったのでしょうね。
知夢が泊まりのシフトに入れなかったのは、子供がいたから。
それも離婚をして、今は一人で子育てをしていたのです。
これまでも、知夢には時折気になるシーンがありました。
何かあると思ってましたが、子供がらみだったのです。
なるべく近い研修先 (9話)

君には、がまがまに行ってもらう。
研修先はなるべく近い方が、都合がいいって言ってただろ?by 飼育部長 雅藍洞凡人『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第9話
短期間とは言え、研修先に子供を連れて行くわけにはいきません。
研修先に都合良く入園できる保育園があるわけもない。
恐らく、研修期間中、子供は親に預けて、何かあってもすぐに戻れるよう近い場所を希望したのでしょう。
シフトの融通 (13話)
知夢:部長、ここにある専門書、借りて帰ってもいいですか?
部長:偉いな、勉強するの?
知夢:はい。家で読みます。シフトとか色々融通してもらっているので。
部長:あんまり無理するなよ。
知夢:大丈夫です。ずっとやりたかった仕事だから、もっと知識を付けたいんです。by 『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第13話
「シフトを融通」。
この時は、なぜ知夢がシフトを融通してもらっているのか、その理由は語られませんでした。
子供を預けられる時間帯しか働けなかったから、シフトを調整してもらっていたのでしょう。
急用 (15話)
ごめん、ちょっと急用。
by 南風原知夢『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第15話
薫との昼食時、スマホを見て、急用ができたと席を立つ──
恐らく、子供に異変、もしくは子供関連で問い合わせが入ったのでしょう。
後に明かされるように、子供のことは薫にも話していなかったのです。
こうして書き上げると子供が原因だと当たり前に思います。
でもまさか知夢に子供がいるなんで想像もできなかったので、全く気付きませんでした。
仕事をしたいからこそ無理してた

どういうつもり!
どうしてここに、あなたの名前があるの!?あなたに飼育の仕事を手伝って欲しいなんて、一言も言ってない。
勝手な真似しないで。ちょっと飼育の経験があるからって、人の家を土足で踏み荒らすようなことは止めてよ!
私だって仕事したいのに!
私の仕事を奪わないで!by 南風原知夢『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
“もっと”仕事をしたいのに、できない。
憧れの仕事だから、生き物が好きだから、本当はもっと世話をしていたい──
知夢:困ります。シフト変更なんていきなり言われても・・・すいません、泊まりは無理です。
部長:分かった。南風原さんだけ外して、シフト組んでみるから。by 『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
この時、暗い影を落としたのは、知夢はきっと悔しかったのではないでしょうか・・・
自分が、思い通りに仕事をできないことを。
そこへ、くくるが平然とシフトに入ってきた──
がまがま水族館でアルバイト感覚で仕事をし。(と知夢は思ってます)
館長のコネで、ティンガーラへ就職。
知夢は苦労して、やっとの思い出、ティンガーラの飼育員を手に入れた。
前職では、育児で休みがちになり退職に追いやられた。
前職で仕事を取られたトラウマが蘇り、少しずつ居場所がなくなるのを、くくるの行為に重ねてしまったのでしょう・・・。
重ね合わせる一人の戦い

私ね、今まで南風原さんのこと好きじゃないけど。
って言うか、今も別に好きじゃないけど。水族館の仕事が好きで、一人で戦ってたのかな、って思うと・・・。
なんだか人ごとに思えなくて。by 海咲野くくる『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
がまがま時代、くくるは閉館を避けるため必死で戦っていた。
がまがま水族館を継続させ働き続けるために、孤軍奮闘していた。
知夢は、新たに掴んだ飼育員の仕事を続けるために、一人子育てに奮闘していた。
自分の居場所がなくならないよう必死に戦うのは、くくるも経験済み。
なくなった時の悔しさは、くくるは十分知っている。

知夢の大切な仕事を、居場所を、くくるは奪ってしまった。
もちろん、くくるは事情を知らなかったし、知夢は嫌いだが、決して知夢の仕事を奪う気はなく、ただ良かれと思っただけ。
その気はなかったとは言え、結果的に居場所を取ってしまった。
居場所がなくなることがどれだけ辛いか、くくるは十二分に知っている。
だから、くくるは反省し、そして知夢に同情したのです。
知夢のことは嫌いですが(笑)。
知夢が、水族館の仕事を飼育員を本気で好きだと、分かったのです。
これが最後の──
南風原さんて、もしかして水族館バカですか?
私も、なんです。by 海咲野くくる『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
に繋がるわけですね。
皆、何かを抱えてます。
好きな仕事ができない人もいます。
でも、目の前にいる子たちは、水族館が好きでティンガーラで働いている。
自分の夢を叶え、今の職に就いている。
水族館が好きで、海の生き物が好きで、そんな人たちの集まりなのです。
必要とされている
雫くん。
ママね、ティンガーラにとって、とっても大切な人なんです。
生き物たちのママでもあるんですよ。by ティンガーラ館長 星野晃『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第16話
子供がいると知られると、邪魔者扱いされると思っていた知夢。
職場には迷惑がられて、職を追い出されると思っていた。
ところが、ティンガーラでは思わぬ反応。
同僚のマリナは、雫が可愛いと喜び、風花は雫に館内を見せてあげればと促す。
そして、館長の言葉──
「ママね、ティンガーラにとって、とっても大切な人なんです」
邪魔なんかではない。
迷惑なんかではない。
ティンガーラは自分を必要としてくれる。
憑き物が落ちたように、すっきりした顔になった知夢。
知夢はようやく、不安が解消され気が楽になったのではないでしょうか。
これでまた、一緒に働ける仲間が増えましたね。
いや・・・互いに助け合い支え合っていく仲間が増えたのです。
おわりに (『白い砂のアクアトープ』16話)
多様性を認める物語、夢に向かって働く人を応援する。
今話は色んな捉え方ができ、見る人によって違う感想がありそうです。
今話は知夢回に見えますが、くくるの成長も描かれました。
くくるは、自分が一番水族館が好きで、生き物の飼育なら誰にも負けないと考えている節がありました。
それが、一人育児をしながら飼育員を両立している知夢を知り、育児で自分の時間が持てないのに獣医をやっている竹下先生を知り、そうまでして生き物に関わりたいと思っている人がいるのだと気付いたのです。
水族館で働く人は、誰よりも優しくあらねば。
ならば、頑張っている人たちに対して優しくあらねば。
知夢は嫌いな人ではなく、水族館が好きな、同じ職場の人なのです。
前半は、くくるのちょっと暴走気味が鼻につきました。
が、後半、くくるは成長を見せたのです。
同時に、知夢の夢も描いていました。
一度掴んだ飼育員の仕事を絶対に手放したくない。
それほどまでに、知夢の夢へのこだわり。
シングルマザーの大変さよりも、私はそこに心を打たれました。
以上、TVアニメ『白い砂のアクアトープ』第16話の感想レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
17話のレビューも書いてます。
良かったらご覧ください。
ではでは。
監視だけなら在宅勤務を導入しましょう
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