こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『白い砂のアクアトープ』第18話、鑑賞しました。
『白い砂のアクアトープ』はP.A.WORKS制作のオリジナルアニメ。
沖縄の水族館を舞台に、2人の少女の絆や葛藤、成長を描く青春群像劇。
全24話の2クール放送。
2クール目は、舞台をアクアリウム・ティンガーラ水族館に移し、より本格的な「お仕事アニメ」になりました。
では、各話レビューをどうぞ。
(リンクは該当箇所へ)
※私なりの解釈を含め考察
白い砂のアクアトープ(全24話)各話リスト
話数 | サブタイトル | レビュー(R) |
12話以前はこちらからどうぞ | ||
第13話 | 海の遥かなティンガーラ | 各話R |
第14話 | ペンギンチェイサー | 各話R |
第15話 | ウミウシ大論戦 | 各話R |
第16話 | 傷だらけの君にエールを | 各話R |
第17話 | くつろぎ処 海月風 | 各話R |
第18話 | あかりの灯るとき | 本レビュー |
第19話 | さよならハイヒール | 各話R |
第20話 | 迷子のプランクトン | 各話R |
第21話 | ブルー・タートルの夢 | 各話R |
第22話 | 覚悟の帰還 | 各話R |
第23話 | 水族館の未来 | 各話R |
第24話 | 白い砂のアクアトープ | 各話R |
※リンクは各話レビューへ
目次
感想レビュー 第18話 「あかりの灯るとき」

全社員に募集をかけた企画の中から、朱里が考えた「コスプレイベント」が採用された。
副館長が企画実施をくくると夏凛に任せると言うと、くくるは発案者の朱里がやるべきだと主張するが、当の朱里に興味はなかった・・・
好きなことを仕事にできる人は、少ない。
好きなことを仕事にできても、苦労してない人はもっと少ない。
仕事を好きになっても、好きなことを仕事にしても、悩みはある。
仕事に誇りを持っているから、時にぶつかり、いがみ合う・・・
ギスギスしていたのは過去の話。
気付けば社員が一丸となり頑張っている。
何より、今回の企画を皆が楽しげに取り組んでいるのが気持ちいい。
一歩引いていたアルバイトの朱里の心にも、少しだけ灯がともる。
水族館バカが集まった中、”普通の感覚”である朱里を通して描かれる。
好きな仕事をしている人は輝いて見える。
イベント企画も高校の部活レベルから社会人レベルに拡大です。
がまがま水族館時代とは予算が桁違いですね(笑)。
アルバイトに責任ある仕事をさせられない
真栄田くんの企画が採用された。
職員が魚のコスプレをするという君の企画を、館長が大絶賛された。by 諏訪哲司 副館長『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
朱里の企画が採用。
これは何のことかと言うと・・・
オープニング前、くくると朱里が歩いていた通路に掲示されていた──
ティンガーラの生き物たちのファンを増やしましょう。
全職員参加!!
大胆面白企画 大募集!by 張り紙『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
企画募集に全社員が応募したからですね。
余談
全職員と言っても、会社によっては正社員のみ(派遣、パート・アルバイトは除く)なんてのもありますが、アクアリウム・ティンガーラはちゃんとアルバイトも対象とする”今どき”の会社ですね。
まあ、そういう面倒なことをやりたくないからパート・アルバイトがいいという人もいるので、今回のような企画は本人が喜んでいるのかどうかは分かりませんが(苦笑)。
くくる:企画した真栄田さんが中心になった方がいいと思います。
真栄田:えっ!?
副館長:真栄田くんはアルバイトだ。そこまではさせられない。
くくる:アルバイトとか関係ないと思います。by 『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
出ました、がまがま組のお人好し、いや、くくるが特別か(苦笑)。
くくると副館長が言っていること、どちらが正しいのか?
副館長の言っている「アルバイトにそこまでさせらない」が、概ね正しいです。
朱里が言っている「私バイトですし、進んでやりたいわけではない」の感覚も正しい。
アルバイトは社員より給料も安く、責任ある仕事を任せるには問題となる場合が出てきます。
補足
法律で「アルバイトに責任ある仕事をさせてはいけない」と決められているわけではありません。
アルバイトに(社員と同じような)責任ある仕事を求めるなら、社員と同等の給与を与えなさない、と決められているだけです。(同一労働同一賃金)
通常、アルバイトはサポート要員なので、社員より給料が安く設定されています。
安い給料で雇っているなら、あくまで(給与に見合う)業務しかさせてはダメなのです。
ティンガーラはクラブ活動ではなく、会社です。
くくるは「企画を考えた人が中心になるべき」と尤もらしく言ってますが、会社は求める仕事に見合う給与を支払わなくては、会社が責任を問われます。
とは言え、今回の企画を中心になってやれば「社員と同じか」、と問われるとYESとも言い切れません。
本件以外がサポート業務なら社員より軽い業務だからです。
むしろ、本人にやる気があるかどうかの方が重要。
朱里は、自分がやることに興味なさそうです。
その状態で、無理にさせる方が問題です。
よって、今回のやりとり「副館長が正しい」どころではなく・・・
くくるがいつもの調子でムリヤリ朱里に企画の中心をさせていたら問題になったかもしれなかったのを、副館長が諫めた、とも取れるのです。
ちなみに・・・
今回のようにくくるや夏凛の二人が中心となって企画準備を進め、それを手伝うのはなんら問題はありません。
普段からやっているサポート業務とさほど変わらないので。
コスプレイベントの狙い
朱里ちゃんの企画、すっごくいいですよね!
職員が魚のコスプレをして、お客さんが、その名前を答える。
正解したら、お魚シールをあげて、全部集めたらプレゼントが貰える。楽しみながら魚に興味を持って貰える。
とても素敵な企画ですよ。by 海咲野くくる『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
くくるの説明を聞いただけでは、企画の意図がよく分かりませんでした。
#すいません、鈍くて(苦笑)
最後まで見てようやく狙いが分かりました。
この企画は「ティンガーラの生き物のファンを増やす」ことが目的。
朱里の案は──
職員が“ティンガーラにいる”生き物のコスプレをして、その名前を当ててもらう。
プレゼント目当てとは言え、お客さんはコスプレを見て生き物の名前を調べる──
コスプレに名前が書いてあるわけではなく、職員がなんのコスプレをしているか、水族館中を探す、あるいは図鑑かスマホで、生き物の名前を調べる──
朱里の企画は、ティンガーラにいる生き物の名前を知ってもらうキッカケを作るのです。
企画の狙いが分かると、その後のやりとりが理解できます。
企画の目的から外れてないか?
by 島袋薫『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
マリナがマーメイドのコスプレをしたいと言いだし、たしなめる薫。
薫が否定した理由は、ティンガーラ水族館にいる生き物のファンを増やすのが目的なのに、関係のないマーメイドのコスプレをしても意味がないからです。
だけど、くくるは考え込み──
くくる:面白いかも。イベント全体が盛り上がれば、生き物に注目して貰えるチャンスも増えると思うし、この企画の目的も果たせると思うんです。
夏凛:マーメイドだけじゃなくて、他にも海に関係するコスプレをしてみたらどうかな?
by 『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
魚ばかりのコスプレよりも、海に関するコスプレをして、コスプレ企画全体を盛り上げる。
それが結果的に──
お魚コスプレイベント
海の生き物を”探して”ぬいぐるみをもらっちゃおう!
海にまつわるコスプレをしたスタッフが
館内のいろんな所にいるよ。
その中から「ティンガーラにいるお魚」の
コスプレをしているスタッフを7人見つけてね!by 案内『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
海にまつわる様々なコスプレをしているスタッフの中から、「ティンガーラにいる魚」を探し出すゲーム性を取り入れたのです。
コスプレする魚の種類ですが──
シロワニ、オニイトマキエイ、アオウミガメ、ハナゴイ、カスミチョウチョウウオ、ミズクラゲ、ヒカリキンメダイ、ヨスジリュウキュウスズメダイをチョイスしてみました。by 比嘉瑛士『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
比嘉が選んでいたのは、ティンガーラにいる「正解」の魚。
ティンガーラにいる生き物で、知ってほしい生き物を選択していたのは飼育部だったのです。
余談
正解は7つのはずなのに、8種類選んだのはなぜでしょうか?
ひっかけ問題でしょうか(苦笑)。
こうして、「生き物を知ってもらう」きっかけを作ったのです。
単に、コスプレ姿を見せて楽しんでもらうイベントではないのです(笑)。
今どきの子?
くくるさんみたいに、水族館大好き人間でもないですし。
by 真栄田朱里『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
サラッと毒舌吐いて、定時で上がる朱里さん・・・
「自分は水族館大好き人間ではない」
くくるにとっては、なかなかキツい一言ですが、くくるに対してはこれくらいはっきりと言わないとダメですね(苦笑)。
くくるは、生き物のことを知れば、全ての人が生き物を好きになってくれると思っているタイプですから(笑)。
朱里ちゃん、水族館に興味があってバイト始めたわけじゃないんだよね。
でも、ちょっと好きになってきたのかなって思ってたんだ。by 海咲野くくる『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
くくるは、朱里が水族館に興味があるわけではないと知ってました。
が、最近は生き物に興味を持っていると思っていた・・・
朱里が、楽しそうに仕事をしたり、前話のようにプライベートでもくくる達に付き合ってくれたからでしょう。

でも、前話の懇親会では、朱里の会話に生き物の話題は皆無でした。
一番興味を持っていたのは風花のスキンケアです(笑)。
朱里の心に灯がともる
では、くくるは、なぜ朱里が水族館を好きになったと思ったのでしょうか?
私が思うに──
朱里は、水族館に興味を持ったのではなく、ティンガーラで働いている人たちが気になり始めたのではないでしょうか?
だって、こーんなキラキラした目で魚見てたから。
by 真栄田朱里『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
朱里は仕事を淡々とこなしているわけではなく、人をよく見ています。
水族館や生き物に興味があるのではなく、そこで働いている人に惹かれているのです。
くくるだけではなく、生き生きとしている薫にも・・・
ティンガーラで働いている人に興味を持ち、なぜ生き生きしているのか考える──
私は皆さんみたいに、好きなこともないし特にやりたい仕事もないんです。
by 真栄田朱里『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
ティンガーラで働いている人たちは、自身が憧れていた仕事に就いている。
好きなことを仕事にする、好きな仕事に就く──
だけど自分には、好きな事も、やりたい仕事もない・・・
自分もそれだけ好きなことがあったらと羨ましく思う反面、好きな仕事でも悩んでいることを知る──
好きなことを仕事にしても、いろいろあるんですね。
好きなことやっている人って、皆楽しいんだろうなって思ってたんですけど、楽しいだけじゃないんですね・・・。by 真栄田朱里『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
好きなことを仕事にしていても楽しいことばかりではない。
好きな仕事をしていても、自分と同じように悩んだりしているのだ。
推測
朱里は好きなことや、やりたい仕事はありません。
だからと言って積極的に片っ端からチャレンジするタイプでもなく、なんでも程々にそつなくこなすタイプなのでしょう。
本気出してやるのは、好きなことが見つかってからでいい。
好きなことがあれば、熱中できる、と考えていたのかも。
だけど今回知ったのは、好きなことでも辛いことはある。
ならば、なんでも興味を持ってみよう。
あるいは、周囲が好きなことに、自分も興味を持ってみよう。
周囲の熱にあてられ、いつも平熱だった朱里の心に灯がともったのではないでしょうか。
友達との約束、キャンセルになっちゃいました。
なので私もお手伝いします。このまま帰ってもやることないですし、たまにはいいかなって。
来てくれた人に楽しんで貰えたら、私も嬉しいかも。
by 真栄田朱里『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
好きなことがないのは、そう多くはないかもしれません。
ですが、学生時代は、やりたい仕事なんて無い人の方が多いのではないでしょうか?
キッカケは様々でしょうが、縁ができた仕事。
たくさんある中で、何かが引っかかって、その仕事を選んだはず。
その仕事を前向きにやることで、ちょっとでも好きになれれば・・・
夏凛:見て見て。
朱里:海賊ですか?
夏凛:私これ着ようと思って。
朱里:いいですね。
夏凛:朱里ちゃんも一緒に着ようよ。
朱里:私はいいです。
夏凛:そっか・・・by 『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
中盤で、夏凛に一緒に着ようと誘われた海賊衣装。
断ったのはコスプレだけではなく、朱里はお客様の前へ出る気もなかったのではないでしょうか。
それが、当日、海賊衣装を着て、表に出た。
朱里の心に灯がともり、一歩前進したのです。
今回も素敵な面々
前話に続いて、今回も各人がいい味出してきましたね。
具殿轟介 (ぐでん ごうすけ)
薫ちゃん、話してみて。
- 中略 -
薫ちゃんが、浦島太郎ね。
by 具殿轟介『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
空也を逃がさなかったり、薫の背中を押したり・・・
前話でもそうでしたが、ウミやんは年長者として、薫をサポートしています。
すっかり薫も打ち解けてますね。
比嘉瑛士 (ひが えいじ)
タイやヒラメに代わって、ヒカリキンメダイとカスミチョウチョウウオの舞い踊りです。
チャ~チャチャチャ~
by 比嘉瑛士『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
タイやヒラメの舞い踊り。
ならぬ、ヒカリキンメダイとカスミチョウチョウウオにコスプレした職員の舞い踊り。
比嘉は、前回の「パフパフ」から、”こういう”要員になってきましたね。
いい味出してます(笑)。
南風原 知夢 (はえばる ちゆ)

私は着ないからね。
無理!雫も来るのにそんな格好できないってば。by 南風原知夢『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
何でもかんでも反抗的だった知夢はどこへやら(笑)。
なんだかんだ言っても、最後には皆に倣ってマーメイド衣装を着るのが良き
職員が一丸となり、よいチームになってきました。
諏訪哲司 (すわ てつじ)
何か言いたいことでもあるのか?
by 諏訪哲司 副館長『白い砂のアクアトープ』TVアニメ第18話
“あの”副館長が海賊のコスプレ!?
中盤、夏凛が朱里に海賊の衣装を勧めていたので、営業部は海賊衣装で揃えたのでしょう。
本編ではありませんが、公式ツイッターで公開されているミニ映像で、副館長が気に入っていたのではないかと夏凛は評しています。
🎬 #白い砂のアクアトープ みに🎬
放送終了後は、キャラクターたちが第18話の内容をちょっとだけ振り返り🧭
さらに第19話の見どころもご紹介
今回はくくると夏凛が担当
ウミウシ展に続いて、コスプレイベントも大成功させたくくる✨
次回は風花の後輩・城居ルカが登場🐬https://t.co/TMpy8g7V2o pic.twitter.com/2f975MlTI5
— 『白い砂のアクアトープ』TVアニメ公式 (@aquatope_anime) November 4, 2021
お客様からの評価も高かったようで、ミニ映像は必見です!
おわりに (『白い砂のアクアトープ』18話)
朱里が出したアイデアが、プロの手によって商品化されていく──
うどんちゃんの手によって、サンドイッチはメニュー化され。
コスプレ企画はバージョンアップしてお客様に披露。
朱里は何を思ったか?
朱里が簡単に仕事を好きになるでもなく、少しだけ興味を持つ。
地味だが、実に地に足ついた展開。
決して積極的ではない、なんとなくから始まる興味。
そこまで熱くはなれないのは、朱里の性格?
いや、実際これくらいの温度感と興味の持ち方の人が大半では?
そんな中、真剣に取り組む人たちの熱にあてられて、少しずつ社会人の事実を知っていく朱里の描き方が上手い。
実に真っ当なお仕事アニメですね。
以上、TVアニメ『白い砂のアクアトープ』第18話の感想レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
19話のレビューも書いてます。
良かったらご覧ください。
ではでは。
朱里を年下扱いしてますが
大学生だから、くくる達と同い年か年上なのでは・・・
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