荒ぶる季節の乙女どもよ。

コミック【荒ぶる季節の乙女どもよ。】7巻感想 皆が幸せになれるわけではない 真剣なだけに心の闇が露呈する

荒ぶる季節の乙女どもよ。

こんばんは。時文です。
TVアニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』鑑賞後、原作を読みました。
本レビューは、原作コミック7巻を取り上げます。

荒ぶる季節の乙女どもよ。』は『別冊少年マガジン』で2017年1月号から2019年10月号まで連載されていた漫画。
コミックは全8巻で完結。

荒ぶる季節の乙女どもよ。各話リスト

TVアニメ
話数
サブタイトル レビュー
(リンク先はレビューへ)
原作巻数
(リンク先はレビューへ)
1話 豚汁の味 全体R
1巻
2話 えすいばつ
3話 バスガス爆発 2巻
4話 本という存在
3巻
5話 私を知らぬ間に変えたもの
6話 乙女は森のなか 4巻
7話 揺れ、の、その先
5巻
8話 Legend of Love
9話 キツネノカミソリ 6巻
10話
7巻
(本レビュー)
11話 男女交際禁止令
12話 乙女心のいろいろは 8巻

はじめに

本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想レビューです。

ここでは、アニメと原作コミックの違いをメインに、原作を読んで改めて感じたことをレビューします。

荒ぶる季節の乙女どもよ。』全体を通した感想はTVアニメ版レビューへ記載しています。
良かったらご覧下さい。
#アニメレビューはこちら

本レビューの内容
  • アニメでカットされた原作部分
  • アニメオリジナルシーン
  • 原作を読んで分かったこと

見出しの頭にアニメオリジナル、原作のみの記号を記載したのでご参考に。

  • ア):アニメオリジナルシーンに関する記述
  • 原):アニメではカットされたシーンに言及

TVアニメ 第10話「穴」

和紗を除いた、皆が覗いてしまった「穴」
自分の中にある抑えきれない感情、仲間の知られざる行動、そこから来る感情の変化。

10話はほぼ6巻の内容。

10話の終盤、波乱の一夜が明け、和紗が泉と二人で学校へ行くシーンからが7巻スタートです。

ps
ちなみに、和紗は「穴」のある下着を見つけてしまった、と言う意味での「穴」でもあります。

原) 曾根崎部長は照れていた

本郷を追いかけ、天城と二人でホテル街まで行ってしまい、彼に思わぬ事を言われた曾根崎部長。
翌朝、天城が元気に「おはよ!」と声を掛けると、曾根崎はそっけなく「おはよう」と・・・

天城から目を逸らし、消え入りそうな声・・・
あまりにそっけないので、何かあったっけ?とアニメ鑑賞時、私は思ってました

原作ではちゃんと天城の方を向いてます。

天城:はよ!
曾根崎:・・・おはよう

友達:(良いね!夫婦の挨拶!)
天城:(うっせ)

※()内がアニメではカット

by 『荒ぶる季節の乙女どもよ。』コミック7巻

なんだ、曾根崎部長は「照れて」いたのですね!

改めてアニメのこのシーンを見ると、確かに曾根崎部長顔を赤らめ照れてます
でも、どちらかと言うと、顔を背けるような素振りと元気のない返事の方が印象が強く「天城を避けている」ように見えてしまいました。

その後の回想シーンで、昨夜のことを思い出し、天城に対し良い感情を持っているのは分かっていたので気にはしてませんでしたが。

私の読み取り方が悪いのかもしれませんが、ちょっと引っかかってました。
原作読んで修正できたので良かったです。

TVアニメ 第11話「男女交際禁止令」

原) もーちんはボソッと言ってます

アニメAパート冒頭、川辺で和紗ともーちんが話す場面。

菅原氏も来てくれなかったしね・・・

by 須藤百々子『荒ぶる季節の乙女どもよ。』TVアニメ11話

この言葉、和紗が拾わなかったので、相変わらす和紗は自分勝手だなと思ってました(苦笑)

原作を読んで分かりました。

もーちんのこのセリフ、原作では、彼女は「ボソッ」っと言っているのです。
恐らく和紗が聞こえない程度のボリュームで・・・

だから、和紗に非があるわけではありません。
和紗さん、失礼しました!

原) 消えて!

和紗が、菅原氏の本心を聞き、菅原氏より先に「えすいばつ」しようと、焦って泉の所へ行く場面。
泉に迫って、困らせる。

その後、メール便で、えっちぃ下着が届き、それを切り刻む和紗。

アニメ鑑賞時、なんとタイミングの悪い・・・とギャグシーンだと解釈してました。

が、原作では、このシーンが一連の流れになってます。

泉の家を出た後──

・・・私
無理やり女の人に迫ろうとする、だめな男の人みたい

※アニメでは全文カット

by 小野寺和紗『荒ぶる季節の乙女どもよ。』コミック7巻

切羽詰まっていたと言え、相手の気持ちも考えず、雰囲気も何もなく、関係を迫る和紗。

和紗の悪い所。
思い詰めると短絡的な思考になり直情的に動いてしまう

そして、届いたメール便の中身を確認する際。

どうしてこんなにスピード発送なの!

(泉のブルーレイみたく)
これ誰かが見つけちゃったら・・・!!

※()内がアニメではカット

by 小野寺和紗『荒ぶる季節の乙女どもよ。』コミック7巻

なるほど、和紗が見つけた泉のエッチなブルーレイのことを思い出し、切り刻み処分することにしたのです。
何せ、大事な所に穴が開いている下着ですから、意図がバレバレですからね・・・

そして、切り刻んでいる間に・・・

もっとちっちゃく。
ちっちゃく、ちっちゃく・・・

(ちっちゃくなって、消えて

(──「和紗は細かく切り裂いた下着を放り投げる」──)

(消えて)

※()内がアニメではカット

by 小野寺和紗『荒ぶる季節の乙女どもよ。』コミック7巻

下着を切り刻んでいるうちに和紗の目が死んでいきます・・・
アニメよりもずっと深く・・・

さっき泉に言ったことを消したいのか、自分の性欲を消したいのか、それとも自分の存在自体を消したいのか・・・

直後の曾根崎部長のシーンにヒントが。

大きくなっていくわ。
私の中で、私への違和感が。

文学においての精神的葛藤を愛しながら、他者の感受性のゆらぎを否定する。

常識とルールを重んじながら、多数派に属することもできない。

by 曾根崎り香『荒ぶる季節の乙女どもよ。』コミック7巻

曾根崎部長が感じる違和感とは種類が違うでしょうが、和紗も自分の中の違和感が許せないのでしょう。

和紗は”性”のことを知る前は、二人の時は、普通に泉に接することができた。
“性”のことを意識し始めると、泉が”異性”であることをどうしても意識してしまう。

自分も泉と「えすいばつ」をしたい気もするし、恐怖もある。

泉が女子に性的欲求を感じているのなら、(菅原氏のプレッシャーがあったとは言え)開き直って「えすいばつ」を迫ると拒絶される・・・

この自分の中の違和感、得体の知れない感情を「小さく」したかったのではないでしょうか

とても印象的なシーンでした。

気になる方はぜひ原作を!

おまけ) 声優さんによる「荒ぶる季節の座談会」

巻末にはTVアニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』放送直前を記念した、文芸部員5人の声優さんの座談会が!

4ページに渡り、読み応えあり。

私のダムがザパーン!

和紗役の河野ひよりさんは、

和紗は私のことでは?

by 『荒ぶる季節の乙女どもよ。』コミック7巻

と思う位、共感し、「荒ぶる季節」をやり直しているほどだと。

会話の中で、本郷先輩役の黒沢ともよさんがチクり言うと、曾根崎部長役の上坂すみれさんがたしなめる・・・
さながらアニメの文芸部員を見ているよう。

声優さんご自身と演じるキャラクターとの共通点などが述べられ、だから自然な演技ができたのかな、などと感じました。

『荒乙』はコメディ?

なかでも面白いのは原作者岡田麿里さんから声優さん達に向けられたメッセージ。

この作品はコメディですから楽しくやってください。」

「童貞を扱ったコメディはあるけど、処女を扱ったコメディはないから作ってみました

by 『荒ぶる季節の乙女どもよ。』コミック7巻

笑ってしまうシーンは多々あれど、笑っていいのかよく分からない、私はそんな感じで『荒乙』を見てました。
が、作者ははっきりとコメディと言っているのです。

私が男だから、気恥ずかしく感じただけかもしれません。

男子の童貞を面白おかしく取り扱うコメディ作品同様、女子の性を取り上げる。

ゲラゲラ笑うコメディと言う意味ではなく、真剣に考えてしまうと暗くなるテーマ
ナイーブな話題だけど、笑い飛ばしてしまう位の感覚で見て欲しい

そんな思いが込められたメッセージなのかもしれないですね。

オススメの本!?

座談会の最後の質問は、文芸部員達に、どんな本を読ませたいか?
声優さんの回答が、これがなかなかアニメ同様、荒ぶってます!

興味ある方は原作をご覧下さい!

おわりに (原作コミック『荒ぶる季節の乙女どもよ。』7巻とは)

なんと、これまでにないスピードで原作を消化。
1冊を、ほぼ1話でアニメ化。

それでいて、飛ばした部分は殆どありません。
本レビューで取り上げた部分しかカットされてませんでした。

原作漫画は、数ページ、数コマ使って描写しているシーンがあるのも確か。
それもあってかアニメを見ても違和感を感じませんでした。

決して、拙速ではない。
最終回に向けて5人の出来事が収斂されていく展開が、スピード感を持って描かれる。

上手いです!

以上、『荒ぶる季節の乙女どもよ。』原作コミック7巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

いよいよ次巻は完結!
最終8巻のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はTwitterにて。

ではでは。

きょうのひとこと

実は一番変化したのは曾根崎部長

関連レビュー

アニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の感想レビューには、全体通じて感じたことを書いてます。
良かったらご覧下さい。

アニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』のレビューはこちらをどうぞ
荒ぶる季節の乙女どもよ。
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