彼方のアストラ

原作コミック【彼方のアストラ】1巻 感想レビュー 楽しいはずの惑星キャンプが一転・・・全てはここから始まった「導入編」

彼方のアストラ
オススメ度 A
ジャンル SF、冒険
作者 篠原健太
出版社 集英社
ストーリー
設定
世界観
感情移入
1巻あらすじ

時代は、宇宙への往来が当たり前になった西暦2063年。

高校生8人と10歳の女の子が1人。
男女計9名が、学校の課題である惑星キャンプへ参加。
無事惑星に送り届けられ、子ども達だけの楽しいキャンプが始まろうとした矢先・・・

突如、予期せぬ事態が発生する──

こんばんは。時文です。
TVアニメ『彼方のアストラ』鑑賞後、原作コミックを読み始めました。

コミック『彼方のアストラ』はウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」で連載。
全5巻で完結。

「マンガ大賞2019」で大賞を受賞。
「このマンガがすごい!2019」オトコ編で3位

コミック1巻はTVアニメの1~2話に相当。

TVアニメ
話数
サブタイトル 原作巻数
(リンク先はレビュー)
1話 PLANET CAMP 1巻(本レビュー)
2話 WILDERNESS
3話 METEOR 2巻
4話 STAR OF HOPE
5話 PARADISE
3巻
6話 SECRET
7話 PAST
4巻
8話 LOST AND FOUND
9話 REVELATION
10話 CULPRIT 5巻
11話 CONFESSION
12話 FRIEND-SHIP

本レビューでは、原作コミック1巻を取り上げます。

ストーリー全般についてのレビューは、TVアニメ感想レビューへ記載。
良かったらご覧下さい。

彼方のアストラ
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はじめに

本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想レビューです。

原作未読でTVアニメ『彼方のアストラ』を見て、ミステリー要素がある展開にハマりました。
放送終了後、物足りず、原作コミックを読むことに♪
さあ、原作ではどのような冒険劇を見せてくるでしょうか♪
楽しみです!

ここでは、原作コミックとアニメとの違い、原作を読み初めて分かった情報についてレビューします。

まず読んで分かったのは、TVアニメは原作にかなり忠実。
ストーリーは勿論、キャラクターデザイン、構図、セリフに至るまで。
吹き出し以外に書かれているセリフ(ボソッと言っている感じの奴)まで、キチンとアニメ化!

原作を読んで、TVアニメはかなり丁寧にアニメ化されていることが確認できました。
なんだかうれしいですね♪

むしろアニメオリジナルが結構あるのも確認。
より分かり安くなったり、感動するシーンに変更されているので、これもうれしいですね♪
気になったアニメオリジナルシーンも紹介していきます。

それでも尺の問題でしょうか、原作の一部がカットされています。
アニメでカットされた箇所を読み、より理解できた点を中心に、順を追って紹介します。

それとシーンの構成(順番)が少し変わってます。
数が多いので、印象を大きく変えた箇所のみ取り上げます。

見出しの頭にアニメオリジナル、原作のみの記号を記載したのでご参考に。

  • ア):アニメオリジナルシーンに関する記述
  • 原):アニメではカットされたシーンに言及

TVアニメ 第1話「PLANET CAMP」

ア) アバンはアニメオリジナル構成

TVアニメの1話冒頭。
アリエスが一人宇宙を漂うシーンから始まります。
原作にもこのシーンはありますが、出てくるのは時系列通り。

冒頭(アバンタイトル)に入れたのはアニメオリジナル構成

ハリウッド映画のような演出と入り方。
緊迫感が高まり、ミステリアスな作品だと予感させるカッコいい入り方ですよね!

ア) 着替えシーンはアニメオリジナル!?

TVアニメ1話。
女子チームのクラストスーツ(宇宙服)に着替えるシーンは、原作コミックにはありません。
アニメオリジナル。

ただ、ネタ元は、原作の話と話の間に掲載されたオマケ情報
そこに各人のクラストスーツ解説があるので、活用したのでしょう。

が、ストーリーに関わる情報はなし。
キトリーとフニシアの関係を示すシーンになってはいますが、他のシーンでも描かれているので、わざわざ長い時間を使ってまで入れ込む程の必要性は分かりません。

原作のオマケ情報の解説では、

現代のもので例えるならスキーウェアのようにカジュアルなアイテムで、各メーカーから様々なデザインのものが市販されている。

by 原作コミック『彼方のアストラ』1巻

(恐らく)一般の人が宇宙服を気軽に買えるほど、宇宙は身近なものであると描写したかったのだと思われます。
相当、科学が発達した時代なんだなと、との意味合いもあるのかも。

私は、アニメ初見時、クラストスーツのメーカーか、着る手順か何かが、伏線になると踏んでいたのですが(苦笑)。

ア) 原作ではカナタの反重力ユニットは故障してない

カナタの靴に備わっていた「反重力ユニット」。
惑星マクパに到着直後、歩き出すと故障

これは、アニメオリジナル。

なぜ故障させたのか?

次の惑星でフニシアを助ける為に、大ジャンプする時。
アニメでは反重力ユニットが故障中の設定。
原作では忘れてきたという設定。

忘れてきたことに何か問題があり変更したのでしょうか?

それとも、その後に出てきた「謎の球体」から逃げる時に、「なぜ反重力ユニットを使わないのか?」と言うツッコミを避けるためか?

私はカナタは自分一人だけで逃げる性格ではないので、故障させなくても違和感はありませんが。

ア) 手の鎖はアニメオリジナル!

TVアニメ1話後半の一番印象的なシーン。
宇宙に取り残されていたアリエスをカナタが助けに行ったが、推進剤がなく方向転換できず、戻れなくなったその時・・・

宇宙船に残った7人が身を投げ手を繋ぎ、カナタ達を引っ張り上げたシーン

とても印象的で、初めて9人の心が繋がる良いシーンで感動しました!

が、原作コミックにはなく、アニメオリジナルシーン!?

原作では、カナタとアリエスは切り離したワイヤーまでは戻り、あとは皆にワイヤーで引っ張ってもらい帰還します。

アニメではここでドラマを作りました。

これは、私が思うに、1話の盛り上がりを作ることと、原作5冊の扉絵を並べるとできる1枚絵になぞらえたのではないでしょうか。

この絵のようなシーンができるのは、1話のここでしかなかったでしょうから。

私は感動しましたし、いい変更だと思います。
ウルガーの「借りを返す」というセリフもグッと来るし、シャルスが右手を差し出すシーンも印象的でした。

なにより全員がお互いを信頼して手を繋ぎ合うシーンは、これから感動的な物語を見せてくれるだろう事を充分予感させましたからね。

原) 宇宙船の説明が丁寧

ザックが宇宙船を操縦できても、5000光年の航行は無理だと言ったシーン。
原作では、不可能な理由がもう少し丁寧に説明されています。

5012光年という距離は超光速で突き進んでも3ヶ月はかかるんだぞ。その間9人がこの船の中で生活できると思うか?

飲料水、生活用水、酸素の取り出し。9人が生きるためには大量の水が要る。

この船の貯水タンクは満水に貯めても9人で20日分程度。しかもリサイクルシステムは壊れてるときた。

タンクには氷が保存されていたが、9人で使えば3日でなくなる量だった。食料も全員の荷物から非常食や菓子をかき集めて3日分くらいの量。

by ザック(原作コミック『彼方のアストラ』1巻)

アニメ鑑賞時感じた2つの疑問が、これで解消しました。

  1. 探査目的の宇宙船がなぜ20日程度しか航続航行できないのか
  2. 最初の惑星への3日はどうやって乗り切ったのか

①なぜ20日しか航行できない仕様なのか

宇宙船の推進エネルギーは宇宙空間から調達でき、半永久的に航行ができるのに、なぜ人が生活する環境が20日しかないのか

アニメ鑑賞時、疑問でした。
原作を読んで解明!

「リサイクルシステム」が故障していたのです。

水のリサイクルは、現実の国際宇宙ステーションでも実用化。
100%完全にリサイクルできれば水の補給もいらなくなり良いのですが、現在の技術ではそこまでは至らず。
定期的に地球から水の補給をしています。
それでも、輸送する水を何割か減らせ大幅にコスト削減できてます。

『彼方のアストラ』作品内では、相当科学が発達しているので、リサイクルシステムが稼働していれば、かなりの期間、水の補給いらずで航行ができたのではないかと想像できます。

なので、宇宙船の仕様としては矛盾はありませんね。

スッキリしました。

②3日分の水を持っていた!?

惑星キャンプとは言え、惑星マクパは自然公園に指定されている場所。

お気に入りの飲み物はともかく、3日分の水を持ってきていたとは、随分、サバイバルチックなキャンプだなーーと思ってました(笑)。

これも原作を読んで解決!
なるほどタンクには氷が保存されていたのですね。

この水を使い、最初の惑星への3日間乗り切ったのです。

いや~~苛酷な3日間の割に、最初の惑星に着いた時、夏休みの子供のようにはしゃいでいて不思議だなーと思ってました(汗)

謎が解けました♪
スッキリ。

大体、水がないと酸素も作り出せないですからねーー

ア) カナタの恩師がより印象的に

作品内で、カナタの回想として、何度も出てくる、恩師が崖から滑落したシーン。

原作では、パニックになった生徒を追いかけて、滑落

アニメでは、子供を一人引っ張り上げた後に、恩師が滑落する。
より印象的なシーンになっています。

ア) 再び手を繋ぐ

カナタのスルギ中の遭難事故話の後、アリエスの言葉をキッカケに皆が手を繋ぎながら自己紹介するのはアニメオリジナル。
#自己紹介の内容は惑星ヴィラヴァースでの初日部分を使用

このシーンは、先に記載した、(これまたアニメオリジナルの)宇宙船外で手を繋いだシーンと対で演出。
全員がまとまる印象的なシーンに。

原) 星を中継する案はアリエスの子供時代の経験から

アニメでは、全員で手を繋ぎ自己紹介したことから、カナタが一人が無理でも複数なら届くという発想をした。
これはこれで、きれいな流れで、盛り上がりました♪

アニメを見た時、アリエスはボケ担当で、時々鋭いことを言うと思っていた不思議ちゃんだと思ってました。

が、こうして原作を読むと、空気が読めない天然は変わらないですが、相当頭の良いキャラのようですね。

原作では、星を中継して行く案に気付き、ザックに指示したのもアリエス

気付く流れが巧いので、ぜひ原作を読んで欲しい!
以下は、流れの概要を紹介します。

アリエスは、カナタの遭難から生還した話を聞いて、カナタと出会った空港でのことを思い出す。
反重力シューズで噴水を飛び越えたシーン・・・反重力シューズ・・・
そう言えば・・・

子供時代のアリエス。

公園の地面に描かれた二つの円。
その距離は10mもあろうか。

男子二人がアリエスに言う。
輪の中以外を歩かないで、向こうの輪へ行けるか?と。

反重力シューズを持っていた男子は、一気に飛んでいく。
反重力シューズを持ってないアリエスは、男子にからかわれる。

そのとき、アリエスが取った行動は・・・

アリエスは、3日以内で行ける水と食料がある惑星がないか、ザックに尋ねる。

1つ目が見つかれば、次は20日と言うのもアリエス。
そこで周りも、アリエスが何を考えているのか気付く。

原作では、一発でルートは見つからない。
アリエスは水を節約して20日の条件をもう少し長く、と言う提案までしている。
#結果、原作では23日以内に移動できるルートが見つかった

ルートを検索したザックの能力があってのことだが、いち早くアイデアに気付いたのはアリエスだったのだ。

このシーンは、アリエスの課題解決能力だけでなく、そこへ至る過程も素晴らしいので、アニメでも見たかったですねーー

まあ、カナタに花を持たせたのでしょうね。

原) 着陸した惑星に水と食料があったのは当然!?

帰還ルート検索時に使った、ザックが持っていた惑星リスト。
原作では、もう少し詳しく説明されています。

惑星データについて

  • 惑星リストを船のコンピュータへインストール
  • 船に搭載されている測位システムと連携
  • 登録されている惑星データは、約6万2000個
  • 惑星データの内容は無人探査機が取ってきた簡単なデータ
  • 検索条件は、水、大気、植物、重力、気圧、距離

アニメを見ていた時は、私は逆の意味で捉えてました。
3日以内に行ける惑星で、水と食料を補給できれば、と。

随分、運がいいな、と思ってました(汗)。

正しくは、次の通り(私の解釈)

帰還ルート検索時の惑星データ抽出条件 (私見)

  • 条件:大気/重力/気圧 (人が降り立つことができ)
  • 条件: (水の確保)
  • 条件:植物 (食料)
  • 条件:距離 (3日以内にたどり着ける)

無人探査機の簡易データを元に、人が降り立つことができ、「水」「食料」が確保できる”可能性のある”惑星を検索したのです。

惑星データの数は、6万2000個。

それでも、上記条件を全て満たし、帰還できるルートが見つかったのは確かに奇跡的ですね。

このようにして可能性のある惑星を見つけ進んだので、苦労したことはありましたが、空振りがなかったのですね。

スッキリしました!

では、なぜこのような惑星データがあったのでしょう。
それは本作を最後までご覧になった方は分かりますよね?
#ネタバレなので自粛します。

ザックがその惑星データを持っていたのは、宇宙分野の研究を目標にしていたからですね。
空港でも待っている間に、惑星マクパまでの軌道計算をしていましたね。
#その時は「趣味だ」と行ってました。

私のような趣味の人間が、使うわけでもないのに、アニメ作品のリストを持っているのと同じですね。(←え、違う??)

TVアニメ 第2話「WILDERNESS」

原) 可食性テスト

最初の惑星ヴィラヴァースに降り立ち、初めての食料調達。

見たこともない植物を採取したが、食べられるかどうかが不明。
カナタはサバイバルの鉄則である可食性テストを説明する。

手の上や、口の中で確認してから、少し食べる。
時間を置いて、また少し。

サバイバルに役立ちそうな知識だが、アニメではカット。

原作のこの説明で、未知のモノを食べられるかどうかを判断するのがどれだけ大変かが示されます。
それだけに、ザックが作った「可食判定機」の効果が計り知れないですね。

そのことが分かった、原作エピソードでした。

原) デッキでの食事&自己紹介

原作ではフニがトラブルに合う前に、一晩経過します。

ここで、「可食判定機」のお披露目や、植物だけでなくタンパク質が必要だから動物を狩らなくてはならないなどの話題が。

尺の関係でしょう。
アニメでは大幅カット。

気を付けておきたいのは(アニメで丸々カットされた)食事の時の自己紹介。
せっかくだからともっとお互いを知りたいと言う流れに。

自己紹介の内容は、アニメ1話後半で、再び手を繋いだアニメオリジナルシーンの自己紹介で”ほぼ”使用。

原作では、惑星ヴィラヴァースで自己紹介があり、この時ウルガーは馴れ合いしたくないと、席を立つ。
つまり、ウルガー抜きで自己紹介が行われます

ここでルカは、自身の親のことを話します
だから、ウルガーだけ、ルカの親のことを知らなかったのです。
#これ以上はネタバレになるので自粛

原) キトリーの子供時代

キトリーが一人外へ飛び出し、フニが養子に来た時を思い出すシーン。
原作ではその前に、キトリーは子供時代の友達付き合いを思い出します。

子供時代のキトリーは流行りのブレスレットを自分の小遣いで買い、友達の注意を引く。
が、うまくいかない。

キトリーは友達がいらないのではない。
友達を作ろうとしたが、不器用で、いつも失敗してしまうのだ。

今と同じで、友達がいなくても強がるが、ザックと会えると分かると顔が明るくなる。

そんなキトリーが描かれる過去エピソード。
このエピソード好きです。
アニメでも見たかったですねー

おわりに (原作コミック『彼方のアストラ』1巻とは)

TVアニメ『彼方のアストラ』では原作1巻を1、2話でアニメ化。
1話は1時間SPなので、実質3話分かけてアニメ化。

原作コミックを読むと、改めてとても丁寧にアニメ化されているのがよく分かります。
読んでいて気持ちいいほど。

完結する5巻までを1クールで描くには、削らなくてはいけないシーンもあり。
それを原作を読むことで確認できました。

アニメはアニメで完成度が高く、アニメ単体でも楽しめます。
原作は原作で、少しアリエスを見直したり、SF設定やサバイバルがもっと丁寧に描かれ、人間関係もそれぞれの関係性が更に描かれており、読む価値あり。

作品を気に入ったなら、アニメと原作コミック両方をオススメします♪

以上、『彼方のアストラ』原作1巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

原作2巻のレビューも書いているので良かったご覧下さい。
ではでは。

きょうのひとこと

最も凄いのは「可食判定機」だな・・・

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