文豪ストレイドッグス

原作コミック【文豪ストレイドッグス】1~4巻 感想レビュー 原作は小説だと思ったら漫画だった

文豪ストレイドッグス コミック
オススメ度 B-
ジャンル 異能力バトルアクション
作者 朝霧カフカ / 作画 春河35
出版社 KADOKAWA
ストーリー
設定
世界観
感情移入
あらすじ

舞台は現代の横浜。
特殊な能力を持った異能者がいる世界。

軍や警察で対処できない危険な依頼をこなす探偵集団である「武装探偵社」を取り巻く物語。

こんばんは。漫画も大好き時文です。
TVアニメ『文豪ストレイドッグス(1期)』鑑賞後、原作コミックを読みました。

文豪ストレイドッグス』は『ヤングエース』で連載中。
現在17巻まで刊行。(2019年8月時点)

TVアニメ1期で原作コミック1~4巻と、小説1巻がアニメ化
本レビューでは、原作コミック1~4巻を取り上げます。

はじめに

本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想レビューです。

ここでは、原作コミックの印象、アニメとの違い、おまけ等について記載します。

本レビューの内容
  • 原作コミックの印象
  • 展開スピードは変わらない
  • セリフが勉強になる
  • オマケに新情報が!?

内容についてのレビューは、TVアニメ感想レビューへ記載。
善かったらそちらもご覧下さい。

文豪ストレイドッグス
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異能バトルアクションコミック 『文豪ストレイドッグス』PV
角川書店ブックチャンネル

原作コミックの印象

アニメは原作に忠実だが、セリフが”読める”とまた違う

私はアニメを先に見たので、原作から入った方とは印象が違うかもしれません。

アニメの動きと声優さんの声と演技がインプットされた頭で原作コミックを初めて読む。
漫画を読むと、同時に頭の中で吹き出しのセリフが声優さんの声に変換される。

この現象が私は好きです。
アニメ化されてないシーンがあると、得した気分になりますね♪

ところが、まず驚くのが、アニメはとても原作に忠実だと言う事。
細かいギャグまで再現されていることがよく分かりました。
それと、アニメがとても丁寧に分かり安く作られていること!

画はとてもキレイなだけに、アニメはカラーで動くのでやはり見ていて楽しい。
反対に、原作コミックは、セリフが文字で表されているので、何を言っているのかはっきり認識できる

『文豪ストレイドッグス』のセリフは時折レトロで文学的単語を使ってます。
アニメでセリフを聞いただけでは意味不明な単語が・・・
#私の語彙力の無さもあると思います(涙)
#意味不明とは言え、前後で想像つくので、話を理解するのには問題はなし

原作コミックを読んで、何と言ってたのか、どういう意味を込めていたのかが分かり、理解が深まりました♪
#詳細は後ほど

また、原作コミックには表紙まで使ったオマケ情報があるので、その辺も楽しい♪

ここからは、ネタバレ解禁して、その辺にも触れたいと思います。

以降、ネタバレありです。

声優の演技で雰囲気がまるで変わった

アニメは、かなりおふざけ感タップリで、初見時、辟易したのですが(すいません)。
原作コミックはそうでもないですね。

いや、TVアニメは原作に忠実ですよ。
やはり、声優さんの声と演技のインパクトが際立ちます

結果アニメ版は、テンションが高い(ドタバタお笑い)シーンと派手なアクションシーンが強い印象に。
色使いもカラフルで派手な印象。
アクションにしろ笑いにしろ振り切った演出をしてメリハリ効いた作品に仕上がってます

コミックは、ギャグのコマはクスリと笑えるが、アニメほどのインパクトは与えない。
アクションシーンで残酷な描写があるが、グロくは感じない。
#白黒なのと、先にアニメを見ていたので免疫ができているからか

私は、TVアニメを見て、原作は小説だと思ってました(汗)。
アクション物だけど、語られる言葉や、登場人物の心情に小説に近い深みを感じていたからです。

原作コミックを読んでも同様で、内容は派手なのに、不思議と静かに読めるのです。
これは絵のタッチ、そして文芸小説っぽいセリフのおかげでしょうね。

展開スピードは変わらない

勿体ない程、早い展開

アニメは原作をとても丁寧にアニメ化しています。
TVアニメ10話で4冊分をアニメ化
#6、7話は小説が原作

ジャンルにもよりますが、アクション系漫画4冊を1クールで描くことは、じっくりの部類に入るのではないでしょうか。
セリフや演出面アニメオリジナルがありましたが、過度ではなく脚色、補足程度。

むしろ補足説明的なセリフがあって、理解の助けになってます。
そこまで丁寧に描きつつ、展開は早い。

私が原作コミックを手に取ったキッカケは、アニメを見た時、かなり展開が早かったから。
これはきっと、カットされたシーンがあるのではないかと思ったのです。

贅沢で出し惜しみなしの展開

普通なら、序盤はキャラクター紹介も兼ねてオーソドックスな事件を解決したりする。

ところが『文豪ストレイドッグス』では・・・
TVアニメ3話でポートマフィアが出てきて、主人公ピンチになるし、太宰の前職は判明する。

どれも、もう少し引っ張ってから出すネタ。
だから原作とアニメは違うのかな?と思ったのです。

予想に反して、アニメは原作にとても忠実。
展開が早いのは今風か。

アニメ1期と同様--
4巻で、ポートマフィアとの第一幕の決着がつき、北米異能集団「ギルド」まで出てくる。

実に贅沢なテンポですね~~

セリフが勉強になる

さすがタイトルに「文豪」を付けるだけあって、セリフの端々に文芸作家らしい単語が出てきます

アニメを見ているだけでは、意味はなんとなく分かるが、漢字が浮かばない(汗)。

原作コミックは文字で読めるので明らか。
ただ、漢字は分かったが意味が分からない単語も・・・

すぐに調べ、勉強になりました!!(笑)

折角なので紹介します。
場面と共に振り返りましょう。

こう見えても武装探偵社の”一隅”だ

太宰が、敦の協力を得て、虎を誘き寄せるために倉庫で待っている時。
虎に怯える敦に向かって言ったセリフ。

心配いらない。
虎が現れても私の敵じゃないよ。
こう見えても武装探偵社の”一隅“だ

by 太宰治(『文豪ストレイドッグス』1巻)

「一隅」とは

読み方:いちぐう

  1. 一方のすみ。かたすみ。一角。「庭の一隅」
  2. ある一つの考え方や見解。また、物の一端しか見ない考え方。

「goo辞書」より

アニメを見ていた時、前後の文脈から考えて「一員」と同じような意味だろうと解釈してました。
お恥ずかしい・・・

「一員」と理解したのが完全に間違っているわけではないです。
もっと深い意味が込められていたのですね。

「一隅」とは「かたすみ」
「中心ではない」ことが大事

太宰が使った一隅の意味は、武装探偵社の「一員」であるものの、主力ではない、と言っているのです。

ここで言う主力ではないが意味するのは、攻撃力のこと。
#今回の相手は「虎」で力勝負が想定されるから

その後の展開で、太宰の能力とポジションが見えてきます。
太宰の異能力「人間失格」は誰も敵わない強力な力。
でも攻撃を仕掛けるとなると、性格が違う。

故に、どちらかと言うとサポート役なのです。

私は、太宰は体術にも優れているので、つい攻撃型のエースだと思ってました。
なので、最初は太宰が前面に出てこないし、任務や戦闘を他のメンバーへ任せるので少しイライラした程(苦笑)

この時に気付いていれば、もっと素直に展開を楽しめたかも(涙)

話を戻しましょう。

「一隅」とは。
太宰は武装探偵社の中で攻撃力が高い方ではない。
それでも、「虎」ごとき、武装探偵社に所属する者として問題に値しない。
という意味で使ったのです。

もちろん、太宰の謙遜の意味も含まれているでしょうが。

それにしても、太宰が言ったこの単語、敦は普通に理解しているようだ。

後のシーンで出てくるが、敦は「一応読み書きくらいはできる」設定。

いえ、「一隅」を理解しているなら充分です!

前回の失敗は探偵社の”容喙”が原因

ポートマフィア樋口一葉が探偵社を襲うために黒蜥蜴を招集した時。

前回の失敗は探偵社の”容喙“が原因。
同じ轍は踏みません。
まずは護衛たる探偵社を殲滅します。

by 樋口一葉(『文豪ストレイドッグス』2巻)

「容喙」とは

読み方:ようかい

くちばしを入れること。横から口出しをすること。差し出口。
例:他人が容喙すべき問題ではない

「goo辞書」より

これは恥ずかしながら、漢字を見ても意味は想像できず、文脈から「存在」のようなイメージで捉えてました。

なるほど、「介入」「手出し」という意味ですね。

ポートマフィアの視点で見ると、人虎こと敦は孤児院を出て単独で動き、ギルドに多額の懸賞金をかけられていた。
その敦を武装探偵社が保護し、入社させた。
敦をギルドに渡して懸賞金を得るでもなく、単に保護している。

だから、敦を狙うポートマフィアにとって、武装探偵社は突然横から介入してきた存在なのです。

これが”容喙(ようかい)”の意味ですね。

勉強になりました!

オマケに新情報が?!

最後に、コミックの表紙(カバーを取った表紙)にあるオマケについて。

コミックの楽しみとして、本編以外のオマケが密かに楽しみだったりします。
『文豪ストレイドッグス』では、表紙のカバーを取った表紙と裏表紙を使った四コマ漫画的なのがそれ。
#それにしても、なぜこんな所に(笑)

本編では描かれなかった”謎”について描かれる!?かも(笑)

芥川の事務所がなぜ暗いのか(2巻)

ポートマフィア芥川龍之介の事務所がなぜ暗いのか判明!?

いや、原作コミックは白黒なので、明るいか暗いかは全然気付きませんでした(苦笑)

でも確かにTVアニメ、第4話。
敦の電話を受けた樋口一葉がいた部屋は暗かった!!

てっきり、ポートマフィアらしい雰囲気を出すための演出だと思ってました。
まさか、こんな理由があったとは・・・イメージが・・・(笑)

敦のファッションセンス(3巻)

そういえば、作品に出てくるキャラクターのファッションは変わらないですね・・・
いやもうファッション含めてトレードマークとなっているのです。

で、中島敦の服装は小学生・・・失礼、奇抜ですよね。

その理由が明かされます!!
#かなり説得力あり
いや~~こんな裏設定があったとは!!

おわりに (原作コミック『文豪ストレイドッグス』とは)

TVアニメ初見時、最初はおふざけシーンでイラッと(笑)
シリアスシーンの過激さを見ると、コミカルとのギャップに驚きながらも少し興味を。

「蒼の使徒」編を見た瞬間、「これはいいぞ!」と引き込まれた

展開は早く、もっと知りたいと思い原作コミックを手に取るも、内容は同じでした。
ただ、詳細を見ていくと少し表現や行動が違います。

TVアニメは丁寧に描かれていて、動きがあり理解しやすく、声優さんの演技があり感情移入しやすい。

まだどちらも見てない方は、原作から入った方が二度楽しめるかもしれないですね。

私は、TVアニメが原作に忠実で、それでいて違いも確認できて満足。
そして、一部小説が原作だったと知り、小説にも興味が湧きました。

時間取れれば読んで、レビュー書いてアップしますね。
次は、2期にするか小説にするか・・・

ではでは。

追記

小説も読みました。
これは面白い!
アニメでは描かれなかった事件やエピソードが盛り沢山!

レビューも書いたので、良かったらご覧下さい。

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