こんばんは。時文です。
TVアニメ『ダーウィンズゲーム』鑑賞後、原作を読みました。
本レビューは、原作コミック1巻を取り上げます。
『ダーウィンズゲーム』は『別冊少年チャンピオン』で2013年1月号から現在も連載中の漫画。
コミックは20巻まで刊行(2020年3月時点)。
1~8巻までの内容がアニメ化され、2020年1月冬アニメとして放送されました。
私は原作未読で、アニメから鑑賞。
突っ込み所は多々ありますが、細かい事を気にしなければ異能バトルものとして楽しめました。
詳しくはアニメレビューをどうぞ。

アニメと原作コミックの対応は以下の通り。
リンク先は他巻の感想レビューです。
ダーウィンズゲーム (全11話) 各話リスト
アニメ話数 | サブタイトル | 原作巻数 (リンク先はレビューへ) |
第1話 | 初陣(ファーストゲーム) | 第1巻 |
第2巻 | ||
第2話 | 渋谷(ジェムストーンマイン) | |
第3話 | 引き金(イグニッション) | 第3巻 |
第4話 | 火花(ファイアーワークス) | |
第4巻 | ||
第5話 | 水葬(アクアリウム) | |
第6話 | 金剛(ハードネス) | |
第5巻 | ||
第7話 | 圧砕(エイス) | |
第8話 | 平穏(フラジャイル) | 第6巻 |
第9話 | 決闘(ヘッズアップ) | |
第7巻 | ||
第10話 | 旧王(オールドワン) | |
第11話 | 血盟(サンセットレーベンズ) | 第8巻 |
はじめに
本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想レビューです。
アニメと原作コミックの違いを切り口に、原作を読んで改めて感じたことをレビューします。
アニメは、基本的に原作コミックに忠実です。
ただ、1~8巻を11話(1話が1時間SPなので実質12話分)でアニメ化しているので、尺に収めるためか、カットされたシーンがいくつか。
ストーリーの根幹には関わってこない、舞台裏に関するシーンがカットされている傾向。
なかなか大胆にカットされていて、アニメのテンポが良かったのはそのためかもしれません。
では、順に紹介していきましょう。
- アニメでカットされた原作部分
- アニメオリジナルシーン
- 原作を読んで分かったこと
見出しの頭にアニメオリジナル、原作のみの記号を記載したのでご参考に。
- ア):アニメオリジナルシーンに関する記述
- 原):アニメではカットされたシーンに言及
- 原-警察):アニメでは丸々カットされた警察関係者の出来事
TVアニメ 第1話「初陣(ファーストゲーム)」
ア) 原作はガラケーとスマホの混在時代
アニメ冒頭で追いかけられる主人公カナメの友人・ハマダ。
原作ではキョウダが追いかけられてます。
#アニメのキョウダはオリジナルキャラ。詳細は次項
それ以外も違う点が──
原作情報
- ハマダ(原作ではキョウダ:以降同)が持っているのはガラケー
- ハマダはシギルを使わずにやられてしまう
①ハマダが持っているのはガラケー
ハマダが持っている携帯は、アニメではスマホでしたが、原作ではガラケー。
主人公のカナメは、原作でもスマホです。
『ダーウィンズゲーム』の連載が始まったのは2012年12月。
スマートフォンの起爆剤となったのは、アップルのiPhone。
初代iPhoneがアメリカで発売されたのは2007年。
日本で発売されたのが翌年の2008年。
その後、各社のスマートフォン開発が一気に始まり、2011年頃から各社のラインナップが揃い普及期に。
2012年末は、ガラケーとスマホが混在する時代ですね。
今、ガラケーを出したら時代錯誤も甚だしいのでアニメではスマホに変更したでしょう。
②ハマダはシギルを使わずにやられてしまう
アニメではバンダ君に対して、ハマダはシギルを使ってました。
が、原作では、ナイフを持ち出しますが、シギルは使ってません。
というか、シギルの存在を知らないうちに、バンダ君に殺された感じです。
これで疑問が解けました。
なぜ、ハマダはひたすら逃げているのだろう?とアニメ鑑賞時疑問でした。
ハマダは、ダーウィンズゲームに参加し、その金でバイクの新車を買った。
つまり、少しは対戦を経験しているのだと思ってました。
が、ハマダにとっても初戦。
それもシギルの存在を知らない状態。
そこを新人狩りのバンダ君に狙われたのです。
ア) アニメのキョウダはアニメオリジナル
アニメ1話で、カナメを必死に助けようとする友人のキョウダ。
アニメで描かれるキョウダは原作にはいないアニメオリジナルキャラでした。
原作にはハマダという名前のキャラクターはいません。
1話最初にバンダ君に殺されたカナメの友人がキョウダです。
つまり原作では、カナメの友人として出てくるのは、キョウダとシノズカの二人だけです。
では、翌日、欠席した彼を探しているのは・・・
原作ではキョウダの担任の先生です。
よって、招待メールを見つけたカナメを止める友達はいません。
ここは原作の方がしっくりきますね。
アニメは、あれほど真剣な顔でアプリを起動するのを止めているのに、スルーするカナメにイラッとしました(苦笑)。
原-警察) 「人型アート」を刑事が捜査
原作では、ダーウィンズゲームによって起きた事件の調査をする刑事が登場します。
死体は消えてしまうので、殺人事件等で動き出すわけではありません。
ただ、これだけの失踪、各所にある人型アート。
確かに警察が乗り出さない方が不自然。
原作では序盤から刑事の捜査が開始されます。
ただ、ダーウィンズゲームのことを知るよしもなく、核心には近づけないのはお約束(笑)。
アニメ化の際、刑事のエピソードが丸ごとカットされています。
原作1~8巻のボリュームを1クールでアニメ化できた一つのポイントです。
では刑事のエピソードは意味がないのかと言うとそんなことはありません。
ダーウィンズゲームのことを知らない現実的な人が、事件現場を見た反応や、推理をするのが見所です。
面白い箇所はレビューでも取り上げていきます。
原-警察) 「人型アート」は現代技術ではあり得ない
空間転移されるように人ごと切り取られていった結果できた、人型アート。
その切断面はかなり鋭利なようです。
「まったくどないな道具使えば、こない綺麗にアスファルト切れんねん?切断面で指が切れそうや」
「道路工事で使われるグラインドカッターじゃ、こう綺麗にはいかないそうですよ」
「何か最新の機械でも使ったんでしょうかね」by 刑事『ダーウィンズゲーム』コミック1巻
人型アートのくり抜かれた跡は、切断面で指が切れそうなくらい鋭角になっているようです。
そりゃあ、空間転移を知らなければ、不思議でしょうがないでしょうね。
刑事は、キョウダの現場を調べ、携帯電話を見つけ、キョウダであることを突き止めます。
血痕はあるが、死体がないので、殺人事件にはなってません。
ただの”器物損害”事件として捜査が開始されます。
ア) 交番でカナメを助けたキョウダはアニメオリジナル
キョウダはアニメオリジナルキャラだと言うことは先に述べた通り。
では、カナメを助けるのは原作では誰なのでしょうか?
原作では、カナメが逃げ込んだ交番の警官は、即死ではありません。
瀕死ですが、銃を抜き、バンダ君の足を撃つのです。
そして、カナメは一人で逃げるのです。
アニメ鑑賞時、このシーンで、カナメは今の状況を全く飲み込めてないのに、なぜキョウダは肝心な説明をしないのだと苛立ちました。
あれだけ話す時間はあったのに。
#ケガで話すのが辛かったのだとは思いますが。
しまいには、「巻き込んじまった」とか言ってましたが、ヘルプを出したのはキョウダではなくハマダなのに、訳が分かりませんでした・・・
アニメオリジナルキャラなので、この後、影響するようなことを話させるわけにはいかなかったのです。
原) バンダ君は女目当てで金が欲しかった
アニメでは完全にカットされていましたが、原作ではバンダ君がなぜ新人狩りをするのかが描かれます。
あのガキが無駄に粘るせいで一銭にもならねえのに警官を殺す羽目になるわ、拳銃で足を撃たれるわだ!
-中略-
俺にはポイント(金)がいるんだよッ!
ポイント(金)!ポイント(金)!ポイント(金)!俺がリカさんに会うのを邪魔するんじゃねえッ!!
クソガキがッ!!by バンダ君『ダーウィンズゲーム』コミック1巻
リカさんとはキャバクラらしき店の女の子。
どうやら、リカに会うために、金をつぎ込み、消費者金融で金を借り、同じ頃にダーウィンズゲームに誘われた。
ゲーム対戦で殺した相手が全然事件にならず、職場でも無断欠勤扱い。
バレないのなら・・・と、新人狩りで金儲けに手を染めていくのです。
原) アプリのサーチ機能はポイント消費!
駐車場に逃げ込んだカナメ。
バンダ君はアプリのサーチ機能でカナメの場所を把握していた。
アニメ鑑賞時、アプリのサーチ機能で駐車場に隠れたカナメを見つけた割には、駐車場に入ってからは見つけることができなかったが不思議でした。
カナメも「正確な位置は分からないのか」とか言ってましたが、それはそれで正しいようです。
もう一つ──
待てよ。ケチケチせずに1ポイント使って再サーチかけとくか。
ビンゴォ!!
あいつトイレの中で震えてやがる!!
by バンダ君『ダーウィンズゲーム』コミック1巻
アプリのサーチ機能もポイントを消費するのです。
サーチするのに1ポイント=10万円。
だから頻繁に使うわけにはいかず、時々しか使ってなかったのです。
原) バンダ君の正体は・・・
アニメでは明かされなかったバンダ君の正体。
原作では着ぐるみを外されます。
バンダ君の中の人は・・・
キョウダのクラスのカトウ先生じゃねぇか・・・!?
教師のくせに・・・自分の生徒を殺そうとしたのかよ!
ふざけやがって、この野郎!!by カナメ『ダーウィンズゲーム』コミック1巻
冒頭に殺されたカナメの友人、キョウダ(アニメではハマダ)の担任の先生でした・・・
キョウダが殺され、翌日無断欠席。
先生は、キョウダを心配して、カナメに何か聞いてないか確認しています。
が、この状況からして、カナメがダーウィンズゲームに誘われてないか探りを入れたと思われます。
心配しているのではなく、次の獲物として・・・
最低の担任です・・・
原-警察) 「首都圏連続人型器物損害事件」合同捜査本部
アニメでは完全カットの刑事エピソード。
渋谷駅前に発生した12体の人型アートを機に、合同捜査本部が立ち上がります。
あくまで事件は「器物損害」
なにせ、死体も傷害の申告もないのですから。
#行方不明はあると思うのですが・・・ね(笑)。
器物損害とは言え、さすがにこれだけ大規模なことが行われると警察も動かざるを得ないと言った所か。
あまりに規模が大きく、合同捜査本部は「反社会的勢力の仕業」と想定します。
原-警察) 刑事がカナメのところへ聞き込みに
バンダ君に追いかけられ、交番に逃げ込んだ際、カナメは交番にカバンを忘れていきます。
刑事がカナメの所に、カバンを届けに来て、何か知らないか聞き込みをする。
バンダ君が透明になったことや、バラバラになって消えてしまったことを話しても信じられないどころか、自分が警官殺しの犯人にされないと考え、何も話さないカナメ。
刑事もなぜか、あっさり引きます。
明らかに何かを知っている様子なのに・・・
カナメは怪しいが、警官殺しや、人型アートを作った犯人と高校生が結びつかなかったのでしょう。
少し甘い気もしますが、カナメは何か知っていそうだと、刑事にマークされることになります。
原-警察) 監視カメラの映像は故障!?
バンダ君が最後を向かえた駐車場。
そこへ刑事の現場検証が入る。
アニメ鑑賞時から気になっていた、監視カメラ映像。
この対戦だけでなく、あれだけ派手に町中を動き回って殺し合いをしているのだ。
映像を見れば一発ではないのか?
まあ、そんな証拠を残すことはないのだろう想像してましたが、その通りでした(苦笑)。
「交番と駐車場の監視カメラが揃って肝心なときに故障してなければ簡単な話だったんですけどね・・・」
「故障?あれが故障やてェ?」
「犯行前後の10分間だけ都合良く故障なんてあるかいな!こんなの誰かの隠蔽工作としか考えられんわ!」
by 刑事『ダーウィンズゲーム』コミック1巻
なるほど、犯行前後だけ、映像が撮れてないのです。
なかなか都合の良い・・・いや、やっかいなゲームですね(笑)。
おまけエピソード
1巻巻末には「game#??」と題した3ページのオマケエピソードが。
原) ダーウィンズゲームは太古からあった!?
舞台はドイツ。
ネアンデルタール人とホモサピエンスの化石が同じ場所で発見される。
交流があった証拠になるが、同時に争った形跡も・・・
その額にはダーウィンズゲームの印があった・・・
ダーウィンズゲームの印:ヘビに噛まれるとできる、あのマークのことです
我々の祖先はホモサピエンス。
ネアンデルタール人は同じ人属ではあるが、2万~4万年前に絶滅したとみられる。
その時代からダーウィンズゲームが存在したというのか?
なんだか途方もない設定になってきましたね・・・
おわりに (漫画『ダーウィンズゲーム』1巻とは)
1巻の内容は、カナメがシュカへ会いに行く手前で終了。
アニメ1話は1時間SP。
通常のアニメとしては長いですが、それでも1巻の内容で終わらないとは・・・
なるほど8巻分を1クールでアニメ化できたわけです。
1巻に関しては、大きくは警察のエピソードが丸ごとカット。
これが尺的には大きいですね。
デスゲーム系の途中に警察関連を絡めると、後ろ向きな印象になってしまいます。
2巻以降、どんな捜査を進めるのかは分かりませんが、アニメで警察関連を削除したのは正解かも。
それでも、警察の捜査は、まるで『ダーウィンズゲーム』の舞台裏を見ているかのようで面白い。
次巻以降を読む楽しみが増えました。
以上、『ダーウィンズゲーム』原作コミック1巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
2巻のレビューも書いてます。
良かったらご覧下さい。
ではでは。
関連レビュー

アニメ『ダーウィンズゲーム』の感想レビューには、全体通じて感じたことを書いてます。
良かったらご覧下さい。
