オススメ度 | B+ (11話・12話のみ) |
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原作 | なし (アニメオリジナル) |
ジャンル | 日常系、ファンタジー |
放送情報 | TVアニメ(2019年冬)/全12話 |
こんばんは。時文です。
TVアニメ『えんどろ~!』第12話 鑑賞しました。
キャッチコピー「ありそでなかった日常系ファンタジー、はじまるよ?!」。
キャッチコピーそのままの、ありそでなかった冒険ファンタジーの日常系アニメ。
10話までは、ゆる~い、ほんわか日常系が基本だったのですが、11話で物語に進展が!
でも、『えんどろ~!』らしさは健在!
その辺りが、巧く。
力を入れずに気楽に見ていられるからこそ、(少~しだけ)シリアスな展開が胸に刺さる。
“ありそでなかった”、11話と12話だけの各話レビュー、はじまります!

それでは、TVアニメ『えんどろ~!』12話の感想レビューをどうぞ。
目次
今回のあらすじ
ついに正体を明かした魔王ことマオ先生。
ローナ姫をさらい、魔王城へ立てこもる。
ユーシャ達はローナ姫を助けに、魔王城へ向かう。
が、メイゴから勇者と魔王の過去の運命を聞き、ますます魔王と戦う気がなくなる。
魔王は待ちきれず、勇者達の元へ。
本当のエンドロールへ向かい、いよいよ決戦が始まる!
感想レビュー
アバンタイトル:マオ先生の家跡
マオ先生は勇者達に魔王であることを明かし、ローナ姫をさらい、魔王城へと飛び立った。
混乱している勇者達だが、ローナ姫を救い出すために魔王城へ向かうことに。
前回ラストの怒濤の展開に『えんどろ~!』らしくなく、真剣な展開が信じられませんでした。
すぐにいつもの緩い展開になるのだろうと思っていたら、今回はオープニングもなし。
魔王が破壊した、マオ先生の家のシーンからBGMも神妙に始まる・・・
事の深刻さが伺える。
マジだ・・・
でも、女戦士(先生)のマオ先生マニアぶりを堂々と出すなど、”らしさ”は忘れてないのが、ホッとする。
Aパート:魔王城 魔王側
一時のテンションで正体を明かしてしまったマオ先生こと魔王。
魔王は開き直り、勇者達を倒し、ナラル島を阿鼻叫喚の地獄絵図にすると目論む?!
魔王がローナ姫に言う、セリフが気になります。
「お主とて、こうなることは、薄々分かっておったろうに。」
確かに魔王同様、私もローナ姫が何かを知っている、感付いているのではないかと思ってました。
が、ローナ姫が意味深な発言をしたのは、中二病のようなものだったとは・・・
でも、ポイントはそこではないですね。
魔王のこのセリフは、マオ先生自身、魔王であることを、”ずっと隠し通せるとは考えてなかった”、ということに他なりません。
遅かれ早かれ、いずれ正体がバレることを覚悟していたからこそ、潔く正体をバラしたのでしょう。
その先の事は、全く考えてなかったようですが(笑)
#いや、考えたくなかった(正体をばらしたくはなかった)のが本心でしょうね♪
ローナ姫の発言が、正体を明かす後押しをしたなら、ローナ姫のイタズラ心は罪作りですね(笑)。
Aパート:魔王城前 勇者側
魔王城は二度目?
「また、ここに来ることになるなんてね・・・」
ここで言っている、前回とは、1話(未来)の魔王との対決のことではなく、8話の”やらせ”の「魔王復活&ローナ姫さらわれ事件」のことですね。
8話の舞台となった、(ローナ姫お約束の)”こんな日が来ることもあろうかと”建てた魔王城です(笑)。
こういう小ネタが伏線となり、全話に散りばめられているので油断できないッス。
勇者と魔王にまつわる真実

魔王城の前までやってきた勇者達の元へメイゴが現れる。
メイゴは、勇者と魔王にまつわる宿命を話し始める。
果たして、その真意は・・・
この世界での魔王は、勇者に討たれるも、復活することを繰り返してきた。
今代の魔王(マオ先生)で999代目。
勇者もまた魔王が現れると都合良く登場する。
その因果も、今代で最後。
魔王が本来の力を取り戻す前に復活させ勇者が討つことにより、徐々にその力は弱まり、あと一代倒せば、もう魔王は二度と復活しないというのだ。
冒険ファンタジーにつきものの勇者と魔王。
設定の一つとして、倒す敵がいないと勇者の存在価値がなく、悪である魔王の存在は、冒険ファンタジー物では必須。
その設定を、見えざる手に(ということにして)、魔王は”都合良く”中途半端な力で復活し、勇者がこれまた”都合良く”登場し、少しずつ魔王の力を奪っていく。
なんとも、メタ的でもあり、皮肉の効いた、確かに”ありそでなかった”、勇者と魔王の関係を、ここまでハッキリつまびらかにするとは!
冷静に考えると、全然論理的ではなく、都合良すぎる考え。
だけど、多くの冒険ファンタジー物を見てきた私に取っては、ニヤリとして(なぜか)許してしまう設定。
その挑戦に拍手!
勇者に迫る究極の選択

そして、物語は、勇者に究極に選択を迫る!!!
- 魔王を倒せば・・・
⇒ 魔王は完全に消滅し、二度と復活しない - 魔王を倒さなければ・・・
⇒ 魔王は本来の力を取り戻し、島が破壊される

メイゴの真意は?
さて、メイゴが勇者達に、真実を話したのはなぜでしょう?
もちろん、メイゴのセリフにあった、勇者とは油断ならないので、”万が一”のことを考慮し、”甘い”勇者に、まともに戦わせないようにしたのでしょう。
もう一つ、魔王側にも心配な点があったからではないでしょうか。
勇者達がマオ先生と戦いたくない考えると同時に、魔王も勇者達を倒したくない、ナラル島を破壊したくない、と考え、魔王自ら戦う意思を見せずにされるがままになってしまうことを案じたからでしょう。
だから、勇者に魔王様とまともに戦わせてはいけないと考えたのではないでしょうか。
なら、最初から正直に話せば良いと思われるかもしれません。
そこは、勇者が勇者を捨てる決断をする確信がなく、賭けたと見るべきか。
いずれにせよ、メイゴの願いは、魔王様を守ること。
それも、魔王様が望む生き方で。
世界征服することが”魔王のあるべき姿”だとしていないのは、生まれ変わったメイゴに新しく芽生えた感情が成せるワザでしょうか。
それとも、魔王に「メイゴ!」と名前を呼ばれた時に何か思ったのでしょうか・・・
#この時のメイゴの表情はうれしそうでしたね♪

Bパート:冒険者学校 尞前
冒険者学校へ戻った勇者達を、魔王は追いかけてきた。
魔王は勇者に戦いを挑む。
が、マオは、自分が本来の力を取り戻し島を滅ぼす前に、自ら育てた教え子に消してもらうことを望むのだった・・・
このまま我が倒されず、魔王で居続けたら、この島は滅ぶ。
あとに残るのは永遠の孤独。
寂しく、冷たく、何にもない・・・あんなのはもうイヤじゃ。
「島を滅ぼす」ことを嘆いているのではなく、「永遠の孤独」を嫌がっているのは、少し気になりますが・・・(笑)
#そこは魔王たる所以?
ただ、皆との生活を楽しみ、これからも望んでいることは確か♪
それならばと、ユーシャは自ら勇者の証の勇者の剣を捨てる・・・
魔王を倒さなければ、魔王が島を滅ぼすことは、ユーシャの前で3度説明されているが、ユーシャは理解していない?
いや、信じてない様子(笑)
しかし、結果オーライ。
勇者が勇者であることを捨てたので、魔王も魔王の概念を消すことができたのだ。
ユーシャのいい加減な性格まで展開に利用するとは・・・
ここは、魔王だけさっさとちびドラゴンの口に放り込んでしまえば良いと思いましたが、そこは展開上盛り上がりが・・・
いや、片方だけ、なくしても復活するというか、勇者の概念と同時に無くさなくては効果がないと考えるべきか。
この世の理から言うと、バランスを保つ為に、大きな力が働いている。
勇者と魔王を同時に消さなくては、また、運命の力により、返ってくるのだろう。
なんだか、すっかり深い所。
冒険ファンタジーの哲学みたいな考察をさせられている気分(笑)
やられた気分ですが、なんだか心地よい。
エンディング:冒険者学校 エンドロールのその先
夜が明け、いつもの朝がやってきた。
マオ先生の家も元通り。
魔王が復活した(&いなくなった)ことは、他の生徒達は知らない様子。
これは、魔法の力か、それとも、随分日が経過したのか・・・
無職になったユーシャは、ローナ姫が持ってきた勇者物語の本を開く。
中身はまだ真っ白・・・
その真っ白なページを見て、ユーシャは言う。
「私は、やっぱり勇者になる!」
魔王はもういないと分かりながら、勇者を目指すユーシャ。
自分たちの物語は、まだ真っ白。
何も書かれてないなら、何にでもなれる!
もしかすると、(ユーシャは)無職 ⇒ 無色 ⇒ 真っ白 と自分に重ねた?
「これだから、勇者という連中は・・・」
勇者という生き物は、諦めが悪いというか、真っ直ぐというか。
自分がやりたいことにまっしぐらだから勇者になれるのか・・・
本当に始末に負えない。
だから、何度復活しても、何代にわたっても、魔王は敵わなかった、とマオ先生は言いたかったのではないでしょうか・・・
今回が本当のエンディング(=エンドロール)。
魔王も(勇者も)存在しない世界になり、誰もいなくならず、ハッピーエンドだが、未来に可能性を、夢を残す終わり方。
これぞ冒険ファンタジー物!
気持ちよい終わり方でした♪
おわりに (『えんどろ~!』とは)
日常系だとゆったり見ていたら、ラスト2話は、魔王とは?勇者とは?冒険ファンタジー物の概念まで考えさせられる展開に(汗)。
魔王魔王とずっと連呼されてますが、マオ先生は(見ている限り)悪いことはやってません。
『えんどろ~!』世界内では、マオ先生は、悪いことをして魔王になったのではなく、魔王という役柄を演じるために、生まれてきたのかもしれないですね。
決して、望んで魔王になったわけではないが、定められた自分の役目に乗っ取り魔王になってきた。
#その教育係がメイゴ
#メイゴは汎用ゴーレムの使命上、自分の意思で、教育を止めることはできなかったが、魔王の本音を感じ取っていた、のでしょう。
歴代の魔王は分かりませんが、マオ先生に至っては、今回のエンディングはハッピーエンド。
味方は勿論ですが、敵も全てハッピーエンドとは、なかなかない終わり方。
あ!
これも”ありそでなかった”パターンですね。
最初から最後まで、”ありそでなかった”づくしの作品でした♪
いや~楽しかった♪
続きがあったら、見たいです!
日常系ファンタジーが好きな方にオススメです!
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