SF/ファンタジー

アニメ【フェアリーゴーン】1~12話(最終話) 感想レビュー 混沌とした戦後、人々の生きざま、人間関係を描く。渋い!

フェアリーゴーン
オススメ度 B-
原作 アニメオリジナル
ジャンル アクション、ファンタジー
放送情報 TVアニメ(2019年春)/全12話(分割2クールの前半)
ストーリー
設定
世界観
感情移入

TV放送にて鑑賞。一気見。

こんばんは。時文です。
TVアニメ『フェアリーゴーン』12話まで鑑賞しました。

原作はなく、アニメオリジナル作品。
本レビューは分割2クールの第1クール(1~12話)を取り上げます。

妖精を分身として使い戦う、本格ファンタジー物。
「フェアリー」という単語と、予告映像から、ファンタジー風のアクション物と思いがち。

が、展開は諜報機関が活躍するスパイ物に近い

戦闘シーンは本格的ですが、落ち着いた展開なので、アクションメインを期待すると肩すかしを食らうかも。

渋い展開がお好みの方にオススメです。

では、TVアニメ『フェアリーゴーン』感想レビューをどうぞ。

  • 「はじめに」は【ネタバレなし】
  • 「感想レビュー」「おわりに」は【ネタバレあり】

はじめに

あらすじ

舞台は、架空のファンタジー。

不思議な力を宿す妖精が存在し、妖精を分身にして戦う「妖精兵」がいる世界。
大規模な統一戦争で、大量の「妖精兵」が投入されたが、戦争が終了し、妖精兵はその役目を終えた。

物語は、戦争から9年後。

妖精兵のある者は政府の一員として、ある者は犯罪者やテロリストとして生きていた。

マーリヤ・ノエルは、幼馴染みのヴェロニカを探すが、あることをきっかけに違法妖精取締機関「ドロテア」の一員となる。

舞台となる中世ヨーロッパ風の世界観は雰囲気タップリ。

飛行機はまだ存在せず、移動の中心は車と蒸気機関車。
現代の時代に照らし合わせると、18世紀後半と言ったところか。

「妖精」という響きとは裏腹に、兵器として使われる妖精は、どちらかと言うと魔獣に近い。

ヨーロッパの分類で言うと、ゴブリンやドワーフだって妖精。
可愛らしいイメージは私の勝手なイメージなのかも。

魔獣や魔物のような妖精同士の戦いが見所の一つ。
妖精を扱う人間の中には身体能力が高く、妖精との連携した戦い見もの。

が、アクションだけを期待すると意外と肩すかしを食らうかもしれません。

『フェアリーゴーン』は、かなり地に足をつけた作品です。

妖精が存在し戦うのは、まさしくファンタジー。
身体能力の高い、超人間が出てくるのも確かに現実離れしている。

が、それ以外は、とても落ち着いた展開と作り。

『ジョーカーゲーム』テイストと言えば伝わるでしょうか。

妖精という非現実的で強力な武器を使うものの、使い方、効果、対策、対処法は、とても”現実的”なのです。
主人公側が急に強くなったり、偶然はあっても奇跡が起こったりはしません。

更にストーリー物、かつ分割2クールの前半。
毎回爽快感が得られるとか、最終話できれいな決着が着くわけでもありません。

全編通して描かれる、大戦後、まだ混沌とした世界で生きる人々。

戦争時の恨みを今だ持つ者。
力で目的を果たそうとする者。
生きるためには何でもする者。

どんな力を持っていても、一人で世界を変えることはできない”虚しさ”と”リアリズム”。
しかし、結集すれば・・・

たまには、味わいある作品も良いのでは?

TVアニメ『Fairy gone フェアリーゴーン』PV
TOHO animation チャンネル

感想レビュー (以降、ネタバレありです)

さて、ここからはネタバレ全開で、ストーリー面からレビューしていきます。

「出だし」と「メイン」は全く違う

ストーリー物の出だしとして序盤はキャラクター紹介。
『フェアリーゴーン』も同様にキャラクターの過去と同時に描かれます。

マーリヤヴェロニカ

統一戦争時、焼き討ちされた妖精郷・スーナの生き残りで幼馴染み。

フリーウルフラン

統一戦争時、共に戦った妖精兵の仲間。

このような始まり方をすると、二人の関係性が描かれる物語と思ってしまう。
だけど、描かれるのは二組のことだけはなく、様々な人の生きざまと、人間関係。

マーリヤ側は、むしろ妖精郷・スーナの生き残りというのが後半(13話以降)ポイントになってきそうだが、前半では、それほど深掘りされない。

様々な生きざまが描かれる

3話以降は、マーリヤとフリーのこと以外の人間関係がメインに。

様々な事件を通じ、まだ戦後の熱冷めやらぬ混沌とした世界を生き抜く人達が描かれる。

  • 妖精を持つ者・持たぬ者
  • 戦争で家族を失った者
  • 力(金、権力)を持つ者・憧れる者
  • 現状をしぶとく生き抜こうとする者
  • そして、まだまだ戦い足りぬ者・・・

話が進んでいくほど、メインのマーリヤとフリーのことを気にする余裕がないほどドロテアを取り巻く世界が混沌としていく。

物語は2つの軸に

だからと言って話が単発で終わるのではなく、2つの軸をベースに展開。

  1. “黒の妖精書”を求める者達
  2. 国家転覆、反乱を目論む者達

発生する事件は全てこの2つに絡んでいます
そこで、全体像を図にしてみました。

フェアリーゴーン1クール 概要

細かくてすいません。
※クリックすると画像のみ表示されます。
※画像のみ表示頂いてご覧の端末の拡大表示をお願いします。

キャラクター画像は公式HPより引用。
問題ある場合は、コメント、問い合わせから連絡下さい。対処します。

決して、妖精兵を差し向けたり、クラーラの妖精で身元を探ったりしないで下さい。切に願います。

閑話休題も若干有りますが、ほぼ、2つの目的の話に繋がるエピソード。
そのことを頭に置いて見ると全体の流れが見えてきます。

また、こうして整理すると、各エピソードで事件は解決しても、殆どの人物と決着が着いてないことも分かります。

ディーゼの反乱以外は、殆ど継続と言っていいでしょう。
分割2クールと、後半があることが決まっているので、仕方なしか。
後半に期待をしましょう。

地に足着けた設定は良し

【はじめに】でも書きましたが、妖精設定と、妖精兵の超人的な身体能力を除いては、とてもリアリティある作風となってます。

主人公のマーリヤは、妖精を取り込んだからと言って妖精兵と対等に戦えるわけでもなく、身体能力が上がるわけでもない。
負けたからと言って、リベンジ戦でいきなり強くなったりしないどころか、戦いもとても現実的で、必殺技や一発逆転を多用しない。

この辺が、盛り上がらないけど(すいません)、現実的に描かれていて説得力を増すのです。
渋い!!
アクションファンタジーなんだけど、まるで戦記物を見ているような感覚です♪

でも、飛躍しないからこそ、訓練している姿、努力、工夫する姿を見たかった。

序盤では、マーリヤが妖精の使い方などを知っていく様子は見たかった。
また、フリーが妖精器官を移植される件の紹介はあったが、他の妖精兵のエピソードも知りたい。

妖精兵は移植手術を経て妖精を使えるようになるのなら、最初から妖精のスキルは分かって移植手術を受けたのか?
では、どうして、そのスキルを持った妖精を選んだのか?

設定がしっかり考えられていて、作画は細かい所まで描かれているだけに、興味が湧きますねーー
見たい!!

見ていて、肩すかしを食らったような感覚を得てしまう(すいません)のは、期待が高いから。
興味が湧く対象や事象、人物が多数あるから。

見たい物が見れない、するとストレスが溜まってしまうのですよね・・・(苦笑)
難しいですね。

達成感、共感、爽快感はなし

現実的な描き方故、妖精兵という設定上、強い者は強いまま、弱い者は弱いまま、というのは理解できるが、成長がないのでカタルシスが弱い

そして、それより何より、失敗を悔やむが、反省も対策もしない

オズが殺され仲間は悲しむ。
が、悲しみ、局長にカツを入れられただけで、反省も対策もなし。

国宝の妖精武器・フラタニルを奪われたのだから捜索は?
ビーヴィー・リスカーに完敗しておきながら、訓練や対策は?

取った行動は、落ち込むことと、主人公マーリヤに至っては、古巣へ泣き言まで・・・

まるで、フラタニルを持ってすぐに首都を攻めてくるだろう、ビーヴィー・リスカーが次攻めてくるときは、フリーが使い慣れた妖精兵器を使い、セルジュとクラーラも一緒だから連携できるだろうと分かっているよう・・・
#すいません、皮肉です

本格的な雰囲気を醸し出しているのだから、ドロテアという組織としての強さ、そこに属する妖精兵の成長”過程”をキチンと描いて欲しかった。

何を描きたいのか?

先に書いたとおり、物語の軸は2本。

  1. “黒の妖精書”を求める者達
  2. 国家転覆、反乱を目論む者達

①と②は一見関連がなさそう。
本当に関連がないのか、②を少し深掘りしてみましょう。

ディーゼが国を取ると妖精技術が開放?

②を企てたシュヴァルツ・ディーゼ。
目的はなんだったのか?

多くは語られません。
単に権力を握りたかった?

ディーゼの目的は大して重要ではなく、利用されただけでしょう

ポイントは“何のために”利用されたか、です。

ビーヴィー・リスカーは単に戦いたいから、賛同したのでしょう。
三大マフィアの一つ、アーケイム、もしくはウルフランが何を企んでいるのかが鍵か。

引っかかるのは、11話地下道での、ディーゼとウルフランの会話。

ディーゼ「見返りは期待していい。私は統一ゼスキアと違って、妖精を独占するつもりはない。
ウルフラン「開かれた自由な妖精の利用・・・ですか?」
ディーゼ「そして、発展を、変革を促し、新たな世界を切り開く」

マフィア・アーケイムは、人工妖精の売買を収入源にしているので、ディーゼが作る世界で商売をし易くするためか。

では、なぜ、ウルフランはレイ・ドーンへ情報を流し、阻止したのか。
#組織の意思ではなく、ウルフラン自身の意思かもしれません

理由は2クール目で明らかになっていくのでしょう。

妖精技術の開放

もう一つのポイントは、統一ゼスキアでは政府が妖精技術を牛耳っていること
#ドロテアはその取り締まりを目的とした組織

妖精技術を「”管理”する勢力」と「”開放”する勢力」の戦いと言えそうです。

統一ゼスキアは、妖精関連をコントロール下へ置こうと動いてきた。
その理由は、もちろん、強力な兵器となるのだから当然のことと思えます。

12話かけて散々妖精兵の強力さを見せられたのですから分かりきったことです。

では、なぜ開放したいのか?
もしくは、統一ゼスキアのどこかに不満があるのか?
この理由が分からないので、統一ゼスキアに反感の気持ちが湧かず、反乱したディーゼに1ミリも共感できない。

単に、人の上に立ちたいだけか?
大義がなければ人は集まらないし、強い組織は生まれない。
#だからディーゼは簡単に失敗したのでしょうが

人工妖精の暴走事件時、首相暗殺未遂があったが、これは個人レベルの恨みに見える。

極悪人でも1点くらいは同意できる点がないと面白みがないのですが・・・

まあ、終盤はディーゼの反乱というより、傭兵ビーヴィー・リスカーとの戦いを描きたかったようにも見えますが・・・

今後の展開

ここまで考えると、外せないのが①”黒の妖精書”。

黒の妖精書が”妖精憑き(づき)”という現象について書かれ、大きな秘密が隠されている様子。

その”妖精憑き”が主役マーリヤ。

“妖精憑き”の現象が珍しいことなら、マーリヤに起きたのは、恐らく出生地に関係が。

となると、レイ・ドーンがマーリヤとヴェロニカの故郷・スーナを焼き払ったのも、何らかの目的があるのではないかと透けて見える

と、ここまでは分かるが、”妖精憑き”に隠された秘密の重大さ、危険さがあまり見えないので、引きが弱い。

恐らく、レイ・ドーンは妖精に関する重大な(危険な)秘密を知っており、最悪の事態になる前に、排除したいと考えているのでしょう。

となると、後半(2クール目)は、妖精技術を「”管理”する組織」VS「”開放”する組織」VS「”根絶”させる組織」の三つ巴の戦いか。

そう考えると・・・面白くなりそう!!(笑)

おわりに (『フェアリーゴーン』とは)

すいません、最後は妄想爆発してしまいました(苦笑)

こうして、レビューを書くに当たり整理をしていくと『フェアリーゴーン』は様々な要素が盛り込まれているのが見えてきます。

だから、分割2クールの前半を終え折り返し地点になっても、向かう先がはっきりしない。

一応、五公の一人、ディーゼの決着が着いたので、後半ようやくレイ・ドーンとの対峙が待っているのは分かります。
が、レイ・ドーンがどっちへ向かうのかは不明。
そしてそれ以外の組織が多すぎ(笑)

これらを上手く着地すれば、とても面白くなりそうだが、肝心の向かうべき、理想、ビジョン?
もしくは避けなければならない、敵?災害?それとも妖精の存在そのもの??

その辺りが前半だけでは見えないので、掴み所がない展開に。
まるで12話かけて、作品舞台と登場人物の紹介だけをされたかのよう。

4クール物の1クール目なら、分かります。
でも2クール物の第1クール。

ここから怒濤の展開が待っているのでしょうか?
いえ、あるのでしょう!
期待しています!!

クーーッ、色々好き勝って書いてすいません。
私は気に入った作品しかレビューを書きません。

『フェアリーゴーン』は設定も世界観も好みで、作画も音楽もバッチリです。
それだけに高い期待をしてしまったのか、残念な箇所が・・・(涙)

第2クールのレビューも書いているので良かったらご覧ください。

ではでは。

きょうのひとこと

身の回りの世話や、仕事を手伝ってくれる妖精”なら”欲しい・・・

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