アクション

アニメ【グレイプニル】1~13話(最終回) 僕の中は怪物か、ヒロインか?混ざるな危険!

グレイプニル
オススメ度 B-
原作 コミック
ジャンル 異能力バトルアクション
放送情報 TVアニメ(2020年春)/全13話
ストーリー
設定
世界観
感情移入

原作コミック未読。
TV放送録画にて鑑賞。一気見。

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『グレイプニル』最終話まで鑑賞しました。

原作は武田すん先生原作の漫画。
月刊『ヤングマガジンサード』に連載中で、コミックは8巻まで刊行。(アニメ放送時点)

アニメ化された内容は1巻から概ね6巻までの内容。
ラストは7巻のネタもおりまぜて、アニメ用の区切りをつけています。

デスゲーム系かと思いきや、異能バトルもの

エログロが・・・いや、エロ描写が話題になっていますが、注目点はエロだけではありません!

では、TVアニメ『グレイプニル』感想レビューをどうぞ。

  • 「はじめに」は【ネタバレなし】
  • 「感想レビュー」「おわりに」は【ネタバレあり】

はじめに

タイトル『グレイプニル』からは内容を想像できず。
公式HPのイントロダクションを読んで、巻き込まれ系のデスゲームかと思ってました。

勝ち残るだの、願いを叶えるだの、と言ったデスゲーム系と似た展開もありますが、異能バトルものです。

エログロ要素、濃いめ。
とくにエロ描写に力が入っているので話題も感心もそっちへ集中しがち(笑)。

だけど、エロだけではありません。

本作の魅力は謎設定、ミステリー要素

序盤から、主人公の摩訶不思議な能力、ヒロインの過去、時々差し込まれるコイン情報。
次々と謎が示されます。

提示された謎は、根底の部分を残しながらも、少しずつ明かしていく展開が嬉しい。

ヒロインについては、ヒロイン自身が謎多き女。
頭の回転は速く合理的な判断をするくせ、危険な行為もいとわない。

主人公だけでなく、見ている側も、ヒロインの選択と行動に振り回されます
ヒロインの行動が『グレイプニル』独特の個性的な展開の原動力に

肝心のストーリーは、謎が散りばめられる序盤はとても引き込まれますが、途中息切れします。

が、それでも時折新たなミステリー要素を加えて、最期まで見たい欲求を上げてくれる。

最後が尻切れトンボなのは、原作漫画が連載中なので、仕方なしか。

バトルシーンも作画に力が入ってます。
主人公の変身した姿は正直スマートではありませんが、動く動く。

所々のバカな展開があるのと、ラストは割り切り。
娯楽として見るなら、充分楽しめるのではないでしょうか。
#エログロ注意です

2期があれば、絶対見たい。
先が気になる作品です。

TVアニメ「グレイプニル」第一弾PV
グッドスマイルフィルム

感想レビュー (以降、ネタバレありです)

『グレイプニル』ストーリー概要

序盤 (1~4話)

あらすじ

犬の着ぐるみに変身できる能力を持つ主人公・修一は、平和で普通の生活を望んでいた。

ある日、火事の中にいたヒロイン・クレアを、その特殊能力を使って助ける。
クレアに能力がばれ、修一の生活は一変していく・・・

序盤は、修一がウジウジした性格なのが気になりますが、グイグイ引っ張っていくクレアと、コインの謎、コインを狙う”収集者”、特殊能力が気になり、引き込まれます。

最初の襲撃者の後、2番手、3番手が来ると思いきや、行方不明の姉の情報を張り込み!?

ところが現れたのは姉本人。
接触すると、コミュ障!?からの圧倒的強者!

異能バトルものの、王道展開から少しずらした話の運び方が新鮮です!

中盤 (5~11話)

あらすじ

宇宙人からコインの意味を知り、変身できる方法を知った修一クレア
二人は、情報を集めるためにコインが沢山集められるという森に入っていく。

森には、他の収集者もいた──

序盤は、全く情報のない二人が、後発参戦の不利さをモロともせず一人目を撃破するも、格上の姉に一蹴される展開がシビれました。

が、森に入ってからは話がとっちらかった印象に。
異能力バトルがメインにしたいのか?

行き当たりばったりの展開が目に付く

見つけた相手の強さを計る前に勝負を仕掛ける。
弱みを握った収集者をツテに新たなチームに入る。
一気に100枚集めるからと特段対策もせず宇宙船墜落現場へ向かう。
案の定、凶悪な敵に見つかり、せっかく追っ手を倒したのに、逃げずに奥へ行く。
#しかも犠牲者の墓まで作って時間を無駄に

とりあえず逃げることに成功し、どこかでリベンジするのかと思ったら解散!?

生半可な気持ちでは、この戦いに勝ち残れないということか?
それとも、修一とクレアは、仲良しこよしのチームでは馴染まないと言いたかったのか・・・

クレアの覚悟を示すため、修一が覚悟をするためのエピソードだとは分かるのだが・・・

ただ、注目すべきシーンもいくつか。
最大は修一が吉岡との合体時に見せた変身形態
ちょっとシビれました!

吉岡が修一と一体になることで記憶を共有し、修一本人も強制的に忘れさせられていた江麗奈との関係を見せるシーンはサプライズ

修一本人ですら思い出せない情報を使って、江麗奈に接触を図る展開も良し

あれは、修一君の・・・
修一君だけの特別な力。

人と協力して誰かと力を合わせることで、限界を超え目的を果たすための力
とても強い力よ。

二人の目的が変わらない限り・・・

by 江麗奈『グレイプニル』TVアニメ第8話

このセリフから、江麗奈と修一は以前一緒に戦っていたが、二人の目的が違え一緒に戦えなくなったことが伺えます

驚異的な強さを見せた、変身新形態。
これ以降出てきませんが、いつかその発動条件が分かり、応用して欲しいですね。

終盤 (12~13話)

あらすじ

数ヶ月前に遡る。
修一は、山田塾の友達と今でも時折会っていた。

恋人の愛子の様子がおかしいと話し出す直人
ほのかが行方不明だったと知らなかった海斗

少しずつ、歯車が狂い出す・・・

うーーむ、12話のラストバトルは盛り上がりましたが、個人的には11話が終わらせた方がキレイだった気がします。

「これで終わりかよ!」と突っ込まれるかもしれませんが、13話までやっても同じような・・・(苦笑)。

11話、宇宙人にまつわるシーンと、修一に語るセリフで、このコインゲームの始まりが。

君の言うところの元凶は、確かに私ですが、このゲームは既に私”たち”の予想を超えて、独自に動きつつあります

もう私にも止められません。

by 宇宙人『グレイプニル』TVアニメ第11話

コインを集めてきた人に願い事を叶える。
この発想をしたのは、宇宙人ではなく、人間のほのか。

宇宙人が言う、”私たち”とは、宇宙人と、ほのかのことでしょう。
#ただ12話の展開で引っかかる部分はあるのですが・・・

海斗が暴走し、愛子に変身したほのかを殺す・・・

優しさ故に、勘違い。
好きだからこそ、すれ違う──

現在に話が戻り、修一の家のシーンはゾクリとした。
まだまだ、謎がありそうだ。

ラストは、修一の記憶が戻ると、幽霊ほのかに見つかり、江麗奈も助ける事ができない程の攻撃で消滅させられてしまうということか。

江麗奈は、修一の身を守るために記憶を操作し、自らは幼馴染みの直人とともに、海斗を倒しに行くと言ったところか。

続きが気になります!

着ぐるみという発想が斬新!

修一の変身能力は「犬の着ぐるみに変身」。

この能力は、修一が望んだわけではなく、江麗奈が修一と一つになるために与えた能力のよう

自分の中に他人を入れ、自分の弱さを補う能力。
修一自身に戦闘センスはないが、クレアが入り動くことで高い戦闘力を発揮する。

優しい修一にそんなこと(人を殺すこと)できない。
もちろん、私の細い腕じゃ、あんなバケモノ倒せない。

by クレア『グレイプニル』TVアニメ第2話

身体的にも、そして性格的にも、お互いの弱い所を補う組み合わせ。
体だけでなく、感情も一体になればなるほど、力を発揮する。

江麗奈が、修一の能力を頼らないのは謎だが、それは今後分かっていくのでしょう。

弱い奴らと仲間になり、吉岡が入って強くなった時・・・

クレア以外も次々と修一の中に入り、新しい戦闘スタイルが生まれてくる展開かと思いました

段々男前になっていくヒロイン!?

ヒロインポジションのクレア。

だけど、最初はキレキレの危ない女。
両親が殺され、姉が失踪。
姉がバケモノになったのか、バケモノが姉を乗っ取ったのか?
真相は判らないが、心の奥底では姉を信じている?

事件のことを話しても誰も信じてくれない。
自分の居場所を見つけることができず自暴自棄になり焼身自殺──

そこへ憎むべきバケモノの姿をした修一が現れる

バケモノの正体を探ろうと、修一に近づくが、修一も全く知らない。
ならば、バケモノである修一を利用するが、次第に修一の心に触れ、(恐らく)元の明るい性格を取り戻していく。

この辺の、クレアの変化をもっと丁寧に描いてくれれば、人気が出ると思うのですけどね・・・

修一とクレアの性格は正反対。

最初はクレアが暴走気味で、修一が完全に押さえに回る、アクセルとブレーキ関係。
お互いの能力と信頼関係が出てくると、外見からは二人と分からない強みを使って、作戦を実行。

終盤は、汚れ仕事を一手に引き受けるクレアを守るため、覚悟を決めた修一が自ら打って出る。

着ぐるみ本体と中身。
置かれた設定も特異ですが、二人の関係が興味深い。

今後、どう変化していくのか楽しみですね!

コイン設定が物足りない

宇宙人設定は、何でもありになってしまうので、どうかと思いますが・・・
まあ、神様設定だと思って置いときましょう(笑)。

それよりも、願いが叶うコインの設定。
大雑把なのが残念。

クレアを含め頭が良い人がいる設定ですが、穴が多すぎ・・・

なぜコインの存在枚数を確認しない?

宇宙人は、同胞が圧縮されたコインを集めている。
コインを集めた人には、見返りがある。

  1. コイン1枚で変身する薬がもらえる
  2. 100枚集めると、もっと凄いことができる

変身能力を持ち、コインを集める人たちを”収集者”と呼び、100枚集めることを目指す。

コインに関する情報はこの程度。

修一とクレアは、誰かがコインを100枚集めるのを阻止することが目的

それなら、もっと考えないと。
宇宙人はコインを早く集めたいのだから、そこを突いて情報を得ればいいのに・・・

たとえば、コインが何枚存在しているのか?
何枚存在しているかにより戦略はまるで変わってくる。

例えば、コインは百数十枚だとすると・・・

一人が集めれば目標達成。
誰かが集めていれば、他の人は達成不可能。

逆に他の人に100枚集めさせたくなければ、100枚にならない枚数を目標に集めれば良い。

101枚しかなければ、2枚確保し、宇宙人に渡すか、破壊すれば、誰も100枚は集められない。

コインが何千枚もあるとすると・・・

100枚収集しても、全く安心はできない。
自分が100枚収集し、凄い願いを叶える、もしくは保留しても、他の人が100枚集めることは押さえられない。

残りのコイン枚数が100枚以下になるまで安心できないのだ。

だから、コインの存在枚数、あるいは残存枚数は絶対に必要な情報なのです

まあ、100枚集めて、他の誰にも願いを叶えさせるなと願うこともできますが(笑)。

なぜコイン1枚で満足しない?

  1. コイン1枚で変身する薬がもらえる
  2. 100枚集めると、もっと凄いことができる

コイン1枚で変身能力が得られ、次の報酬は100枚まだなし。
2枚目、3枚目があると何ができるのか説明がない。

変身能力は一人一つなのか?
一度能力を得ると、変更はできないのか?

修一達が入った弱小チームのセリフから、一度得た能力を変更することはできず、新たな能力を得ることも無理な感じと推測できる。

そうなると疑問が二つ。

最初の襲撃者はコインを得て何をしようとしたのか?

インターハイに出ることが夢であり誇りだった最初の襲撃者。
願う力は得られたが、見た目がバレバレなのがまずいと思ったか、クレアのコインを奪いに来る。

では、コインを集めて何をしようとしたのか?

もう一度コインで、元に戻れるのか?別の能力を得られるのか?
まさか100枚集めて、もっと大きな事を成そうと思っていたのか?

生に執着、コインに執着していたのは見ているのが辛いほどよく分かった。
コインを欲しがる理由をもっと描いて欲しかった。

江麗奈の能力は複数?少なくとも願いは2つ

強力な能力を持ったクレアの姉・江麗奈。

江麗奈の能力は自分を黒い霧状にすることと、人の記憶を改ざんすること。
これは一人が二つの能力を持っていることになるのでは?

ん?
二つ持っているから体が堪えきれず、記憶改ざんの能力を使うと寿命が縮む設定なのか?

普通なら、一つ好きな能力をもらって、その能力を使い悠々自適に暮らす人がいても良いはず。

コインを探し続けないと、命がないとか、能力の効果が切れてしまうとか、そういう設定がないと、必死にコインを探す必要性が見いだせないのです

おわりに (『グレイプニル』とは)

ありきたりの異能バトルアクションかと思いきや、デスゲームでもない、自ら進んでバトルの渦中に入っていく展開は最近は返って新鮮。

王道展開をあえて避け、少しずらしたストーリーが、序盤ははまって面白い。
中盤からは、なぜそんな選択をする?と少し違和感が・・・

だけど、謎設定とキャラクターの危なっかしい魅力に目が離せず、最後まで見届けたいと思わせてくれる。

なのに、ラストは中途半端な所で終わり、原作ストックもないという(涙)。

この思いをどこへぶつければ良いのか・・・
とりあえず原作を手に入れるかと、空き時間と相談しながら考える読後感。

原作を読んだら、レビュー書きますね。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はTwitter(@toki23_a)にて!

以上、TVアニメ『グレイプニル』の感想レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

ではでは。

きょうのひとこと

タイトルから中身が想像できない作品は久しぶり

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