魔法少女

アニメ【グランベルム】1~13話(最終回) 感想レビュー 丸いフォルムが締まらないが真剣なのです!

グランベルム
オススメ度 B
原作 アニメオリジナル
ジャンル 魔法少女、ロボット、ダークファンタジー
放送情報 TVアニメ(2019年夏)/全13話
ストーリー
設定
世界観
感情移入

TV放送録画にて鑑賞。一気見。

あらすじ

舞台は現代の滋賀県。
1000年ほど前に封印されたが、かつては魔法が存在した世界

数十年に1度、魔力を封印した幻想空間マギアコナトスで魔術師の子孫達が魔法人形アルマノクスを操り、唯一の魔術師を目指しバトルロイヤル「グランベルム」が行われる。

どこにでもいる普通の女子高生・小日向満月(こひなた まんげつ/主人公)は、ある満月の夜、突如グランベルムへ巻き込まれる。

こんばんは。時文です。
TVアニメ『グランベルム』最終話まで観賞しました。

原作はなく、アニメオリジナル作品。

あまり良い評価が聞こえてこないので、後回しにしてきた作品。
いやいや、なかなか面白いじゃないですか!

少しウツ展開があるダークファンタジー。

どこかで見たような感覚が付きまとう所はありますが、練り込まれた設定、シリアス展開が好みです。

では、TVアニメ『グランベルム』感想レビューをどうぞ。

  • 「はじめに」は【ネタバレなし】
  • 「感想レビュー」「おわりに」は【ネタバレあり】

はじめに

何か普通ではないことが起きているような雰囲気が漂う満月の夜。
ゾワゾワした雰囲気が伝わってくる冒頭。

主人公・満月に非現実的な出来事が起きる──

今までいた場所と同じようで同じでない。
スマホは圏外。
外ではロボット同士が戦っている。

そして、なぜか自分を追いかけてくる・・・

かつてこの世界には魔法があった
危険な力は封印され、現在は世界で一人しか魔術師になれない。

その唯一の魔術師を目指すためのバトルロイヤル「グランベルム」がこの町で行われていたのだ。

参加している少女達は魔術師の子孫。

この戦いで得られる魔術師と言うのは”なんでも叶えられる”存在として描かれている。

そして、彼女達が戦う手段である「魔法人形アルマノクス」は「イメージ」と「強い願い」に呼応する。

彼女達の心が形になったのが「魔法人形アルマノクス」
なので、丸っこい低頭身なのは、彼女達の心を表しているから。

古い人間なのか、可愛らしいロボット造形にどうしても笑ってしまうのですが、戦闘シーンは本格的!
ただ、見た目はロボットだけど、物理法則を無視したり何度も再生したりと魔法の具現化。

私は、ロボット物と言うより、魔法少女物として捉えました。

色んな要素を詰め込み過ぎ、話をややこしくしているのが残念ですが、彼女達の真剣な姿に共感できれば楽しめると思います。

私の場合は中盤でのあるキャラクターが退場したところが最高潮で、そこである意味燃え尽きてしまいました(苦笑)。

魔法少女達のバトルロイヤル。
日常生活も丁寧に描かれ、遊びはそれほどなく、真面目な展開。

それは、負けたら終わりと言う真剣勝負だから

彼女達の戦いの行く先を、そして結末をご覧下さい!

TVアニメ「グランベルム」第2弾PV
DMM pictures

感想レビュー (以降、ネタバレありです)

『グランベルム』が描きたかったこととは

『グランベルム』が全13話を通して描きたかったこと。
もちろん「何でも叶えることができる魔術」に翻弄される少女達を描いているのは確か。

それは誰でも分かると思うので別の話をしましょう。

掘り下げの取っ掛かりになるのは物語の根底にある大きな矛盾。

大きな矛盾点

魔法は危険な力だからと封印したにも関わらず、魔術師を決めるバトルロイヤル「グランベルム」があること

幻想空間「マギアコナトス」に意思があるのか私には分かりません。
ただ、現実世界に干渉したり、満月や水晶といった人形を作り出すことから、なんらかの判断をしているのは確か。
それは「マギアコナトス」が意識的にやっているのか、約1000年前に封印した魔術師達の術の作用かもしれません。

その結果、水晶が1000年前から存在しているのは事実
#水晶自身の記憶も魔法で作られたかもしれません
#が、その後世界に魔術師が現れていないのが証拠かと。

水晶に与えられた任務はバトルロイヤル「グランベルム」の審判役。
魔術師候補を見極めるため、最高の力とスピードと魔力が与えられた「最後の試練」と言う役目。

このことから「マギアコナトス」は数十年に一度行われるバトルロイヤル「グランベルム」の優勝者に、単純に勝ち残れば魔術師の称号を与えるつもりはないことが分かります

その時代の1位になるだけではなく、最強の番人である水晶を倒す者でなければ魔術師にはなれないと言う仕組みなのです。

考えれば当然です。
魔法が使えない世の中で、唯一無二の強大な魔術師となったら、その存在は神にも等しい。
だから、それ相応の覚悟と考えが必要なので、審判役がいて厳しい試練にしているのは至極当たり前。

ズルいのはそのことを隠して「グランベルム」を開催していること。
同年代の魔術師に勝てば良いとの認識で参加してくる彼女達が可哀想。

これでは、誰も魔術師にはなれないのでは?
いや、実はそれが「マギアコナトス」の願い?
少なくとも「再び魔法が厄災になるくらいなら、魔術師などいない方が良い」と考えていたのだと私は解釈します。

ところが、今回はその試練を乗り越えた新月が勝利。
それこそ「グランベルム」に参加する前からの試練を(試練と知らずに)くぐり抜け。
「マギアコナトス」が仕掛けた「満月」と言う試練を、乗り越えるどころか、自分の力とし二人がかりで水晶を破った。

そして1000年前から行われていた「グランベルム」始まって以来、初めて魔術師プリンセプスが生まれ、その初代プリンセプスに魔力の存在を消される・・・

壮大な「皮肉」が描かれているのです。

以降は私の完全な推測です

この物語で描きたかったのは、魔力の存在を再び人へ委ねた物語なのではないでしょうか

1000年前、魔法を封印した魔術師は、自分の命を懸けて魔法を封印した。
「消し去った」のではなく「封印」したのです。

そして、魔法を使える可能性のある「グランベルム」という仕組みを用意した。

1000年前、人が魔力に惑わされることを恐れ、なくした方が良いと考えた魔術師達。
魔法の存在そのものを消しても良いか判断が付きかねたのではないでしょうか。

今後、世界に何かが起き、魔法でなければ解決しないような事態になったとき。
魔法の存在を消してしまえば、子孫の危機回避の手段を奪ってしまうのではないか?

だから、魔力の存在を消し去るのではなく、世界の全魔力を「封印」し、魔法を使えなくした。
魔術師になれるバトルロイヤル「グランベルム」の仕組みを用意。
ただし、それ相当の精神と力を持ってないと渡せないので、審判・水晶を設定。

結果は、新月が唯一クリアし魔術師に。
その新月は、皮肉にもやはり1000年前の魔術師と同様、世の中に魔法は必要ないと考えたのです。

と、あくまで私の個人的な意見です。
この辺のことを、作品内でもっと描いて欲しかったですねーー

設定は練り込まれている

先にも書いたとおり、色んな推測ができるほど、設定やストーリーが練り込まれてます。
バトルロイヤル「グランベルム」の全容が見えるまで新情報にワクワクしながら見ることができました。

グランベルムは既に1年以上続いている

1話で主人公・満月が突如巻き込まれたバトルロイヤル「グランベルム」。

バトルロイヤルと言う割には人数が少ない。
それもそのはず「グランベルム」は1年以上も前から始まっていたのです。

遠距離攻撃に特化したジーグァンロンは不利なの。
だから1年も隠れて作戦練ってたんでしょ。

by 林姉妹『グランベルム』TVアニメ3話

バトルロイヤル「グランベルム」が行われるのは、満月の夜
1年以上続いているとは言え、実際は十数夜の戦い。

魔術師達は既に厳選されている

最初は何人いたのかは触れられてないが、途中参加の満月を入れても既に7人にまで絞られています。

寧々のようにずっと隠れていたパターンもあるでしょうが、それなりの実力を持った者のみが残っている。
つまり、高レベルな戦いが最初から繰り広げられるので冒頭からずっと戦闘は激しい

7人の少女達。
ロサは、目覚めたばかり満月を軽視して早々に退場するので、正確には6人。

厳選された6人の少女達のバックグラウンド、この戦いに懸ける想いがじっくり描かれるのは良い

マギアコナトスの「審判者」の存在が面白い

数十年に一度「グランベルム」が行われているのなら、既に何人かの魔術師の存在があって然るべき。
#寿命を操れないとしたら100歳限度で1人か2人はいても・・・

が、待てど暮らせど、そのような存在は語られない。
その理由は、審判役・水晶が最後の砦として立ちはだかっていたのだ。

この水晶の立ち位置も面白いが、それを(脚本上)逆手に取った九音の姉・四翠(しすい)の設定が凝っている

四翠はなんらかの方法で「グランベルム」で水晶を倒さなくては魔術師にはなれないことを知る。
だから自らの魂を懸け、水晶に弱点を作り、九音のサポートをしようとしたのだ。

結局は水晶に負けてしまったが、マギアコナトスが仕掛けたバトルロイヤル「グランベルム」の真実にこの時最も近づいていたのだ。
#こういう二代(正確には姉妹だから二人?)に渡っての作戦と言うのは理屈なしに好き(笑)

四翠が持っていた情報と、寧々姉妹の分析力があれば、もっと違う道があったのにと悔やまれる。

さて、左様に憎らしくもなんだかんだと「グランベルム」の進行を実質コントロールしていた水晶。
この水晶の登場こそ、真の敵、真の倒す相手と分かってからはバトルロイヤル物が面白くなるはずなのだが・・・

そうは問屋が卸さなかったのが彼女の存在・・・

アンナの存在が大きすぎ!

1話から新月に異様なまでの執着を見せるアンナ。
もう魔術師になるとかが目的ではなく、新月を蹴落とす、なんなら新月の存在を消すことに全精力をかけ、そのためには何でもする始末。

アンナの壊れっぷりがどこまで行くのかと思ったら、もはや異常。
インパクト充分、存在感が大きすぎるのです。

彼女が退場する7話があまりに壮絶で、そして哀しい。

彼女の執念、諦めの悪さ、壊れていく様・・・
対比となる、新月の記憶にある、優しく、魔術以外の才能に長けたアンナ・・・

そのギャップが、哀しく、虚しく、どうにかならないのかと地団駄を踏む。

ラストの戦いにしても良いくらい。
せめて、どうして終盤へ持ってこなかったのか・・・

もちろん、分かってます。
アンナが死んだことにより、現実での影響を描く。
真の敵である水晶との争いをじっくり描くため。

何より、アンナが新月に執着したのも試練だという水晶の言葉を活かすため。
#ここインパクト弱かったですね・・・(苦笑)

でも・・・でも彼女の存在感が大きすぎ、8話以降、ぽっかり作品に穴が開いたようで・・・

勿体ない。

真の敵の存在感が弱い

バトルロイヤル。
自分以外は全員敵だと思っていたら、真の敵が存在した、超えるべき大きな壁の存在が分かった、と言う展開はプロットとしては良い。

が、私の場合、直ぐには腑に落ちず、水晶を「真の敵」と認識できずにいました
理由は──

  • アンナの存在感があまりに大きかったこと
  • 水晶が前半、あまりにズルいだけのザコキャラに見えたこと

そして、もう一つ・・・
というか一番大きい要素は・・・

  • 水晶は「マギアコナトス」そのものではない
    「マギアコナトス」から「審判者」として役目を授かっただけの存在

水晶が、何を考えているのか分からない不敵で、戦いも相当強いことは、すぐに分かります。

が、「マギアコナトス」の加護を受けた「審判者」と分かった時も、その背後にはもっと大きなマギアコナトスの存在を感じてしまう。

要は、結局水晶は「マギアコナトス」の子分でしょ?みたいな。
まだラスボス(マギアコナトス)が出てくるのではないかと考えている間に最終エピソードになってしまった感じなのです。

いや~勿体ない!

次は新月の物語

ラスト、この世界から魔力をなくした新月。
学校へ行くシーンが切なくもあり、満足そうな新月に未来を期待したい終わり方。

新月は、グランベルムで勝ち残り、世界唯一の魔術師プリンセプスとなった。
早速その力を使って叶える願いは「全ての魔力と魔術師の存在を消す」こと。

唯一の魔術師である自分を消すことは、新月そのものが消えてしまうことではなく存在が認識されなくなることらしい。

存在感はともかく、少なくも、ちょっとした術も使えなくなってしまった新月は何も取り柄がなくなってしまった。

魔術師としての能力を除いたら私には何もない・・・

by 新月 エルネスタ 深海『グランベルム』TVアニメ11話

そう。
これは、1話の満月である。

あの時の満月に、新月は言った。

何もない人間なんて存在しません

それはそう思い込んでいるだけです。どんな人間でも・・・

by 新月 エルネスタ 深海『グランベルム』TVアニメ2話

それを今度は、自分が実践するのだ。
満月がグランベルムに参加したいと新月に誓ったあの学校の中庭で、新月は誓うのだ

おわりに (『グランベルム』とは)

色んな要素が詰め込まれたアニメ『グランベルム』。
レビューに書きたい事も様々で、振り返ると、主人公のことを書いてないのに気付きました(笑)。

全体を捉え、ストーリー面から記載すると、満月に触れる事なく書けてしまいました(汗)。

決して「満月は主人公じゃない」「満月は不要」と言っているわけではありません。

序盤で「自分には何もない」と言ってた主人公が、勇気を持って一歩踏み出すシーンは感動したし、終始物語を進める原動力の一つになってます。

が、全体を俯瞰すると、真の主人公は「新月」。
描きたかったのは、1000年前から続く、魔力の存在の是非だったのではないかと、私は感じました。

満月の正体、新月との関係、面白い試みだったと思います。
13話最後まで楽しめました。

以上、TVアニメ『グランベルム』の感想レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

ではでは。

きょうのひとこと

この世界には魔法も特別な力も存在しないから、人は憧れ、そして努力する

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。