オススメ度 | B |
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原作 | 特撮TVドラマ『電光超人グリッドマン』 |
ジャンル | 特撮、アクション、青春ドラマ |
放送情報 | TVアニメ(2018年秋)/全12話 |
ストーリー | |
設定 | |
世界観 | |
感情移入 |
原作特撮ドラマ未視聴。
TV放送にて鑑賞。一気見。
こんばんは。時文です。
TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』最終話まで鑑賞しました。
原作は、円谷プロの特撮ヒーロー物『電光超人グリッドマン』(1993年放送)。
とうとう、特撮ヒーロー物までもがアニメ化されるようになりました。
アニメは万能、何とでも相性合わせられるようです。
最初に断っておきます。
私は物心ついてからはヒーロー物見なくなったので、特撮モノ、ヒーロー物にこだわりも記憶もありません。
ヒーロー物や特撮は好きでも嫌いでもない、というスタンスです。
原作『電光超人グリッドマン』も未視聴です。
そんな私にとって『SSSS.GRIDMAN』は、魅力の半分も楽しめなかったのかも・・・
というのも、作品の端々に、オリジナルへのこだわり、当時の時代のヒーロー物の何かにかけているのだろうな、と感じながらも意図が分からない状況に陥りました。
ちょっと悔しいです・・・
ただ、知らなくても、隅々にまで行き届いたこだわり、熱意を感じました。
そして私には、ヒーロー物と言うより、青春ドラマに見えましたね(笑)。
その辺をレビューしたいと思います。
それでは、TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』の感想レビューをどうぞ。
Tsuburaya Prod. Official Channel
目次
はじめに
舞台は現代の東京都、ツツジ台。
高校1年生の響裕太(ひびき ゆうた)(主人公)は、目覚めるとそれまでの記憶を失っていた。
ジャンク屋の古いパソコンから裕太にだけ聞こえる声に導かれながら、突如、街に出現した怪獣と戦っていく。
本作は25年前に放送された、特撮ヒーロー物『電光超人グリッドマン』を原作としてますが、ストーリーは完全”新作”。
原作の設定を、ある程度流用。
各話構成は、前半「ドラマ」、後半「怪獣との戦い」というパターンを概ね踏襲。
それでいて、アニメファンがより重視するであろうドラマパートを丁寧に描いてくれているのに好感が持てます。
ここまでしっかりと人間模様、心情描写を描いてくれるとは予想外でした。
放送開始前に聞いていた情報では、(原作の『電光超人グリッドマン』は)一般家庭にPCが普及する前に「インターネット」「コンピューターウイルス」といった概念を先取りし、「仮想空間」の世界まで出てくる。
と気になる単語のオンパレードで、視聴決定したのですが、視聴して見ると、期待したほど絡ませてない。
技術ワードは舞台装置になり、気にしなくて良い存在になっているのです。
理系の私にとっては、アテが外れたと言うか、肩すかしを食らった感が・・・
確かに設定や世界観は尖っていて、25年前に放送されていたと考えると、その発想に驚きです。
が、今のアニメ界では、想定内の展開。
むしろ、人間関係、友情の部分に惹かれてしまいました♪
結果、私はヒーロー物としてではなく、青春ドラマとして楽しめました。
ヒーロー物に興味がない私にとっては、鬼門だったかも・・・
それでも、ヒーロー物としてグッと来るところもありましたよ。
特に終盤は、ドラマパートとバトルパートがうまく噛み合って、胸アツでした。
今では、主題歌を聴くだけで、テンションUP状態です♪
感想レビュー (以降、ネタバレ全開です)
ただのヒーロー物かと思ったら・・・
特撮ヒーロー物が原作。
原作の情報少しだけ知り、視聴決定。
それ以外は、事前情報、殆どなしで見ました。
てっきり、TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』も分かりやすい悪の組織があり、勧善懲悪のヒーロー物かと思い込んでました(苦笑)
#知識が古い??
ところが、1話終盤で、怪獣に壊された街並みは、翌朝修復。
翌話で、人の記憶も改ざんされていることが分かる。
早いタイミングで、怪獣が生み出される所も見え、怪獣を作り出している人物さえも明らかにされる。
これは単純でテンプレ展開のヒーロー物ではない!?
#それとも私がヒーロー物を知らないだけ??
クラスメイトのアカネは、ぶっ飛んでいて、声優さんの演技も、演出もお見事でした。
#この手のキャラはアニメだから成り立つ物。アニメにした意味あり!
#6話に出てきた少女怪獣も同様。アニメならではの魅力♪
序盤の立ち上がりは、世界観、キャラクターや、善と悪の説明など、徐々に見えてくる事実にワクワクさせられました。
テンション上げる所は押さえてる
だからと言って、“異色”ヒーロー物ではありません。
ヒーロー物の押さえ所は押さえてます。
怪獣との戦い方は着ぐるみを意識したような動き方。
毎回訪れるピンチと逆転。
新世紀中学生が助けに入って、武器に変身したときは狂喜しました(笑)
変身シーンが静止画だったり、出現したとき、必殺技を出す前と後、そして勝利したときの決めポーズ!!
極めつけは、反撃するときに流れ出す主題歌!
毎話毎話、怪獣が出現し、戦う時も、別にテンション上がらずに観てますが、主題歌が流れると、少しテンションが上がる。
その程度でしたが、ドラマパートとバトルパートがうまく噛み合ってきた終盤は、段々感情も乗ってきました。
10話、グリッドナイト誕生エピソード、11話、グリッドマンとグリッドナイトが並んだ決めポーズの時は、少しウルッきましたねーー♪
敵の正体や設定は早々に明かされる
早い段階で、裕太のクラスメイト・アカネが、怪獣フィギュアを作り、怪獣化していることが明かされる。
同時に、世界設定や、記憶の改ざん、裕太たちにだけ見えている、じっと立っている怪獣。
何が真実で、何が作られたモノで、それとも幻覚なのか、作られた記憶なのか、分からない。
が、見えている物が、”過去から””ずっと”存在するわけでは”ない”ことが暗示される。
この、世界観の説明と、謎のちりばめ方は、とても秀逸なのに、敵の正体が(視聴側に)わかってからの展開が遅い。
お互いどう見ても怪しいのに、なかなか気づかないし、気付いても踏み込まないのがもどかしい。
突っ込み所満載なのはやはり子供向け??
相手の正体がわかっても、なかなか決定打を打てないのは、ヒーロー物展開の鉄板かもしれません。
が、ヒーローの正体は絶対にバラさない、バレないのも鉄板。
#時折あるのは知ってます。でも、ここぞという時の禁じ手ですよね。
にも関わらず、学校で平然と会話する3人。
#アカネは2話で「グリッドマン」という単語を耳にします。
ジャンクがある所でしか変身できないのに、何も対策を打たない愚かさ。
怪獣との戦いで負けても、強くなる方法を考えない、グリッドマン側の人たち。
「もうこれ以上、友達が消えて・・・(中略) 私だけずっと忘れられないなんて。そんなの絶対ヤダ」とまで言いながら・・・
アカネの方が真剣に対策と行動をしてましたね。
#悪役として優秀。賛同はできませんが(笑)。
怪獣が毎話出てくるのは、お約束として。
先の理由と、怪獣が意味もなく、出てくることが増え、全然感情移入することができないことが多かったのが残念。
#怪獣は街を破壊するのが目的と言われればそれまでですが・・・
それでも、ピンチになってからの逆転劇は音楽と合いまって盛り上がるのですが・・・
その瞬間だけなんですよねーー・・・
ドラマパートが深くもっと見たい
反面、ヒーロー物としてではなく、仲間の絆、男の友情もの、女の友情ものをとてもじっくりと描いてくれています。
裕太と内海。
六花とアカネ。
そして、彼ら彼女らを見守る大人たち。
アカネ側とは対称的に、徐々に力を合わせていく3人、そして新世紀中学生たち。
この仲間と友情の展開は、胸アツだったし、見ていて気持ちよかったです♪
ヒーロー物に学園青春物を持ち込んでどうなるかと思いましたが、こちらをメインにアピールしても良かったのでは、と思う程。
新条アカネから目が離せない
好きとか嫌いとかではなく、私は新条アカネの言動に目を離せなかったです。
この街は、創造主であるアカネが作り上げた。
人は皆、アカネが好きになるように設定され作られた生命体レプリコンポイド。
生命体レプリコンポイドは最初の設定こそできるが、その後の意思や行動をコントロールすることはできない。
そこで、生まれたのが怪獣。
アカネは、自分の意にそぐわないモノは、怪獣により破壊し、その後、都合良く再生していた。
グリッドマンが現れ、思い通りにいかなくなる
グリッドマンが裕太の前に現れ、裕太と共に怪獣を退治するようになった。
最初は、面白い存在が現れたと楽しんでいたアカネだったが・・・
2話、態度が気に入らない担任を排除しようとした、アカネ。
グリッドマンに怪獣を倒され、担任は生き残った。
次の日、担任の怪獣の記憶はなくなったはずなのだが、不愉快な態度は取らなくなったのだ・・・
これは、物事を解決するのは、排除することだけではないことを暗に示してます。
が、アカネにとっては面白くない。
自分は神であり、今まで自分の思うようにこの世は回っていたのに。
アカネの排除の対象が”完全に”グリッドマンになった瞬間です。
その後、グリッドマンを倒すために、次々と怪獣を繰り出していくが、うまくいかない。
9話の辺りからアカネ側の話が最高潮に。
夢の中でも、3人に、アカネの気持ちは届かない。
アカネは、ただ単に、住みやすい街を作ろうとしているだけなのに。
その後も、思うようにいかないアカネ。
自暴自棄になり、怪獣作りを止め、裕太に直接実力行使をする。
とうとう心も崩壊・・・
助ける術(すべ)がヒーロー物!
そんなアカネを、六花が立ち直らせ、怪獣になったら、アンチが!!
最後、アレクシスに取り込まれたアカネは、最後はやはりグリッドマンが!!
次から次へと、まさに総動員でアカネを助ける。
ヒーロー物してますねーー♪
9話からの展開は、ドラマパートとバトルパートの熱量のバランス、流れ、組み合わせが秀逸でした。
ラストが意味するものは
最終話ラストシーンの実写。
色々解釈、考察ができるシーンでした。
これは、
- アカネの本当の姿は実写世界?
- 2次元では失敗もしたが、3次元で新たなスタートを切った?
私はぜひ、後者であって欲しいですね。
希望を込めて。
私の考えの前提は、
- ツツジ台は想像でも仮想でもなく、実在する世界(パラレルワールド)
- アカネは生命体を作り出すことができる(本当の)創造主的存在
ツツジ台では、自分が住みやすい世界を作ってきたが、うまくはいかなかった。
次の世界へ行き、また創造主としての役割を続ける。
その次の世界が実写。
#「二次元から三次元へ」=「アニメから特撮ドラマへ」
原作の世界観へ戻っていった、というメッセージかな。
そして、再び、実写世界で物語が始まる。
#次に繋がる、伏線ですね。
アカネとおぼしき実写での少女。
タイプがアカネより六花に似てるのは実写だから仕方ない?
もしくは、なんだかんだと言って、アカネは六花を羨ましく思っていたのでは?
だから、次の世界では六花の姿に似せたのでは?
そして、心も入れ替え、六花に嫌われないように・・・
パスケースの色が、六花にもらった時のピンクから、ブルーに変わったのは、アンチの目と同様。
怪獣ではなく人間に。
負の心ではなく、正の心。
だから、実写アカネの部屋はブルーで統一されていたのではないでしょうか。
全て、根拠のない、あくまで私の妄想です♪
だって、裕太、六花、内海がいた世界が、想像や仮想世界だなんて思いたくない!
確かに、ツツジ台の人々は、アカネに作り出されたかもしれないが、今は意思を持って皆生きている!
今後は、神さまの力を借りずに生き続けていく!
だから、六花はアカネをこの世界に来ないようお願いをした。
だから、戦いのラスト、空は青空になり、ツツジ台だけでなく、地球規模で修復されたシーンがあったと思いたい。
#ツツジ台から外へ出れなかったり、空に街があったり、怪獣が残っていたら生活できない
そういう風に捉えました。私は。
これで、この街が救われたのかな、と。
同時に、私には、この作品は、怪獣を倒す物語ではなく「アカネを助ける物語」に見えたのでした。
原作『電光超人グリッドマン』を見たくなった・・・
いずれにせよ、原作『電光超人グリッドマン』の世界へ戻したのでしょう。
きれいな終わり方ですね。
本作を見ている間、どうしても気になったのは、原作『電光超人グリッドマン』!
25年も前に作れた作品が一体どんな世界を描いているのか?
確かめてみたくなりました(笑)
アマゾンプライムで見つけたので、見てみようかな・・・
時間があれば、レビューしますね。
おわりに (TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』とは)
え?
ヒーロー物興味ないと言いながら、充分ハマってるじゃないかって?
そうかもしれないですが、瞬間瞬間なのですよねーー
ドラマ部分では、少しイライラする部分が多かったし、怪獣とのバトルパートへの移行は無理やり感あったし。
ヒーロー物だから、怪獣との戦いのシーンが必要なのは分かります。
でもねーーだからと言って、入り方が強引では、やはり子供向けなのかな・・・と。
#すいません、面倒な大人で・・・
あとは、怪獣の意味ですね。
怪獣を作る目的は一応あるのですが、軽いというか。
アカネの個人的な思いで動いているので、どうしても軽い。
#個人的な理由で壊すからこそ、余計に許せないのですが。
反面、アンチくんは、目的が明確で、自ら意思を持つ怪獣になっていった展開は良かったです。
作品自体、相当評判が良いようなので、私の理解が浅いのか、波長が合わなかったのでしょう。
正直に言うと、途中、断念しようかと思うこともありました(汗)。
が、決着を知りたいと思い、我慢して見ていると、9話、いや10話からようやく感情移入できた感じです。
振り返ると、作品全体より、友情部分を描くドラマパートに惹かれました。
ドラマパートだけピックアップすると、もう少しオススメ度が上がるかもしれません。
が、それってヒーロー物のアイデンティティとして、まずいですよね(笑)
なので、私のオススメ度は、それほど高くありません。(ごめんなさい)
原作や、他の特撮ヒーロー物を知っていると、もっと変わったのかも。
悔しい・・・
でも、今は、OP主題歌の出だしを聞くだけで、テンションMAXですよ!
ではでは。
