オススメ度 | A-(13~15話) |
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原作 | コミック |
ジャンル | コメディ、ラブコメディ |
放送情報 | OVA(2019年3月)/全3話(13~15話) |
ストーリー | |
設定 | |
世界観 | |
感情移入 |
こんばんは。時文です。
アニメ『ハイスコアガール』13~15話を鑑賞しました。
TVアニメ第1期は原作コミック4巻まで。
その続きを13~15話としてOVAでアニメ化。
2期開始前にTV放送されました。
12話までと比べ、アニメ化のペースが上がり、13~15話で原作コミック2冊分進みました。
少し駆け足になっている部分があり、分かりにくい箇所があります。(勿体ない!)
各話レビューにて、補足説明しているので、良かったら参考にして下さい。
TVアニメ話数 | レビュー | 原作巻数 | レビュー | |
ROUND13 | 13話R | 全体R (本レビュー) |
5巻 | 5巻R |
ROUND14 | 14話R | |||
6巻 | 6巻R | |||
ROUND15 | 15話R |
※リンク先は各レビューへ
本レビューでは、13話~15話を一つのエピソードとして捉えレビューします。
前半の「はじめに」は【ネタバレなし】
後半の「感想レビュー」は【ネタバレあり】で魅力を紹介します。
参考にして下さい。
では、OVA『ハイスコアガール』13~15話の感想レビューをどうぞ。
目次
はじめに
1995年7月。
日高に格ゲーでボロ負けした春雄は、日高にリベンジマッチを持ちかけていた。
ある日、負ければ付き合う条件で、日高が対戦を受けると言う・・・
---ここまでがTVアニメ12話
春雄が悩んでるある日、大野の家庭教師・業田先生が家へやってくる・・・
OVAは3話しかありません。
けれども、該当する原作コミックは5、6巻と2冊分あり、内容は充分。
原作未読でアニメ鑑賞時、私は日高とのリベンジマッチがメインになると思ってましたが、それだけではありませんでした。
春雄と大野。
それぞれに新たな試練が立ちはだかる。
その試練に、真正面からぶち当たり、時に変化球(隠し球?)という”らしい”手を使いながら、対処していく。
3話で問題などの発生から決着までが描かれ一つの物語になってます。
確かにハイペースになっても一気に描かなければ中途半端になってしまいます。
逆に色々決着が着くので、とてもすっきりした気持ちになれます♪
一方、12話までのような、大きなイベントがないので、展開の妙が薄いのも事実。
これまでのような劇的な展開を期待すると肩すかしを食らうかも。
むしろ、春雄、大野、日高の3人が、地に足をつけ、自らの事を考える。
3人の成長が見て取れるエピソードになってます。
だからと言って”らしさ”は忘れてはいません!
『ハイスコアガール』らしさ
- 勝負はガチ!?夜ゲーって何?
- 女子には”爆弾”があることを知る・・・
- あのゲームが、あんな形で使われるとは!?
『ハイスコアガール』らしく、どんな時でもゲームの存在が。
上手い!というか凄い!と感心しきりです(笑)
日高との対決シーンはアニメでの再現度抜群です!
そして、日高の心の叫び!想いをぶつけた演技!
これはアニメならではの表現力が一見の価値ありですよ♪
では、ここからは、「ネタバレ全開」でいきます!
感想レビュー (以降、ネタバレ全開です)
3人の成長
内容てんこ盛りの13~15話。
テンポ良く進むので、あまり時間が経ってない気がしますが、作品内では約半年経過。
13~15話 時系列
7月 | 業田先生、矢口家へ 春雄、大野と縁日へ(夏休み始まって直ぐ) |
13話 |
8月 | 春雄、日高とのリベンジマッチ | 14話 |
9月 |
大野、学校始まるも運転手は、家の方針に忠実な男 | |
15話 | ||
10月 | 大野姉・真、春雄に会いに行く(ぬいぐるみゲット) 春雄『ときめきメモリアル』プレイ |
|
12月 | RPGゲーム「おおのけクエスト」完成 | |
1~2月? | AOUショー |
※AOUショーの時期はどこにも記載なし。現実世界で毎年2月実施なので仮定。
春雄、大野、日高の3人は、それぞれ自分が置かれている境遇を顧み、自分なりの結論を出し、前へ進む。
目の前のことを前向きに捉え、あるいは必死に堪え、大人の対応をしているのが、とてもいじらしい。
だからこそ、周りが心を揺り動かされ、心配し手を差し伸べる。
3人をそれぞれ見ていきましょう。
家の教育方針に必死に堪える大野
大野は、躾けが厳しくなるが、家の方針に従い業田先生について行く。
時折、禁止されたゲーム等をして息抜きするが、それは”息抜き”であり、決して勉強をおろそかにしたり、業田先生の授業をサボったりはしない。
#むしろ、大野は息抜きした方が、勉強や習い事に集中できるタイプと思われます
春雄と縁日へ行った帰り道。
春雄と別れるとき、グチや泣き言一つ言わず、春雄ともっと一緒に過ごしたいとワガママなことも言わなかった。(13話)

これは、大野は自分がワガママを言っても、躾けが変わるわけではなく、むしろ、(また)じいやに迷惑をかけてしまうだけ。
だから自分は家の方針に従わなくてはならない、という覚悟。
#原作では帰りの車中で泣いてるのですが、アニメではカット、残念!
理不尽とも思える教育方針に、我慢し、つき従う大野を見て、なんとかしてあげたいと、じいやや姉の真が動き出すのです。
大野にリスペクトした春雄
そんな大野の覚悟と頑張りを感じ取った春雄。
だから、縁日の帰り道、大野に何も言えなかったのです。
(自分ではどうしようもなく)何を言っても大野を悲しませたり、プレッシャーになってしまう。
それよりも、春雄は春雄なりの決意をしたのだと、感じました。
大野がそれだけ頑張っているなら、自分も”何か”頑張り、大野と再会したとき、胸を張って話せるようになっていたい・・・
春雄は今これと言って目指すものはないので、目の前のことを真剣に取り組む。
バイトであり、家のことであり、そして趣味のゲーム。
大野と会ってないのに、むしろ吹っ切れたかのように、自分の道をまっすぐ進む春雄に、母親も親友の宮尾も、春雄の中に変化を感じます。
待ちではなく攻めに出た日高
元々は大人しかった日高。
春雄のことが好きで、その気持ちを抑えておくことができなくなってきた。
待っていては何も変わらない。
自分から仕掛けなくては、春雄と大野の間に割って入ることはできない。
春雄の性格なら断れないだろう、対戦ゲームでの勝負。
ズルいのは重々承知で最終手段に打って出る。
こうでもしなければ、日高は春雄の”視界にすら入ってない”のだ。
ただ対戦するだけはない、本気で勝ちに行く。
この強い決意が、ニコタマちゃんを引き寄せる。
日高は”らしくない”「夜ゲー」の世界へ足を踏み入れる・・・
今、思うと登場当初から芯のある女子でしたが、ここにきてはっきり自己主張する強い女子に。
結果はご覧の通りだが、その後も普通に春雄と話しているのが、二人らしい♪
3人の内面を掘り下げ、成長を見せてくれたエピソードでした。
「好き」から「愛」へ
成長と共に感じたのは、春雄と大野の恋の進展。
家出騒動の泊まり(朝チュン)で、二人の関係は確定だと思っていたのですが、まだまだ意識が中学生レベル?
#特に春雄!
二人の関係が進展したのは、会えなかった約半年間の時間と「愛のカタチ」の影響か(笑)。
私が変化を感じたのは、次の2シーンを比較してのこと。
好き?
じいやが専属運転手を外され、矢口家へ大野を連れてきて、縁日へ行った日。(13話)
大野は、久しぶりに会った春雄の頬をつねったり、腰を突いたりする。
春雄相手にしかできない行動を取り、春雄の反応を楽しむ、大野お嬢様。
春雄も活き活きとしている。
少し照れがあるものの、お互い心を許した者同士の関係。
愛?
ところが、次に再会した、AOUショーへ行く日。(15話)
アニメでは描かれる時間が短いので分かりにくいのですが(残念!)
大野と春雄が再会したとき、明らかに二人は相手を意識してます、”異性として”!
他にもありますよ!

縁日の時、「大野ってカワイイ顔してんのな」って言ったら、大野のキックが(笑)
が、AOUショーの帰り道「何でも印象的に見えるよ、お前といると」と言った時は、大野は静かに聞いている・・・
要因は、時間と愛のカタチ?
では、この間に二人の間に何があったのか・・・
それは時間ですね。
ただの時間ではない。
二人がそれぞれ自分が進むべき道を選び決断した道。
いつか会えると信じて、一人で頑張っていく道。
でも、一人でいるときも決して相手のことを忘れてはない。
むしろ信じ切っている様子。

そこへ、二人をつなぐツールとして登場したのがRPGゲーム「おおのけクエスト」。(15話)
会えない二人が、気持ちを確かめ合うようにゲームを作り、プレイする。
ゲームを作ったのは春雄なので、春雄の想いが一方的に大野に送られているだけの気もします。
が、二人でいるときも一方的に話すのは春雄。
「おおのけクエスト」も同じで、春雄のゲーム話を聞いているのと同じ感覚なのでしょう。
二人は離れているからこそ相手の大切さを再認識でき、「おおのけクエスト」で真っ直ぐな愛情を感じた。
本人達も気付いてないが、「好き」から「愛情」に変わった瞬間が15話ではないでしょうか。
今回は業田先生攻略の物語
3人の話ばかりしてきましたが、13~15話のストーリーの軸は、業田萌美先生。
業田先生の教育方針を攻略するために、主人公達が成長し、仲間と行動を共にする。
まさにラスボスでした。

まず最初に、業田先生が春雄の前に登場し宣戦布告。
大野家では、大野の躾けがますます厳しくなる。
大野は不満はありながらも、必死に堪え、ついていく。
動くのは大野の周囲。
じいやと、今回から登場した大野の姉・真が縦横無尽に顔を出す。
一方、春雄は、大野が頑張っているなら、と、自分の道を進む。
前進し、成長する様子を、日高との対戦を絡めて見せるのは、流石ストーリーテラーの押切先生というところか。
単調な展開に、アクセント(アクション?)を与えるだけでなく、対決単体で充分見応えあるほど、力が入ってます。
しかし、この対決で描きたいことの根本は、日高の春雄への強い思いと、春雄が強くなり前へ進む成長。
そして、春雄の大野へのブレない気持ちか・・・
一方、物足りなさも・・・
そう考えると、これ(12話)までに比べると盛り上がりが弱く見えるのは、次の2点。
- 業田先生に対して、春雄が目に見える行動をしていない
- 業田先生との決着が、”対決”ではなく”自滅”だった
ストーリーがおかしいのではありません。
これまでのエピソードに比べると、盛り上がりが弱いだけです。
この手の展開でよくあるのは、業田先生が何か条件を出して、クリアしたら躾けの方針を変える、という展開。
が、『ハイスコアガール』ではそんな”不自然なこと”はしません。
『ハイスコアガール』で描きたいのはそういうことではなく、3人の成長と恋の行方。
事実、3人はゲームをやっていてもまっすぐに進み。
大野に至っては、息抜きにゲームをやっていたときの方が、勉学のモチベーションが高いということも描かれてます。
故に、業田先生が、過ちに気付くのも自然の流れ。
#原作では、事前にいくつか伏線が張られてます。
#詳しくは13~15話の各話レビューをどうぞ。
業田先生もいっぱしの教育者。
それに対抗させるのは、子供ではなく、やはり大人。
それが春雄ママ。
大野と春雄は決して反抗などしてません。
大野は業田先生につき従い、春雄のゲームを処分されても、家を出たりはしない。
春雄は、大野家の方針に”一切異を唱えることなく”、大野を応援する。
その心意気が、業田先生を動かしたのです。
普通に、何か条件を出して対決するなどと言う展開より、よほど深い話を描いてます。
さすが、ストーリーテラー押切先生と言ったところでしょうか。
“やっと会えた”感が弱い
ただ、勿体ないと思ったのは、テンポ良くハイペースで描いたせいもあるのでしょう、時間の経過が実感できなかったこと。
春雄と大野が最後に会った縁日の日から、再び再会したのはAOUショー当日。
この間、おそらく半年程経過してます。
久しぶりに再会したシーンは、印象的ではありますが、”やっと会えた”感が弱いかな・・・。
これは勿体ないですね。
会えないと思っていた二人が、半年ぶりに、突然会う。
半年もの間、姉・真の状況報告で近況は知れ、RPGゲーム「おおのけクエスト」で気持ちは確認していたが、リアルに会うと気まずくなってしまう。
この辺の微笑ましい展開をもう少しじっくり見たかったですねーー
見ていて、こそばゆくなるかもしれませんが(笑)
おわりに
今回のエピソードは、12話までのような大きな出来事はありません。
#転校、修学旅行、受験、家出など
だからこそと言うべきか、3人が進むべき方向性をじっくり腰を据え描いてくれました。
とは言いながら、落ち着いて考えると、3人のスタンスは全くぶれてません。
主役級3人のポジションはほぼ変わらず。
三角関係に至っては全く変わらない(笑)
それなのに、引き込まれ、先が気になる作品。
それはひとえに3人が、気持ちよい程真っ直ぐに自分の信じる道を進んでいるからではないでしょうか。
ラブコメですから、3人が3人とも幸せになるストーリーは望めない。
それでも、3人とも応援したくなる。
そんな作品ですね♪
原作は完結まで残り4冊。
TVアニメ2期もいよいよ10月から放送開始!
2期ももちろんレビュー書いてます。
良かったらご覧下さい。
ではでは。
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