オススメ度 | A+ |
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ジャンル | コメディ、ラブコメディ |
作者 | 押切蓮介 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
ストーリー | |
設定 | |
世界観 | |
感情移入 |
舞台は1991年。神奈川県川崎市近辺。
ゲームをこよなく愛する小学6年生の矢口春雄。
あるときクラスメイトの大野晶と対戦型格闘ゲームで対戦。
ゲーム以外興味のない春雄だったが、大野の存在が次第に気にかかる・・・
ゲームを通じて描かれるラブコメディ。
こんばんは。漫画も大好き時文です。
TVアニメ『ハイスコアガール』を見て、原作コミックを読みました!
原作コミックは月刊「ビッグガンガン」で連載され、2018年vol.10(9月発売)で完結しています。
2018年7月に放送されたTVアニメでは1~4巻をアニメ化。
TVアニメの感想レビューはこちらを参照願います。

アニメを見て、すっかりハマってしまいました♪
春雄、大野、日高のやりとりをもっと見たいと思い、原作コミックを読みました。
アニメは原作にかなり忠実だと言うことが分かりました。
なので、コミックを読んで、目新しい情報は少ないです。
それでも、コミックの方が丁寧だったり、(特にゲーム部分で)解説が入ったりするので、より深く作品を理解することができました。
また、原作コミックには、「スペシャルクレジット」として、本編以外のエピソードが収録されてます。
そこには、アニメでは知り得なかった情報が描かれているので、得した気分に♪
#没エピソードのような感じなので、正式情報と言えるかどうかは微妙ですが。
スペシャルクレジットについてもレビューします。
では、『ハイスコアガール』原作コミック1巻のレビューをどうぞ。
目次
はじめに
本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想です。
コミック1巻はアニメでいうと1~3話「小学生編」に相当。
アニメを見た時、小学生編は3話で終わり、テンポがとても良かったです。
が、もっと小学生時代のエピソードを見たいと思ったのが、原作をチェックしたキッカケです。
ところが、アニメは原作にとても忠実。
アニメ化されていないエピソードはなく、1巻がまるっとアニメ1~3話です。
#順番も「殆ど」変わりません。
新しいエピソードを見たかった私にとっては、残念な気持ち半分、忠実なアニメ化に感心する気持ち半分でした。
嬉しかったのは、巻末にスペシャルクレジット(エピソード)が収録されていた事。
時系列は不明(後程、詳細を記載)ですが、アニメでは見れなかった、小学生時代の別エピソードが読めて、うれしかったです。
ストーリーを中心にレビューするとアニメの感想レビューと同じようになってしまうので、違う点をレビューしていきます。
具体的には、
- 原作コミックとアニメの違い
- 巻末収録のスペシャルエピソード(アニメ化対象外)について
感想レビュー (以降、ネタバレあり)
構成の秀逸さは原作で完成していた
アニメ版のレビューでも書いたのですが、『ハイスコアガール』は構成が秀逸。
その構成は原作コミックからすでに出来上がってました。
アニメは原作コミックの内容をほぼ忠実に進めています。
アニメを初めて見たとき、小学生編があっと言う間に終わってしまい、物足りなかったです。
が、これは原作からして、このテンポだったのです。
絵から受ける印象はアニメの方がまろやか
押切蓮介先生の漫画を初めて読みました。
正直、とっつきにくい絵ですね。(すいません。個人的意見です。)
漫画から先に入ったら早々に断念していたかも・・・
絵のタッチからして、とてもじゃないけど良質なラブコメになるとは思えない・・・
それに大野もかわいくない。(ごめんなさい)
#もうこの辺りは好みですね。今は好きですよ♪
アニメはキャラクターデザインがまろやかになり、無愛想ではありません。
初見でも割とすんなり入れました。
ちょっとした仕草がアニメで追加されている
アニメ同様、原作もテンポよく進みます。
アニメと原作は物語構成も展開もほぼ同じなのですが、原作では描かれてない、コマとコマの間のちょっとした仕草や絵がアニメでは追加されているのが良いですね。
- 雨宿りをした駄菓子屋ゲーセン。
大野のランドセルを、春雄のランドセルの上に置く。
(10円ゲーセンを目指す時、ランドセルを置いていくときも同様) - 大野が春雄の部屋へお見舞い。
PCエンジンを大野にプレイさせる時、春雄の「しゃーねーな」と言うセリフ。 - 10円ゲーセンの帰り道。
メンチカツを食べた後、春雄が大野のゴミを受け取って、自分のポケットに入れる。 - 10円ゲーセンの帰り道。その後。
大野が春雄の靴を履いて歩く時、大野の靴を春雄が持って歩く。
春雄の気遣い、優しさを伝える良い追加シーンで、私はこれらのシーンを見て、春雄の器の大きさを感じました。
反対に、カットされたシーンも。
- 10円ゲーセンの帰り道。
春雄が靴を貸したのは「チャリのカギをなくして申し訳ない」と責任を感じたから貸した。
アニメでこのシーンを見た時、小学生でこんなことができるとは、優しいを通り越して、天性の女たらしだな、と思っていたのですが、春雄なりに責任を感じての対応なら合点がいきました♪
ここは、説得力という意味では原作コミックが良く、アニメは、春雄がより優しく見えますね。
これはこれで悪くはありません。
大野お嬢様の感情がアニメの方がよりうまく表現されている
大野お嬢様は言葉を発しないので表情や春雄の解説?から感情を読み取らないといけない。
原作とアニメを見比べると、アニメでは大野の擬声語も追加されて感情が分かりやすいですね。
例えば、アニメ第1話では、
- 2つ目のエピソード、駄菓子屋ゲーセン。
ボタンが壊れていたにも関わらず、ストⅡをクリアしたとき、大野お嬢様は満足そうでした♪ - 駄菓子ゲーセンで雨宿り。春雄と大野の初協力プレイ。
(春雄が足を引っ張りながらも)クリアした際、これまた大野が満足そう♪
#この時点では春雄のことをなんとも思ってないので、純粋にゲームクリアしたことに満足。
#これがまたカワイイ(笑)
擬声語がその通りにしか聞こえない・・・
『ハイスコアガール』では独特の擬声語が使われます。
「モガーッ」「あひゃひゃひゃ」「うわっほーい」
もう、説明しなくてもどこのシーンのセリフか分かりますよね~~
一応、記載しておきます。
擬声語 語録 | |
モガーッ | 春雄の部屋にお見舞いに来て、ホットケーキを食べる大野 |
あひゃひゃひゃ | プールで水をかけられた春雄の声 |
うわっほーい | 10円ゲーセン帰り道、大野に砂をかけられ、避ける春雄の声 |
普通ならコミックを読んだとき、どういう言い方をするのだろうと疑問が湧くのですが、私の場合、アニメから先に見たので、声優さんのセリフしか思い浮かびません(笑)
それほどぴったりというか、違和感がない。
もう、声優さんのあの言い方しか想像できないですね♪
空港へ駆け出すシーンがこれまた秀逸
原作コミックは1巻通じて小学生編を描いています。
春雄が大野と出会う所から徐々に仲良くなっていき、春雄の優しさに触れ、同じ趣味を持つ二人は惹かれ合っていく。
ラストは大野が海外へ行く空港シーン。
小学生の男子らしく、自分の気持ちに素直じゃない春雄。
大野にお別れをキチンと言えない。
が、春雄の心の友であるゲームキャラに背中を押され、空港へ駆け出していく。
(コミックは)静止画なのに、今にも動き出しそうな躍動感が!!
コマ割り、ゲームキャラの応援、そしてセリフの吹き出し!!
「早く!!」「速く!!」「迅く!!」
もうシビれました♪♪
スペシャルクレジット
巻末に収録されたオマケエピソード。
クラスの遠足へ持っていくオヤツを、駄菓子屋へ買いに行く春雄。
そこで大野と出会う。大野も同じ目的だったのだ。
残り1つのオヤツを巡り、ゲームで対戦することに。
さて、このエピソードは、いつの出来事なのでしょうか。
遠足だから秋?
大野と春雄の仲の良さから推測すると、1学期終業式(10円ゲーセン)後であることは確か。
学校が始まっているから、やはり秋か。
が、転校のことには一切触れてない。
ということは、夏休み最終日の御花園エピソード~ロスへの出発までを描く上で、流れを止めたくなく、本筋に関係ないエピソードは削ぎ落としたのでしょうね。
そのおかげで、とても良いテンポになっているのはTVアニメ版のレビューに書いた通り。
でも、日の目を見ずに終わるには、惜しいエピソード。
なので、コミックにこうして収録されるのはうれしいですね♪
私が一番好きなのは、春雄がゲーム説明している時に、大野が春雄のキャラを攻撃し出す。
すると春雄は・・・
「お前はゲームで俺が困る事するの大好きだろ」
と言うセリフと同時に、図星なのか大野が頬を赤らめる・・・
もう堪りません♪
他にも、ゲームでの攻撃と、リアルでの攻撃に対応する春雄も楽しい。
#このシーンだけ見ると雨宿りのエピソードとネタが被るんですよねーー
ゲームの決着は?
オヤツは手に入ったのか?
その結果、遠足は??
数少ない小学生時代のエピソード。
ぜひ、原作コミックをお読み下さい♪
おまけ:あのとき春雄ママは・・・
数ページですが、もう一つオマケが♪
#オマケはストーリー漫画というより、四コマ漫画に近い
春雄を温かく見守りつつも、叱る時は容赦なく叱る、春雄ママ。
なかなか個性的で、春雄とのやり取りは、時に笑わらせ、時に和ませてくれます。
原作1巻では、春雄ママの謎に迫っています(笑)。
春雄ママはあのときどうやって部屋を覗いていたのか?!
大野が春雄の部屋にお見舞いに来たとき、春雄ママが部屋の扉の隙間の”上の方”から、顔だけ出して覗いていたシーン。
一体全体、どうやって覗いていたのか?!
その舞台裏が収録されています!
いやいやいや、ありえないでしょう・・・
どんな身体能力なんだ・・・恐るべし春雄ママ。
というか、普通に覗けば良いのに、そういう覗き方をする意味があったのかどうか・・・
ただ、「愛する子どもの行動を見届けなくては!」という想いは伝わりました。(笑)
チャーミングですね。
おわりに
アニメは、原作通りの順番と構成。
原作コミック1巻の前半部分はアニメでは若干の入れ替えはありますが、後半は全く同じですね。
それだけ原作コミックのクオリティが高いということ。
それに加え、アニメは音楽に声優さんの演技が。
さらに、大野の感情が分かりやすいよう、そしてより感情移入しやすいよう、隅々にまで気を配られている事が原作コミックを読むことで確認できました♪
以前、ツイートしたのですが、監督インタビューを読むと、出てくるゲーム画面は実際にプレイして、その画面をアニメに起こしている拘りよう。
製作スタッフの細部まで手を抜かない強い想いが溢れてますね。
原作を読んで、アニメの完成度を確認できるとは♪
ああ、もう一度アニメを見たくなってきた・・・(笑)
原作コミック第2巻のレビューも書いてますので、良かったらお読み下さい。

TVアニメの感想レビューはこちらからどうぞ。
書きたい事が多すぎて2本立てになってます(笑)

