オススメ度 | B+ |
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ジャンル | コメディ、ラブコメディ |
作者 | 押切蓮介 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
ストーリー | |
設定 | |
世界観 | |
感情移入 |
1995年夏。
日高に負けたら付き合うことを賭け対戦を挑まれた春雄。
悩んでるある日、大野の家庭教師・業田先生が春雄の家へやってきた・・・
こんばんは。漫画も大好き時文です。
TVアニメ『ハイスコアガール』鑑賞後、原作コミックを読みました。
今回は5巻の感想レビューです!
コミック5巻は、TVアニメ13~14話中盤に相当。
TVアニメ話数 | レビュー | 原作巻数 | レビュー | |
ROUND13 | 13話R | 全体R | 5巻 | 5巻R (本レビュー) |
ROUND14 | 14話R | |||
6巻 | 6巻R | |||
ROUND15 | 15話R |
※リンク先は各レビューへ

目次
はじめに
本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想レビューです。
コミック5巻はアニメでいうと13~14話中盤に相当。
前巻までとは違い、アニメ化のペースが早くなりました。
これまでは、アニメ3話で原作1冊分をアニメ化。
ところが、アニメ13~15話は、3話で2冊分(5巻6巻)をアニメ化。
そのため、5巻収録の大野の過去エピソードが、アニメでは丸々カット(涙)。
アニメ化されているエピソード内の、アニメと原作との違いは、アニメレビュー内へ記載しました。
違いを知りたい方は、アニメレビューの方をご覧下さい。

よって、本レビューでは、アニメ13話ではカットされたエピソードと原作収録のスペシャルエピソード・おまけについて触れます。
- アニメ13話でカットされたエピソード
- 巻末収録のスペシャルエピソード・おまけ
13話でアニメ化されなかったエピソード (以降、ネタバレあり)
大野お嬢様の過去と回想

じいや、専属運転手、最終日。
じいやの計らいで、春雄と縁日を楽しんだ大野。
大野は春雄と別れた帰りの車中、ゲームとの出会い、そして春雄との出会いを思い出す。
#原作(31-32credit)
春雄と大野が二人きりで縁日に行った日。
印象的な別れのシーンの後、原作コミックでは一転、時代が変わります。
何も説明はありませんが、特徴ある小学校の先生や、ランドセルを背負う小学生が描かれ、過去だとすぐに分かります。
1991年(小学6年生)
まだ、大野が、春雄と知り合ってない頃。
まだ、大野が、アーケードゲームを知らない頃・・・
家に帰ると、姉の真(まこと)が業田先生に追いかけられていた。
「私は大野家長女としての使命を投げ出すことにした!」
「ってことで、あとは頼んだぞ大野家希望の星(晶)よ!!」
勉強はやるが、好きでもない習い事は、やりたくない姉・真。
はっきりモノを言い、”あの”業田先生に真っ向から反抗する真。
業田先生も、真に期待するのは間違いとまで・・・
噂通り、姉に頼れない分、妹の晶に教育熱心なのかもしれない・・・
と思わせるシーン。
大野は、楽しそうに遊びの話をするクラスメイトを横目に、家では息抜きすら許されず、勉強にピアノ、茶道、生け花、琴・・・等の習い事。
堪りかねた大野は、家を飛び出し、以前から(車内から見て)気になっていたゲームセンターへ入っていく。
大野が初めてゲーセンに足を踏み入れる。
じいやから注意されていたように、ゲーセン内では不良が小競り合いをしている。
が、大野はそんなことには目をくれず、初めて見るゲーム画面に吸い寄せられる・・・
大野の心情は語られないので、何を思ったのかは想像するしかありません。
表情から読み取るに、ゲーム内で自由自在に動き回るキャラクターに魅力を感じたのか、はたまた、ゲームの世界では自分の思い通りに行動できると感じたのか・・・
『ストリートファイターⅡ』の前で足が止まる大野。
キャラクター紹介とコントローラーを見ると、大野の頭の中には、攻撃のイメージが溢れ出てくるようだ。
恐らく格闘技の経験があることと、天賦の才能なのでしょう。
大野のゲームの相当の腕前は一体どれ位の幼少期から鍛えられたのか?
これまで語られることはなく、謎でした。
相当の腕前ですから、それなりの昔からやっていたのだと、私は勝手に思い込んでました。
なんと、春雄と出会う数週間前がゲーム初プレイだったようです(驚愕!)
これはぶったまげた(笑)
しかも初プレイでザンギエフのエンディングまで!!
#もちろん初プレイらしく、一杯一杯でした。
大野のセンスは、鍛えられたモノではなく、日高同様、いや日高以上に持って生まれた天性。
いや、天性の才能なのは分かってましたが、数週間でそこまでの腕前になるとは・・・
あの性格ですから、誰から教わるでもなく、春雄のようにゲーム雑誌から情報を得るでもなく、自分の感性だけでプレイし、数週間で誰もが驚く腕前になったのです・・・
恐ろしや・・・
そうそう。
お嬢様がザンギエフやハガーをキャラ選択する理由まで描かれてます。
そういう理由だったのかーー
ぜひ、原作をご覧下さい。
不良のたまり場みたいな所で、ゲームを楽しみ、満足した大野。
帰りの車中では、頭の中は、ゲームキャラで一杯な様子♪
この辺は春雄と同類。
一瞬で、ゲームに魅了された大野がよく分かります。
ハイスコアガール誕生!
数週間後、大野はゲーセン「マルミヤ」へ。
ザンギで29連勝中の大野の対戦台に、連敗中の男子が・・・
家での厳しい習い事の中、息抜きの場を見つけた大野。
ゲーセン初体験から数週間、すっかり格闘ゲームを自分のモノとしていた・・・
(原作コミック1巻の)大野が連勝している時、周りの観客が「こんな子いたっけ?!」と言ってたのに少し違和感がありました。
小学生のお嬢様が頻繁にゲーセンに出入りするだけで、目立つだろうに、ましてや、連勝記録を作っていたら、それなりに知られるだろう、と。
このエピソードで謎が解けました。
- 大野がゲーセンに行くようになったのはここ数週間
- 連勝記録を伸ばすようになったのはここ最近(私の推測です)
だから、まだ知られてなかったのですね。
そして、連勝記録を伸ばすようになってきた、一番楽しい時期に、春雄が「禁じ手」で負かしたのです。
だからあれほど怒ったのか~~納得!
#でも暴力はいけませんよ(笑)

春雄との出会い
その後、大野が行くところ行くところで、春雄と出会う。
悪たれ口を叩く春雄に大野はムカムカしていた・・・
春雄が出てきてからも、過去のコマ流用ではなく、大野目線なのがうれしい♪
春雄と同じように、大野の頭の中にもゲームキャラ(もちろんザンギ(笑))が出てきて、大野自身を諭したりしています。
大野がザンギをゲームキャラに選んだのは、皆が見た目や扱いやすさで、ザンギを嫌い、可哀想に思ったから。
同様に春雄を見た目や失礼な言葉だけでは判断してはいけない、と。
ただ、頭では理解していながらも、春雄の図々しい態度に手荒い対応をしてしまう。
共通の趣味を持つ者同士
プール掃除の時、春雄に水を掛け、風邪を引かせてしまった大野。
さすがにやり過ぎたと反省し、自分を強豪プレイヤーと認めてくれる春雄に心を開いていく。
大野の心情を、心の声としてザンギが語ってくれるのがうれしい!
大野お嬢様の心情描写が描かれることは少ないですからね!
転換点となったのは、ザンギの次のセリフ。
やりすぎだぜ、お嬢ちゃん。
確かに不器用な男ではあるが・・・
彼はお嬢ちゃんを強豪プレイヤーとして大いに認めているんだぞ。
ここから、大野は春雄に心を開いていく様子が描かれます。
大野がやっているゲームに興味を持つ春雄。
そして、無口な大野の心を読んでるかのような、悪たれ口。
極めつけは、10円ゲーセン「がしゃどくろ」へ行ったあの日・・・

ここで、業田先生の言葉がコマを割って入ります。
小学生らしい夏休みを送れると思ったら大間違いです!!
そう、家の躾けが厳しい大野にとって、唯一小学生らしい楽しみがゲーセンであり、その楽しみをもっと広げてくれたのが春雄。
大野にとっては小学生らしい思い出は春雄とのゲームなのです。
大野の過去編は最後、春雄の”あの”セリフで締められます。
じゃあさ・・・またしんどくなったら逃げてこいよ・・・
1995年(現在):車の中
大野はこれまで、辛かったとき何度か春雄に助けられた。
今後、家の躾けはますます厳しくなり、自由な時間がなくなっていく。
そして、じいやは専属運転手の任を解かれ、新しい運転手は融通の利かない男。
一体、今度はいつ、春雄と会うことができるのか・・・
大野の目には涙が・・・
アニメ13話でカットされたエピソードはここまでです。
物語の進展はありませんが、大野のゲーセン初体験の瞬間と、春雄と出会って春雄を信頼していく過程が描かれる、大切なエピソード。
TVアニメ16話でアニメ化されました。
回想するタイミングが違うので、回想後大野が涙を流すシーンがなくなってしまったのは残念。
でも、アニメ化されたのはうれしいですね♪
スペシャルクレジット:土井は友達?
5巻巻末には、スペシャルクレジットとして、おまけエピソードが収録されてます。
#未アニメ化エピソード。
春雄達が高校1年生の頃。
いつものように学校帰りにゲーセンへ行く3人(春雄、宮尾、土井)。
大量のメダルを獲得した土井は、対戦台へ行く春雄たちとは別々に、一人でメダルゲームを。
そこへ、ガングロ女子高生3人組が、絡んできた・・・
大野お嬢様の感動エピソードを紹介した後に、気が抜けるのですが・・・(笑)
土井がメインのエピソードです。
え?魅力ないって!?
いえいえ、『ハイスコアガール』らしい作品ですよ!
それに、中学時代の懐かしい先生も出てきます!!
『ハイスコアガール』の特徴は、ゲームだけでなく、その当時流行った言葉やグッズが出てくること。
本エピソードでは、ガングロJKが「ギャル語」全開です!
セリフ全てに日本語訳?がいる位、バリバリです!(←バリバリも古い・・・)
果たして、土井の運命は?
春雄達は助けられるのか?!
いや、そもそも春雄達は助けに行くのか?!
中学生時代の先生も登場し、意外な姿が見れます♪
#”ここは”必見!
原作5巻がアニメ化されたTVアニメ13~14話中盤。
土井の登場シーンは全くありませんでした。
が、原作では、少しですが土井が出てきます。
業田先生が春雄の家へ訪ねてくる前、春雄と宮尾と土井の3人でゲーセンへ行ってます。
僅かですから、スペシャルエピソードで登場したのでしょうか?
ちなみに、「おまけ」エピソードにも土井が出てきます。
土井好きは5巻は必読!?
おまけ:業田萌美 VS 大野真
1ページですが、業田先生が大野姉・真に、大野家の方針を説く場面の裏側が。
業田先生はやはり、生涯・・なのですね。
業田先生を手玉に取る真が、見ていて清々しいです。
本編でもこういう清々しいシーンを見せて欲しい!!
おわりに
アニメ化されてないエピソードを紹介する形にしたので、流れが途切れたレビューになってしまいました。
大野お嬢様の感動エピソードから、オマケの土井・・・失礼、土井がメインのオマケのエピソードと落差が大きいですね(笑)
次巻はいよいよ日高との決着!
それでは、6巻のレビューでお会いしましょう!

関連レビュー
アニメ化された部分の、原作との違いについては、アニメレビューの方へ記載してます。
そちらも良かったらご覧下さい。

