ハイスコアガール

コミック【ハイスコアガール】10巻感想(前編) 春雄は大野に勝ちたいのではなく認められたい・・・

ハイスコアガールⅡ 23話

こんばんは。漫画も大好き時文です。
ハイスコアガール』10巻の感想レビュー(前編)です!

コミック10巻は、TVアニメ23話Bパート~24話に相当。

本レビューでは10巻内でもアニメ23話に相当する部分を対象。
次話以降のネタバレは「なし」なので、ご安心を。

アニメ化された部分の感想はアニメ各話レビューをご覧下さい。
※以下、表内のリンクから各レビューへ行けます。

ハイスコアガール 第2期(全9話)

TVアニメ話数 レビュー 原作巻数 レビュー
ROUND16
16話R
全体
レビュー
5巻 5巻R
7巻 7巻R前
ROUND17 17話R 7巻R中
ROUND18 18話R 7巻R後
ROUND19 19話R
8巻 8巻R前
ROUND20 20話R
8巻R後
ROUND21 21話R
9巻 9巻R前
ROUND22 22話R
9巻R中
ROUND23 23話R 9巻R後
10巻 10巻R前
(本レビュー)
ROUND24
(完結)
24話R 10巻R後

※全体レビューは最終話放送終了後 着手予定

はじめに

本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想レビューです。

ここではアニメ化されなかった部分、反対に原作とは違うアニメオリジナルシーンを軸に、原作を読んで改めて理解したことについて記載します。

アニメはかなり丁寧に制作されており、キャラクターの動きや表情に細かく配慮。
更には、背景やモブキャラにはかなり遊び心が取り入れられています。

それらを全て拾っていくと取り留めなくなってしまうので、「ストーリー上関係のある”違い”」にフォーカスして取り上げます。

本レビューの内容
  • アニメでカットされた原作部分
  • アニメオリジナルシーン
  • 原作を読んで分かったこと

見出しの頭にアニメオリジナル、原作のみの記号を記載したのでご参考に。

  • ア):アニメオリジナルシーンに関する記述
  • 原):アニメではカットされたシーンに言及

では、TVアニメの内容順に紹介していきましょう。

TVアニメ ROUND23(第23話)

ハイスコアガールⅡ 23話

「スパⅡX 全国大会」予選開始。
23話Aパートラスト、春雄が決勝トーナメント進出を決めた後、大野の初戦敗退を知ったところまでが原作コミック9巻の内容。

原) 日高との戦いから始まる10巻!

アニメでは、大野が復活する過程で描かれた、対日高戦の回想シーン。
原作では、10巻冒頭、日高との対戦シーンの回想から始まります
それもカラーで!!

大野さんのこの強さが、矢口くんへの想いの強さであれば・・・

私の付け入る隙なんて・・・

私の付け入る「好き」なんて・・・!

by 日高小春(大野晶回想)『ハイスコアガール』コミック10巻

実際に対戦したのはもっと前で、その内容は8巻で描かれてます。
8巻の時と違うのは、対戦シーンのコマとコマの間に”大野視点の”回想シーンが入ること。

日高と対戦しながら、大野の心のざわめき、雑念が描かれます
次に、日高が涙を流して必死に戦う姿を、大野が見つめるコマが・・・

その瞬間──

ハイスコアガールⅡ 22話

7月末・・・晶さんは日本を離れることになるのです。

by 業田萌美(大野晶回想)『ハイスコアガール』コミック10巻

業田先生の宣告を思い出し、ザンギエフのスクリューが空を切る!
集中できてないのか、動揺しているのか、はたまた・・・

私には、涙を流しながら必死に戦う日高を見て、大野がこのまま勝っていいのか躊躇したように見えました

日高と春雄の渋谷でのことを思い出し、今も必死で大野に食らいついている。
それだけ「春雄のことを好き」と言うこと。
それだけ「春雄のことを諦めたくない」と言うこと。

自分は、もう「日本から離れる」ことになるのに・・・
そんな自分が、日高の想いを潰して良いのかと・・・

アニメでは「日高の涙を見る」描写はありません。
が、大野の回想シーンとして「日高の涙」から始まり、「日高の涙一杯の顔」を思い出し「ハッ」としているので、間接的に言い表しているのかもしれないですね。

一方、日高は、その隙を見逃さず、斬空波動地獄を放ち、立て直そうとする!

まだ日高は諦めてません!
勝利を、春雄を!

斬空波動を一生撃ち続ける・・・!!

勝利へ貪欲に・・・削り殺す
大野さんを近づけさせない

私が矢口くんを想う気持ちから・・・

届いて
私の恋の執念

by 日高小春(大野晶回想)『ハイスコアガール』コミック10巻

その結果、タイムアウト。
体力ゲージの残量差で、ほんの僅かだが日高の勝利・・・
ここまでが、原作コミックでは8ページにも渡って描かれます

勝敗が決したときの、大野の表情はアニメと違い少し複雑
少し悔しいような「仕方ない」と言う表情。

アニメでは・・・
日高は「ええっ?」と自分が勝ったことに驚き、大野は踏ん切りがついたかのように、日高へ笑顔を向ける。

それと原作では、日高との対戦シーンが10巻冒頭。
その後、現在へ戻り、初戦敗退しザンギエフに「お前らしくない、初戦で負けてしまうと」と続きます。

つまり、原作では、日高との対戦時と同様、心の迷いがあった。
という流れを見せてます。

ア) 日高の勝利を無駄にしない

お前はあの娘との勝負をなかったことにするつもりか?

by ザンギエフ(大野晶回想)『ハイスコアガール』TVアニメ23話

このセリフはアニメオリジナル。

原作では、「負けた理由」には使われてますが「復活するキッカケ」には使われてません

なぜ、これが「復活するキッカケ」になるのかはネタバレになるのでここでは記載しません。
#次話を見れば分かります。

なぜだか理由は分からなくても、感情が高ぶっていくのが面白い!

ア) 敗者復活戦はアニメでしか見られない

アニメでは盛り上がった、大野ザンギエフの敗者復活戦からの躍進!
原作では敗者復活戦は描かれません
大野が敗者復活戦で勝ち残った時に歓声が起き、春雄が気付くという流れ。

敗者復活 第1戦、北海道の加藤選手との対決。
続いて、豪鬼使いの伊藤選手との戦い、そして決勝。

その戦いを見て、観客は盛り上がり、春雄も大野の戦いを見て、以前の大野が還ってきたことを認識する。

復活した大野がゾクッとするほどかっこいい!!
そして、大野の戦いを見て、一度下げてしまったモチベーションを高めていく春雄も良い!

いいアニメオリジナルシーンの追加です!!

原) いつの頃の大野?

大野が敗者復活戦を勝ち上がり復活した場面。
春雄が「還ってきた」と武者震いしますが、原作ではもっと酷いことを思い出してます。

この気迫・・・
(あのときの・・・)

何をも寄せつけなかった・・・
殺気に満ちていた頃の大野・・・

(俺を汚物のように見ていたあの頃の・・・
大野が還ってきた・・・!!

※()内はアニメではカット

by 矢口春雄『ハイスコアガール』コミック10巻

春雄を汚物のように見ていたって、相当な表現ですが、小6時代のことでしょうか?
小6に比べたら、強さはさすがに今の方が上でしょうから、昔の孤高の頃の方が、殺気、気迫、集中力がずば抜けていたと言うことでしょう。

それは春雄も同じ事。
最近の春雄は牙が抜けたようでしたから。

原) 春雄は大野に認めてもらいたかった

決勝トーナメント 第1戦。
春雄が「俺も負けてられないぜ」と言う場面。

ここは、かなり原作の心情描写がカットされてます。

さすがだぜ。
地の底からここまで上がってくるとは・・・

(やっぱり俺が認めた・・・
いや・・・

認められたかったのは、ずっと俺のほうだった・・・

-中略-

対抗心というよりも認められたかった・・・
自分よりすげぇやつに・・・ただ単純に・・・

今は・・・
ただ単純に認められたいわけではねぇ・・・)

格ゲーマーとして・・・
一人の男として・・・

※()内はアニメではカット

by 矢口春雄『ハイスコアガール』コミック10巻

真ん中の部分がざっくりカットされ、残った部分も少し表現が変更。

アニメでは、敗者から復活してきた大野に対して、格闘ゲーマーとして一人の男として、負けてられない
と言う表現。

原作では、対抗心ではなく、ゲーマーとして、一人の男として認められたいと願い、力を込めるのです。

これまでの春雄は大野の事を凄いと認めながらも、ゲームに関してはどこか対抗心で張り合っているように見えました。
が、ここではっきりと、ゲームに関しても大野の事を「自分より凄い」と昔から分かっていたことを受け入れ、その大野に認められたいと願っている。

恋心だけでなく、ゲームに関しても、素直に大野のことを見るようになったのです。

そして、その大野に認めてもらうには「勝つ」しかない!と考えているのです!

おわりに (原作コミック『ハイスコアガール』10巻とは)

こうしてアニメと比較すると、アニメオリジナルが結構あるのに気付きます。

アニメの残り尺と原作残を考えると、足早にアニメ化しているのだと思ったので意外でした。

大野お嬢さんの敗者復活戦は燃えたし、その戦いを見て、春雄のテンションが上がっていくのを見て、こちらもまた燃えると言う「連鎖反応」(笑)。

なんか数分で決着を付けるのが勿体ない!
3本勝負と言わず、大会なんだから10本勝負とかでじっくりと見たい!

と、思わずこっちも熱くなってしまいます♪

以上、『ハイスコアガール』原作コミック10巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

原作10巻の続き部分のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はTwitterにて。

ではでは。

きょうのひとこと

日高氏参戦してたら表彰台独占したのではないだろうか

関連レビュー

アニメ化された部分の感想はアニメレビューの方へ記載しています。
良かったらそちらもご覧下さい。

アニメ『ハイスコアガール』23話のレビューはこちらをどうぞ
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