こんばんは。漫画も大好き時文です。
『ハイスコアガール』8巻の感想レビュー(前編)です!
コミック8巻は、TVアニメ19話中盤~20話に相当。
本レビューでは8巻内でもアニメ19話に相当する部分を対象。
次話以降のネタバレは「なし」なので、ご安心を。
アニメ化された部分の感想はアニメ各話レビューをご覧下さい。
※以下、表内のリンクから各レビューへ行けます。
ハイスコアガール 第2期
TVアニメ話数 | レビュー | 原作巻数 | レビュー | |
ROUND16 |
16話R |
全体 レビュー ※ |
5巻 | 5巻R |
7巻 | 7巻R前 |
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ROUND17 | 17話R | 7巻R中 | ||
ROUND18 | 18話R | 7巻R後 |
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ROUND19 | 19話R |
8巻 | 8巻R前 (本レビュー) |
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ROUND20 | 20話R | 8巻R後 | ||
ROUND21 | 21話R | 9巻 10巻 |
各巻 レビュー 順次投稿 |
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ROUND22 | 各話R 順次投稿 |
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ROUND23 | ||||
ROUND24 |
※全体レビューは最終話放送終了後 着手予定
目次
はじめに
本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想レビューです。
ここではアニメ化されなかった部分、反対に原作とは違うアニメオリジナルシーンを軸に、原作を読んで改めて理解したことについて記載します。
アニメはかなり丁寧に制作されており、キャラクターの動きや表情に細かく配慮。
更には、背景やモブキャラにはかなり遊び心が取り入れられています。
それらを全て拾っていくと取り留めなくなってしまうので、「ストーリー上関係のある”違い”」にフォーカスして取り上げます。
- アニメでカットされた原作部分
- アニメオリジナルシーン
- 原作を読んで分かったこと
見出しの頭にアニメオリジナル、原作のみの記号を記載したのでご参考に。
- ア):アニメオリジナルシーンに関する記述
- 原):アニメではカットされたシーンに言及
では、TVアニメの内容順に紹介していきましょう。
TVアニメ ROUND19(第19話)
8巻はアニメ19話、20話の2話でアニメ化。
内容も丁度半分ずつ。
漫画は毎エピソード良い引きで終わっているので、アニメも踏襲しています。
アニメ19話でカットされた原作部分はセリフ単位レベル。
内容はとても原作に忠実ですが、構成を変えているのが特徴です。
ア) 原作のスタートは渋谷の続きではない!?
アニメ19話と原作8巻はスタートシーンが違います。
アニメは時系列に沿って前回ラストの続き。
渋谷で春雄が日高に抱きつかれているところに大野が現れたシーンから。
原作は、高校2年生の始業日から開始。
大野に会って3人で帰るシーンは、原作では春雄が黒服に拉致され大野家へ連れて行かれる道中、回想シーンとして描かれます。
3人が電車に並んで座りアメを舐め、窓から光が差すシーンと、春雄にかぶせられた袋を取り外し明るくなるシーンとシンクロ。
原作は、映画的な手法を使った印象的なシーンになっています。
アニメはアニメで、前回メチャクチャ気になる所で終わったので、続きを早く見ることができ、時系列順なので分かり安いですね。
それに、電車内で明るくなったシーンも──
居心地悪そうな3人・・・
大野からもらったアメを舐めると同時に、窓から光が差し明るくなったシーン。
大野お嬢様の優しさと度量の大きさを感じました。
同時に3人の間の和解、安堵も。
安堵と言えば、同時に流れる車内アナウンス「次は二子玉川~」。
アウェイ(渋谷)からホーム(地元)へ帰ってきた・・・だから光が差したのかもしれないですね。
渋谷編終了!

さて少し時間を戻して、渋谷で春雄が大野を見つけた瞬間──
原作では、次のコマでは、日高は春雄を抱きしめていた腕を離し、体も離れてます。
アニメでは、日高が踏んでいた春雄の足、それをスッと引くことで、自然と体が離れた動作を表現。
こんな場合、普通は男が慌て女を突き放す場面。
スッと身を引く動きが優しく、春雄らしい。
じいやじゃありませんが、春雄坊ちゃんは紳士ですね♪
そして、日高にも原作にはない動きが。
原作は、3人それぞれの顔のアップになり、俯瞰の後、次のコマで大野の目に涙が溢れ、駆け出す・・・
大野と春雄を、順に見つめる日高の動きはアニメオリジナル。
これにより、日高は、大野の存在を確認し、春雄が”自分には目もくれず”大野を一心に見つめる姿を見て、涙が溢れてくるのがよく分かります。
駆け出した日高の腕を掴み、引き留めた大野。
原作の大野は、なんとも言えない表情をしています。
決して怒っている風には見えない。
むしろ、同情しているというか、日高の気持ちを理解しているような顔。
春雄の曖昧な気持ち、女心に鈍感な所は大野もよく分かっているので、日高に同情をしたのかもしれないですね。
原作からは、大野のそんな感情を読み取りました。
ア) 業田先生の大事な話も原作ではまだ先
アニメ19話Aパート冒頭。
業田先生が大切な話があると大野を部屋へ呼ぶシーン。
原作では8巻ではなく9巻で描かれます。
よって9巻で触れたいと思います。
原) 中だるみってそういうことね
初めて登場した春雄のクラスの担任の先生。
高校2年生の初日に、生徒へ注意事項を話すシーン。
高校2年生の「中だるみ」。
意味が分かるようで分からなかったのですが・・・
原作ではキチンと説明されていました。
今日からあなたたちは高校2年生です。
(1年生のときは、初めてづくしの時期であり、3年生は受験や就活でせわしない時期になります。)
(しかし、)2年生となると、中だるみの時期になりがちです。
だからこそ一番気を引き締める1年間にしなくてはなりません。
※()内がアニメではカット
by 担任『ハイスコアガール』コミック8巻
へー、高校2年生ってそういう意味で中だるみだったのですね(苦笑)。
全然そんなこと言われてなかったし意識してませんでした(笑)。
原) 真姉さんもっとウソついてます(笑)

矢口家で春雄より先回りして待っていた真。
帰ってきた春雄を見つけ、渋谷の出来事を問い詰める!
原作では、真姉さん、晶の行動をもっと盛ってます(笑)。
渋谷のありとあらゆるゲーセンをまわって・・・
チーマーの恐怖と隣り合わせの中、(転んで血を流し・・・雨に打たれながら・・・)
必死でアンタを捜したそうじゃない!
-中略-
言ってないけど。
捜して朝まで漫画喫茶にいたって(こと)しか聞いてないけど。※()内がアニメではカット
by 大野真『ハイスコアガール』コミック8巻
「転んで血を流し」は明らかに言い過ぎですが、高校1年生の女子が一人渋谷で夜を明かすというのは確かに心配だったでしょうね。
ただ、真は自分が行けなかったから、妹が一人で行くしかなかったことを棚に上げてますが(苦笑)。
真が話している時にバックに流れる大野の漫画喫茶のシーンは原作本編にはなく、7巻のオマケエピソード。
#詳しくは7巻レビューのこちらをどうぞ。
原) 女としての意地

大野が春雄を拉致した理由を、真が春雄ママに解説しているシーン。
原作では、もう少し理由が説明されています。
春雄くんを、むりくり家に拉致する計画。
晶らしくない考えだもん・・・(でもすっごく負けず嫌いなところもあるんだよね・・・
晶もこのままおめおめと引き下がれんでしょ。)※()内がアニメではカット
by 大野真『ハイスコアガール』コミック8巻
小六の頃、春雄と格ゲーで対戦していた時から、彼女がかなり”負けず嫌い”だったことは分かってました(笑)。
姉も妹の性格を理解しているようです。
今回は、怒りを表には出してませんが、相当悔しかったようです。
春雄を拉致し、一晩泊め、日高から一本を取り返す。
拉致したのは直ぐにでも春雄を連れてきたかったこともあるのでしょう。
が、春雄に対しても怒っていたので、少し懲らしめたかった、という気持ちがあったのかもしれないですね♪
それにしても、無口なお嬢様はどうやって黒服に指示を出したのでしょうか・・・(笑)
ア) 出ました!春雄の無自覚女たらし!

大野の部屋で、春雄と二人で「ファイナルファイト」。
大野がお菓子の皿に手を伸ばし、春雄がそっと回転させて彼女の手が届く位置へ──
これはアニメオリジナル。
その気遣いに彼女が気付く描写が、またいいですね~~
さりげない春雄の優しさと、それを見て、安心する大野。
微笑ましい二人をとてもうまく表現しています。
こういうさりげないシーンがアニメは上手い!
ア) 春雄ママの寝言はオマケエピソードから
真が矢口家へ泊まり、春雄ママと一緒に寝、春雄ママの寝言?に悩まされるシーン。
原作本編にはなく、8巻巻末のオマケエピソード。
これまでもオマケエピソードは人間離れした非現実的なギャグが多いのですが、今回もその一つ。
これをアニメとしてそのまま入れるのは、ちょっと違う気もするのですが(苦笑)。
原作では、”本編”はマジメですよ!
ま、本編でも春雄ママと真が春雄を連続攻撃して、春雄がケリで応戦したりしているから似たり寄ったりか・・・
原) 春雄と大野は付き合っているわけではない

大野が日高の前へ現れ、待っている間──
原作では、日高の心情描写がたっぷりあり、渋谷のことを悪いと考えてない様子。
でも、別に・・・私悪いことしたわけじゃないもん。
矢口くんと大野さんが付き合ってたんじゃないんだし。
※アニメでは全文カット
by 日高小春『ハイスコアガール』コミック8巻
春雄と大野が付き合っていたわけではないから、誰かの彼を取ろうとしたわけではない。
春雄が誰とも付き合ってないから、日高は彼をデートに誘い猛アプローチしたのです。
確かに大野に悪いと思う必要はないかも。
大野もそう理解しているから、”表面上”日高や春雄に対して怒れない?
ただ、付き合ってはないとは言え、大野と春雄は何度も意思疎通し助け合い、デートにも出かけ周囲も認める両想い。
なのに、ここまで冷静でいられる二人は凄い!
日高は、春雄が付き合ってないなら、まだチャンスがある。
自分が”付け入る隙もある!”と考えるのは当然ですね。
日高氏の考えはごもっとも!
渋谷での日高氏は、感情が抑えきれなくなって春雄に迫ったように見えましたが、ちゃんとわきまえていたのです。
やはり、今回の騒動、春雄がハッキリしないから起きたと言えますね。
ちなみに原作では、上記心情描写後も、日高は”春雄のような”ゲーム脳で妄想がどんどん膨らんでいきます(笑)。
日高氏の気が動転して、頭の中を色んな考えがグルグル回っている様子が分かります。
それでも表に出さないのは、芯が強い!
興味ある方は、ぜひ原作を!
おわりに (原作コミック『ハイスコアガール』8巻とは)
(アニメで言う)前回は「日高回」。
対抗してか、今回は「大野回」。
正に1本取り戻したか。
渋谷で大野と出会ったシーンはアニメが丁寧に描いてくれたので、感情まで読み取れる印象的なシーンに。
大野が日高商店へ乗り込んでいった時は、原作の方が日高の妄想も入ったモノローグがたっぷりあり、日高の慌てっぷり、動揺っぷりが面白い。
どちらも良い味を出してますね。
以上、『ハイスコアガール』原作コミック8巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
アニメ20話と20話に相当する原作部分のレビューも書いているので良かったご覧下さい。
ではでは。
アニメのキャラデザ手抜きだと思ってたら、原作も同じだった・・・
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