こんばんは。漫画も大好き時文です。
『ハイスコアガール』9巻の感想レビュー(後編)です!
コミック9巻は、TVアニメ21話~23話Aパートに相当。
本レビューでは9巻内でもアニメ23話に相当する部分を対象。
次話以降のネタバレは「なし」なので、ご安心を。
アニメ化された部分の感想はアニメ各話レビューをご覧下さい。
※以下、表内のリンクから各レビューへ行けます。
ハイスコアガール 第2期(全9話)
TVアニメ話数 | レビュー | 原作巻数 | レビュー | |
ROUND16 |
16話R |
全体 レビュー ※ |
5巻 | 5巻R |
7巻 | 7巻R前 |
|||
ROUND17 | 17話R | 7巻R中 | ||
ROUND18 | 18話R | 7巻R後 |
||
ROUND19 | 19話R |
8巻 | 8巻R前 | |
ROUND20 | 20話R |
8巻R後 | ||
ROUND21 | 21話R |
9巻 | 9巻R前 | |
ROUND22 | 22話R |
9巻R中 |
||
ROUND23 | 23話R | 9巻R後 (本レビュー) |
||
10巻 | 10巻R前 | |||
ROUND24 (完結) |
24話R | 10巻R後 |
※全体レビューは最終話放送終了後 着手予定
目次
はじめに
本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た感想レビューです。
ここではアニメ化されなかった部分、反対に原作とは違うアニメオリジナルシーンを軸に、原作を読んで改めて理解したことについて記載します。
アニメはかなり丁寧に制作されており、キャラクターの動きや表情に細かく配慮。
更には、背景やモブキャラにはかなり遊び心が取り入れられています。
それらを全て拾っていくと取り留めなくなってしまうので、「ストーリー上関係のある”違い”」にフォーカスして取り上げます。
- アニメでカットされた原作部分
- アニメオリジナルシーン
- 原作を読んで分かったこと
見出しの頭にアニメオリジナル、原作のみの記号を記載したのでご参考に。
- ア):アニメオリジナルシーンに関する記述
- 原):アニメではカットされたシーンに言及
では、TVアニメの内容順に紹介していきましょう。
TVアニメ ROUND23(第23話)
『ハイスコアガール』の原作は、1話1話引きがあり、更に1巻ラストで強い引きがある構成になっています。
アニメも、それに合わせて全体構成が組まれており、毎巻のラストはアニメも合わせて話の最後に持ってきてました。
が、9巻ラストは、話の最後ではなく、23話Aパート終了。
このように巻のラストがアニメの話のラストになってないのは、9巻と5巻のみ。
#5巻ラストは日高との対戦途中だったから致し方なしか。
9巻ラストは折角良い引きなのに。(後述)
勿体ない気もするのですが・・・
まあ、尺の事情、全体バランス等あるのでしょう。
さて、大野お嬢様が額縁の裏に貼り付けてあったお札を見つけてしまい、恐くなり自分の部屋へ戻りたがらない。
仕方なく!?春雄と大野は同じベッドで寝ることに・・・
これはラブコメの鉄板展開!?
原) 春雄は上を向いていた
一緒のベッドで寝た二人。
大野が春雄のことをジッと見つめ、春雄が「何見てんだよ」と言う場面。
アニメ鑑賞時、「春雄も見てるじゃん!」と内心突っ込んでました(笑)。
原作は、矛盾なく描かれてます。
お嬢様が右(春雄の方)を向いて寝、ジッと見つめる。
春雄は仰向けに目、視線が気になる様子で”横目”で見る。
大野がジッと見ているので、頭を傾け「何を見てんだよ」と言うのです。
これなら筋通ってますね!
原) モノローグがそれぞれの心情を物語る

「寝なさい」と言う春雄に、くすぐってきた大野。
思わず彼女の手を握る春雄・・・
その後、大野は噛みついたりくすぐったりを続けます。
原作では、それぞれモノローグがあり、内面が少し描かれてます。
春雄やめなさいって・・・!
お前は・・・お前は・・・
(忌々しいやつだ・・・!目の上のたんこぶ・・・!)
・・・本当にかわいいな・・・
※()内がモノローグ(アニメではカット)
by 矢口春雄『ハイスコアガール』コミック9巻
モノローグのセリフの下には、それぞれ小学生時代、中学生時代の場面が描かれてます。
明日の大会に備え、寝ようとしている時に、妙なテンションで突いたりくすぐったりする大野に対し、ちょっと本気でイラッときた春雄。
昔から、春雄にとっての大野は、何を考えているのか分からないし、何かとイラッと来る存在。
今も、くだらないことをやる子供のような奴!
イヤミの一つでも言ってやろうと向き合い考えていたら、ポロリ本音が・・・
と言う感じでしょうか。
「本当にかわいいな」と言った本人が驚く動作はアニメオリジナル。
春雄も思わず出てしまった言葉だと受け取れる。
これは良い演出、グッジョブ!
普通なら怒ってしまう、イラッとするシーン。
だけど大野は普段、礼儀正しく過ごしているお嬢様。
春雄と二人だから、ハメを外し、バカな事をやるのを大目に見てしまう。
この二人だからできる、実に心憎い展開。
一方の大野の心情描写も興味深い。
春雄に「本当にかわいいな」と言われた後──
大野(7月末・・・晶さんは日本を離れることになるのです)
ギュウウウウ ←と春雄の手を握る
※()内がモノローグ(アニメではカット)
by 大野晶『ハイスコアガール』コミック9巻

業田先生に話をされたときのことを思い出す。
今月末、日本を離れ、向こうの高校・大学を出、決められた人と結婚・・・
春雄と離れたくない気持ちが強くなったか・・・彼女は何も言えないまま春雄の手を強く握る・・・
アニメ鑑賞時は分からなかったのですが、原作を読むと、ここで大野は今にも涙しそうな感じに見えます。
大野は、春雄にこのまま優しくされ続けられると泣いてしまう──
泣いてしまえば、何かあると春雄に気付かれ、今まで隠してきたことがバレてしまうキッカケとなる。
だから噛みついてごまかしたのではないでしょうか。
もしくは単に強がり、照れ隠しで噛みついたのか。
その後は、噛みついたとき、くすぐったときの春雄の反応が楽しく、続けてしまった。
お嬢様なりに春雄との触れ合いを楽しんでいるように思えます。
春雄にとってはいい迷惑ですが・・・(苦笑)。
ア) 11ブロックはアニメオリジナル

「スパⅡX 全国大会」予選が別れるA~Kブロックはアニメと原作では違います。
原作ではA~Lブロック。
これは、10巻の内容に関連するので、そこで取り上げます。
ア) 優勝賞品は「バーチャルボーイ」?!
優勝賞品が2年前と同じ「お風呂セット」はアニメオリジナル。
原作では「バーチャルボーイ」です。
笑えるネタにしたのか、別の意図があるのか?!
次話を見ないと分かりません。
再度登場したら取り上げます。
原) 今回の加藤選手は前回とは違う!?
予選トーナメント、春雄の第2戦の相手、北海道の加藤。
2年前の大会でも春雄と対戦した相手。
アニメはあっさり描かれてますが、原作では春雄を”少しだけ”緊張させてます。
加藤:前はコテンパンにやられたが・・・今回はそうはいかねぇ。前とは違う俺の実力を・・・
確かめてみろ・・・
春雄:(うっ・・・ま、前の雰囲気とぜんぜん違う・・・この男・・・今年はできる・・・!!)
※()内がモノローグでアニメではカット
by 『ハイスコアガール』コミック9巻
アニメでは「確かめてみろ」をせっかくちゃんと言えたのに、セリフを言い終わった瞬間、一瞬の間もなく、春雄の完封勝利。
原作では、加藤選手の自信は、春雄をビビらせてます。
とは言っても一コマだけですが・・・
で、次のコマへ行くと、アニメ同様、春雄の手が上がってます。
春雄も思わず・・・
気のせいだったか・・・
※アニメではカット
by 矢口春雄『ハイスコアガール』コミック9巻
と考えすぎたと一安心(笑)。
ちなみに、加藤選手が敗者復活へ行く云々と言うくだりはアニメオリジナルです。
おわりに (原作コミック『ハイスコアガール』9巻とは)
前半の二人が一緒にベッドに寝るシーン。
このシーンのお嬢様は、アニメの方が可愛く描けてます。
が、表情や感情表現は、明らかに原作漫画の方が丁寧。
ちょっとした回想シーンも感情表現の後押しをしています。
ストレートに言葉や文字にせず、過去の経緯を知っている人だけが感慨深くなる。
じっくりと見たくなるシーンですね。
ファン心理としては最終巻をじっくり描いて欲しい。
9巻の内容はもう少し早めに持っていき、アニメのラスト2話で10巻を描いて欲しいと思っていた。
が、9巻終盤の春雄と大野のベッドイチャラブシーンはじっくりと見たいシーンでもあるので致し方なしか。
以上、『ハイスコアガール』原作コミック9巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
原作10巻のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はTwitterにて。
ではでは。
関連レビュー
アニメ化された部分の感想はアニメレビューの方へ記載しています。
良かったらそちらもご覧下さい。
