原作 | ゲーム(ビジュアルノベル) |
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ジャンル | SF、恋愛 |
放送情報 | TVアニメ(2018年夏)/全12話 |
オススメ度 | D |
ストーリー | |
設定 | |
世界観 | |
感情移入 |
原作ゲーム未プレイ。
TV放送にて鑑賞。一気見。
舞台は東京以南にある架空の島「浦島」
海岸へ流れ着いた、主人公・切那(せつな)。
名前と「ある使命」以外の記憶をなくしていた。
こんばんは。タイムトラベル系には目がない時文です。
TVアニメ『ISLAND(アイランド)』最終話まで見ました。
『ISLAND』は2016年発売のWindows用ゲームソフトが原作。
原作ゲームはビジュアルノベル形式。
選択肢によりストーリーが変わる、絵や映像、音がついた小説ですね。
ゲームのプレイ時間は15~20時間程度かかるようです。
アニメは1クールで実質5時間弱(12話×23分)。
ゲームは本論と関係ないストーリーがあるとは言え、1クールに収めるのは難しかったかもしれないですね。
見ていて、テンポは良いのですが、総集編を見ているような感じでした。
原作はゲームだと言う事を念頭においてレビューしていきます。
それでは、TVアニメ『ISLAND(アイランド)』の感想レビューをどうぞ。
Frontwing
目次
はじめに
本土から離れた南の島「浦島」
美しい自然に囲まれ“一見”幸せそうに過ごす島民。
そこへ「ある使命」を持った主人公・切那(せつな)が流れ着く。
が、切那は自分の名前と「『ある使命』を果たさなくては」という記憶しかない状態であった。
設定にはとても興味を引かれ、視聴を決定。
自然があふれ、それでいて先進的で明るい雰囲気の浦島。
住民は人当たりは良いが、少し閉鎖的な所があり、何か秘密めいたこともありそう。
見始めると、SFだけでなく、ミステリー要素も楽しめるのではないかとワクワク♪
ところがすぐに、総集編を見ているような感覚に・・・
#原作未プレイだからかもしれませんが
ちょっとしたことかもしれませんが、キャラクターの苦労や悩み、過程がさほど描かれず、場面が変わると、時間が経過してイベントに突入、みたいな感じでした。
話や、感情の変化は理解できるのですが、感情移入できない。
楽しみにしていたSF要素も(詳細が描かれないせいか)ツッコミ所満載で・・・
それでも、謎の解明と物語の結末を知りたい一心で見続けると、後半物語が急展開し、特にラスト2話は楽しめました♪
私の場合、SFとして見てしまったことが要因かもしれません。
この作品はSFっぽいですが、恋愛がメインです。
公式HPのトップにあるように「生まれ変わって、待ってるから」がテーマであり、壮大な時を超えて描かれる恋物語となっています。
恋愛、ギャルゲーとして楽しむなら良いのかもしれません。
で、恋愛関連については、他の方へお任せするとして(笑)
私は、物語全体の構成と、判明した事実に基づいての考察を中心にレビューしたいと思います。
感想レビュー (以降、ネタバレ全開です)
ノベルゲーム原作であることを忘れてはいけない
さてさて、この作品はゲーム原作だと言う事を念頭に置かないと見ていてイライラすると思います(笑)
(注意)私は原作ゲーム未プレイなので、勝手な推測でございます。
原作ゲーム『ISLAND(アイランド)』は3人のヒロインが出てきます。
御原 凛音 (おはら りんね)
枢都 夏蓮 (くるつ かれん)
伽藍堂 紗羅 (がらんどう さら)
原作ゲームでは本当のエンディング(トゥルーエンド)を目指して、ストーリーを進めていく。
が、ゲームの醍醐味は、正しい道だけでなく、様々な選択肢を好きなように楽しめること。
本ゲームは3人のヒロインがいるのですから、1人だけでなく(やりなおせば)3人のヒロインと仲良くなることができるわけです。
製作陣も長く遊んで欲しいでしょうから、ヒロインそれぞれを魅力的にするだけでなく、ストーリーを理解するのに必要な情報等を各ヒロインと絡むことにより得られるように作られています。
ゲームとしてはあるべき姿だと思います。
で、本題のアニメに戻って・・・
TVアニメ版『ISLAND』もこの形式を踏襲しています。
#原作ゲームに忠実にアニメ化したと言えますかね
なので、ヒロイン達は魅力的なキャラクターではありますが、本筋と関係のない話や、切那の使命に近づくことなく話が進んでいくのです。
これが、退屈で退屈で・・・(ごめんなさい)
いえ、最初の内は、どう本筋に影響してくるのだろうと真剣に見ていたのですが、関係ないことが多く退屈になってきました・・・
夏蓮の母親が研究していたこと、紗羅が語る伝承くらいは本筋と関係ありましたが。
#以降は、いきなり作品の核心から記載してます。
#未視聴の方は注意願います。
作品の肝(判明した事実)
切那は未来から過去へタイムトラベルしたのではなく、コールドスリープ(冬眠のようなもの)で、2万年後の世界に来ていた。
この世界は、石器時代から文明社会に発展するが”なぜか”滅び、再び石器時代から同じ世界を繰り返すという。
つまり、切那が過去へ戻ってやり直していると思った世界は、未来で繰り返された全く同じ世界だったのだ。
タイムトラベルで昔に戻ったなら、切那が二人になるはず。
が、二人いないのが証拠だと言う・・・・
って、突っ込み所が満載のオチですが、置いといて・・・(←(置いといて)いいんだ・・・←(長くなるから)いいんです)
11話、切那は何度目かのコールドスリープから目覚め、今回は記憶を失わなかった(指輪のせい?)。
そして、目的である凛音を助け(正確には死なせることなく)、リンネ・オハラと結ばれ、ハッピーエンド。
これがこの作品の肝でした。
伝承が語られた時、既にゴールが示されていた
「判明した事実」を元にストーリーを振り返ると。
2話、巫女である紗羅が語った、浦島に伝わる伝承。
これが、主人公(原作ゲームで言う所のプレーヤー)に、目標だと示されていたわけですね。
物語のゴールは最初から示されていたわけです。
まだこの島が本土と繋がっていた頃、
リンネにはセツナという兄がいました。しかし、人知れず、二人は互いを男女として愛するようになりました。
それを知ってしまったのがカレンです。
カレンもまたセツナを愛していました。だから道を外れた二人の愛を蔑み、面隠しの黒巫女に頼んで引き裂こうとしました。
黒巫女はリンネに呪いをかけ、バケモノの姿に変えてしまいます。
それを苦にしたリンネは、悲しみの果てに自らの命を絶ちました。残されたセツナは、神官であるサラの助言を受け、幻の島に住む、黒巫女の元を訪れ契約を交わします。
いつとはしれない未来にリンネが再び生を受け、そこでセツナと出会い結ばれたら呪いが解けるようにと。
それからずっとセツナは氷の中で眠りにつき、その日を待ち続けました。
果てしない時の流れを超えて、見守り続けるセツナには三千大千世界の守人として三千界の姓が与えられたのです。
「セツナは氷の中で眠りにつき」=コールドスリープ
「いつとはしれない未来にリンネが再び生を受け、そこでセツナと出会い結ばれたら呪いが解けるように」は、再び生を受けた(本物の)リンネと結ばれれば、全てが解決する、と。
作品では、タイムトラベル、コールドスリープ、繰り返す歴史、煤紋病(ばいもんびょう)、と気になる言葉が飛び交いましたが、描きたいのは「それらの困難や事象を超え、再び出会う二人」だったと思われます。
だから、二人が結ばれれば、終了!
繰り返す歴史?煤紋病?
そんなのは二人が結ばれれば解決すると伝承にも示されているでしょ?
#要は「描きたいことは、そこではない」ということ。
とでも言いたいような、ラストの畳み掛けでした(笑)
まあ、好意的に解釈をすると、最終話ラストシーン凛音が言った「あの二人なら・・・」ということでしょうか。
もっと好意的に捉えると、
歴史を繰り返す事象が、非科学的な”呪い”であるなら、伝承のセツナとリンネが結ばれたことにより”呪い”は解け、歴史が繰り返すことなく前へ進み出す。
科学的に考えるなら、最後のタイムリープ前にリンネが言ったように、バタフライ効果を期待。
歴史はほぼ同じように繰り返され、”同じ事をしているから”やはり人類は滅んでいった。
今回はセツナとリンネが結ばれたことにより、今までと違う歴史が生まれた。
最初は二人という小さい歴史の変化だが、やがて大きくなり、2万年後には世界も・・・
という感じでしょうか。
SFフリークな私としては、もう少し世界の未来について示して欲しかったです~~
凛音ではなくリンネ・・・
恋愛面は触れないと言いましたが、一番気になった点だけ記載しておきます。
オチは良いです。
途中、もしかして凛音は切那の子ども、もしくは子孫では?という疑い持ちましたし。
でもこういうオチにするなら、もっと未来のリンネ(実際には過去のリンネ)とのことをじっくりと描いて欲しかったです。
アニメでしか見てない私に取っては、前半の凛音の印象が強すぎ。
その凛音を助ける為に、未来へ行ったのに、”また”そのことを忘れて、凛音の面影を見たのかもしれないが、もっと幼いリンネを好きになる。(正直好きなる過程が全然分かりませんでした)
この男は一体何をやっているんだ・・・と言う目で9話、10話の切那を見てしまいました・・・
重い話の割には、一事が万事、行き当たりばったりだし、軽いのです。
残念でした。
考察レビュー
本論とは関係ないですが、気になる点がいくつかあったのはこの作品の魅力。
感想ではなく、考察を最後に。
#アニメを見ただけでは情報が少ないので、根拠の弱い推測(妄想とも言う(笑))でございます。
蛇足①:伝承について
伝承は聞けば聞くほど、興味深いですね。
#原作ゲームではもっと解説されているのでしょうか?
たとえば、「バケモノ」
「黒巫女はリンネに呪いをかけ、バケモノの姿に変えてしまいます」
呪いや魔法がないとするなら、バケモノとは何を意味するのでしょうか?
思い浮かぶのは「煤紋病」ではないでしょうか。
煤紋病は日光を浴びると、肌が溶け死に至る。
病気のことを知らない人が見たら、バケモノと思ったのではないでしょうか。
つまり、(伝承に出てくる歴史上最初の)リンネは人類最初の煤紋病患者。
カレンが嫉妬した時に、タイミング良く発症したのかもしれないですね。
セツナは「煤紋病の治療法」と「過去へ戻るタイムマシン」が開発される時代までコールドスリープをした。
これが伝承となって伝わった、という感じでしょうか。
ま、同じ歴史を繰り返すとは言っても、人類が一度”滅亡”するので、伝承は伝わらないのですけどね(笑)
でも、文字として残っていた線はありかな。
蛇足②:2万年後の世界
2万年後の世界も想像力をかき立てられます。
居住区アイランド。
地上には誰も生きてない。
アイランド以外の人類が滅び、アイランドの住人だけが生きている事実。
2万年前の浦島の出来事と繋げると、
煤紋病がらみで、本土と浦島の交流が閉ざされていたことが関係していそうです。
伝染病で人類は絶滅した?浦島は本土と交流がなかったから助かった?
それとも氷河期による寒さが原因で絶滅?
煤紋病の発症を避けるために、地下へ移り住んだことが、アイランドが生き延びた理由??
想像(妄想?)が膨らみます♪
また、アイランド内の勢力関係も興味深い。
サラは協会のシスター。
カレンは反協会組織のリーダー。
リンネは普通の平民?
2万年前の出来事と繋げると・・・
リンネの先祖と思われる、御原家。
⇒凛音が事故死。御原家の滅亡を意味する。
実際には、滅亡しては子孫はできないから、あくまでイメージです。
カレンの先祖と思われる、枢都家。
⇒夏蓮は家を継ぐ気にはならず、どこかへ嫁いでいった?
兄の守春はゲイで子どもはできなかった。
やはり、滅亡。
サラの先祖と思われる、伽藍堂家。
⇒両親は死んだが、紗羅は今まで通り巫女として生き続けた。
当時は、浦島の御三家として、島の平和と秩序を守っていたが、2万年前の出来事から御三家の2つが途絶え(もしくは勢力が弱まり)、紗羅の血筋だけが有力者として残り、協会として君臨するようになった。
御三家でお互いを律してたのが、一家になり、暴走を許したということの成れの果て?
ということを示唆しているのではないでしょうか。
だとすると、11、12話、切那がやったことは、未来を救ったことになるのです。
凛音の命を救っただけでなく、(故)切那のことを吹っ切らせ、前を向かせた。
夏蓮は結婚式を無茶苦茶にする程、思い詰めた状態だったのが、きちんと父親と話し、母親の所へ行き、自分の意思を示せるようになった。
これらにより、御三家は守られ、浦島をより良くしていったと想像できます。
そうなると未来に大きな変化を与えられたのでは?
つまり、切那とリンネが結ばれただけでなく、御三家も良好な関係を続けられた、という歴史上の変化が生じたわけです。
とまあ、どんどん想像を広げていってしまうのが、SFの醍醐味。
『ISLAND』はSF的要素としても面白い題材を持っていたと言えます。
物語の中でもっと広げてもらえると、個人的には好みの作品になった可能性あるのですが(涙)
おわりに (『ISLAND』とは)
すいません、つらつら書いてしまいました(反省)。
この作品は恋愛がメインです。
設定や世界観がSFチックなので、SF要素を期待してしまいます。
すると前半は、核心に近づいているようで全く見えてこず、イライラ。
というか、とても退屈でした。
興味深い設定なので、もう少し論理的で(こじつけでも良いので)科学的な説明や解説があれば面白くなったと思うのですが。
もしくは恋愛脳で見るか、ですかね(笑)
興味惹かれる所はあったのですが、ちょっと私の好みとは合わなかったということで。
ではでは。
大事なことは忘れないようメモしましょう