魔法少女

TVアニメ【終末のイゼッタ】1~12話(最終話) 感想レビュー 少女はただ純粋にフィーネ皇女の手助けをしたいと、人間の世界に、戦争に、参戦。魔法少女が戦争にリアルに絡んでいく。

終末のイゼッタ
原作 なし (アニメオリジナル)
ジャンル ファンタジー、戦争、魔法少女
放送情報 TVアニメ(2016年秋)/全12話
オススメ度 A
ストーリー
設定
世界観
感情移入

Netflixにて鑑賞。一気見。

あらすじ

舞台は第二次世界大戦時代(1941年)のヨーロッパを模した架空の世界。
伝説として魔女と魔法が語られている。

欧州を武力により支配しようとするゲルマニア帝国は
アルプスの小国エイルシュタット公国まで侵攻しようとしていた。

エイルシュタットの皇女・フィーネは同盟国の協力得るべく自ら行動していた。

はじめに

いつも通り、前情報一切なしで鑑賞して正解の作品でした♪

魔法少女と聞き、もう少し柔らかく、明るい作風を想像していたのですが、
想像していたより、ずっとシリアスで本格的な作品でした。

直感で「見たい!」と思った方は、すぐに見て下さい♪
#悩んでいる方は、以降、少し内容に触れているので、参考にして下さい。

「終末のイゼッタ」PV第二弾
松竹チャンネル/SHOCHIKUch

現実の第二次世界大戦のヨーロッパの構図を模した架空の世界が舞台。
ヨーロッパの強国・ゲルマニア帝国が
小国エイルシュタットへ攻め入ろうとしている情勢から物語は始まる。

弱小国が大帝国を退けるには、
同盟諸国に頼るしかなかったが、あまりにも状況が不利に・・・
そこで『魔法』という唯一無二の兵器(と敢えて言います)を手にするお話。

魔法少女が第二次世界大戦時の戦闘機や戦車と戦うカットは斬新で見応えあり

普通の作品なら、軍が魔法なんて力を手に入れたら、
そんな怪しい力は国の兵器としては認められず、こっそり使ったり、
逆に味方の古い考えの人や野心のある人に疎まれたりするものですが、
本作が独特なのは、実に堂々としていること。

これが気持ち良いほど痛快で、面白い♪

作画は丁寧で少し押さえた色彩。
1940年代の世界中が戦争で混沌としていた雰囲気に合っている

対して、イゼッタは赤髪で力強く、活発な女性として描かれる。
この赤い髪の少女が空中を縦横無尽に飛び回り敵国を手玉に取る様は見所です。

少し話がフィーネとイゼッタの二人に寄りすぎなのと、
中盤、魔法に頼り切っている部分が多少イライラするのですが、^^
“その結果、行きつく先”を描いているのは好ましいです。

なにより、リアルな戦争に魔法という常識を覆す反則技を絡めていくのが面白い
また、戦争や、戦争に巻き込まれていく人々を真正面から捉え、
骨太ドラマを描いています
#ラストまでこの路線で描いてくれると良かったのですが・・・
#ネタバレになるので後程触れます ^^

「終末のイゼッタ」PV第四弾
松竹チャンネル/SHOCHIKUch

感想レビュー (以降、ネタバレあり)

話としてはとてもきれいに進み、着地もきれいでした。
一気見していることもあり、見終わった後は、長編映画鑑賞後の
余韻と心地良さがありました。

舞台は架空の世界ですが、
史実を模していることもありリアルな世界観になっており、
魔法と言うファンタジーの産物を
とても現実味を持って見ることができ面白かったのです。

ま、実際、私にとっては第二次世界大戦を実体験はもちろん、
リアルタイムに見ていたわけではないので、
ファンタジーと同じ感覚で見ているのですが ^^
#だから、作品内で史実と違う(創作)ことがあっても気にしません。 ^^
#私は、本作をファンタジーとして楽しんでいるのかも。

※以降はネタバレ全開です。

弱小国が戦況をひっくり返すほどの力を持ったら?

政治家や民衆は自分たちにない力、理解できない力に畏怖するもの。
これは魔女狩りなど歴史でも示されていること。

この作品は、戦争における弱小国が一つの武器(本作の場合魔法)で
強国を凌駕するほどの力を手に入れてしまったら、
ということを描いています。

現実世界では第二次世界大戦当時の”核兵器”が相当するでしょうか。
いち早く完成させたアメリカは大戦後の強国となり、
アメリカの脅威を取り除くためにも競って”核兵器”の開発を各国は急ぎます。

一つの国が脅威となる力を持てば、
伍する国は同じような力を持とうとするか、その脅威を取り除こうと行動をするのです。

さて、本作の脅威は、唯一無二の”魔女”。(イゼッタが魔女最後の生き残り)
ところが、ゲルマニア帝国はクローンで「白き魔女」ゾフィーを復活させる。

イゼッタがゾフィーに負け、魔女がゲルマニア帝国のみとなったとき、
また、他の国がクローンによる魔女復活が(少なくともすぐには)できないと判断したとき、
反ゲルマニア同盟諸国は、ゲルマニア帝国に屈するしかなくなってしまう。

たとえ、イゼッタが復活し、例えゾフィーを倒したとしても、
今度はエイルシュタットだけが魔女を持つというだけで、
魔女という脅威は消えるわけではなく、長期的に見ると問題の火種は残ったまま。

よって、フィーネとイゼッタが取った最終話の行動は、
世界の戦力のバランス上、そして政治的に、とても説得力のあるものであり、
国を思うからこそ、ゾフィーを早々に処刑した、昔のエイルシュタット王も英断。

この世界大戦が行われている時代(簡単に戦争になってしまう時代)、
突出する戦力を持つことの意味と、他国に与える影響、ということについて、
とてもよく考え抜かれた脚本だと思い、感心しながら見てました ^^

きれいで悲しいラスト。嫌いではないです^^

ネタバレあり

3話「天翔る剣」が震える!

見終わって振り返ると
イゼッタがエイルシュタット公国の戦争に初めて参戦するエピソード
3話「天翔る剣」が秀逸ですね!!

エイルシュタット公国の防衛ライン・ケネンベルク要塞を守る兵士達。
戦闘機と戦車の連携攻撃に為す術もなく、時間稼ぎしかできない防衛戦。

フィーネ皇女も近くにいるのだが、何もできる手段はない。
周囲の兵士はここで命を使いたいと皇女に懇願するが、フィーネは無駄死には許さずと許可しない。

勢いは止まらないゲルマニア帝国の攻撃。
次々と死んでいく兵士達、死を覚悟した兵士達、
引っ張って引っ張ってからのイゼッタの覚悟の登場。

防具も着けない生身の赤髪の少女が、無骨な戦闘機と戦車を相手に戦う姿は
BGMも相まってとにかく爽快でカッコイイ!!

途中で、イゼッタが敵兵を殺してしまったことを少し後悔した後に
木にぶつかったり、兵士とやりとりした後、銃を持ち出したり、
とコメディタッチの閑話休題も秀逸♪

フィーネが発光信号を使っての兵士への鼓舞も上手いし、
敵国の将校達の「信じられない!?」という反応も最高♪
戦い終わったイゼッタを迎えるフィーネも素晴らしい♪

最後の国家斉唱は少し引きましたが・・・^^

長編映画の方が良かったのでは?

ただ、作品全体のストーリーということについては、
フィーネとイゼッタの二人、
魔法を使っての戦闘シーン、
(先に書いたような)魔法が人々や他国に与える様々な影響、
はとても良かったのですが、それ以外の扱いが軽いのが気になりました。

とくにラスト。
フィーネとイゼッタが魔法を国同士の戦争に持ち込んだのだから、
二人が責任を負うというのは気高くはあり、理解できるのですが、
他の軍人や他国が、少女二人に世界の決着を任すとは不甲斐ない・・・

もう少し国の為に命をはる兵士達がいても良かったのかな、と。
同盟諸国も動いても良かったのかな、と。
ゾフィーを出したことでリアル路線からファンタジー路線に完全に変わったのだから、
やるなら、徹底的に、勢いのある感動のドラマで締めてほしかったです ^^

この作品のプロットは長編映画向きなのではないでしょうか。
90~100分程度の長編アニメ映画にしていれば良作になった気がします。

1クール持たせるには、もう一ひねり、いや二ひねり位ドラマを入れるか、
フィーネとイゼッタ以外のキャラクターをもっと重厚に描いて欲しかったですね。

おわりに (『終末のイゼッタ』とは)

すいません、最後辛口な事を書きましたが、
リアルな戦争ものとして捉えると、

エイルシュタット公国の軍としての能力の低さ、
それ故に魔法を使う戦略の稚拙さ、イゼッタに頼り切った作戦の立て方、
(だからこそ、イゼッタの魔法が際立ち、白き魔女を出すための布石になるのは理解できますが)
魔法の秘密(レイライン)を外でペラペラ話したり、
同盟諸国の動き、ゲルマニア帝国の甘っちょろい攻め方、等々気になる所が出てきますね。

だけどフィーネとイゼッタの二人の物語、
と見るととても心地の良い、きれいな作品だと思います。

鑑賞前に想像した以上に、満足感の得られる骨太な作品でした。

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