こんばんは。時文です。
自主制作アニメ『傾福さん』を鑑賞しました。
アニメーション制作集団「irodori」による自主制作短編アニメ。
たつき監督のTwitterおよびYouTubeで公開。
たつき監督とirodoriとくれば有名なのは『けものフレンズ』『ケムリクサ』。
『傾福さん』はどちらかと言うと『ケムリクサ』系。
内容も『ケムリクサ』と関連がある感じ!?
まだ見てない方がいらっしゃったら、下記にYouTube埋め込んだので、ご覧下さい。
5分半と短いのですぐに見れますよ。
短い映像ですが、たつき監督らしい独特の世界観が堪能できます♪
irodoriginal
それでは、自主制作アニメ『傾福さん』の感想レビューをどうぞ。
目次
はじめに
2017年8月から、たつき監督のTwitterで初公開。
2017年12月に「フル版」がYouTubeで公開。
後にアマゾンで販売したところ、DVD売れ筋ランキング1位を達成!
わずか5分半とは言え、あなどれません!(汗)
非現実的で見たことない世界を舞台としてますが、和テイストが入り、実に日本的。
不思議な生物がいたり、謎の仕事をしている駅長さん?
巨大な鳥居に、4車線の線路。そこへ現れる巨大な・・・
たつき監督ワールドをお楽しみあれ♪
感想レビュー (以降、ネタバレありです)
さあ、ここからはネタバレ全開でいきます。
この世界は一体!?それが、たつき監督作品
どこかは分からないけど、終末ではなさそう。
現実世界ではないけど、危ない所でもなさそう。
不思議な雰囲気だけど、明るい感じ。
最初はどこか全く分からない世界。
これが、たつき監督流。
『傾福さん』は世界や話が理解できなくても、明るい気分にさせてくれる。
『ケムリクサ』を見た後だけに、明るい雰囲気だけで、うれしくなってしまう(笑)
そうだよ、こういう世界を舞台にした、たつき監督作品を見たかったのだよ!
と思わずにはいられない♪
この世界は何?を語る前に・・・
この不思議な世界は一体なんなのでしょう。
駅長さんのような制服を着た少女は、一体何をしているのでしょう?
運ばれてきた建造物から、電球のような物を持ち出し、磨いて、12個の段ボールに詰めて送り出す・・・
持ち出した電球の中には、その頃、制作中のTVアニメ『ケムリクサ』のモチーフと思われるモノが入っていた。
となると、アニメの制作過程の一部を表現しているのでしょうか。
深掘りする前に、ヤオヨロズの取締役で『けものフレンズ』プロデューサーでもある福原慶匡さんのインタビューをご覧下さい。
ヤオヨロズの設立、たつき監督のこと、『ケムリクサ』にかける思い等、読み応えあるインタビューになっています。
ここで興味深いのは「たつき監督のクリエイターとしての姿勢について」です。
たつき監督は、ひたすら仕事をし、アニメ制作に「尋常ではない努力をする」天才タイプだと言う。
特に興味が湧くのは次の言葉。
特にたつき監督は、脚本・絵コンテ・演出まで1人でやってしまうためなのか、脚本に疲れたら気分転換にモデリング、それに疲れたら今度は同人、それに疲れたら……と結局アニメしか作ってないじゃん! ってなるんです(笑)。
(by 福原プロデューサー)
凄い・・・
確かに、『傾福さん』の最初の投稿には「息抜き」と書いてあります(笑)。
夏なので、息抜きのアニメ作りました #傾福さん pic.twitter.com/ArFK2c0pXV
— たつき/irodori (@irodori7) August 15, 2017
これは、仕事も趣味もアニメ制作なので、息抜きもアニメ制作になるのでしょうか?
同じ作業を続けていると煮詰まってしまう。
そこで、気分転換に”別の”作品の作業をやる、”別の”工程をやる、という感じなのでしょう。
面白いですねーー
そして、ファンとしてはありがたいですねーー♪
#くれぐれも健康には気を付けて欲しいです。
たつき監督の頭の中
となると、『傾福さん』で描かれる世界の元設定に一つの仮説が浮かび上がってきます。
これは、たつき監督の頭の中の世界。
それも「脚本」工程の頭の中の出来事を元にしたのではないでしょうか。
たつき監督は手がける作業の際、頭の中で切り替えを行っているのでしょう。
“切り替える”というのは別に多重人格とかではなく、そのことに”集中する”という感じです。
作品ごと、更に作業ベースでも「脚本を作る」「絵コンテを描く」「演出をする」「モデリング」というフェーズで頭を切り替える。
切り替えることにより「脚本を作る」時はその作業に集中する。
「同人を作る」時は同人アニメを作ることに集中をする。
だから、別の作業をすることが”息抜き”になるのです。
この世界はたつき監督の頭の中・・・の1タスク
そして、今回描かれたのは、その頭の中でも「脚本」。
次の作品(恐らく『ケムリクサ』)は、「廃墟と化した建造物」が舞台。
企画から、その舞台に似合う、様々なアイデア・ネタが詰め込まれ送られてきた。
いくつも用意されたアイデアの中から、気に入ったモノを選ぶ。
厳選した設定とアイデアを元に1クール(12話)の脚本を制作。
12話のシリーズ構成、脚本を完成させ次の行程へ送る。
てな、感じでしょうか♪
楽しんで作っている様子が描かれる
このように考えると、いくつかうれしいことが。
「脚本」作業を楽しみにしている様子。
(たつき監督はアニメ製作全行程を楽しんでいらっしゃるのでしょうが・・・)
傾福さんが、「ま~だかな~」と待っている様子は、「脚本」作業を早くやりたい気持ちが見て取れます。
早く「脚本」作業を手がけたいが、前段階の企画でアイデアが出きってない、または、他の作業に追われ、手を付けられない様子を描写しているよう。
「アイデア」「ネタ」は絞りに絞る
廃墟のような建造物がある世界を舞台にする。
その舞台で、使えるアイデアが、数多くの電球描写で表現されている。
企画段階でそれだけアイデアを出し、そして2つ”だけ”選ぶ。
あれだけ沢山あるのなら、もっと持って帰っても良さそうなのに・・・
絞り出した数多のアイデアから、欲張らず絞りに絞って、キーとなるアイテムを選ぶ様子が伺える。
選んだアイデアを徹底的に練り上げる
厳選したアイデアを持ち帰り、磨き上げる。
それも徹底的に!という様子が。
そして、何よりうれしいのは、全ての作業において、とにかく楽しそう!
楽しみながら脚本を考えている印象が見て取れます。
なんだか、1ファンとしてうれしいですね♪
おわりに (『傾福さん』とは)
最初見た時は、理解できないまま、あっと言う間に終わってしまい、なんなんだ!?と思った『傾福さん』。
電球の中に『ケムリクサ』のモチーフになっている物を見つけ、もしやと気付くと、磨くだの12個の箱だの、パーツが繋がってくる♪
プロデューサーのインタビューを読むと、仮説は確信に変わっていく。
そして、思うに、たつき監督は「脚本」だけでなく、「企画」「絵コンテ」なども手がけていそうです。
つまり、工程前半を一人で全て担当し、頭の中で切り替えて、各作業に集中しているスタイルが見て取れます。
理屈は分かりますが、大変そうですね(汗)。
うれしいのは、とにかく楽しそうにアニメ製作をしている、たつき監督の様子。
そんなことを感じさせる5分半でした♪
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