SF/ファンタジー

TVアニメ【けものフレンズ】1~12話(最終話) 感想レビュー SF設定の先に描かれるテーマが上手い 人間は優れているが万能なのか?

けものフレンズ
オススメ度 B+
原作 ゲーム(ストーリーはアニメオリジナル)
ジャンル 動物、冒険
放送情報 TVアニメ(2017年冬)/全12話
ストーリー
設定
世界観
感情移入

ゲーム未プレイ。
TV放送にて鑑賞。一気見。

こんばんは。時文です。
TVアニメ『けものフレンズ』最終話まで鑑賞しました。

けものフレンズ』はゲーム、漫画、アニメと展開されたメディアミックスプロジェクト作品。

ゲームはプレイヤーがフレンズを集めて、問題をクリアしていく。
漫画は、パークの新人飼育員とフレンズを交流が描かれる。

TVアニメは、ストーリーがアニメオリジナル

ほのぼのとした作風と、キャラクターの言動(通称「フレンズ語」)が、反響を呼び、オープニング曲「ようこそジャパリパークへ」もヒットするなど、大きな話題を呼んだ作品。

私は人から勧められて見ました。

あまりに子供向けっぽい作風なので、お墨付きをもらってなければ途中で断念してたかも(笑)。
それだけ、絵の印象、雰囲気だけで判断してしまうと誤ってしまいそうです。

でも、一定の人々が熱狂しただけの内容はあります。
もし未視聴であれば、ぜひご覧になり、ご自身の目で確かめて下さい。

これから見る方は、ネタバレなしでご覧下さい。
まだ迷っている方は「はじめに」でもう少しだけ踏み込むので、参考にして下さい。

  • 「はじめに」は【ネタバレなし】
  • 「感想レビュー」「おわりに」は【ネタバレあり】

では、TVアニメ『けものフレンズ』感想レビューをどうぞ。

TVアニメ『けものフレンズ』PV 第二弾
『けものフレンズプロジェクト』公式

はじめに

あらすじ

時代は不明。
舞台は超巨大総合動物園「ジャパリパーク」。
動物がヒトの姿をして「フレンズ」と呼ばれ、人間がいない世界・・・

ある日、サーバルキャットのフレンズ・サーバルは、自分の名前もどこから来たのかも分からない子(かばん)を見つける。
かばんちゃんは自分の正体を探しに、サーバルと一緒に図書館を目指すことに。

キッズアニメのような雰囲気とクオリティ。
動物の特徴を紹介する動物番組?
日曜早朝アニメでは?
でも、なぜ深夜アニメ??

もういろんな疑問と(見続けるかどうかの)葛藤の中で見始めました(苦笑)

でも、信じて見続けて良かった!!

WikipediaによるとTVアニメ『けものフレンズ』のジャンルは「動物、萌え擬人化、冒険」。
世間では、ほのぼのとした作風やフレンズ語が反響を呼んでいるようです。
決して、間違ってはいません。

ただ、私は「動物たちの日常、友情、SF」として楽しみました

ほのぼのとした雰囲気とは裏腹に、小出しに出てくる、ゾクッとするようなSF要素
日曜早朝アニメではなく、深夜に放送しているのだから、お子様には見せられない、展開が用意されているのだと、妙な期待まで(笑)

そして、たつき監督特有の、非現実的なようで、現実世界とどこかが地続きなのでは、と勘ぐってしまう世界

一度気になってしまうと、結末を確認したくなる中毒性のある作品です。

もちろん、お子様が見ても問題ありません。
むしろ、動物の生態や、フレンズと呼ばれる擬人化した動物たちが、自立して生きていこうとするたくましさ。
困ったときは助け、でも頼り切ったりしない、その距離感。
誰でも得手不得手があり、良い所を素直に褒め称える、優しく素直な心。

見ていて、とても温かい気持ちになれます。

基本的に1話完結。
旅の途中で様々な出来事が起きるロードームービー風。

物語のベースは、自由奔放で本能に従う、正に動物のように行動するフレンズ達との絡み。
ちょっとした問題を抱えたフレンズ、動物同様、道具を使うということを知らないフレンズ。

そんなフレンズ達に、かばんちゃんが、とても子供らしい(←これとても重要)発想で問題を解決していきます。

動物の世界なのに弱肉強食ではなく、(基本的に)争ったり、批判したりしない、
お互い満ち足りているかのように平和でおだやか。

フレンズ達は、楽しい、面白いと思えば行動を共に。

現実のサファリパークの、良い部分だけを見ている感覚とでも言いましょうか、
とても穏やかな気分になれるのです。

出てくるフレンズが毎回変わるので、そのキャラクターに合わないと辛いことと、最初は平和過ぎて退屈という難点はあります。
が、終盤は魅せてくれます♪

ちゃんと筋のあるプロットになっているので、ぜひ最後までご覧下さい。

感想レビュー (以降、ネタバレありです)

さて、ここからはネタバレ全開ですよ。
未視聴の方はお気を付け下さい。

設定と背景について

明るく、ほのぼのとした雰囲気の中で、異質な存在の人工物と、いる(いた)はずなの人間の姿が一切見えない違和感
話数が進むにつれて、徐々にその答えが明らかにされていきます。

ここは、島全体をサファリパークにした施設。
ここでは、動物を人化したフレンズが生活。
訪れたゲストは、フレンズ化した動物を鑑賞したり、交流して楽しむ。

エリア単位で温度や湿度が違い、様々な環境の動物が見られる。

つまり島全体が、超テクノロジーで作られた巨大アミューズメントパーク。
#映画『ジェラシックパーク』パターンですね。

実在したら、本当に楽しそう。

廃墟となった今

ところが、超テクノロジーが暴走したのか。
セルリアンが発生、完全退治できないことから、人はパークから退去することに。

ただ、いつか戻ってくることを想定し、ガイドロボット・ラッキービーストは残し、起動させたままに。
ラッキービーストは、定期的に施設のメンテナンスを行い(全てではない)、野菜を育て、フレンズたちの食料となるジャパリまんを作っている。

それからどれだけの月日が経ったか・・・

かくして、ほとんどが人の存在を知らない、フレンズ達だけの生態系ができあがった

作品内では、明らかに人間が造ったと思われる建造物や人工物が存在するが、フレンズ達は何も知らない。
EDでは廃墟となった遊園地が映し出され、人類が滅亡した後の世界のように描かれている。

人類の生き残り?

そんな世界に、人類の生き残りらしき、かばんちゃんが現れる。

かばんちゃんは、他のフレンズに比べて、身体能力や、五感が優れているわけではない。

何をやってもダメなかばんちゃんは、

ぼくって相当ダメな動物だったんですね・・・

だけど、サーバルは、

平気、平気、フレンズによって得意なこと違うから
すっごい頑張り屋だから、きっとすぐ、何が得意か分かるよ
あなたの強いところ段々分かってきたよ。きっと素敵な動物だよ。

と、かばんちゃんをバカにしないどころか、ずっと励まし続ける。

かばんちゃんの行動と、サーバルの、自分たちフレンズとの違いを聞いていると、視聴者にはすぐに「かばん=人」と分かるのだが、人の存在が忘れ去られているのだから仕方がない。

話数が進むにつれ、「かばん=人」である根拠が積み重ねられていき、図書館で博士達にお墨付きをもらうころには、もうかばんちゃんやサーバルも、そうではないかと思っていた程。(7話)

そうです。
物語は、かばんちゃんが人であることが分かるのは、終着ではなく通過点
その先に描きたいことがあるのです。

自立と干渉

人は、身体的能力に於いては、元けものであるフレンズ達に叶わない。
が、人である、かばんちゃんは創意工夫が上手く、フレンズが思いつかないことを考え出す。

この作品、一貫しているのは、助け合い精神
誰でも良い所もあれば、苦手なこともある。

その苦手な部分を、他のフレンズやかばんちゃんがカバーする。
そんな精神を終始貫いているので、とても見ていて温かい気持ちになれます。

そして、特に興味深いのが

  1. 相手に踏み込みすぎない
  2. 相手に自分の価値観を強要しない

途中、かばんちゃんのアイデアで物事を解決するフレンズ達。
でも、かばんちゃんに頼り切ったり、旅に付いていくと言ったり、かばんちゃんを引き留めたりはしない。

1話終盤で、カバも言ってました。

ジャパリパークの掟は「自分の力で生きる」こと。自分の身は、自分で守るのですのよ。」by カバ(1話)

これが、ジャパリパークの掟、自然界の掟なのです。
ルール云々だけでなく、元けもののDNAがそうさせるのでしょう。

ジャパリパークの目的は、フレンズ化した動物のサファリパーク。
完全に人間になってしまっては、サファリパークの意味がないですね。
人の姿になったとは言え、動物の生態を楽しみたいわけですから。

なので、本当にフレンズ化の行動ルールとして「自立」が刻み込まれているのかも。

“人間らしさ”の影響力

人の姿をしているが、自然界の生きる術である「自分の力で生きる」ことを実践しているフレンズ達。

かばんちゃんと交流すると、今までできなかったことができるようになったり、気付いたりする。
けもの時代と違い、人の姿であり、言葉が話せ、他フレンズと交流ができ、知恵を付けることができる。
何より手が自由に使え、道具を使える体なのです。
気付けば少しずつでも新しい事に挑戦できるのは当然の流れ。

少しずつ”人間らしさ”を身につけていくフレンズ達
そして、パークの掟である「自分の力で生きる」も少しずつ変化していく。

究極はラスト2話。

パークの危機となる程の超大型セルリアンが登場。

サーバルが取り込まれてしまうが、ヒグマは作戦を遂行するために、救出は諦める。
が、そんな簡単に割り切れないのが、(人間である)かばんちゃん。

かばんちゃんは自分の身を顧みず、サーバルを助けに行く。

その結果、かばんちゃんがセルリアンに取り込まれる。

助ける術がないヒグマは諦めるが、かばんちゃんとずっといたサーバルは諦めきれない。
ボスの緊急対応も発動し、かばんちゃんを助けることに。

だけど、ヒグマたちだけでは、どうしようもなかった・・・

そこへ、現れたのは、これまで交流のあったフレンズ達。
パークの掟、いや自然の掟である「自分の力で生きる」、いわゆる弱肉強食の考え方を覆す行動に出たのです。
#例え、呼びかけはボスの緊急対応だったとしても。

強さが自慢のフレンズは野生開放して攻撃を。
そうでないフレンズは自分ができることを。
それぞれの知識を総動員、それどころか創意工夫して超巨大セルリアンに挑む。

そして、ずっとかばんちゃんと一緒にいたサーバルは、1話では箱に入ったパンフレットを取り出すこともできなかったのに・・・

かばんちゃんのカバンから、紙を取り出し、紙飛行機を折り、苦手な火を点け、セルリアンに向かって飛ばす
#紙飛行機は1話でかばんちゃんに沢山折ってもらっていたので、それかもしれないですが
#どこに入れて持っていたのか?不明です(笑)

なんという成長でしょう!

これは、フレンズ達の”人間らしさ”開花。
姿形だけでなく、心も”けもの”から”人間”に変化し始めているのではないか。

ラストの遊園地に集まったフレンズ達は、積極的に他フレンズと交流し、正に異世界交流。

フレンズにとって”人間らしさ”は魅力的。
だけど、自然界では”弱点”になる場合も。

人の”人間らしさ”の影響を受けたフレンズ達は、これから一体どうなっていくのか。

いずれにせよ、フレンズ達は本当に良い友(フレンズ)。
そしてかばんとサーバル、ボスはとても良いコンビ(トリオ?)。
ずっと見ていたいですね♪

おわりに (『けものフレンズ』とは)

人が人たらしめる、他の動物とは決定的に違う「考え創意工夫する」ことを描く。
同時に、動物それぞれの特徴や良さも描き、一つの理想郷を描いています。

フレンズ達の好奇心と、素直な反応、他者を責めることなく、お互いが補完し合う優しい関係。
自由奔放に生きるフレンズ達を見ているだけで和みます。

一方、人間は、力も体も強くないが、他人と協力して動くことにより、個の弱さをカバー。
想像力豊かで、今までなかったモノを生み出す。

見ているだけでも楽しいフレンズ達が、かばんの提案に疑うことなく、大変な事でも素直に従い、成果を出す。
その結果にこれまた素直に感動し、お互いを褒め称える・・・

ベースにあるテーマ「のけ者は、いない」をとても感じます。

それと、人の素晴らしさを描くのとは反対に、パークが人間不在の廃墟となったのも、これまた人の想像力の行く末だと匂わせる。

人が決して、一番でもなく、万能でもない、でも、不要とも言わない。
作品内だけではなく、視聴者に対しても、価値観を押しつけない。

これまた、全てに於いて、”優しさ”溢れる作品でした。

絵とセリフに、子供っぽい点を感じるものの、内容はキチンとしており、オススメですよ!!

ではでは。

きょうのひとこと

ラッキービーストと、じゃぱりまん。
じゃぱりまんがなかったら、フレンズ同士の弱肉強食に!?
考えてはいけない・・・

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12.1話のレビューも書いているので、良かったらご覧下さい。

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