虚構推理

小説【虚構推理】アニメ5話分感想 実は琴子と九郎は息ぴったり!?

虚構推理

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
小説『虚構推理』の感想レビュー(4/11)です。

原作小説『虚構推理』は、TVアニメ1話と3~12話でアニメ化。

本レビューでは、アニメ5話に相当する部分を対象とします。
次話以降のネタバレは「なし」なので、ご安心を。

アニメの感想レビューはこちらからどうぞ。

虚構推理
アニメ【虚構推理】1~12話(最終回) 感想レビュー そうきたか!常識破りのミステリをご覧あれ2020年冬TVアニメ『虚構推理』ネタバレ感想レビュー。ミステリよりも伝奇、伝奇よりも恋愛!?推理物を期待して見ると、違うと気付くが時すでに遅し。恋愛×伝奇にすっかりハマってしまうかも。 前半の「はじめに」は【ネタバレなし】後半の「感想レビュー」は【ネタバレあり】で魅力を紹介します。...

アニメと原作小説の対応は以下の通り。
リンク先は他話の感想レビューです。

虚構推理 (全12話) 各話リスト

話数 サブタイトル 原作巻数
(リンク先はレビューへ)
第1話 一眼一足 1巻R①
第2話 ヌシの大蛇は聞いていた 2巻R①
第3話 鋼人の噂 2巻R②
1巻R②
第4話 アイドルは鉄骨に死す 1巻R③
第5話 想像力の怪物 1巻R④
(本レビュー)
第6話 合理的な虚構 1巻R⑤
第7話 鋼人攻略戦準備 1巻R⑥
第8話 虚構を紡ぐ者 1巻R⑦
第9話 鋼人七瀬攻略議会 1巻R⑧
第10話 虚構争奪 1巻R⑨
第11話 最後の虚構 1巻R⑩
第12話 秩序を守る者 1巻R⑪

※1巻:『虚構推理』
※2巻:『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』

はじめに

本レビューは「アニメ」⇒「原作小説」の順で見た「原作の感想レビュー」です。

2020年冬、アニメ化された『虚構推理』。
原作は城平京先生による小説。
2011年から刊行され、現在、短編集も入れて3冊刊行。(2020年6月時点)

  • 虚構推理
  • 虚構推理短編集 岩永琴子の出現
  • 虚構推理 スリーピング・マーダー

1巻、2巻、3巻とナンバリングされておらず、タイトルで区別。
本サイトでは便宜上、発刊順に1巻(虚構推理)、2巻(虚構推理短編集)と呼ばせて頂きます

アニメ『虚構推理』は原作小説に忠実、再現度も高いです。

が、原作の全てがアニメ化されているわけではありません。
原作を読むことにより、作品をより理解することができました。

原作情報を全て伝えることはできませんが、魅力を少しでも伝えられれば。

もっと知りたいと思った方は、ぜひ原作をお読みください。
アニメ鑑賞後であればストーリーが分かっているのでスムーズに読めるし、アニメではカットされた琴子のセリフや、心情描写が楽しめます。

なお、原作読了後、コミカライズも読みました
アニメはコミカライズされたシーンも採用しています。
マンガサイト「アル」の投稿画像も引用して紹介します。

では、アニメの内容順に紹介をしていきます。

本レビューの内容
  • アニメでカットされた原作部分
  • アニメオリジナルシーン
  • 原作を読んで分かったこと

見出しの頭にアニメオリジナル、原作のみの記号を記載したのでご参考に。

  • ア):アニメオリジナルシーンに関する記述
  • 原):アニメではカットされたシーンに言及

TVアニメ 第5話「想像力の怪物」

原) 琴子はまだ九郎を呼んでない

アニメ5話冒頭、鋼人七瀬と戦っている九郎を見つけ、琴子は驚きます。
連絡もしてないのに、真倉坂市まで来ているのか。

連絡をしてない理由は、なんとなく分かるのですが、原作にははっきりと書かれてました。

なぜ九郎が真倉坂市にいて、鋼人七瀬と戦っているのか。心当たりはあったし、こうなる展開もあるとは考えていたが、どうしてこのタイミングなのだ。岩永はまだ九郎に手助けを求めるメールを打っていないし、電話もかけていなかった紗季と九郎を鉢合わせさせないために、慎重に時期を測るつもりだったのだ

by 小説『虚構推理』より

事件解決云々より「九郎を紗季と合わせたくない」ことが理由なのは琴子らしい(笑)。

これほど、九郎を紗季に会わせたくないのは、紗季が以前より九郎好みの女性になっているからです(笑)。

詳しくは前回の原作レビューをどうぞ。

それにも関わらず、九郎は来てしまった。
そして最悪なことに、紗季までこの現場に来てしまった。

岩永はあきらめて肩を落とした。ファミリーレストランでおとなしく待っていてくれればまだ対応しようはあったが、こうなれば切れない縁のいたずらと考えるしかない。

by 小説『虚構推理』より

紗季がファミリーレストランで待っていた場合、九郎を連れて行くつもりはなかったのです。

琴子はギリギリまで諦めてなかったのです(苦笑)。

ア) 鋼人七瀬がもがくシーンはアニオリ

九郎は「未来決定能力」で鋼人七瀬の背後を取り、首に腕を回し固める。
鋼人七瀬は抵抗し九郎の耳を引きちぎる・・・

九郎が鋼人七瀬の首を固めるまでは原作通り。

その後、鋼人七瀬がもがき、九郎の耳を引きちぎったりするシーンはアニメオリジナル

原作には、鋼人七瀬が抵抗し、九郎の頬を掻きむしったり耳をちぎるシーンも、鋼人七瀬を倒して羽交い締めにするシーンもありません。

九郎は鋼人七瀬がもがき出す前に迷いなく、その首を90度に曲げ、へし折った。相手が顔のない亡霊とはいえ、人間の形をしたものの首をあっさり折った。

by 小説『虚構推理』より

原作では、”もがき出す前に”首をへし折っています

九郎は、少し未来を見たので、すぐに首をへし折らないと抵抗されると知っていたのではないでしょうか

だから、迷うことなく首をへし折った。

琴子は、九郎の躊躇ない行動を見て──

九郎先輩、ああいう意外にきっぱりしたところも魅力ですよね

by 岩永琴子『虚構推理』TVアニメ5話より

と言ったのです。

まあ、アニメでも九郎の躊躇なさは、九郎の表情からして感じ取れました。
鋼人七瀬が抵抗するシーンは、絵的にも緊張感が出ていましたね。

コミカライズには鋼人七瀬がもがくシーンが描かれてます。
アニメは、コミカライズの内容を取り入れたのだと思われます。

原) たとえ亡霊でも首を折れば・・・

九郎が鋼人七瀬の首を折ったが、復活。

アニメ鑑賞時、亡霊なのだから、首を折ったくらいで消えないのは別に不思議でもないと思っていたのですが、原作には理由が書かれてました。

たとえ幽霊、妖怪、物の怪であろうと、その形状が基本から崩れれば何らかの反応があってしかるべきである形とは己が己であるための基礎であり、形の安定をいきなり奪われれば同じ自己を維持するのはたやすくない

だから九郎や岩永といった、異界の理に干渉できるものが外から力を加え、首を折ったりしたなら、幽霊であっても無事で済まないのが理屈であり、それで退治できても不思議はないはずなのだ。

by 小説『虚構推理』より

他の怪異ものであれば、首を折ってもだめなら、心臓なり、キーとなる部位を探して退治しようとします。

が、『虚構推理』では、怪異は通常、形状を崩せば何らかの反応があるモノとして描かれています
#作品設定ですね

だから、首を折っても意に返さない鋼人七瀬を見て、物理的な攻撃で消すことはできないと判断したのです。

この点は、アニメを見ていただけでは分かりづらく、不可解な所でした。
原作を読んで納得。

原) 九郎は琴子に合わせた?

復活した鋼人七瀬は、再び九郎に攻撃しようとしたが、琴子と紗季の存在に気付き消え去った。

九郎は、久しぶりに会った紗季に声を掛ける。

愛しい彼女に呼び出されれば、怪人と戦うことになっても駆けつけますよね

by 岩永琴子『虚構推理』TVアニメ5話より

琴子は九郎を”呼び出してません”

だけど、即座に琴子の言葉に合わせたのです。

なぜか?

この先のネタバレになってしまうので、詳しくは書きませんが、九郎が自分の考えで真倉坂へ来た「本当の理由」を話せなかったからです

琴子も、呼んでもない九郎が、ここへ来た目的は想像が付いてます。
そして、そのことを紗季に話さない方が良いことも・・・

つまり、このシーンは、琴子が九郎に助け船を出したのです

同時に琴子は九郎に「紗季はまだ”そのこと”を知らない」「紗季に話さない方がよい」と伝えているのです

アニメでは、緊張感ある鋼人七瀬のシーンから一転、BGMも合わせてコミカル調に。
どうしても、琴子が現彼女としての立ち位置を優先したように見えがちですが(笑)。
まあ、琴子の性格による自業自得ですね(苦笑)。

実は、この二人がとても良いコンビで以心伝心なのが分かるシーンになっているのです
#もちろん「後から読むと分かる」というさじ加減ですが

後半、紗季のマンションでのシーン。

九郎が紗季に「鋼人七瀬と戦っていた」理由を尋ねられた時、琴子は九郎の背中を足で小突いてます

これはアニメオリジナル。

再会した時のセリフだけでは分かりにくいので、アニメではもう一度確認をする演出をしたのでしょう。

原) 紗季は見た目より恐がり!?

せっかく、紗季をファミレスに呼び出したのに、再び紗季のマンションへ・・

それなら、最初から紗季を呼び出さずに、琴子が紗季の所へ行くことにしておけば、九郎を紗季に会わせることもなかったろうに・・・

紗季のマンションへ行くことになったのは、どうやら紗季の提案。
マンションにした理由は、二つ──

  1. 鋼人七瀬の話を、不特定多数がいるファミレスではできない
  2. マンションまでの暗い夜道を一人で帰るのが怖かった

アニメでも紗季のセリフでサラリと触れられてますね。

どうしてこんなことになったのだろう。ファミレスなんかでとてもあんな話なんかできないし、一人で帰るのが怖かったというのもあるけど・・・

by 弓原紗季『虚構推理』TVアニメ5話より

原作では、もっと詳しく書かれてます。

まず①について──

最初の約束通りファミリーレストランに移動するという選択肢もあったのだが、鋼人七瀬について突っ込んだ話をするとなれば不特定多数の目がある所は避けた方が良さそうだったし、この地域で警官として働く身としては、知った者に目撃されるのも避けたい回り回って寺田の耳に入ったりすると、釈明が面倒そうでもある

by 小説『虚構推理』より

鋼人七瀬の話をするには人目を避けたいのは、アニメでも語られた通り。

さらに、警官なので、紗季のことを知っている人に、見られたくなかったのです。
しかも相手は琴子だけでなく、九郎もいるのですから。

夜分に、ファミレスで、”元彼”の九郎と話している。
もう一人は、フランス人形のような美少女。

しかも話の内容は鋼人七瀬!

このことが寺田の耳に入ると、理解してもらうための説明が面倒だと考えたのです。

そして、②については──

そして一番の理由として、木魂と浮遊霊と鋼人七瀬、ついでに別れた恋人の不死身の復活を見た後、マンションまでの真っ暗な坂を、ひとり自転車で登るのに堪えられそうにないと感じたというのがある。九郎と岩永も化け物に近い人種だろうが、連れとしてはまだ害がないはずだ。ないと信じられないでもない。

by 小説『虚構推理』より

紗季にとっては、こっちが理由のようです(笑)。

アニメでは省略されていますが、紗季はマンション手前の坂(琴子と出会った所)を恐がっています。

カッパを見てからというもの、その手のものに敏感になってしまった紗季は、この手の街灯も少ない暗い場所が苦手になったのです。
#なので、”怖くない”と誇示するように毎日ロボットのようにキビキビと登っています(笑)

その上、今回は妖怪と鋼人七瀬、更に九郎が顔面を潰され、復活する姿を見せられたので、いつも以上に恐がっていたのです。

見た目は強そうな紗季さん。
なんだか可愛らしいですね。

でも、現実にこんな体験したら、確かに怖いかも(苦笑)。

原) 情報を得たら、紗季とは会わないつもりだった!?

鋼人七瀬は普通の怪異とは違います
現代に生きる人間の妄想と願望が作り上げた「想像力の怪物」です

by 岩永琴子『虚構推理』TVアニメ5話より

アニメでは、このセリフの後、琴子の心情描写で、紗季にここまで話すつもりはなかったが、紗季と琴子(と九郎)が住んでいる世界がどれだけ違うかを知ってもらおうと考えていたことが分かります。

原作では、琴子は紗季を、元々どうするつもりだったのかも書かれてます。

岩永は当初、紗季にそこまで語るつもりはなかった。適当にごまかしつつ必要な情報を引き出し、後腐れなく別れるのがお互いにとって一番だったはずである。けれど九郎と遭遇した上に、どうやら紗季はこの件から容易に退かない決意をしてもいるらしい

by 小説『虚構推理』より

九郎に合わせたくないというのが一番かもしれませんが・・・
琴子は、紗季の安全も考えて、深入りさせず別れるつもりだったのです

紗季も琴子と出会った初めの頃は、怪異に近づきたくない思いから、逃げ腰でした。
琴子に任せられるなら任したいと考えていた感じ。

が、このまま避けていてはいつまで経っても怪異に怯えて暮らさなければならない。
だから、トラウマを解消するためにも、解決を見届けたいという思いが出てきたのだと私は捉えました。

妖怪や怪異は恐がってますが、こういう所は芯が強い紗季さんでした(笑)。

おわりに (小説『虚構推理』1巻とは)

私は『虚構推理』を原作未読で、アニメを鑑賞。

アニメで結末を知った上で読む原作。
アニメよりも内容がより詳しく書かれていて新情報を知るのも楽しいのですが・・・

実はこのとき、このセリフには、こんな意図が!?と視界が一気に広がる感覚が醍醐味。

琴子が九郎と出会った時が描かれたのがアニメ第1話。

その後、2年の時を経て、二人の関係がどのようになっているのかを期待させる再会シーン。
#アニメ2~3話中盤は、原作短編集エピソードを挿入したアニオリ構成

このシーンは、九郎と紗季の再会シーンではありましたが、読者にとってはもう一方の琴子と九郎の2年後の関係が描かれる最初の場面だったのです。

(小説だけだと)二人が出会ってから、突然2年後に話が飛ぶ。
2年後に二人の関係がどうなったのか気になるのに、出てきたのは紗季(苦笑)。
そして、琴子が一人で紗季と接触をする。

引っ張って引っ張って、ようやく九郎が登場。
それも、元カノ紗季も一緒にいるという舞台が用意されていたのです。

注目の2年後の二人は・・・

一見、全然進展していないように見せて、実は以心伝心の関係になっている、というのが今回描かれた部分。

九郎が単独行動した理由、紗季には話さない方が良いと判断した内容、は後々明らかに。

だけど、結末を知っていると、今回のシーンは、なるほど!とヒザを打つ。
これだから原作を読むのは止められないのです。

以上、『虚構推理』原作小説1巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

1巻続きのレビューも書いてます。
良かったらご覧ください。

ではでは。

きょうのひとこと

九郎、よく家を出ることできたな・・・

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良かったらご覧下さい。

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