オススメ度 | B- |
---|---|
原作 | コミック |
ジャンル | コメディ |
放送情報 | TVアニメ(2018年秋)/全12話 |
ストーリー | |
設定 | |
世界観 | |
感情移入 |
原作コミック未読。
TV放送にて鑑賞。一気見。
こんばんは。時文です。
TVアニメ『となりの吸血鬼さん』最終話まで鑑賞しました。
原作は『月刊コミックアライブ』に連載中の4コマ漫画。
現在5巻まで刊行。(2019年1月時点)
ゆるふわで、吸血鬼との日常が描かれる。
きらら系ではありません。
が、きらら系?と言われても違和感ないほど、「きらら」してます(笑)
作品世界観を説明するには、一番ピッタリなほど。
では、TVアニメ『となりの吸血鬼さん』感想レビューをどうぞ。
FRONTIERWORKS
目次
はじめに
舞台は現代。
主人公・天野灯(あまの あかり)は人形好き。
噂話の「人形の館」を探していると、人形のような長い銀髪と赤い目の(吸血鬼側の主人公)ソフィー・トワイライトと出会う。
人間の少女と、吸血鬼の少女?の、ゆるふわ同居コメディ!
これだけ技術が発達した現在、“もし”吸血鬼がいたら、どのように暮らしているだろう?
“もし”吸血鬼が存在したら・・・。
不老不死で、日中外出が困難なため生活パターンも違い、あまり人間社会と接することができない。
ひっそりと生活することになるだろう。
だけど、技術が発達し、あらゆることがネットでできるようになった現在。
これだけ便利な世の中なら、ひっそりでも人間(?)らしい生活ができるのでは?
その答えが、ここにあります(笑)
吸血鬼は不老不死。
血しか食すことができず、太陽の日に当たることはできない。
他にも弱点があり、人間とは価値観が違います。
吸血鬼ソフィーは数百年生き、長らく人間とは一緒に過ごしてませんでした。
そんな、吸血鬼と、ちょっと変わった趣味の女の子の不思議な日常。
人間と吸血鬼との価値観ギャップ。
数百歳と高校生の年齢ギャップ。
これらのギャップをとても上手くコメディとして見せてくれます。
そして時折、ほっこりさせてくれる。
笑えて優しい気持ちになれる作品です。
感想レビュー (以降、ネタバレありです)
受容性のある世界
吸血鬼と聞くと、ホラーやバトルやら仲違いという話を想像してしまいがち。
が、『となりの吸血鬼さん』はいたって「ゆるふわ」。
人間の血を好み、力は強いが、性格は至って温厚で礼儀正しい、吸血鬼ソフィー。
むしろ、人間の灯(あかり)の方が強引で少しおかしいと思える程(かわいいものですが)。
非科学的なことは、信じられない世の中ですが、様々な多様性を受け入れる受容性のある現代。
#人間以外を受け入れるのは、アニメの世界だけかな(笑)
作品内では、吸血鬼の存在に驚きますが、すぐに受け入れます(笑)。
むしろ興味を持って接触してくるほど。
大きな役割をしているのは、もちろん、主人公・灯です。
灯は(決して悪い子ではありませんが)少し変わった趣味を持ち、恐い物知らず。
そんな灯だったからこそ、吸血鬼・・・ではなく、ソフィー自身に興味を持つ。
灯のことを知っている友達は、灯だから変わった友達がいるとしても、悪い友達ではないことは分かっている。
だから、灯が普通に接しているので、吸血鬼であるソフィーも受け入れる。
そう。
他人に迷惑をかけることがなければ、人と違っても気にすることはないのです。
そんなことを感じました。
吸血鬼を受容するキャラクターを見ても、ありえないなどとは思わず、やさしい気持ちで見れるのも今どきなのでしょうか。
吸血鬼「あるある」
吸血鬼「あるある」はキチンと踏襲し、それをギャップコメディと捻った笑いに昇華しています♪
- 年を取らない(不老不死)
- 日光を浴びると灰になる
- 鏡に映らない
- 棺で寝る
- 血しか飲まない
- ニンニクが苦手
お見事だったのは、
- 吸血鬼になると年を取らないから・・・(3話)
若いうちに吸血鬼にして欲しかった
子どもの時ではなく、もう少し成長してから吸血鬼にして欲しかった - 「血で血で洗う」の意味は?
贅沢や飽食の限りを尽くす♪(3話) - 吸血鬼が黒い服を選ぶ理由
血がシミになりやすいから、一番目立たない色を選んでいる。(6話) - 吸血鬼は日にあたらないから色が白い
↑ いやいや、新陳代謝しないから、色白や日焼けは人間の時でしょう(笑)
笑うどころか、感心をしてしまいました(笑)
終盤になると、その手のネタが少なくなってきたのが残念。
が、終盤はやさしいエピソードがあり、優しい気持ちになりましたね。
便利な世の中は吸血鬼の味方?
ソフィーは血しか食さないが、人間から直接飲むことは非常識らしい(笑)
もう1人の吸血鬼エリーは、人間から吸いたいようだ。
エリーは100年間眠っていたので、この100年間で吸血鬼の常識も変わったのでしょう。
ソフィー曰く、直接血を吸うのは「時代遅れ」だそう。
今どきの吸血鬼は、ネット通販で血を注文。
血の種類も様々で、飲み方も温めたり、お皿を変えたりと工夫している。
その際には、電子レンジを使ったり、皿洗いには(流水が苦手ということもあり)食洗機を愛用。
なかなかの現代っ子の360歳(笑)。
コンビニや全国に配達してくれるネット通販が整備されている時代。
便利な世の中は、高齢者だけでなく、吸血鬼にとっても住みやすいようですね。
それにしても・・・
吸血鬼ソフィーの生活が羨ましい・・・
働いている風でもなさそうだし、お金に苦労している様子もなし。
立派な洋館に住み、思うがままに寝て起きる生活。
ネット通販で生活必需品を揃え、オタク趣味にも気兼ねなく投資している様子・・・
収入源は一体なに??
360歳だから年金か?年金なのか!?
#真面目に答えると年金制度開始は(日本では)1960年頃です。
エリーは金塊を持っていたので、過去の収入?遺産か何かなのでしょう。
それにしても羨ましい・・・
仕事せずに、映画三昧、ネット三昧、アニメ三昧、ゲーム三昧、コミック三昧、小説三昧・・・
書斎に集められたコレクション!
あれ?
ひょっとして、ソフィーは引きこもりニートの比喩?!
この作品・・・
引きニートがリア充になっていく物語?
友達ができ外の世界へ興味を持っていくことが、人生を充実させると言うメッセージが込められている!?
と、作品に込められた主張を探してしまうのは、アカデミー賞週間の時期だからでしょうか。
#映画も好きです♪
夢が詰まってる?
作品に込められたメッセージのことは置いといて(笑)
原作者の夢が透けて見えますね♪
ソフィーの生活パターンや趣味一杯の書斎もそうですが。
360年生きているからこその、昔の話が楽しい。
実際に体験しているわけですからね。
ポー(エドガー・アラン・ポー)とか、100年近く前の出版をリアルに味わい、
映画初期の熱気を知っているのですね♪
#映画&ミステリー好きです♪
マリーアントワネットの処刑は見る気ありませんが・・・
おわりに (『となりの吸血鬼さん』とは)
基本的に、ゆるふわコメディ。
時折ホッコリさせてくれる。
11話、12話はとても温かい気持ちに。
最終話は、1話で灯がソフィーと出会った森に戻って、キレイにまとめています。
対極的ではなく、2人とも出会いを振り返るように温かい気持ちで。
1話は森を抜けるのに、飛んでいきましたが。
最終話では、飛ぼうとするソフィーを灯は止める。
「もう少し、一緒に歩いていい?一緒にゆっくりだよ。」
全話を通して、2人の距離がグッと近づいた末のセリフ。
これからも一緒に生きていく。
たとえ、寿命も生活パターンも違う吸血鬼と人間だとしても。
そう暗示するかのようなセリフ。
最後まで、安心して見ていられました。
