原作 |
ライトノベル |
ジャンル |
ファンタジー、アクション、魔法少女 |
放送情報 |
TVアニメ(2016年秋)/全12話 |
オススメ度 |
B+ |
ストーリー |
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設定 |
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世界観 |
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感情移入 |
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原作未読。
Netflixにて鑑賞。一気見。
あらすじ
「魔法少女」が存在する世界。
人気ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」をプレイすると、数万人に一人、本物の「魔法少女」になれるという都市伝説があった・・・
舞台は日本のある地方都市。
主人公、姫河小雪は幼い頃から「魔法少女になって人々を幸せにしたい」という願いがあった。
こんばんは。時文です。
『魔法少女育成計画』をレビューします。
タイトルと絵を見るとフワフワ系の魔法少女物語を想像しがちですが、ハードな展開で度肝を抜かれます。
「あらすじ」に書いたこと以上を言うとネタバレになるので、ここでは記載しませんが、フワフワ系と対極にある作品とだけ言っておきます。
さあ、「魔法少女」系に、また新たな1ページができた・・・かな?
はじめに
いつも通り事前情報なしで見ました。
ある意味正解でしたが、ぶっ飛びました ^^
呆気にとられたというか、開いた口が塞がらないというか・・・
ジャンルとしては・・・
いや、ジャンルを言うだけでネタバレになります(笑)
あらすじに書いたこと以上のことはネタバレになるほど・・・
これでは、何も分からないと思うので、以下、全体像について少しだけネタバレします。
参考にしてください。
#一応隠しておきます。
ネタバレあり
ジャンルは
魔法少女版「巻き込まれ系サバイバルアクション」です。
絵の雰囲気からフンワリした作品を想像していましたが、
(そういう雰囲気がないわけではない)
サバイバルアクション要素がかなり強いです。
それも、とびっきりのハードアクションです。
また、巻き込まれるきっかけが、魔法少女と夢をちらつかせて、とんでもない事に・・・
という展開なので、魔法少女たち同様、見ている方もだまされた感が強く、不愉快になります。
ただ、1話から不穏な空気が醸し出され、最初から予感はできるようになっています。
この作品の特徴を一言で表すと、いろいろなタブーに挑戦したアニメです。
魔法少女とはこうあるべきだ、と言う理想、想像、夢、願望・・・
- 魔法少女は清く正しい。悪いことをしてはいけない。
- 魔法少女は困っている人の味方。人助けをしなくてはならない。
- 魔法少女は尊い。純粋な気持ちを持ち、崇高な人しかなってはならない。
- 魔法少女はかわいい(少女)。そりゃあ、魔法”少女”という位ですから・・・
- 魔法少女は殺されない。魔法少女は少女のあこがれの存在。
ボロボロになることはあっても、死ぬなんて・・・
とまあ、過去の作品でも、既にそのタブーを破った作品はありますが、この作品はレベルが違います。
そんな理想を甘っちょろいと考え、
魔法世界だって、人間世界同様善人ばかりじゃない、ぶち壊してやる!!
とでも言いたいような破天荒な展開です。
私は、魔法、魔法少女系の作品に夢や希望、楽しさを求めて見ているので、
どうしても、評価は低くなってしまいますが、
予想外の”ぶっ飛ぶ”展開を見せられ、呆気には取られました。
戦闘シーンはこれまた独特で良いです。
それぞれの特徴を活かして、強いと思われる相手に対して、工夫し対抗する。
グロいシーンが多いですが、毎回どう戦うのか興味を引かれました。
ですが、ストーリー展開としては共感できず、不愉快になるばかり。
意外性があるというより、いい加減で、行き当たりばったりに見えるのが残念。
#一本筋が通ってない感覚、浅いという感覚がつきまといました。
私が最後まで見続けたのは、
どうしてこんなことになったのか、ラストをどう着地させるのか、
この2点のみが気になって最後まで見続けた感じですね。
諸手を挙げてオススメはできません。
その手の話、タブーを犯す挑戦的な作品に興味のある方は如何でしょうか。
※グロいシーン、不愉快なシーンが多いので、苦手な人は気を付けてください。
TVアニメ『魔法少女育成計画』プロモーション映像
Flying Dog
感想レビュー (ここからネタバレ全開です)
ネタバレあり
最終話まで見て、改めて振り返ると、
4話のルーラが退場するまでは”普通に”面白いですね。
5話ラ・ピュセルとクラムベリーの戦い辺りから見ていられないです ><
既視感あるのに、展開がぶっ飛んでいる
部分部分で見ると既視感あるのです。
- 世界観、設定
- 魔法少女が集められる展開
- (魔法少女ではなく)集められた少年少女が戦う展開
- (魔法ではなく)異能力で戦い、生き残りをかけたサバイバル。
どれも、既視感がある話で、ワクワクすることもなくて淡々と見ていたのですが、この作品はそこからの展開、結果が普通ではありません。
ラ・ピュセルとクラムベリーとの戦いでは魔法少女の顔を潰したり、
そもそも主人公スノーホワイトのナイトをあっさりと退場させる。
ハードゴア・アリスとカラミティ・メアリとの戦いも
今まで見たことがない、という意味では、確かに新しいのですが、
何も魔法少女設定でやらなくても・・・という気持ちの方が強くなってしまう。
ハードゴア・アリスが無敵と分かったら、魔法少女ではない時に襲う・・・
#それはやっちゃいけないでしょーーと心の中で叫びました・・・
子供でも容赦ないとか、魔法少女の腕や首が飛んだり・・・
良いキャラクターでもあっさり退場だし・・・
不愉快な展開のオンパレード。
要は「こんなの見たことないでしょ?」というシーンを
見せつけられているだけに過ぎないと感じてしまうのです・・・
主人公の描き方もタブーに挑戦??
そんな中、主人公である姫河小雪ことスノーホワイトの描き方も、
全然主軸に関わらせないという、常識外れ(期待外れでもある)な扱いで、がっかり。
だけど、最終話を見て気付きました。
深読みし過ぎかもしれませんが、
魔法少女に相応しいと思われていたスノーホワイトは、実は最終話ラストの姿こそが本性なのではないでしょうか。(というか描きたい主人公)
他人を思いやり、人を傷つけることなんて、できない清廉潔白な少女、と
思われていたスノーホワイト。
ファヴや周りに文句を言うが、自分では何も行動を起こさない。
対策もないのに、殺し合いは止めようと、意味のない正論をふりかざす。
ラ・ピュセルこと颯太(そうた)がいなくなった時の、あのアッサリさ。
ハードゴア・アリスが近づいてきたとき、不気味な子だと避けていたのに、
助けてくれると分かったら、弱いから「一緒にいてくれる人が必要。一人がいや」と
恥ずかしげも無く言う、狡猾さ。
ルールが変更されたと聞き、ブチ切れし、すぐにアリスを邪険にする自分勝手さ。
#ここは脚本が雑過ぎますけどね・・・
スノーホワイト自身も自覚がなく、自然とそのように過ごしてきた。
実は自分だけがいい子でいたいというズルい子、というタイプなのではないでしょうか。
#自覚なくかわいこぶっている子いますよね。ああいう類です ^^
となると、主人公についても作者によるタブーに挑戦したのでは?
主人公は如何にも見た目魔法少女っぽいし、キレイごとばかり言っているし、正統派でしょ?
でも、実は違います!!みたいな(笑)
#スノーホワイトが悪という意味ではないですよ。
#正統派ではないということです。
“正統派”魔法少女は・・・リップル??
逆に見た目は”魔法少女っぽくない”忍者のようなリップル。
家庭環境の影響もあって、人付き合いに積極的ではないリップル。
が、面倒見の良いトップスピードと触れ合ううちに、
そして、トップスピードが目の前であんなことになったことにより、
今まで、”理屈”で抑えていた”正義感”が、
例え相手(カラミティ・メアリ、スイムスイム)を殺すことになっても抑えきれない程、実は熱く真っ直ぐな少女。
子供の頃から、曲がったことは嫌いで、いやがらせには屈しない。
自分の事より、義理人情を大事にする、正義の味方に相応しい性格。
終盤になって唐突にリップルはスノーホワイトの事を一目
置いているような描写がありますが、
序盤からネットでスノーホワイトの記事を検索している描写があります。
リップルは魔法少女に憧れる、正義感溢れる、自己犠牲も厭わない、やさしい少女なのでは?
スノーホワイトとリップルのクロスした配役。
戦わず、逃げてばかりの、口だけのスノーホワイトは手を汚しはしないが、活躍もしない主人公。
強く優しく正義感溢れるリップルが、手を汚す脇役。
これも、作者が描きたかった、普通ではないポイントではないでしょうか。
結論:この作品はスノーホワイトが本当の自分を目覚めさせる物語??
話をスノーホワイトに戻します。
スノーホワイトが最終話ラストで見せたワイルドな姿。
魔法少女は弱い人の味方、人助けをする者という信念は全く変わっていません。
が、そのことを邪魔する者は、力を持って制する、
たとえ、魔法の国の誰であろうと許さない、という意思が見えます。
いわゆるダークヒーロー系の魔法少女の誕生が今作の目的だったのではないでしょうか。
#いわゆるエピソード・ゼロ
つまり、スノーホワイトが他の魔法少女たちの戦いに何もできなかったことは全て(作者の)計算ずく。
何もできなかった虚しさと、悔しさ、
このような状況を作ったファヴに対する恨みが最高潮になり、
自分の殻を破り、一皮むけ、新しいスタイルの魔法少女スノーホワイトを生み出す
というのが本作のプロット(大筋)なのではないでしょうか。
そう考えると、本作の構成、ストーリー展開は納得がいくのです。
#面白いかどうかは別ですよ
あとOPの開始、スノーホワイトのとても冷たい表情から始まるのも合点がいくのです。
正解かどうかは続編を見るしかないでしょうが ^^
ま、そういう見方もできるという、一つの捉え方、戯言と思って下さい♪
とは言え、ストーリーは不愉快で、無茶過ぎ・・・
プロットに納得できるからと言って、ストーリーが良いかどうかは別。
不愉快な展開なのに変わりはありません。
分かりにくい点もいくつかありましたよね。
レアアイテム「兎の足」の演出とか勿体ないです。
兎の足:ピンチのとき、ラッキーなことを起こすよ!
でも、救われるかはどうかは君次第。
最終話、あの演出だと、
「兎の足」によってリップルは生き返ったのでしょうか?
ハードゴア・アリスの時は、
変身していないのにスノーホワイトへ声が届いたことが
ラッキーな事だったのでしょうか。
どなたかご存知の方、教えてください ^^
あと、一番納得がいかないのは、魔法少女となった16人が
どういう条件で集められたのか?
ウィンタープリズン関連の回想の時にマジカルパワーを高めたから
魔法少女に選ばれた、というセリフがありましたが、
他の条件は一切関係なく、マジカルパワーのみだったのでしょうか?
その割には境遇に難ありという人がずいぶん選ばれているのですが、
関連性はあるのでしょうか??
カラミティ・メアリは魔法少女同士で摩擦を起こす人材として選択されたようですが、
他の人もそんな感じなのでしょうか?
でも、戦闘に向いてない少女もいましたよね??
こういう疑問が根底にあるので、どうしても、作品に没頭できなかったです。残念・・・
おわりに (『魔法少女育成計画』とは)
レビューを書いて、”改めて”思うのは4話までは、とても面白かったです。
#見ている最中は感じなかったのですが ^^
個性豊かなキャラクターに、シリアスとギャグのバランスと言い、
各話の引きも良かったし、4話まではとても楽しめました。
この路線で描いてくれると、それなりに良作になりそうな気がするのですが、
そういう王道路線は描かないというスタンスなのでしょうね。^^
でも、逆張りスタンスだと言うことに早い段階で気付いたので、
逆に展開が読みやすくなってしまいました。
期待する良い方向を”取らない”ということが予想できたので、
展開の選択肢が限定され、期待する方向と”当然と言わんばかりに”違う方向へ行くので、
ますます自分の中で盛り上がらなくなる、という悪循環になってしまいました。
#”まさか死ぬの?そんなことないよね??”というハラハラドキドキ感がなく
#”ああ死ぬんだ・・”と思ってしまうのです ><
予想外の展開は、たまにやるからサプライズ感があり面白いと思うのですけどね ^^
うーーん。
好きなキャラもいて、もっと戦闘シーンとか見たいと思うのですが、
これだけ退場者を増やしてしまうと、続編があっても、見たいと言うモチベーションが上がらないですね・・・
でも、続編があったら、絶対見ますが(笑)
原作ライトノベルは現在11巻まで出ていてアニメ化されたのは1巻が元に。
その先の話がまだまだあるようです。
時間があったら原作も読みたい!
あれ?はまってるのかな??(笑)
確かに先が気になる作品ではありました♪
長文お読み下さりありがとうございました。ではでは。