こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『波よ聞いてくれ』鑑賞後、原作を読みました。
本レビューは、原作コミック4巻のアニメ12話相当分を取り上げ、アニメと原作の違いを紹介。
アニメの感想レビューはこちらからどうぞ。

アニメと原作コミックの対応は以下の通り。
リンク先は他巻の感想レビューです。
波よ聞いてくれ (全12話) 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作巻数 (リンク先はレビューへ) |
第1話 | お前を許さない | 1巻R① |
第2話 | 奴らが憎い | 1巻R② |
第3話 | お前らは緩い | 1感R③ |
第4話 | 君は笑わない | 1巻R④ |
第5話 | 生かして帰さない | 2巻R① |
第6話 | そんなものはいない | 2巻R② |
3巻R① | ||
第7話 | 私は哭きたい | 3巻R② |
第8話 | 電話じゃ話せない | 3巻R③ |
4巻R① |
||
第9話 | お前を信じない | 2巻R③ |
第10話 | 私がせねばなるまい | 2巻R④ |
第11話 | 嫌気生物は畏れない | 3巻R④ |
4巻R② | ||
第12話 | あなたに届けたい | 4巻R③ (本レビュー) |
目次
はじめに
本レビューは「アニメ」⇒「原作コミック」の順で見た「原作の感想レビュー」です。
アニメと原作コミックの違いをメインに、原作を読んで改めて感じたことをレビューします。
アニメ『波よ聞いてくれ』は原作コミックにかなり忠実で、再現度も高いです。
ただ、原作の全てがアニメ化されているわけではありません。
原作情報の全て伝えることはしませんが、魅力を少しでも伝えられれば。
では、アニメの内容順に紹介をしていきます。
- アニメでカットされた原作部分
- アニメオリジナルシーン
- 原作を読んで分かったこと
見出しの頭にアニメオリジナル、原作のみの記号を記載したのでご参考に。
- ア):アニメオリジナルシーンに関する記述
- 原):アニメではカットされたシーンに言及
TVアニメ 第12話「あなたに届けたい」
アニメ『波よ聞いてくれ』は構成こそ変更されましたが、基本的に原作に忠実。
構図からセリフまで見事なまでの再現度。
が、12話にきて、アニメオリジナルエピソード!?
いえ、文句を言いたいわけではありません。
実際、最終回らしい着地をしたので満足度は高いです。
満足度がどう高いのかは、アニメ感想レビューに書いているので良かったらそちらもご覧下さい。

が、地震が起きるのは、原作では7巻。
それも全く違う状況です。
これだと、2期を製作するのは、難しいかと・・・
原作では、話はまだまだ続くので、その点が残念です・・・
ア) ジョーカー・スコンスキー スタジオ入りはアニオリ構成
ジョーカー・スコンスキーさんにスタジオに入ってもらいます。
by 『波よ聞いてくれ』TVアニメ12話より
なんと「アナグマ禁猟時間」でセンスあるネタで連続採用されていた投稿者はマキエだった!
原作では、マキエがジョーカー・スコンスキーとして登場するのは、もう少しだけ先。
4巻ラストです。
でも、スゲエよな。
最初の投稿から、3週連続で採用だもんな。by アナグマ泰三『波よ聞いてくれ』TVアニメ12話より
最初の投稿から3週連続で採用される快挙を成し遂げスタジオ入りしたマキエ。
これを聞いただけでも凄いことと分かります。
が、原作を読むと、もっととんでもない偉業をしたのだと言う事が分かります。
「アナグマ禁猟時間」で採用される投稿者の案は、なんと1回の放送につき1人。
にも関わらず、初投稿から3週連続採用されたのです!
アニメでは説明がなかったですが、原作では「アナグマ禁猟時間」の採用基準がアニメ前話相当分の箇所で説明されています。
詳しくは前回のレビューをどうぞ。
原) 祝杯はスタジオ入り前?
ちょっと一人で祝杯を・・・
by 城華マキエ『波よ聞いてくれ』TVアニメ12話より
前項に書いた通り、原作での、ジョーカー・スコンスキースタジオ入りが、もう少し先なら、マキエの祝杯も先だとお思いでしょう。
マキエの祝杯は、原作でもこのタイミングです。
原作では4巻中盤。
原作では「スタジオ入り」のシーンが描かれる前に、一人祝杯をあげているのです。
原作のこの時点では、マキエがジョーカー・スコンスキーであることはまだ描かれてません。
なので、どのタイミングか分からないのですが・・・
時系列から推測すると「3週連続で採用された」「スタジオ入りすることが決まった」時点での祝杯でしょうか?
でも、それなら10時半に早上がりする必要ないし、ラジオをどこで聞いていたのか辻褄が合いません。
それに──
今日すっごく緊張して、私・・・
by 城華マキエ『波よ聞いてくれ』TVアニメ12話より
スタジオ入りでもしないと、ここまでは言わない・・・
やはり、この時の祝杯は「スタジオ入り」して初めて城華マキエとして、アナグマと対面したことを言っているのではないでしょうか。
つまり、アニメの時系列が正しいのだと思われます。
普通なら、服や格好で時系列を判断したりするのですが、マキエは家出設定というのもあり、私服がいつも同じなので区別できないのです(苦笑)。
ア) 「波よ聞いてくれ」放送中の地震はアニメオリジナル
ミナレが番組放送中、北海道全域に及ぶ地震が発生する──
ミナレが番組を放送する辺りから先は、ほぼ全てアニメオリジナルストーリー。
原作では7巻で地震が発生しますが、ミナレは放送中ではありません。
なので、ミナレの臨機応変な対応、麻藤とのやりとり、中原・マキエの炊き出しも全てアニメオリジナルです。
#炊き出しのタイミングは少し早いかなとは思いましたが(笑)
ミナレが麻藤に活を入れられ、自分を鼓舞し、リスナーに語りかけていく姿。
ラジオの力──
災害時の強さ、住民への情報提供の大切さ、人々に安心を与える存在だと気づいていく展開が心に染みました。
原) アニメの続き
原作では、地震が起きるのはまだ先。
原作ではアニメエピソード終了後、ミナレは瑞穂と、久連木の取材旅行へ同行。
4巻だけでなく5巻の内容にも少し触れるので、念のため隠しておきます
この取材旅行が、とんでもない事に!
久連木の取材旅行+ミナレの旅レポが目的なのですが、宗教団体が登場。
ミナレ達の前に立ちはだかります。
とんでも展開かと思いきや──
ラジオを含むメディア論へ絡めてくるのが巧い!
ぜひ、原作をお読み下さい!
原) それぞれの恋
アニメは、どちらかと言うとミナレ中心のお仕事ドラマ。
#ミナレの印象が強すぎ(笑)
でも原作者、沙村広明先生曰く『波よ聞いてくれ』は本来恋愛もの!?
さて常々「恋愛マンガにしたいんですよね~」と口を半開きにしてヨダレを垂らしながらのたまわっていたこの作品ですが、こうして4巻目を迎えるにあたり、ようやくそれっぽい空気を纏わせることができたっぽい空気になった気がしますよね。主人公以外。
by あとがき『波よ聞いてくれ』コミック4巻より
言われてみれば、確かに恋愛関連に動きが見えてきました!
ミナレ以外は(笑)。
アニメ後のシーンを紹介します。
中原忠也
もしこの先、城華さんが自分の進む道を間違えまくって、にっちもさっちもいかなくなったらさ──
よければ、俺の店手伝ってよ。
今度はちゃんと給料払うからさ。by 中原忠也『波よ聞いてくれ』TVアニメ12話より
マキエが一人祝杯をあげた夜──
中原の言葉に、マキエは涙する。
ここから、未アニメ化エピソード!
次の日、中原はミナレに相談します──
女の人の情緒ってどういう時に不安定になるんですかね?
by 中原忠也『波よ聞いてくれ』コミック4巻より
ミナレは、すぐにマキエのことだと気付き、いつものように根掘り葉掘り(笑)。
そして、鈍い中原に告げるのです──
アンタの事どーでもいいと思ってる女は、アンタがどんな無神経な事を言おうが泣きも怒りもしないから。
ただただ、距離をおいて後で友達にボロカスに脚色して話すだけ。-中略-
城華さんはアンタが好きなのよ。
by 鼓田ミナレ『波よ聞いてくれ』コミック4巻より
それを聞いた中原の反応は?
いや~~恋愛マンガしてます!(笑)
ミナレのセリフの前半「興味のない男だったら、後で陰口を言うだけ」というのがリアル!沙村先生、この手のセンスが抜群です!
城華マキエ
アニメ12話、マキエがラジオ番組へ投稿していたことが判明。
その理由が語られます。
え?
恋愛関連じゃないって?
それが恋愛に絡んでくるんですよ~~
5巻の内容なので、念のため隠しておきます
用事があり、ミナレは中原宅へ訪ねる。
そこで、中原の姉・芽衣子と初めて会う──
中原姉は、ミナレを見て、弟が好きになるタイプだと一目で見抜く──
手強そうだね、あの娘。
あんたと同じジャンルの女なら、まだよかったんだけどねえ。
by 中原芽衣子『波よ聞いてくれ』コミック4巻より
これに対してのマキエの回答が凄い!
マキエはミナレに対抗しているのです!
だから、ラジオにも・・・
ぜひ、知りたい方は原作をお読み下さい!
アニメ鑑賞後、マキエは今後、ミナレの番組に絡んでいくのだと、甘っちょろい予想していました(苦笑)。そっち方向かーーと唸ったシーンです。
この点だけで、この先ずっと原作を追いかけたくなりました。
南波瑞穂
『波よ聞いてくれ』の「癒やし担当」瑞穂!
アニメでは瑞穂が久連木のことで悩み中で終了。
あの、久連木さんが小説家になったとしても、私がディレクターとしてデビューするときは、台本お願いできますか?
by 南波瑞穂『波よ聞いてくれ』TVアニメ12話より
このシーンもセリフもアニメオリジナル。
アニメで瑞穂の一区切りを付けたのだと思われます。
ここから、未アニメ化エピソード!
次の執筆のために、取材先の下準備をする久連木。
瑞穂は、ラジオの仕事とは関係ないが、久連木に手伝わせて欲しいと申し出る。
仕事の合間や、家で調べ物をする瑞穂。
献身的な性格だけではない、瑞穂の優秀さが発揮されます。
上昇志向のない瑞穂に、ラジオ業界は向いてないと、暗に言っていた久連木に対して、瑞穂が逆襲しているようで、気持ちいい!
いや、恋愛でしたね(笑)。
恋愛の方は、久連木があーですから(笑)。
瑞穂も面倒な男を好きになったものです(苦笑)。
ただ、茅代まどかとの関係が気になります。
私、南波さんの事は結構気に入っているのよ。
貴女(ミナレ)の事は嫌いだけど。私は元々ああいう娘の味方だもの──
── ああいう、何も持ってない娘のね ──
by 茅代まどか『波よ聞いてくれ』コミック4巻より
瑞穂はまどかに対抗意識を燃やしています。
それを分かっていてこのセリフを吐いている気がします。
なんだか、ただでは済まなさそうな雰囲気──
今後が楽しみです!(笑)
(番外編)茅代まどか
話題が出たので、まどかさんも取り上げておきましょう!
性格最悪(原作では性悪女全開です)だけど、仕事ができる美脚の持ち主、茅代まどか。
久連木とは怪しい雰囲気ですが、4巻時点で、まどかに恋愛関連の進展はなし。
ただ、4巻で年齢が判明!
35歳設定だったんですねー
いや、この後のコマでも言われているのですが、全然見た目若い!
言動から30前後かと思ってました。
ミナレは25歳だから、まどかはミナレより10歳年上設定。
パーソナリティとしても先輩で、年もそれだけ離れていれば、先輩風を吹かすはずです。
アニメはそうでもないですが、原作では先輩風ビュンビュン飛ばしてます!
ミナレにはババァ呼ばわりされてますが(苦笑)。
公園での「酔っ払いまどか」VS「しらふミナレ」の対決。(8話)
このシーンはアニメ化して欲しかった!!
おわりに (コミック『波よ聞いてくれ』4巻とは)
ついにアニメは最終回。
原作はまだまだ続き、この後予想外の展開に。
予想外と言っても、ラジオやメディアに絡めたり、過去の登場人物関係者が登場したりと、沙村広明先生、ストーリーテラーぶりを発揮しています。
アニメでも描かれたシセル光明とおぼしき人は、いまだ謎だらけ。
恋愛面については本文に書いた通り始まったばかりで、主人公ミナレに至っては相手すらいない!?
まだまだ連載は続くだろうと思われるのに、アニメは自ら幕を閉じた。
なんなら12話をリセットして2期を続けても良いとも思うのは、私だけでないはず(笑)。
いずれにせよ、アニメ、原作とも存分に楽しませて頂きました!
レビューを書くことはないですが、原作は追いかけていきたいと思います。
以上、『波よ聞いてくれ』原作コミック4巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ではでは。
関連レビュー
アニメ『波よ聞いてくれ』の感想レビューには、全体通じて感じたことを書いてます。
良かったらご覧下さい。
