こんばんは。時文です。
アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』面白いですよね!
「感想コラム」では、各話/原作レビューには書けなかったけど、感想レビューにするほどでもないネタを取り上げます。
テーマやネタを一つに絞り、短く評論。
サクッと読めることを目指します。
本感想コラムには、TVアニメ3話、原作小説1巻までのネタバレがあるのでご注意を。
第二章、4話以降のネタバレは「なし」なので、ご安心を。
タイムリープとタイムトラベルは違うの?
Contents
感想コラム #002
タイムリープとタイムトラベルは違うの?
こんだけ状況証拠が揃うと、認めるしかねえか。
ちょい信じがたいことだけど、つまりアレだな。タイムリープ。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』アニメ2話
TVアニメ第2話。
ようやく自分に起きている現象を認識したスバル。
「タイムリープ」とは「時間(タイム)」と「跳躍(リープ)」を合わせた造語。
日本のアニメやSF作品に触れている方は馴染みのある言葉だと思われます。
日本では馴染みの言葉ですが・・・
海外(英語圏)では、タイムリープという言葉が使われることは少なく、時間の移動を表す言葉は「タイムトラベル」「タイムワープ」の2種類が主流。
日本では、時間の移動に関する言葉は、他にもいくつかあります。
「タイムトラベル」「タイムスリップ」「タイムリープ」なんてのが有名所。
では、順に説明していきましょう。
タイムトラベル/タイムスリップ/タイムリープ
タイムトラベル。
時間の流れに逆らい、過去や未来へ移動する時間移動は、昔からSF作品や映画の世界で楽しまれてきた題材。
時代を経て、タイムトラベルは手段や移動する対象によって新たな呼び方が出てきました。
日本でよく使われているのは、次の3つ。
時間移動を表す言葉
種別 | 日本語直訳 |
タイムトラベル | 時間+旅行 |
タイムスリップ | 時間+滑る |
タイムリープ | 時間+跳躍 |
タイムトラベル(時間+旅行)
タイムトラベルは昔から使われている表現ですが、最近では、使い分けされています。
タイムトラベル
機械やシステムを使って時間を移動する
「タイムトラベル」は、『ドラえもん』のようにタイムマシンなど、乗り物や装置を使って時間移動すること。
車を運転して目的地へ行くように、”意識して”過去や未来へ行くので、タイム”トラベル(旅行)”と言う表現が馴染んだようですね。
機械やシステムが正常に動いていれば、いつでも元の時間に戻れるというのが特徴です。
#ま、大抵、トラブルが発生するのですが・・・
タイムスリップ(時間+滑る)
タイムスリップ
偶発的な事故や天変地異で時間を移動する
「タイムスリップ」は、転けて、階段から落ちて、と言った偶発的な事故で時間移動すること。
「スリップ」は「滑る」という意味で分かり安いと言えば解りやすい。
決して転けた(=滑る)時だけでなく、落雷を受けて(『ジパング』)、公衆浴場の排水溝に吸いこまれて(『テルマエ・ロマエ』)というパターンもタイムスリップ。
「偶発的な事故・天変地異」で時間を移動するパターンを「タイムスリップ」と言う、感じで覚えておきましょう。
戻る方法を探すというが、目的の一つになるのが特徴です。
タイムリープ(時間+跳躍)
タイムリープ
体は同じで意識のみが時間を移動する
タイムリープは作品によって様々な解釈がされていて一概には言えませんが、最近は「意識のみ」が時間を超えていく現象をタイムリープと呼んでいる作品が多そうです。
一番の特徴は、過去や未来の自分に移るので、自分が生きていた時間と場所にしかいけないこと。
前世や生まれ変わりに意識が移ったり、他人の意識を乗っ取る超能力設定。
これらも「意識のみ」移動している点からタイムリープと言うこともあり。
派生が多く、一概には言えないところです。
ここで言っているのは、あくまで「基本的な考え」と了承願います。
「意識のみ」の移動なので、その時に「存在してはいけない物質の存在はなく」、タイムパラドックスが起きないのも特徴と言えます。
いわゆる「ループもの」はタイムリープに当たります。
スバルはタイムリープ?
こうして見ると、スバルに起きたのは「タイムトラベル」ではないのは明らか。
意図せぬ死をもって発動したので「偶発的な」事故による時間移動「タイムスリップ」と言う解釈もできるかもしれません。
が、私もタイムリープで良いと思います。
#スバルが言っているからではありません(苦笑)
理由は再現性です。
「タイムスリップ」は元の時間に戻るには、大抵「タイムスリップ」が起きたときと同じ条件にしないといけない。
同じ場所、同じ環境、同じ事象などなど。
スバルは「死」という意識的な行動そのものではないにしろ、スバルの体に起きた条件でのみ発動しています。
よって「タイムリープ」と呼んで良いでしょう。
セーブポイントが固定なので、使い勝手は悪いのですけどね(苦笑)。
タイムリープの利点
最後に作品を作る上での、タイムリープの利点を述べておきましょう。
先に「タイムトラベル」の難点を記載しておきます。
親殺しのタイムパラドックス
タイムパラドックス
時間移動によって生じる矛盾。
中でも有名なのが「親殺しのタイムパラドックス」。
親殺しのタイムパラドックス
自分が生まれる前の過去へ移動し、親を殺した場合。
親が死んでしまうと、自分は生まれず、存在しなかったことになる。
そうなると、親を殺した犯人も存在しなかったことになり、犯人が存在しなければ、親の死もなかったことになる??
と、グルグル回ってしまう矛盾が出てきてしまう。
「タイムパラドックス」「親殺しのタイムパラドックス」。
SF作品や時間移動があるアニメを見ている方なら一度は聞いたことがあるでしょう。
「親殺しのタイムパラドックス」はとても分かりやすい例えですが、自分の存在を消すと言う大事でなくても矛盾は発生します。
過去に戻り、過去の自分に会いアドバイスをする。
例えば、あの日あの場所へ行くと怪我をするから止めておきなさい。
過去の自分はアドバイスを聞き、怪我は免れた。
すると、現時点の自分の怪我の跡も、なくなる──
しかし、怪我をした経験もなくなる??
では、怪我の警告をした自分は一体どこに??
過去の干渉してしまうと、どうしても矛盾が出てきてしまうのです。
もちろん、この現象を利用して、物事を解決していく名作もありますよ!
このような矛盾を避けるために、過去の自分には接触してはいけないルールや、パラレルワールドの概念を取り入れたりして対処しています。
いずれにせよ、矛盾が起きないよう細心の注意を払っていると思われますが、長編作品ではなおのこと難しくなっていくのです。
時間移動モノを書いてらっしゃる方々は本当に凄いと思います♪
タイムリープは「タイムパラドックス」はない?
その点、タイムリープは意識だけが移動するので、矛盾が起きません。
自分の意識以外は、全てその時間に変わる(戻る)からです。
特に『Re:ゼロから始める異世界生活』は過去にしか戻れないようなので、なおさらです。
むしろ、このパターンで難しいのは、誰も知らない未来を話してしまい、話が破綻し面白みがなくなってしまうこと。
では、『Re:ゼロから始める異世界生活』は、どう対処しているのかと言うと──
第二章(4話~)をご覧になれば分かります(苦笑)。
ではでは。
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