オススメ度 | B+ |
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原作 | コミック |
ジャンル | スポーツ、部活、コメディ、四コマ漫画 |
放送情報 | TVアニメ(2019年秋)/全12話 |
ストーリー | |
設定 | |
世界観 | |
感情移入 |
原作コミック未読。
TV放送録画にて鑑賞。一気見。
舞台は現代の神奈川県、とある高校。
射撃部目当てで千鳥高校に入学した小倉ひかり(主人公)。
廃部決定の射撃部に1年生4人の部員を集め、復活させる。
千鳥高校射撃部、ユルい日常と、射撃大好きな女子たちのひたむきな部活物語。
こんばんは。時文です。
TVアニメ『ライフル・イズ・ビューティフル』最終話まで鑑賞しました。
マイナーなビームライフルの射撃競技を題材にした、ゆるふわ日常コメディかと思ったら、シリアス部分が堪らない。
しっかり部活しています!
原作は「となりのヤングジャンプ」「少年ジャンプ+」にて連載中の4コマ漫画。
では、TVアニメ『ライフル・イズ・ビューティフル』感想レビューをどうぞ。
- 「はじめに」は【ネタバレなし】
- 「感想レビュー」「おわりに」は【ネタバレあり】
目次
はじめに
四コマ漫画、可愛らしい絵、ゆるい日常、(ほぼ)女子only、と「きらら系」”風”の部活物語。
#「きらら」ではありません。
扱う題材は、ビームライフルによる射撃競技。
ビームライフル競技
日本では銃を所持するのに規制が厳しいので、誰でも射撃が手軽にできるように始まった、日本独自のスポーツ競技。
※日本独自とは言え、国内の全国大会もあり
私は正直、射撃と言えば「クレー射撃」くらいしか知りませんでした。
#すいません
そんなマイナー競技(失礼っ)を丁寧に教えてくれるので、知らなくても全然OK。
射撃のルール、魅力、注意点、試合の様子、射撃あるある、なんかが面白い。
主人公・小倉ひかりは大の射撃好き。
射撃部に入るために、射撃部がある千鳥高校を受験したほど。
ところが、部員がいなくて廃部寸前の射撃部。
部員を集める所から始まるのは、部活モノのお約束。
4コマ漫画原作特有の細切れシーンが気にはなりますが、展開はきっちりあるのがうれしい。
基本、部活コメディのゆるふわ。
が、試合シーンになると、緊張感が。
特に、全国大会の予選が始まる5話辺りから、作品自体の雰囲気が変わります。
序盤のユルフワからは想像できないほどの、グッと来る展開もありますよ!
射撃は、メジャースポーツとは違い動きや派手さがない競技。
メンタル要素が重要な競技を、笑いをいれながらも、丁寧に描いてくれています。
そして、見所は団体戦!
#射撃に団体戦があることも初めて知りました(汗)
団体戦に懸ける想いは、他の競技と遜色ありません。
それどころか、試合が始まると他の人を頼ることができない、完全に一人の世界。
そのプレッシャーたるや相当なものでしょう。
競技としての面白さ、難しさ、醍醐味を感じさせてくれる作品でした。
ストーリー重視の方は、まずは5話まで見ることをオススメします。
5話まで見ると、最後まで見られずにはいられないと思いますよ♪
BANDAI NAMCO Arts Channel
感想レビュー (以降、ネタバレありです)
『ライフル・イズ・ビューティフル』とは
ゆるふわな「きらら系」かと思ったら、結構しっかりした体育会系部活モノ。
思わぬ収穫でした♪
射撃は、スポーツとしては動きも派手さもなく、観客と一緒に盛り上がるという類いのものでもない。
同じような競技に弓道やアーチェリーがありますが・・・
弓道は日本古来の伝統がある競技。
アーチェリーはヨーロッパで歴史がある競技。
それに比べ射撃は歴史が浅い。
それは銃自体が近代のものだから仕方なし。
さらにビームライフルというと、日本独自の競技で、オリンピック競技になってないのでマイナーなのも致し方ない。
そこにスポットを当てたのは面白い。
なんと言っても、ライフルを持つ姿がカッコいい。
そう、全国大会で初めてその美しさに触れましたが、ライフルを構える姿が美しいのです。
上手い選手は、撃つときの型、所作、リズム、全てが美しい。
これは弓道にも通ずるものですね。
タイトル『ライフル・イズ・ビューティフル』とは内面と外面の調和の美から生まれるのです。
この辺をもっと前面に出しても良かったと思うのですが、それはまだまだ主人公達が高校1年生だからでしょうか。
射撃競技とは
競技としての射撃にもいくつか種類があります。
射撃の主な競技とは。
主な射撃競技
- ピストル競技
- クレー射撃
- ライフル射撃
※2016年リオデジャネイロオリンピック競技より
3つの違いはこんな感じでしょうか。
競技 | 銃 | 的 |
ピストル競技 | ピストル(拳銃) | 的(固定) |
クレー射撃 | 散弾銃 | 飛行中のクレー |
ライフル射撃 | ライフル | 的(固定) |
『ライフル・イズ・ビューティフル』で扱うのはライフル射撃。
ライフル射撃には、火薬を使った本物のライフル銃を使った競技(スモールボアライフル等)もありますが、本作で出てくるのは次の二つ。
本作に出てくる競技ライフル
- エアライフル
- ビームライフル
①エアライフルは、いわゆる空気銃。
火薬は使いませんが、圧縮空気により実際に弾丸が出て、狩猟に使えるほど危険。
なので、日本で取り扱うには規制が厳しく許可が必要。
そして高価。
②ビームライフルは弾丸の代わりに光線を使用するので、許可がなくても取り扱える。
銃の規制が厳しい日本で、手軽に銃を取り扱える競技として生まれたのです。
ビームライフル競技
射撃のビームライフルは、作品内でも語られているように、運動神経もいらず、体力もそれほど求められない手軽な競技。
代わりに求められるのは、集中力!
ビームライフル競技は──
10m先の標的を狙う。
中心の10点圏内の大きさは、たったの1mm!
1mmの中をさらに分割して、中心点から10.9~10.1点となる。
実際に弾丸が出るわけではなく、光線で判定しているので、即座に計測され手元のディプレイに表示される。
ディスプレイ表示には拡大表示されているので、10.9と10.1の差が大きく見えますが、実際には1mmの中での違いの話ですからね!
凄い世界!!
それを45分間で60発撃ち続けるのですから、相当な集中力が必要となる競技なのです。
ビームライフル競技について、より詳細な説明は『ライフル・イズ・ビューティフル』公式HPのコーナーをどうぞ。
部活展開が上手い!
序盤はゆるふわでコメディメイン。
試合が始まると、動きはないけど、緊張感溢れる感じが伝わり引き込まれる。
気がつくと、思っていたより王道展開。
ビームライフルには個人競技と団体戦があり、ここに部活モノとして醍醐味が。
主人公が所属する千鳥高校の4人の部員。
あれほどの腕前を持つ姪浜エリカや、五十嵐雪緒が千鳥高校を受験したのは謎ですが。
最初は、ライフルが撃てる場所があれば良い位で入っていたのかも。
だって、ライフル競技は個人戦。
団体戦と言っても、撃つときは個人で撃つのだから。
それが、時に刺激し、時に励まし合うことにより、皆のために力を出したいと想うように。
泉水は、ずっとひかりの側に居る、一番の理解者。
ひかりを想う気持ちが温かい。
エリカは鉄板ツンデレお嬢様キャラで、この手の作品には必須。
雪緒は、時折見せるノリの良さ、抜けた所に、ニヤリとさせられる。
いつの間にかに、チームとして4人一緒が一番輝いている展開が上手い。
かと言って、モチベーションを上げすぎると気負い、プレッシャーが強いと乱れる。
如何に平常心のまま、集中力を高めていくかが難しい。
ライフル競技はメンタルの競技。
誰かのために結果を出したい、お互い高め合っていく様子が、競技の性格とうまく噛み合っていました。
11話で高得点を出したひかりにはゾクッとしたし、10話で雪緒が暫定トップの数字を出した時には、思わずガッツポーズをしてしまいました(笑)。
そして、その後、雪緒とひかりの「やったね」という触れ合いにグッと来る。
それと、勝った人だけでなく、負けた人にもクローズアップ。
これは悲しくなりますが、見れて良かったです。
だってスポーツ競技は、勝った人より負けた人の方が多いのだから。
後半は、シリアス展開とコメディ部分が実に上手くバランスが取れてました。
おわりに (『ライフル・イズ・ビューティフル』とは)
まずはビームライフル競技自体が面白い。
見た目は地味ですが、銃を撃つというのは、カッコ良く憧れます。
それを競技として高めている仕組みとルールが面白く、射撃競技自体に興味を引かれました。
その結果、色々調べていたら、本文のようなレビューになってしまいました(苦笑)。
競技人口が少ないのを逆手に取って、県外の全国の選手と仲良くなっていくくだりも「あるある」的で楽しい。
最終12話、全国大会の個人戦は、もっとじっくりと見せて欲しかった。
主人公ひかりの目標であるオリンピック出場。
(現時点での)オリンピック競技はエアライフルのみ。
エアライフルをやりオリンピックを目指すのも、今後の展開としてはありか。
いずれにせよ、まだネタはある気がします。
続きを見たいですね!
鑑賞後、ライフルを撃ちたくなる、撃てなくても何かに打ち込みたくなる、紛うことなき部活モノ!
千鳥高校射撃部の快進撃をまだまだ見たいです!
以上、TVアニメ『ライフル・イズ・ビューティフル』の感想レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ではでは。
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