こんばんは。時文(@toki23_a)です。
魔法少女もの、『魔法少女サイト』の感想レビューです。
『まどマギ』以降、すっかりジャンルが確立したダーク(鬱)系「魔法少女もの」。
本作もその一つです。
本作は、ダークな上に、とうとう変身すらしなくなりました(笑)
序盤はきつい(特に1話!)ですが、中盤以降は慣れたのか(笑)、普通に見れます。
突っ込みどころ満載ですが、ラストは色んなことに一区切りつけてくれるので、見始めた人は最後まで見た方がスッキリすると思います♪
だって、1話、2話、3話まで見たら、あの人や、あの人や、あの人が!どうなるのか気になりませんか??
最後まで見ないと、モヤモヤが残りますよー
「不幸だねー不幸だねー」
- 「はじめに」は【ネタバレなし】
- 「感想レビュー」「おわりに」は【ネタバレあり】
はじめに
学校ではいじめ、家庭では虐待される、女子中学生・朝霧彩。
彩は自分の居場所がどこにもなく毎日「死にたい」と考えていた。
ある時、魔法の力を与えると言う「魔法少女サイト」と出会う・・・
損している点
1話がエゲつない・・・
これでもか!という程のいじめと、境遇。
ここまでの状況にする必要があるのかと疑問を持ってしまう程、酷い設定。
序盤から興味を引くのは今どきのアニメには必須なのでしょうが、ここまでやると逆効果では?と思ってしまう程、負の方向へ振り切ってます。
今までの作品とは違う、ということを認識させることには成功しているかもしれませんが・・・
ただ、異常ぶりは1話がピークで、徐々に頻度は落ち着いて(慣れた?)いきます。
1話を耐えるか、乗り切れば、後の異常さは問題ないでしょう(笑)
#異常路線は変わりません。出現頻度が低くなるだけです。
この作品は”不幸”があらゆることのエネルギーになっているので、このような設定や展開になるのでしょう。
残念なのはストーリーや流れを無視して強烈さとインパクトを優先している点が、狙っているのが透けて見えるような・・・
その結果、引っかかることや、突っ込みどころ満載となり、今一つ登場人物に対して悲しいとか、応援する気持ちになれないのが残念でした。
決して、各話の話やバトルを単独で見るとひどくはないです。
キャラ立ちしているキャラクターも多数。
でも、全体を通しての主軸や方向性がブレている(展開が急すぎるというのも要因)ように見え、登場人物の感情も移ろいやすく感じ、どうしても説得力に欠け、感情移入ができないことが大きいかと。
まあ批判はこれ位にして、このサイトのポリシーでもある良い所をレビューします。
見るべき点
私が見続けた原動力は、話の行く末と結末が気になったこと。
謎も1話から投げかけてくれます。
魔法少女サイトの目的、どう見ても怪しい管理人の正体は?
どうして彩は選ばれた?不幸だから?では不幸な綾に何をさせたい?
魔法少女のデメリットは?その対策は?
また、とんでもなくキャラ立ちしている登場人物が出てくるのも独特。
キャラクターのインパクトが強すぎて、展開の粗を忘れてしまう程(笑)。
#「にじみん」まで、あんなに強烈だとは思いませんでした。
このアニメの狙いは、そこなのかもしれないですね。
感想レビュー (以降、ネタバレ全開です)
1話の残酷シーンは主人公の優しさを際立たせるため?
1話は見てられない程、主人公・彩が悲惨な状況に置かれます。
どうしてここまでの設定しなくてはならないのか。
最初はインパクトある出だしを狙っているのかと思ってましたが、最終話まで見ると少し意図が見えてきました。
彩はとても心優しい性格。
あれほどいじめられ、虐待されても、復讐などは考えない。
最初にステッキを使ったのは、逃げたいからであり、以降は守ること以外では使ってない。
#管理人に使ったのは「皆を守るため」。
結局、最後まで自分のエゴで行動することはなく、「皆を守るため」に自分の力を使う(自分の命を削ってまで!)。
そして、真っ直ぐな綾に仲間達が共感、影響され変わっていく。
ここまでの彩の優しく真っ直ぐな気持ちを際立たせるための、イジメや虐待シーンだったのではないでしょうか。
そう考えると、ダーク系「魔法少女もの」と思っていた本作ではありますが、描かれた主人公・彩の姿は、とても正統で真っ当な魔法少女なのではないか、というと言い過ぎでしょうか(汗)
はい、作品の雰囲気も、周りのキャラも、見た目も全然王道ではないことは重々承知しております(笑)
描かれるシーンは「非道」、描こうとしていることは「真っ当」
彩だけでなく、他の魔法少女達の不幸で残虐なシーンも描かれます。
これは、不幸な少女に魔法のステッキを与えるという設定があることと、
これだけ不幸なのだから魔法で何をしても許されるという狙いもあるのでしょう。
ところが、少女達は復讐だけでなく、(目的はともかく)仲間の為に力を使い自分を犠牲にしてでも戦っていく。
終盤の少女達の考え方、最終話の彩の判断と行動を見ていくと、「強く生きる」ということを描いています。
過去に不幸な出来事があっても、それを受け入れ、誰も恨まず、「強く生きる」という強いメッセージを発してます。
そして、改心せずに悪いことをし続けた者は退場し、決着を付けています。
『魔法少女サイト』は残虐シーンや狂気が全面に出てますが、とても真っ当なテーマを根底にして描こうとしている気がします。
反面、これ以上、真っ当なテーマへ寄っていくと、既視感あるありふれた展開になって、それはそれで新鮮味がない・・・難しいですね(笑)
原作未読なので、あくまでアニメだけを見た感想です。
チート設定の魔法が惜しげもなく登場
この作品の魔法少女は、自分が持っている魔法の力をオープンにし過ぎです(笑)
命をエネルギーにしているのだから、大切に。
かつ、戦略的にも、極力秘密にした方が有利だと思います(笑)
ま、そんな突っ込みは置いといて・・・
序盤からチート設定の魔法が出てきて、この先大丈夫なのか、余計な心配をしてしまいます(笑)
2番目に登場した魔法少女。彩のクラスメイトの奴村露乃。
奴村の魔法は時間停止。
時間停止し続けられる制限時間もなく、範囲も世界中?
管理人にも効くし、最強なのでは?
唯一、シャーペン型ステッキの防御魔法のみ防ぐ手段か。
4番目に登場した「にじみん」ことアイドルの穴沢虹海。
奴村の時間停止が最強かと思ったら、あっと言う間に表れた「絶対服従」魔法!
しかし、これには声を聴かせなくてはならない泣き所が。
チート対決がもっともっと見たかった
ステッキは本人でなくても使えるし、同時使用も可能。
魔法少女認定されていない一般の人でも使えるようです。
#現実的な話、この設定は大穴だと思います。
#なぜなら、ステッキが見つかれば誰でも再現でき、仕組みはどうであれ、犯罪の証拠となってしまうのですから。
これだけオープンな設定が用意されると、チート設定魔法 VS チート設定魔法の対決、
チート設定魔法に対抗するために、頭を使って平凡魔法の組み合わせ対決、
なんてのを期待してしまいます。
彩の兄貴が魔法を使った回は、(兄のキャラに)イラッとしながらも、楽しめました。
詰将棋のような頭脳戦、魔法の合わせ技がもっと見たかったですねー
そうすれば更に面白くなったと思うのですけどねーー
最終話の対決シーンは良い!
最終話の彩と奴村との戦いは見応えありました。
彩が身体能力で対抗できないと分かると、瞬間移動を使って、奴村の背後を取ったり、奴村の攻撃を瞬間移動でいなす。
#その攻撃が海で爆発するシーンは上手い!と思いました(笑)
彩が最後に取った攻撃。
「自分の意識」を、「奴村の意識」へ瞬間移動させたのでしょうか。
それとも、あのタイミングで命を移動させて、意識が通ったシーンはイメージでしょうか。
いずれにせよ、彩の拳銃型ステッキが、その時“ピンク色に”発光。
彩の強い思いがそうさせたのか、新しい機能なのか。
また、撃ち方も、それまでは対象全体を包み込むように、離して撃っていた。
が、あのシーンでは自分の胸にピッタリと着けて撃っていた。
最終話にて、主人公覚醒である。
ラストの管理人は動けたのでは?
そして、ラストのラスト、1話アバンタイトルの踏切内のシーン・・・
時間を止めて、管理人・ななを踏切内の電車前へ。
あれ?口は動いてない(あ、こいつら元々動いてないか)けど、時間止まってるのになぜ話せる??
きっと、奴村がななの口だけ、頭だけ?動くようにしたのでしょう(笑)
最後の最後、カタルシスを感じるシーンだから、セリフがないとね!
最後まで突っ込み所が多々ありましたが、どれもこれも演出上突っ込んではいけないこと?!
せっかくだから楽しみましょう。楽しむために前向きに解釈するのが私のポリシーです♪
「アニメの面白さは『誰か』が決めるものじゃない!」なんてね♪
おわりに (『魔法少女サイト』とは)
原作はまだ連載中。結末を迎えていません。
結末を迎えていない原作のアニメ化は落としどころが難しいですよね。
そういう意味では、本作は一区切りまで描き切り、きれいにまとまっています。
ですが、魔法少女たちが簡単に協力したり、魔法のステッキという非科学的な物を作り出した管理人に根拠もなく立ち向かっていく展開は少し雑に感じました。
原作未読なので、原作のことは分かりませんが、もっと丁寧に描いていれば充分面白くなる要素はあったと思うのですけどねーー
勿体ない!
後半は原作とは違う展開をしていると言う情報も聞いたので、少し原作にも興味を持ちました。
時間があれば読みたい!
読んだらレビューorツイートしますね!
以上、『魔法少女サイト』鑑賞レビューでした。