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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『幼女戦記』第7話「フィヨルドの攻防」を鑑賞しました。
本レビューでは、アニメの感想に加えて原作を読んだ際の気付き、個人的な解説や考察をお届けします。
時文次話以降のネタバレはありません
ご安心ください!
皆さんの理解の助けとなり、作品をより楽しんでいただければ幸いです。
今話の原作
今回アニメ化されたのは──
- 原作ノベル
-
2巻 第三章「ノルデン Ⅱ」
- コミカライズ
-
6巻17話-8巻22話前半
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『幼女戦記』は、カルロ・ゼン先生によるライトノベルが原作です。
私は2017年放送時に最終話まで鑑賞済み。当時、原作・コミカライズは未読でした。
2026年7月の2期放送開始に向け、1期を改めて視聴中。各話のレビュー作成時に、その話分のアニメ化済み部分のみを読んでいます。
原作全体は未読なので、2期以降のネタバレは物理的に不可能です。視聴済みの1期部分も含め、次話以降のネタバレは書かないので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
原作ノベル・コミカライズを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
なお、原作の情報については「原作情報」として区別して記載します。
ココア緑系の色を目印にしてね!
時文ちなみに、考察や解説はオレンジ系です
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際の目安にしてください。
各話リスト
| 話数 | サブタイトル | コミカライズ | 原作ノベル |
| 第1話 | ラインの悪魔 | 1・2巻 | 1巻 |
| 第2話 | プロローグ | 1巻 | |
| 第3話 | 神がそれを望まれる | ||
| 第4話 | キャンパス・ライフ | 2・3巻 | |
| 第5話 | はじまりの大隊 | 4巻 | |
| 5巻 | 2巻 | ||
| 第6話 | 狂気の幕開け | ||
| 6巻 | |||
| 第7話 | フィヨルドの攻防 | ||
| 7巻 | |||
| 第8話 | 火の試練 | ||
| 第9話 | 前進準備 | ||
| 第10話 | 勝利への道 | ||
| 第11話 | 抵抗者 | ||
| 第12話 | 勝利の使い方 | ||
| 閑話 | 砂漠のパスタ大作戦 |
※話数:リンクは各話レビューへ
はじめに
攻勢を主張する北方方面軍司令部に対してターニャは越冬が妥当だと一刀両断。参謀本部も別作戦を画策していた。
一方、協商連合は沿岸部へ魔導大隊を派遣。かつてターニャに敗北させられたアンソン・スーの姿もそこにあった。
勝者が通り過ぎた跡には、必ず敗者がいる。
合理性を語れば評価され、評価されれば前線へ ──
後方勤務を願うターニャにとって、高い評価は不運そのもの(笑)。敵にとってターニャの派遣は悪夢そのもの(苦笑)。
フィヨルド攻略戦は、開幕したと思ったらあっという間に決着。
時文展開が早い!
一方、敗者側にも守るべきものがある。
愛する人々が明日も同じように笑っていられるために戦う。
神を信じるアンソン・スー大佐と、信仰心ゼロのターニャ・デグレチャフ少佐。一体どちらが正義なのか。
神よ、力を与えるのはターニャよりもスー大佐ではないでしょうか(苦笑)。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー『幼女戦記』7話「フィヨルドの攻防」
アバンタイトル
戦況悪化を懸念したアンソン・スー大佐は、妻と娘を合衆国へ疎開させることにした。
疎開

分かってくれ、メアリー。
by アンソン・スー大佐(協商連合)『幼女戦記』TVアニメ第7話
都市部にまで戦火が及ぶのも時間の問題だ。今のうちに国外へ避難した方がいい。
前話で上官の穴埋めで昇進したスー大佐は、祖国協商連合の未来を憂いていました。(6話 )
つまり、スー大佐は協商連合は帝国には勝てないと自覚しているのです。すぐに負けるとは言わないが、いつか負ける、時間の問題だとみているのです。だから、家族を国外へ避難させたのでしょう。
では、なぜスー大佐自身は国外へ避難しないのでしょうか?
負けると分かっているのに、なぜ軍に残って戦うのでしょうか。軍人だから逃げられない?それとも、まだ望みがある?
ターニャではありませんが、死ぬと分かっているなら自分も国外へ逃げる事を考えていないのでしょうか・・・。
その答えは原作ノベルのスー大佐の心情描写にありました。
若者が戦場に赴くのだから大人がいなければならない。これがアニメ中盤でもスー大佐のセリフにあった ──
もはや我が国は、若者に”死んでくれ”としか言えぬ状況だ。なればこそ、大人の我々も戦い続けねばなるまい。
by アンソン・スー大佐(協商連合)『幼女戦記』TVアニメ第7話
ただ希望も持っています。共和国等の列強の支援が間に合えば祖国の崩壊は免れるかも・・・とすがるような思いも持っています。
そこまで考え、祖国も自分も完全に追い詰められているのだと自覚します。祖国がなくなってしまう・・・。
すると、たとえ祖国がなくなっても国民が生きていれば、その人達の心の中には祖国は残るのではないかと気付きます。
であれば、自分の役目は可能な限り祖国の人々を救うこと。つまり逃がすことです。それが、この疎開のシーンに繋がったのでしょう。
スー大佐は、軍人である事を後悔していません。むしろ、祖国の人々、そして自分の家族の為にできることがあるのだと、軍人である事を喜んでいるのです・・・。
ココアすごい、としか言いようがない…
父親へのクリスマスプレゼント
── これは・・・。
by グンナー少佐『幼女戦記』TVアニメ第7話
新型の短機関銃ですね。
── どうして娘がこんなものを・・・。
祖国のために戦う父親を支えたい。そう思っていたのでは?
いや、グンナーよ・・・。スー大佐が聞いたのは、なぜ年端もいかぬ女の子が新型の短機関銃を手に入れることができたのか?それに、そんなお金がよくあったな?ということを聞いたのでは?
ココア確かに…
まあ、当時の武器の取り扱い状況は分かりませんが、一般市民でも護身のために手に入れることができたのでしょう(苦笑)。お金については、母親でしょうか。
私が面白いと思ったのは ──
スー大佐は魔導師です。魔導師の武器は術式を使うので特別なものだと思っていましたが、このシーンを見る限り、魔導師は通常の武器を使っているのです。
だから、ターニャが使うことも可能なのです。それに、5話の訓練中、ヴィーシャがスコップに魔力を込めていました。つまり、魔導師は演算宝珠さえあれば、武器や防具(道具)は通常のもので良いのです。
ココアお~、確かに!
(でも、気付くのそこなんだ…)
Aパート
拮抗した戦況を打開すべく北方方面軍司令部は攻勢を主張するが、ターニャは現状では越冬が妥当と一刀両断。一方、参謀本部は北方方面軍とは別の作戦を考えていた。
参謀会議
── 故に、戦線を意図的に後退させしめ、北方軍における兵隊の距離的な負担を軽減。結果として、春季以降の構成計画を容易たらしめると確信します。
うーん・・・。
by ハンリヒ・ツー・シュライゼ中将(北方方面軍 参謀長)『幼女戦記』TVアニメ第7話
ターニャが主張しているのは、雪で覆い尽くされる北方での進軍は自殺行為だと言っているのです。
ターニャの意見に頭を抱える、北方方面軍参謀長のシュライゼ中将。
そもそも、一介の少佐がなぜ中将に意見を!?
確かに、前話ラスト(Cパート)、ターニャは何かの会議に呼ばれたようです。
時文ターニャが、煙たがってたやつだね
ココアあ~~、あれね(苦笑)
だからといって、 一体これはどういう状況なのでしょうか?
この辺は、原作ノベルにしっかり描写されていました。
ターニャの部隊は先の任務を完遂し駐屯地へ帰還。時間があるのでルーデルドルフ准将の命で会議に列席した程度。
どうやら、出席者はもっといたようで ──
しかし、会議に先立ちかの御仁は現場で働いた士官の意見が聞きたいと言明され幾人かの旅団指揮官級が指名されていた。そして、それらの報告というのはルーデルドルフ少将を満足させなかったのだろう。遂には、下から数えた方がはるかに早い少佐級の自分にまで振ってくる始末。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
現場の士官の意見を聞きたいと順に当てられていたのです(笑)。当たったターニャは ──
そして、中央派遣組のボスが口をつぐむならば現地で実績を挙げた中央組の自分が憎まれ役を引き受けるしかないというのが忌々しい次第ながら現実なのである。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
ルーデルドルフ准将が口にしないのであれば、皆が言いにくいことを自分が言うしかないと忖度したのです。
つまり、ターニャは、ルーデルドルフ准将も撤退させたいのだと読んで、自分の意見として堂々提案したのです。しかも、自分は参謀本部直属で北方方面軍からの指揮命令系統に組み込まれていません。だから、中将相手でも一歩も引くことなく提案したのです。
ココアうん、完全にコントだね…
撤退案は消極的?
やはり実際の現場で働く士官の提言は、なかなか斬新ですなあ。
by ルーデルドルフ准将(作戦参謀次長)『幼女戦記』TVアニメ第7話
ルーデルドルフ准将は、なぜ”斬新”などと言ったのでしょうか?
これも原作ノベルに記載がありました。
通常の士官が口にすれば、即座に臆病者という 罵詈雑言以上のものが浴びせられることを覚悟しなくてはならない提案である。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
なるほど。この時代の軍は、劣勢は気合いと根性で乗り切れ、撤退は負けを意味し臆病者の選択。通常なら、撤退案は臆病者のそしりを受けるのです。
ところが、今回はそうはなりませんでした。なぜでしょうか?
それは、ターニャが銀翼突撃章持ちだから。銀翼突撃章とは自分の身を犠牲にしてでも祖国を守るために戦った人に授けられる賞です。(2話 )
誰もが認める勇敢な兵士に対して、臆病者などとは誰も言えないのです。
だから、ルーデルドルフ准将も、斬新な提案だと評したのです。
ココアお~~、面白い!
早期解決こそ最優先
貴官は越冬を想定しているようだが、これ以上の長期戦は望ましくない。早期解決こそが当面の課題だ。
by ハンリヒ・ツー・シュライゼ中将(北方方面軍 参謀長)『幼女戦記』TVアニメ第7話
一方、北方方面軍参謀長のシュライゼ中将は、なぜターニャの提案を一切受け付けないのでしょうか?
北方方面軍の事情についても、原作ノベルに記載がありました。
彼らには、日々各方面軍から『いつまで長引かせるのか』という圧力が掛けられて久しい。なにしろ、同じような軍の規模を誇るダキアが六週間で崩壊した手前、未だにだらだらと戦争を続けていると見なされたノルデン方面への風当たりは日に日に強くなるばかりだ。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
各方面軍から、協商連合との片をさっさと付けろと圧力を受けていたのです。あろうことかターニャの第203航空魔導大隊が先陣を切ったダキア公国と比較され、ますますその圧力が強くなっていたのです。
一方、北方方面の戦争が長引いている主因は ──
当初は協商連合をこの機会に占領すると言っておきながら、西方に共和国が攻め込んできたと見るや中央軍を西方に割いたことに他なりません。
兵站が苦しいこと、状況が厳しいことも認識しています。でも、ターニャの第203航空魔導大隊が派遣された。ピクシー大隊なら突破口を開けるかもしれない。
だから ──
少なくとも3週間の攻勢は可能だ。正面戦力さえ撃破しえればよい。
by ハンリヒ・ツー・シュライゼ中将(北方方面軍 参謀長)『幼女戦記』TVアニメ第7話
と言ったのでしょう。
北方方面軍からすれば、中央の都合に振り回され苦労しているのに、その事には触れず撤退せよとは何事か。しかもそれを参謀本部ではなく少佐はとはいえ、年端もいかぬ女児に言わせるとは何事か。と憤慨しているのです。
ココア会議の裏がこんなに複雑だったとは…
そうですね。かなり複雑な事情と思惑が裏で蠢いています。動きがあるシーンではないので、アニメでは省略したのでしょう。(良い判断だと思います)
この辺を楽しみたい方は、ぜひコミカライズ、原作ノベルを手に取ってください。
後方
つまり、今回の攻勢計画は、上陸のためのかく乱が目的?
── どこで耳にした!?
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第7話
ルーデルドルフ准将の作戦とは、協商連合が前線に集中している間に物流の中枢であるオース・フィヨルドを落とすこと。なれば、北方方面軍の全面攻勢は格好の囮となるのです。
一部の将校しか知らない作戦を言い当てたターニャに驚くレルゲン中佐とルーデルドルフ准将。
ターニャは天才なのか、それとも・・・。
後方?後ろ?背後・・・。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第7話
この時、ターニャは何を考えていたのでしょうか?原作によると ──
前線での敵戦力拘束。陽動。後方への襲撃。思い出せ。どこかで、どこかで耳にしたことがあるはずだ。それも、結構なお気に入りの類のニュースで、だ。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
どこだ? どこで、自分は耳にした。いや、耳にしたのでも読んだのでもよいのだ、確かに、自分は、それを、どこかで見聞きしたはずなのだ。
ターニャは、過去の記憶を辿っていたのです。今回の状況、意図、作戦がどこかで見聞きしていたのを思い出したのです。
そして、たどり着きます ──
仁川? そうだ、仁川だ。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
……そう、それだ。小癪なコミーを愉快痛烈に蹴飛ばしたあれ。マッカーサーの乏しい才覚が奇跡的に成し遂げてみせた仁川上陸作戦。背後からの大規模な包囲と分断。限界寸前の北朝鮮軍を文字通り瓦解させた決定的一撃。
ターニャが思い出したのは1950年の仁川上陸作戦。朝鮮戦争中、国連軍が仁川に上陸し北朝鮮の補給線を断ち、ソウルを奪還する転換点となった逆転劇です。
ココアあっ、今回とそっくり!
はい、実際にこのような作戦が行われていたのです。
それに思い至ったターニャ。ターニャが口にしたのはキーワードのみ。それを聞いたルーデルドルフ准将は驚いたでしょう。打破できないと分かっている全面攻勢に意味を見出せ、とヒントは出したものの、見事に一発逆転の策にたどり着いたのです。
時文見つけた瞬間、アホ毛が「?」から「!」に変わった!
ココア・・・ホントだ!
ま、これもある意味、大いなる”すれ違い”ですね(笑)。
ターニャにとっては、単なる歴史を語ったのに過ぎません。
ですが、まだ歴史になっていないこの世界では、平然と語るターニャが末恐ろしく見えるのです。
ゼートゥーア閣下から聞いたのか?
by レルゲン中佐『幼女戦記』TVアニメ第7話
と問いただしたくなるのも当然です。でも、ターニャの反応はとぼけているでも嘘をついているでもありません。それもそのはず、ターニャは前世で得た知識を披露しているだけです。なぜそんなに驚いているのかをターニャ自身が理解していません。
ここに、ターニャの相手の思考を見誤る欠点が、より自分を危険地帯へ送り込む望まぬスパイラルに突き進んでいく構図が凝縮されているのです(笑)。
矛盾
ふむ、やはり貴様を使うことにしよう。203大隊は、上陸作戦に先立ち全軍の先鋒だ。
by ルーデルドルフ准将(作戦参謀次長)『幼女戦記』TVアニメ第7話
アニメ鑑賞時、ここで一つ大きな疑問ができました。
ルーデルドルフ准将は、北方方面軍の全面攻勢している間に、後方オース・フィヨルドに上陸作戦を決行しようとしていた。
であれば、北方方面軍が全面構成することを止める必要はありません。
なのに、なぜターニャに撤退を提案させた、あるいはターニャの提案を止めなかったのでしょうか?
実は、原作ではターニャが同じ問いをルーデルドルフ准将にしています。
ルーデルドルフ准将は、ターニャの問いに明確に答えています。そこには、ルーデルドルフ准将の深い意図がありました。
時文これはアニメでも取り上げてほしかった…
「何、ゼートゥーア少将の条件だ」
「は?」– 中略 –
「彼に言わせれば、協商連合なんぞ放り捨てて内線防衛の充実を図るべきだ、と。どちらも一理あるが故に北方方面軍が同意すれば貴様をラインに送って私は越冬の準備に励んでいただろうよ」
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
ゼートゥーア准将は、ルーデルドルフ准将に協商連合を無理に占領しなくても放置で良いと考えていたのです。ルーデルドルフ准将はその案も一理あると考え、北方方面軍がターニャの案に同意し撤退を判断したらそちらを支持しようと考えていたのです。
原作ノベルは、この解にターニャも納得し、退出します。ですが、コミカライズでは興味深い解釈を取り入れています。
作品の根幹に関わることなので隠しておきます。気にならない方だけご覧ください。
続きを読む (クリックしてください)
コミカライズでは大胆とも言える解釈をしています。
ターニャは、他国への亡命も選択肢として考えています。
ココアえっ、そうなの?
時文いや、私もそう思ってたけど(苦笑)
ココアえ~~っ、そうなの!?
考えてみてください。ターニャは前世でドイツ帝国が世界大戦で敗北したことを知っています。この世界でも帝国がドイツ帝国と同じような歴史を辿っているなら、未来は見えているのです。
長生きするには、この国から出るのが最も得策。ターニャのような愛国心はなく、自分命であれば尚更です。
なのに、なぜ亡命を考えないのか不思議でした。
ココア確かに…
でも、コミカライズで描かれたように、ターニャも亡命を考えていたのです。
どうか私に亡命しようなどという気を起こさせてくれるなよ!帝国!!!
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』コミカライズ7巻
上記は、北方方面軍 シュライゼ中将に対して意見し退出させられた後、ルーデルドルフ准将に直訴直前の心情描写。
貴重な戦力をすり減らす冬季攻勢という愚考に対して、北方方面軍だけでなく、それを止めなかった参謀本部に対し、憤っていたのです。
で、ルーデルドルフ准将から聞いたのが上陸作戦および、先のもし北方方面軍が撤退案を採用した時の対応を聞き ──
何が原因かは分からない。閣下らの才覚なのかもしれない。だが確かに参謀本部の中枢でパラダイムシフトが起こりつつある。
良かった。参謀本部は ── 帝国は泥船ではない。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』コミカライズ7巻
ターニャは、帝国は前世の敗戦国とは違うことを確信したのです。
自然の要塞 オース・フィヨルド
絶景だな。入り組んだ狭いフィヨルドに多くの岬と島々。岩壁も高く、点在する20門の砲台で、どこからでも狙える。列強国のいかなる艦隊だろうと、この海は破れまいよ。
by アンソン・スー大佐(協商連合)『幼女戦記』TVアニメ第7話
フィヨルドとは、氷河の侵食作用によって形成された複雑な地形の湾のことです。
このオース・フィヨルドは、複雑な地形を利用して20問の砲台を設置し、艦隊が攻めてきても四方から狙えるようになっているのです。まさに「自然の要塞」です。
ただ「列強国のいかなる艦隊だろうと、この海は破れまいよ」という慢心は、(アニメ作品内では)死亡フラグですね・・・(苦笑)。
ココアあー、ね
とはいえ、ターニャはどう攻めようというのでしょうか ──
勝算
やれなくはない・・・か。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第7話
自然の要塞を見せた後の、ターニャのセリフ。これは何をもって「やれなくはない」と言っているのでしょうか。
その解は原作にありました。
まずは、どれだけ脅威か ──
フィヨルド、というのは海軍艦艇にとってそもそも鬼門だ。狭い水域と両岸が崖でどこからでも狙われる嫌な地形。機雷の脅威を無視したとしても、仮に、砲台がフィヨルドの両岸で待ち構えていれば突入した艦はなぶり殺しにされる運命を嘆くほかに無い。狭い水域で身動きの取れない標的に砲台は好きなように砲弾を浴びせられるに違いないのだから。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
やはり、艦隊に取ってフィヨルド要塞は脅威なようです。だからこそ、守る側は自信を持っているのでしょう。
なのに、どうして「やれなくはない」なのでしょうか?
やはり確かに、フィヨルドを防護する砲台というのは艦隊にとって脅威だった。そう、脅威だが艦隊にとって、だ。……すべて海側に面しているとあれば後ろから爆薬なり何なりで吹き飛ばしやすいことだろう。加えて沿岸砲台は主として湾口部へと向けられたものだ。間違っても、自分の後方の砲台に砲弾が届く構造にはなっていない。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
なるほど。放題は艦隊に取っては脅威だが、それは海に向けられた物。背後から狙えば放題は怖くない。
要は、自然の要塞は海岸からの艦隊戦には万全の防御を敷いているが、後方からの攻めには突破口があるのです。
祝賀会
そう言えば、前話での賭けはどうなったのでしょうか(笑)。
なお、帰還後の祝賀会は一番成績の悪い中隊のおごりとする。25年物を発注しておいた。破産したくなければ奮闘するように。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第6話
ターニャが中将に反発したせいか、方面軍から祝賀会の予算執行を拒否されてしまいます・・・。
そこでターニャは大隊公庫から支出するよう指示しますが ──
「あ、ご安心ください。こちらは、私費でヴァイパー大隊が購入されたものですのでその、ご好意かと」
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
結構なことだとターニャは満足気に頷く。誰かが、仕事の成果で満足して奢ってくれるというわけだ。
ヴァイパー大隊とは、前話でターニャが助けた大隊です。(6話 )

恩返しとばかりに祝賀会のアルコール一式をいただいていたのです。
時文誰も破産しなかった、ということだね
ココア良かった
奇襲
目標地点接近。エンジンカット、滑空体制に入ります。
by パイロット『幼女戦記』TVアニメ第7話
今回の作戦は奇襲。如何に敵に気付かれずに接近するかが勝利の要です。
目標地点に接近すると、エンジンを止め、グライダーのように滑空して接近します。これにより敵に見つけられないようにしているのでしょう。
一方、航空機からの魔導師輸送も奇襲作戦を担っています。この世界には、魔導を探知する機器が存在します。だから高高度を編隊で飛んでいると魔力を消費し、探知されてしまうのです。
それでも航空機からダイビングした直後に、魔導反応を探知され発見されるのではないでしょうか・・・。
と思っていましたが、その点は原作ノベルとコミカライズに答えがありました。
原作ノベルによると、パラシュートを手にしています。つまり、演算宝珠(魔法)を使わず降下したのです。
コミカライズではその辺が丁寧に説明されています。
降下をパラシュートに頼る理由は3つ。
一つは、魔導反応を接敵まで隠匿し、対魔導対空砲火を避ける事。二つ目は、兵科をぼかすことで敵の対応を誤らせる事。三つ目は、多起動する術式を全て防御に回し、本来は危険とされる対空放火の壁を突破する事。この時点で敵も降下したのが魔導士と分かるが、もう遅い。
by 『幼女戦記』コミカライズ7巻
なんと、魔導反応による探知を遅らせるだけでなく、魔導師ではないと見誤らさせ、かつ、多起動する術式全てを防御に回すことにより接近していたのです。
さて諸君、航空魔導士としての本領を発揮する時だ。
by 『幼女戦記』TVアニメ第7話
なるほど。ただの奇襲であれば、他の魔導部隊でも実行できると思っていましたが、エレニウム九七式を装備し複数の術式が使える第203魔導大隊だからこそ奇襲が成功したのです。
Bパート
帝国軍のオース・フィヨルド上陸作戦が始まり、ターニャ率いる第203魔導大隊による奇襲攻撃が開始された。一方、協商連合は沿岸部に魔導大隊を派遣。その中にはかつてターニャに辛酸を嘗めさせられたアンソン・スー大佐の姿があった。
保険
── すでに北洋艦隊は敵の哨戒ラインを越えたはずですが、もし30分で砲台を制圧できなければ、艦隊は引き返すしか・・・。
その場合は極めて実践的な史上最大の上陸演習作戦だな。我々の面目も丸潰れだ。
by ルーデルドルフ准将(作戦参謀次長)『幼女戦記』TVアニメ第7話
30分で制圧できなければ艦隊は引き返す!?このような奇襲は一度しか使えません。砲台を全く潰せなかったら問題ですが、ほぼ潰せば残りは艦隊の艦砲攻撃と協力すれば良いのでは?と素人ながら思ってしまいます(笑)。
どうやら、これは緊張感を高めるための、アニメならではの演出のようです。
原作では、30分で砲台を制圧できなければ撤退ではありません。
「案ずるな。それはこちらも危惧していたので降下から三〇分後には海兵二個連隊の増援を手配した」
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
帝国は二重三重の策を考えています。あくまでピクシー大隊は先鋒。そして、艦隊がオース・フィヨルドに近づくまでの陽動。近づけば増援を予定していたのです。
無信仰vs信仰者
神よ、なぜですか・・・。なぜ、なぜヤツがここに!?
by アンソン・スー大佐(協商連合)『幼女戦記』TVアニメ第7話
それは、まさに神(存在X)が、ターニャに信仰心を植え付けるために死地に追い込んでいるからなのですが・・・(苦笑)。
スー大佐はそんなことを知る由もなく、ターニャだけはこの手で討ち取るとばかりに特攻を仕掛けていきます。
まだだ!まだ終われはしない!
by アンソン・スー大佐(協商連合)『幼女戦記』TVアニメ第7話
スー大佐には守るべき祖国、国民、家族がいるのです。簡単には諦めるわけにはいきません。
チッ、狂信的な愛国者め!
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第7話
あの速度なら、相当な運動エネルギーだな。主よ、父と子の名の下に、裁きの雷を落としたまえ。
神に(形式的な)祈りを捧げ、存在Xから授かった奇跡エレニウム九五式を起動するターニャ。
対して、こちらは真剣に、神に悪魔を滅ぼす力を願うスー大佐 ──
神よ、願わくば、我にあの悪魔を討ち滅ぼす力を与えたまえ!
by アンソン・スー大佐(協商連合)『幼女戦記』TVアニメ第7話
神を信じ国民や家族を守ろうとするスー大佐が敗れ、信仰心はなく戦争を単に自身の出世と金のためだと合理的に考えるターニャが勝利する。
それどころか、スー大佐が信じている神がその舞台を準備しているという皮肉・・・。神とは、信仰とは ──
ここに存在Xの邪悪さと、戦争の悲惨さが凝縮されているのです・・・。
ふむ、少し早いが、自分へのクリスマスプレゼントにちょうどいいな。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第7話
銃を奪う姿はまさに悪魔の所業。イニシャル入りの銃を持つのは ── 嫌な予感がするのは私だけでしょうか・・・。
おわりに (『幼女戦記』7話とは)
私は原作未読です。
本作の楽しみ方は、アニメ鑑賞後、コミカライズと原作ノベルを読んでいます。
アニメ『幼女戦記』は、原作ノベルに沿っているものの、アニメ映えするアクションシーンに力を入れているのは、これまでの話数でも分かりました。
今話で明らかになったのは、アニメでは協商連合のアンソン・スー大佐にクローズアップしていることです。原作でもスー大佐は登場しますが、まとめて書かれているのでそこまで心に残りません。
アニメは、アンソン・スーを要所要所で差し込み、ラストにターニャとの対峙を持ってくる。まるで善悪が逆転するように見せているのも意図的でしょう。
ターニャは自身を守るために戦っているので、それが悪だとは言いません。大体、過酷な世界へ送られ全世界が敵なんて、完全な被害者です。
そんな困難を打ち破っていく主人公が爽快なわけですが、一方、敵から見たらターニャは完全な悪なのです。
この『幼女戦記』には、”愚か者”はいても”悪人”はいないのです。そんなことを感じた第7話でした。
以上、TVアニメ『幼女戦記』第7話の感想&考察レビューでした。長文にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越しください。
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ではでは。
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ココアこれで毎日ケーキ食べられるかな!?
時文(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!
今週のX感想ポスト
#幼女戦記 7話(再)
— 時文@(幼女戦記レビュー中)ここアニ管理人 (@toki23_a) June 8, 2026
勝者が通り過ぎた跡には敗者がいる
合理語れば評価され
評価されれば前線へ😱
フィヨルド攻略戦開幕&決着(←早い😓)
一方、敗者側にも守るべきものがある
神を信じるスー大佐と信仰心ゼロのターニャ…
一体どちらが正義やら😅
神よ、力を与えるのはターニャよりもスーでは🤣
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アニメ『幼女戦記』次話のレビューはこちら!
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