アニメ【不滅のあなたへ】3期9話感想＆考察 みもりを救えるのはノッカーかひろとしか…

みもりは学校でいじめられており、その理由は転校してきたばかりで、体操服も他の子と違うからだと言っていました。

てっきり、みもりはそんな状況で素直に家族のことを作文に書けるわけがない・・・。そう思っていました。(3期7話 )

実際には、みもりは作文を書いていたのです。

ただ、作文の内容は現実とは真逆・・・。

でも、これはみもりの願い？

“家族と一緒なら、私は強くなれます“
“まだまだ思い出が増えるのが楽しみです”

by みもり『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

友達がいない。学校で孤立する。いじめられる ── それよりも何よりも、みもりが求めていたのは母からの愛情だったのではないでしょうか。

みもりは母みやびに授業参観のことを伝えていたのでしょう。そこで自分の思いが詰まった作文を聞いてほしかったのです。

だけど、母みやびは授業参観に来てくれなかった。それどころか、みもりを置いて新婚旅行へ行ってしまったのです。

みもりは、どれほど絶望したことでしょうか・・・。

ココア

みもりーー

結果、あのシーンへと繋がっていくのです。

「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用

みもりの内面を探っていきましょう。

こんなウソ作文みやびさんが見たらびっくりするぞ！一体、何て思うか・・・。

そうか、思ってほしかったのか・・・。
これを読んでもらって、何か思ってほしかったんだね。

by ひろとし『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

授業参観に来てくれなければ、作文発表を聞いてもらえません。だから、みもりは「自分が死ねば、最後に書いた作文くらいは真剣に読んでくれるのではないか」と考えたのではないでしょうか・・・。

時文

だから、授業参観の授業中に飛び降りたんだね…

ココア

あっ、そういうことか！

これまで私は、みもりは自殺ではないと推測していました。理由は、ファイ(魂)がこの世に残っていたからです。未練がある、つまり本心では死にたくなかったのだろうと解釈していました。(3期7話 )

違いましたね。

ココア

えっ、じゃあなんでファイは残ってたの？？

ファイがこの世に残るのは、この世に何かやり残したこと、気掛かりなことがあるから。

ならば、みもりのファイが残ったのは ──
母みやびがあの作文を読んでどう感じるのかを見届けたかったのではないでしょうか。

ココア

あっ・・・

ところが、その直後にみもりの体はノッカーに乗っ取られてしまい、本物のみもりが既に死んでいることには誰も気付きません。このままでは、みもりの作文は母親に読まれないままです。

みもりは、悔しかったでしょう。

だから、フシが初めて偽にせみもりと対峙したとき、みもりは「殺してくれ」と(ボンシェンを介して)伝えたのでしょう。偽にせみもりが死ねば、娘が死んだ事実がようやく母みやびに知られる。その悲しみの中で、あの作文を真剣に読んでくれるのではないか・・・。そう考えたからです。

ただ、冷静に考えれば ── あれから1年経っているので、今あらためて死んだとしても、あの作文が読まれるとは限りません。

加えて、今の偽にせみもりは母を困らせていません。それどころか ── 前話のレビュー で考察しましたが、学校も服も母親も変わっていないのに、偽にせみもりは周囲と上手くやっているのです。

その結果、みもりは「今のままでいい」と結論づけるようになったのではないでしょうか。

あの家には、あの子が合ってる。ママも喜んでる。大切にしたい。

by みもり『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

(原作情報) このセリフはアニメオリジナルです。原作では、ボンシェンのセリフしか文字になっていません。

ココア

みもり～～

みもり登場時から、母みやびにはどこか違和感がありました。何か上辺だけというか・・・。

でも、みもりが声を掛けると一応は普通に応対していました。

ここまで母みやびが描かれた場面では、必ずそばに再婚相手であるひろとしの父がいました。

何のことはない ── 彼氏と一緒にいる時だけは、普通だったのです。

1年前、偽にせみもりに入れ替わった時、母みやびは何も気付きませんでした。

違和感に気付かなかったのではありません。そもそも、娘に対して関心がなかったのです・・・。

私は、母みやびはあまりに薄っぺらいのでノッカーではないかと疑っていました(苦笑)。(3期7話 )

ある意味、ノッカーより始末に負えないですね・・・。

時文

もしかして、ノッカーより酷い!?

ココア

そんなことはないと思うけど、言いたいことは分かる(苦笑)

確かに妙だと思っていました。

前々話のレビュー で深掘りしましたが ──
みもりが屋上から飛び降り偽物に入れ替わった途端、偽にせみもりは、みもりのこれまでの記憶(今日が授業参観であり、家族は誰も来ていないこと)を把握していたのです。

これは、みもりを長期間、間近で監視していないと実現できないはずです。

なるほど。
ノッカーは、既にみもりの体の中にいたのです。

それどころか ──

かれこれ4年。母親が不機嫌になると、俺はみもりと入れ替わりストレスを受け止めた。

その間の記憶はみもりには残らない。

by 偽みもり『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

一見みもりの為になるような身代わりをしていたというのです・・・。

時文

ん？

ココア

どした？

あれ？
これってもしかして・・・。

当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧ください。

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先のセリフを聞いて、何か気付きませんか？

特にこの部分ですね ──
「その間の記憶はみもりには残らない」

はい。
ミズハも同じような事を言っていましたね。

── なんでお母さんを殺したんだい？

分からない。覚えてないの、殺した時のこと。ただママに失望したのは覚えてる。

ママは大切にしてた自分の髪飾りを私にくれた。でもウソだった。もらった髪飾りは、近所の店でたった300円で売られてるものだった。

by ミズハ『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第4話

母イズミが大切にしていた自分の髪飾りを貰い喜んでいたら、実は近所の店で売られていた安物・・・。ショックを受けたミズハは母イズミを包丁で刺しました。

でも、ミズハはその時のことを思い出そうとしても、覚えていません。記憶がないのです。

偽にせみもりが言っていることと符合しますね。

ココア

確かに！

このことから、ミズハの体の中にもノッカーがいると推測できます。

でも、いつから入っていたのでしょうか？ そんなに誰でも彼でも構わずノッカーは入っているのでしょうか？

それも、偽にせみもりのセリフにヒントがありましたね。

「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用

あー、しにた。

by ミズハ『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第1話

みもりに比べたらずっと幸せですが、ミズハも死にたいと考えていました。その弱った心を、ノッカーに狙われたのではないでしょうか。

みもり同様、ミズハの体の中にもノッカーが住みついているのです。そして、何か強いストレスがかかったときには・・・。

つまり、母イズミを包丁で刺したのは、ノッカーの仕業ではないでしょうか。

ココア

あっ、そういうことか

さて、ミズハの体にはどんなノッカーが入っているのでしょうか・・・。

そして、ノッカーはなぜ母イズミを刺したのでしょうか・・・。

時文

いや、誰のノッカー、と書いた方が適切か？

ココア

何か気付いた顔してる…

ノッカーは、痛みや苦しみを感じる器である体そのものを嫌っています。

死ねば、その器から解放されます。だから、ノッカーにとっては「死」は歓迎すべき出来事です。死んでファイ(魂)があの世へ行くことは、むしろ彼らが望む結末なのです。

ノッカーにとって ──

苦しみからの解放 ＝ 死

という価値観なのです。

ノッカーがみもりの体に入り込み操れるようになっても、この価値観のもとでは、みもりを生かしたまま救う、という発想は生まれません。

むしろ、「死にたい」と考えた時に入ったことから、みもりを死へと誘導していたのではないかと疑ってしまいます。

少なくとも、そんなノッカーたちの価値観の中に、フシが望むような幸せになる未来はありませんね・・・。

それにしても、引っかかることがあります。
偽にせみもりは、なぜ500年も前のフシの「生きる方に賛成」という言葉を知っているのでしょうか？

(500年前の)ボンシェン救出時、あの場にはノッカーがいなかったはずです。

時文

ノッカーは、フシをずっと監視している？ いや、フシだけじゃなくて…

それとも、ノッカーの情報の有無は関係なく、セリフの妙として意図的に似せたのでしょうか・・・。

いずれにせよ、500年前のフシとの戦いは知っているようなので、ノッカーは長生きしているか、情報の引き継ぎがされているということですね・・・。

ココア

コワッ

靴紐を結んであげたときに少し微笑んだとあったので、みもりは義兄に心を開きかけていると思っていました。

実際は、母親しか見ていなかったのです。

みもりがひろとしに心を開いていれば、少しは救われたのではないでしょうか。

ココア

そうだよ…

それだけ、みもりにとっては母親の存在が大きかったのです。

ココア

ママはママなんだ…

一方で、母みやびにとっては、面倒をみてくれるひろとしがいるのが都合が良かったのでしょう。

普通は、こんな危ない性癖の男に娘の面倒をみさせません(苦笑)。母みやびは、娘に無関心だったので、何の心配もせず自分の都合しか考えていなかったのです。

時文

みもりは母親が大好きだったのに…

まずは、その前の一言から ──

我以外に、奴に一体何ができるってんだ！！
我は、みもりを信じる。

by ひろとし『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

「我以外に、奴に一体何ができる」？ ──
母みやびはそもそもみもりの異変にすら気付いていません。みもりの事情をいちばん知っているのは、兄であり、そばで見てきた自分です。

だから、みもりを助けるのはフシでも他の誰でもなく、”自分しかいない“と考えたのではないでしょうか。

我以外に、奴に一体何ができるってんだ！！
我は、みもりを信じる。

by ひろとし『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

「我は、みもりを信じる」 ──
みもりには母や家庭環境そのものに拒絶反応があるものの、”本当はどこかで生きたいと思っているはず”という意味で信じているのではないでしょうか。

だからこそ、自分が兄として思い出を作り、”生きる側”に希望を与えると宣言までしたのです。

いいや、みもり。
我は今、人生で一番生きてる。

by ひろとし『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

これは、強がりではないでしょう。

「我は今、人生で一番生きてる」 ──
これまで何ら生産性のない日常を送ってきたひろとしにとって、妹を救うために体を張っている。妹を守るために死ぬかもしれない戦いに飛び込んでいる今こそ、生きている実感を得ているのです。

自分の人生を”選んでいる”という実感のピークに達しているのです。

命をかけてでも守りたい存在があるのだと実感しているからこそ、ここまでできる自分を見せて、みもりに”兄を信じてみないか”と誘っているのではないでしょうか。

つまり、ひろとしはみもりに ──
地獄に引き戻したいんじゃない。誰よりもお前の味方として、一緒に生き直したい、ということを伝えたかったのではないでしょうか。

いや、やーっ、死にたくないから、もっと生きたい、楽しいことしたいの！死にたくない！

by 偽みもり『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

おいおいおい、「俺はいつだって死ぬ方に賛成だぜ！！」とか言っておきながら、いざ自分が死ぬことになると死にたくないのです(苦笑)。

ココア

あっ、そうじゃん！！

この言葉から、少なくとも偽にせみもりの浅はかさが分かりますね。

偽にせみもりは、みもりを助けるために人間として生きているのではありません。楽しいことをしたくて乗っ取っていたのです。

時文

楽園は痛みや苦しみこそないが、楽しくない？

だから、フシと初めて会った時、刀をあえて自分に刺し、フシを探して戦いを挑んだのです。

みもりを救いたければ、バレないように大人しくしているのが一番得策。隠すどころか自らバレるような行為をしたこと自体が、偽にせみもりの自分勝手さを物語っています。

一方で、ノッカーにとって死が軽いのも事実 ──

── 見苦しい。一度死んでやり直して。

ムギー！うんわかった！頑張る！

by 偽みもり『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

一度死んでやり直す？

この世界の人間は、死ぬとファイがあの世(楽園)へ行きます。それはノッカーも同じなのでしょう。

でも「やり直す」とは？
まるで、再び人間を乗っ取ることができるような言い振りですね・・・。

やり直すには、この世に戻って来なくてはなりません。あの世へ行ったノッカーが、この世に戻ることができるのでしょうか？

ああ、でも、そうじゃなければ2期であれほど大量のノッカーが発生しないか・・・。

時文

だとしたら、あんな人やこんな人も…

5話時点では走るのもままならない感じでした。体に入った直後だったのでしょうか。ノッカーも最初はうまく体を操れないのでしょうか。

今話のフウナは人間離れした動きを見せています。フシが誰かの体を使うときと同じように、その人の特性を活かしているのでしょうか。

ココア

そういうことか！

一方、偽にせみもりとは違い、フウナは理性を見せています。

── 見苦しい。一度死んでやり直して。

ムギー！うんわかった！頑張る！

by 偽みもり『不滅のあなたへ Season3』TVアニメ第9話

命乞いする偽にせみもりを「見苦しい」と注意するフウナ。死を恐れるノッカーは、理念から外れているのでしょうか？