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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『幼女戦記』第9話「前進準備」を鑑賞しました。
本レビューでは、アニメの感想に加えて原作を読んだ際の気付き、個人的な解説や考察をお届けします。
時文次話以降のネタバレはありません
ご安心ください!
皆さんの理解の助けとなり、作品をより楽しんでいただければ幸いです。
今話の原作
今回アニメ化されたのは──
- 原作ノベル
-
2巻 第七章「前進準備」-3巻 第一章「ひらけ、ゴマ」前半
- コミカライズ
-
14巻39話 - 16巻45話
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- (原作) ターニャは、なぜ列車で移動?
(原作) そんな重要な情報、食堂車で話して良いの? - ウーガ大佐?
- (原作) 作戦中止(撤退)を断ったのは合理的判断!?
- (原作) なぜ11名で突入?
- (原作) ターニャは、なぜ作戦に反対しなかった?
- (原作) ドアノッカー?
降下時にどんな工夫をしていた?
※「(原作)」は、原作情報を根拠の中心にして考察しているトピック
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『幼女戦記』は、カルロ・ゼン先生によるライトノベルが原作です。
私は2017年放送時に最終話まで鑑賞済み。当時、原作・コミカライズは未読でした。
2026年7月の2期放送開始に向け、1期を改めて視聴中。各話のレビュー作成時に、その話分のアニメ化済み部分のみを読んでいます。
原作全体は未読なので、2期以降のネタバレは物理的に不可能です。視聴済みの1期部分も含め、次話以降のネタバレは書かないので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
原作ノベル・コミカライズを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
なお、原作の情報については「原作情報」として区別して記載します。
ココア緑系の色を目印にしてね!
時文ちなみに、考察や解説はオレンジ系です
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際の目安にしてください。
各話リスト
| 話数 | サブタイトル | コミカライズ | 原作ノベル |
| 第1話 | ラインの悪魔 | 1・2巻 | 1巻 |
| 第2話 | プロローグ | 1巻 | |
| 第3話 | 神がそれを望まれる | ||
| 第4話 | キャンパス・ライフ | 2・3巻 | |
| 第5話 | はじまりの大隊 | 4巻 | |
| 5巻 | 2巻 | ||
| 第6話 | 狂気の幕開け | ||
| 6巻 | |||
| 第7話 | フィヨルドの攻防 | ||
| 7巻 | |||
| 第8話 | 火の試練 | 13巻 | |
| 14巻 | |||
| 第9話 | 前進準備 | ||
| 15巻 | |||
| 16巻 | 3巻 | ||
| 第10話 | 勝利への道 | ||
| 第11話 | 抵抗者 | ||
| 第12話 | 勝利の使い方 | ||
| 閑話 | 砂漠のパスタ大作戦 |
※話数:リンクは各話レビューへ
はじめに
帝国はアレーヌ市を取り戻したが、補給路の損傷で正面攻勢継続が不可能となった。参謀本部は敵主力の撃滅を画策する。その作戦とは ──
妙手か、無謀か、破れかぶれか・・・。
天才に金と魔導師を与えたら、人間ロケットの出来上がり!?
マッドサイエンティストシューゲル主任技師再び、後方急襲三度。新型兵器は共和国・・・、否、地獄への直行便!?
どうして、こうなった?
勝てば勝つほど終わりが遠のく泥沼戦争。早く決着付けねば他の列強が黙っちゃいない。
一都市の攻防から国家レベルの戦略へ。この一撃は、戦争終結へ繋がるのか~~な1話!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー『幼女戦記』9話「前進準備」
アバンタイトル
アレーヌ市制圧戦の数日後、参謀本部に向かうターニャは、軍大学同期のウーガ少佐から、作戦局が敵主力を引き込んでの大規模な包囲殲滅戦を計画しているという情報を耳にする。
列車移動
アレーヌ市では自国民保護の大義を守り、直接的排除対象は、敵魔導師に徹底した。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
列車移動中のターニャ。
原作によると ──
大隊は休暇を与えられターニャのみ首都の参謀本部へ呼び出されたようです。
原作には、「機密保持措置とやらのおかげで無線封鎖どころか一等車からでることすら禁じられている」とあります。
「一等車から出ることすら禁じられている」ということは、一等車に出入りできる人は信頼できる人。だから、ウーガ少佐と普通に会話できるのでしょう。
この時代、情報が重要です。敵の動きを如何に早くキャッチするか。逆に言うと、自軍の作戦を如何に敵に悟られないかが作戦成功に大きな影響を与えます。
ターニャ率いる第203航空魔導大隊は、今や帝国の最強カードかつ切り札。重要な任務に関わるので居場所情報すら敵は欲しがるでしょう。ましてや次は何をするのかとなると・・・。ターニャの動向自体が軍事機密級なのです。
よって、重要な伝達ほど、フェイスtoフェイスになるのです。
ところが、当のターニャにとっては、新しい任務ではなく”なぜ呼び出された?”と疑問に思います。呼び出されるような失敗はしていないはず・・・。
その不安が ──
アレーヌ市では自国民保護の大義を守り、直接的排除対象は、敵魔導師に徹底した。いまだ私のお手手は真っ白のはず・・・。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
の心情描写に繋がっているのです。
マクシミリアン・ヨハン・フォン・ウーガ
久しぶりだな、デグレチャフ少佐。
by ウーガ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
ウーガ少佐は、4話に登場した軍大学の同期です。(4話 )
ターニャが後方勤務を勧め、そのようにしたようですが、陸軍鉄道部に勤務していたのです。
4話では、ターニャが(自分が12騎士に入るために)ウーガを蹴落としたように見えましたが、出世頭なようです。
軍大同期の中ではおそらく、一番出世するだろう。自分が大尉に任じられるころには佐官に昇進されていた。戦地勤務組以外ではかなり早いうちに中佐に上がるだろう。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
戦場に出なくても出世する。しかも、鉄道部の次は参謀本部か軍大学の教職とターニャは睨んでいます。これって、ターニャが目指している理想では?(笑)
蹴落とすようなことをせずに、ウーガが勧めたように、ターニャこそ後方勤務を希望した方がお望み通りになったと思うのですが・・・(苦笑)。
包囲殲滅と中央突破
── 敵の主力を引き込み、徹底的に叩く算段らしい。
なるほど。ボナパルトのアウステルリッツか、あるいはカンネーにおけるハンニバルというわけか。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
「ボナパルトのアウステルリッツ」とは?
1805年、皇帝ナポレオン・ボナパルトのフランス軍がオーストリア・ロシア連合軍を破ったアウステルリッツの戦いのこと。
ナポレオンはわざと自軍の右翼の手薄さをアピールし、有利な高地(プラッツェン高地)をあえて放棄して敵を誘い込みました。敵が罠にかかって右翼へ大軍を移動させ、中央が手薄になった瞬間を狙って猛烈な中央突破を仕掛け、敵軍を真っ二つに分断して壊滅させました。
ココア誘い込む部分が、同じだ!
「カンネーのハンニバル」とは?
紀元前216年、将軍ハンニバル率いるカルタゴ軍が圧倒的な兵力差を覆してローマ軍を壊滅させたイタリア南東部カンネーの戦いのこと。
カルタゴ軍5万(混成部隊)に対して、ローマ軍は8.6万の大軍。
ハンニバルは自軍の中央をわざと後退させ、押し込んでくるローマ軍を半円状に包み込みました。そして、自軍の両翼に配置していた騎兵を敵の背後に回り込ませることで、敵を四方から完全に包囲し大勝しました。
ココアこうやってやっつけるってこと?
いやはや驚きました。ライン戦線ほどの規模で、包囲殲滅戦とは。大胆ですが、面白い発想です。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
2つの戦いに共通しているのは、敵を自軍へ誘い込み殲滅させること。その為にはまずは速やかに撤退しなくてはなりません。攻め込むよりは簡単で、被害も抑えられます。でも、できる限り被害は抑えたい・・・。
第203航空魔導大隊は、右翼全体の殿を殿を任されたのです・・・。
ココア右翼全体…えっ、それって凄い敵の数じゃないの!?
その通りです。殿とは ──
帝国軍西方方面軍が無事に後退できるよう、共和国に悟らせない・・・。つまり、共和国軍左翼の注意を引きつけ、攻撃を一身に受けなければならないのです。
第203航空魔導大隊、48人で ──
ココアえっ、ヒドッ!
でも、スゴッ!
Aパート
アレーヌ市を制圧した帝国軍だが、補給路の損傷によりライン戦線での正面攻勢が不可能となった。対策を協議する参謀本部において、ゼートゥーアは敵の戦争継続能力の粉砕こそが終戦への道だと主張し、ルーデルドルフと共に敵主力軍の撃滅計画を進めていると明かす。
持続不可能
アレーヌ市の一件で鉄道網が傷つき、前線への補給状況は困窮。現状での全面攻勢は持続不可能かと。
by 座長『幼女戦記』TVアニメ第9話
ここで言う「全面攻勢」とは、ライン戦線全域に渡って敵に大規模攻撃を仕掛けること。
前話の制圧作戦でアレーヌ市を取り戻したものの、全面攻勢は持続不可能になってしまったのです。
理由は、鉄道網が損傷し全面復旧には時間がかかるのでしょう。
時文そりゃあ、あれだけ盛大に砲撃すればね…
ココア確かに…
よって、このまま全面攻勢を続けると、前線での武器弾薬が不足してしまいます。
そこで、作戦実行のための撤退をすることで武器弾薬の使用を制限し、敵を誘い込むまで時間を稼ぎ、一気に敵を叩こうという算段でしょう。
戦争継続能力の粉砕
パラダイムシフトが必要でしょう。我々が直面しているのは、歴史が始まって以来の世界大戦です。敵の城に攻め入って、”城下の誓い”を結ばせると言った戦前のドクトリンは実現性が乏しすぎます。
── では、どのように勝利を?
勝利ではなく敗北を避ける。これ以外に最後まで立っているのは困難かと。– 中略 –
できるだけ多くの敵兵を徹底して叩き、敵の戦争継続能力を粉砕する。それが戦争終結への唯一の道です。
by ゼートゥーア准将(戦務参謀次官)『幼女戦記』TVアニメ第9話
「ドクトリン」とは、この場合、「原則」「基本方針」という意味でしょうか。
これまでの戦争の勝利条件は、敵の城や首都を落とすことが降伏条件でした。それはもう過去のもの。
現代の戦争は、そこまでしなくても相手の戦争継続能力を奪えば勝利と同義。
これは、ターニャが軍大学時代にゼートゥーア准将に語った考えですね。

早期の講和を模索しつつ、不可能ならば消耗の抑制を第一にします。
– 中略 –
消耗を抑えながら敵の血を流させることで、いずれは帝国の勝利に至るかと。
by ターニャ・デグレチャフ中尉『幼女戦記』TVアニメ第4話
ゼートゥーア准将がターニャの考えを取り入れたのです。
ココアお~~!
でも、これって具体的に何が違うの?
時文いい質問ですね!
では、この考えを取り入れると具体的には何が変わってくるのでしょうか?
簡単に言うと ── 奪うのは国土ではなく兵力ということです。
ダキア公国や協商連合のように圧倒的兵力差があれば、首都や重要拠点を奪うような戦略で勝利できてでしょう。
ですが、共和国のような拮抗した軍事力を持っている国相手に、そのような勝利は期待できません。実際、ライン戦線は押し上げはできているものの、終わりが見えません。むしろ疲弊して、他の列強国に攻め込まれる隙を作りかねません。
そこで、パラダイムシフト。勝利の概念、考え方を変えたのです。
敵国が戦争継続不能になれば、たとえ首都を奪わなくても事実上の勝利。つまり、良い条件で講話できるというわけです。
ココアお~~、確かに!
ただ、これ・・・。
とても整然と話していますが、とんでもないことを言っています。
ココアえっ、そうなの??
国土ではなく、戦争継続能力を奪えば良いとは ──
相手陣地を奪わなくても、敵の物資を破壊、あるいは兵士を倒せば良い。
つまり、敵兵士を徹底的に殺せば良いと言っているのです。
できるだけ多くの敵兵を徹底して叩き、敵の戦争継続能力を粉砕する。それが戦争終結への唯一の道です。
by ゼートゥーア准将(戦務参謀次官)『幼女戦記』TVアニメ第9話
その考えに乗っ取れば、今回の作戦も納得です。
折角勝ち取った戦線をあっさり明け渡すのも、国土が狙いではないから。
偽のプロパガンダを流し ──
現在、我が軍は第三国を通じて偽のプロパガンダを流布しているそうですね。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
── さすがに耳が早いな。
いわく、我々はアレーヌ市のゴタゴタで補給線が崩壊。もはや前線維持も危ぶまれる状況の中、無謀な大規模攻勢を計画していると。それを信じた共和国軍は兵力を集中させるでしょう。
わざわざ共和国の兵力を集め自軍に誘い込むのも、より多くの敵兵を始末するため。
ココアえっ、あっ!
これが、超合理的思考のターニャ・デグレチャフが考え出した帝国が唯一の勝ち残れる道を、ゼートゥーア准将が昇華させた戦略なのです。
しんがり
再び、部隊はライン戦線。
冒頭でターニャは列車で参謀本部へ向かっていましたが、本部の命令はウーガ少佐から教えてもらったとおり、帝国軍後退の殿だったのでしょう。
こちら02!既に半数が脱落!もう長くはもちません!
by ヴァイス中尉『幼女戦記』TVアニメ第9話
あの第203航空魔導大隊の半数が脱落!?殿とはそこまで過酷なのでしょうか・・・。
殿というより、敵の注意を引きつけ続けるために無理しているという感じですね。
今回、帝国軍は撤退作戦を成功させるために、一芝居打っています。
現在、我が軍は第三国を通じて偽のプロパガンダを流布しているそうですね。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
── さすがに耳が早いな。
いわく、我々はアレーヌ市のゴタゴタで補給線が崩壊。もはや前線維持も危ぶまれる状況の中、無謀な大規模攻勢を計画していると。
偽のプロパガンダで、帝国がライン戦線で全面攻勢をするという噂を流しています。
ところが、共和国はにわかに信じられません。鉄道網がズタズタで補給がままならないのに全面攻勢?
そこへ、今回の強行偵察です。
通常、偵察は少し攻撃すれば撤退します。ところが第203航空魔導大隊は気合いが違います。
── 侵入してきたお客さんは?
by 共和国兵士『幼女戦記』TVアニメ第9話
── 強硬偵察隊だ。増強大体規模だとよ!
── 連中が全面攻勢に出るってのも、いよいよ本気かもな。
半数落としても撤退しない。その気合いが、共和国に帝国の全面攻勢を信じさせたのです。
「強行偵察」とは、敵に察知されないように探る隠密偵察とは違い、実際に攻撃をして敵の反応や陣地、物資拠点等を探る偵察のことです。
探られたくない共和国は、敵に合わせて最小限の戦力で挑みます。戦力を悟られないようにするためですね。結果、想定以上に強い第203航空魔導大隊は簡単には落とされません。すると、帝国の狙い通り時間を稼げるわけです。
ココアお~~、そういうことか~~
ただ、強行偵察を偽装している限り、敵を排除すれば前進するしかありません。第1防御より第2防御の方が厳しいです。敵の中心に近づくほど砲撃も敵の数も多くなっていきます。
妙なところで撤退しては、強行偵察自体を疑われ方面軍の撤退がバレてしまいます。
第203航空魔導大隊の損耗を鑑みて中止を許可した司令部。ターニャが断ったのも疑われることを恐れたからです。
このタイミングで中止許可だと?無用に願おう。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
── 何?本気か?
ここで中止しては、欺瞞行動の意図が露呈しかねん。戦線後退を敵に気づかれるわけにはいかない以上、続行する。
と思った私が愚かでした(苦笑)。原作を読んで分かったのは、ターニャ様はもっと論理的に判断していました!
強行偵察による撤退の欺瞞に失敗すれば、殿軍は最後まで踏みとどまって時間を稼がねばならない。時間稼ぎに失敗すれば、そうなればおしまいだ。秩序だった後退ではなく、無秩序に逃げ惑う羽目になる地上軍が、 蹂躙 されかねない。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
先に書いたとおり、敵が強行偵察だと思ってくれている間は、共和国軍は全力ではありません。
ところが、この強行偵察が欺瞞で、実は帝国軍が撤退していると判明すると・・・。敵は全軍を上げて帝国軍を追撃してくるでしょう。
そうなれば、殿は味方を逃がしながら全軍を相手にすることになります。
ココアあっ・・・
はい。
ターニャは、自軍を逃がすために献身的になったのではありません。作戦の成功、ひいては自分の生存確率の高い方を選んでいたのです。
第一作戦は無事完了。全ては貴官の隊のおかげだ。参謀本部を代表し、改めて礼を言おう。
by レルゲン中佐(作戦参謀次官)『幼女戦記』TVアニメ第9話
前項で記したように、攻め込まれてもいないのに領土を手放す戦線撤退は通常ありえません。ましてや命を賭けての第203航空魔導大隊による強行偵察。共和国の誰もが次に来るであろう帝国の全面攻勢を信じました。
その結果、帝国は共和国に気付かれることなく第一作戦(戦線後退)を成功させたのです。
Bパート
第203航空魔導大隊の奮闘により、第一作戦(戦線後退)は無事完了。第二作戦は敵司令部の直接攻撃。しかし、その為には常識を超えた新たな戦術が必要だった ──
V-1

── 私が開発した強行偵察用の特殊追加加速装置。秘匿呼称”V-1″だよ。
迎撃不可能な高高度を追尾不能な速度で飛翔する新型の偵察機材だ。このV-1で敵防衛線を飛び越え、司令部を強襲してもらう。
by レルゲン中佐(作戦参謀次官)『幼女戦記』TVアニメ第9話
なんと、ここで新型兵器登場!
迎撃不可能な高高度を追尾不能な速度で飛翔する新型偵察機。これをもってすれば共和国の防衛戦を飛び越え、司令部を破壊することができるのです!
── 速度や方向の調整はできるのでしょうね?
調整?そんなものは必要ない!ただ、まっすぐ飛べばよい。ただ、まっすぐ進み続ければ良いのだ!
by シューゲル主任技師『幼女戦記』TVアニメ第9話
あれ?
真っ直ぐしか飛ばない・・・。それって偵察機ではなく弾道ミサイルでは・・・、いや人が乗っているので辛うじてロケットか(笑)。
ココア確かに…
── 音速を超えたことによる造波効力の急増や衝撃波の対策は?
空力弾性による振動や衝撃は、魔導師の防殻で対処できるはずだ。できるであろう?できなければおかしい。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
音速を超えるためには機体や翼を細く鋭くしなくてはなりません。ですが、そうすると強度の問題が出てきます(空力弾性)。それを魔導師の力で対処できるはずだと言っているのです・・・。
後で記載しますが、空中分解も、魔導師自身を守るのも防殻。方向自体はカタパルトから発射する際に調整はありますが、飛び上がってからの微調整は、これまた魔導師の力・・・。
完全に、魔導師頼りの代物なのです。
それと、強行偵察用と言っていますが、偵察とは情報を持ち帰るの任務です。今話ラスト、着陸する前に分解して、頭部は砲撃代わりに敵構造物へ落下。帰りはどうするのでしょうか・・・。
ココアあっ!
なるほど ──
片道切符で地獄行きの代物ですよ。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
確かに、片道切符ですね(苦笑)。
敵司令部の場所も3箇所あるとはいえ判明。迎撃も追尾も不能であれば、魔導師を運ぶなんて危険な事をしなくてもミサイルとして使い攻撃すれば良いと思うのですが・・・(苦笑)。
実際に、第二次世界大戦でドイツ軍が”V-1″というミサイル兵器を開発し、実戦に投入していたようです。ただ、到達率は低かったようです。
アニメの秘匿呼称V-1は、これがモデルでしょう。
敵司令部の強襲
さて、選抜中退の諸君。言葉を飾らずに言えば、今回の任務は人間ロケットで敵司令部に突っ込めというわけだ。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
第一作戦である戦線撤退は成功しました。共和国は主力軍を結集し押し上げてきました。これを一気に叩くには敵の混乱が必要です。
第二作戦は、内容自体は単純明快。ロケットに魔導師を乗せてライン戦線の共和国軍司令部を潰せ、というもの。
事前情報を基にした襲撃の対象は3カ所。いずれかが敵のライン方面司令部と目される。ここを刈り取ってしまえば、頭のない軍隊など鎧袖一触だ。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
司令部を潰してしまえば、後は簡単だというのです。
ただ、その司令部を潰すのが困難。それができていればライン戦線は膠着などしていません。その打開策として光が当たったのがシューゲル主任技師の秘匿呼称V-1というわけです。
理由は分かりましたが実際問題無茶苦茶ですね・・・。
ココアうん…
原作によると、参謀本部でもそんな作戦はナンセンスだと喧々諤々の様相だったようです。
成功確率があまりにも低すぎが、成功した場合の効果はあまりに魅力的。ましてやターニャ・デグレチャフ少佐率いる第203航空魔導大隊であれば成功はしなくても打撃を与えてくれるのではないか、と。
とはいえ、失敗した場合、虎の子である第203航空魔導大隊を失ってしまう。他の魔導部隊を使うか?
だからこそ、参謀本部は期待しつつも 躊躇うという二律背反に苦しんだ末に一個中隊規模の投入を決断する。それは投入できる戦力と、必要とされる数を勘案しての結果だった。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
ターニャの第203航空魔導大隊は、4つの中隊からなる大隊です。今回の任務は一個中隊12名で行うことで失敗した場合の損耗を押さえることにしたのです。
貴官ら11名の中に、ロケットでの投射を楽しめる者は数少ないと思われるが、やるしかない。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
ココアお~、だから11名って言ってたんだ!
反対できない
安全な後方で出世するはずが、どうして・・・。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
こんな無茶な作戦、なぜターニャは反対しなかったのでしょうか?
もちろん心の中では反対していたでしょう。でも、表だっては反抗していません。命令には逆らえないから?
そうかもしれません。が、そうだとしても安全の確保、技術の担保、その為の期間延長等、ターニャであれば少しでも有利に持っていけたはずです。
あがきどころか、その対応をしていないことが不思議でした。
原作を読んで分かったのは ──
ターニャもこの作戦の有用性を理解しているのです。
(机上だと思われるが)技術的にも熟慮され、参謀本部を納得させられるだけの証明をしてみせた。
共和国との均衡状態を打破するには、この作戦しかない。いや、この作戦を見てしまっては、否定できない。
そして、実行できるのは新型演算宝珠エレニウム九七式を持つ第203航空魔導大隊しかありえない。
ターニャは合理的に物事を考え、判断します。それだけに今回の案が最適だと分かっているのです。
原作では、「損切り」とまで記載されています。
つまり、たとえ自分たちの命を使ってでもやる価値はあると理解してしまったのです・・・。だから命令を受け入れたのです。
ココアスゴッ!
でも、なんだか悲しい…
その結果が ──
安全な後方で出世するはずが、どうして・・・。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
というセリフに繋がるのです。
他方、本作戦に臨むにあたり、ターニャは可能な限り対策を打っています。機器の徹底的な安全確認、実機演習まで要望していました。
ですが、秘匿性の観点から実機演習だけは認められず。その代わり、「追加加速装置の整備は殊更念入りに」行うよう要請したのです。
それが、次のセリフ ──
戦友諸君、私は神ではなく、参謀本部を、論理と知性の牙城を信ずる。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
信じるのは、神ではなく参謀本部や帝国の技術陣だと言ったのです。
ココアおお、さすがターニャ!
その結果、途中で空中分解することなく敵司令部まで到達できたのです。
作戦開始
何があろうと死ぬわけにはいかない!生きて絶対に、絶対に終わらせる!
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
V-1が飛び上がると、基本、ターニャ達はやることがないようです。
ひとたび射出された後、魔導師に出来ることは殆ど何もない。やるべきことといえば、防御膜と防殻を維持し続けるだけだ。設置されている操縦桿で可能な操作は精々突入角度を調整する程度。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
方向調整ができるといっても、数ミリ程度だそうです。本当にロケットに乗って運ばれているという状況なのです。
ドアノック
ドアノッカー分離!
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
ドアノッカー?
ドアノッカーとは、西欧で見かける玄関の扉に付けられた金具。ノックの代わりにリングを上下させて音を出す物です。
そんなドアノッカーがなぜここで!?
原作を読んで分かりました ──
そういうわけで、帝国からお邪魔するターニャらの部隊はまず礼儀正しくドアをノックする。
– 中略 –
音速を超えて突っ込んでゆくV-1の残骸だ。それは相当の物理エネルギーを持っていることはいうまでもないだろう。どんな地下ブンカーで寝ていても、飛び起きること間違いなしと科学者らが請け合ってくれる人類史上最高のドアノッカーだ。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
なんと、本当にドアをノックするという意味で名付けていたのです(笑)。
V-1は、単にターニャ達を運ぶだけではなく、機体自体が司令部を攻撃する兵器になっていたのです。残骸は鉄の塊。先端部分は音速を超え、その物理エネルギーだけでも相当な物。隕石をイメージすれば分かりやすいですよね。
ココアお~、面白い!
降下
各員、非魔導依存降下だ!
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
非魔導依存降下とは、魔導を使わずに降下すること。7話で、ノルデンのオース・フィヨルド奇襲時も使った方法です。(7話 )
今回は更に巧妙になっていました。
同時に、オマケとばかりに空になった燃料タンクや乗員保護具なども欺瞞を兼ねてロケット本体からばら撒き始める。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
それにまぎれてターニャら、魔導師は降下。
落下物に気付いても、一見、V-1が空中分解してその部品が落ちてきたのだと勘違いさせ、その中に紛れてターニャ達隊員が降下する作戦だったのです。
魔導を探知されないように、非魔導で降下。
通常ならば九八〇フィート程度でパラシュートを開くのだろうが我々は魔導師。二五〇程度で直前に減速し、ほとんど部品と同じ速度で降下。そうすることによって、発見されるリスクを極力下げる努力が払われている。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
結果、部品と同じ速度で落ちてくるので隊員は部品に紛れるのです。
大体、ミサイルに人が乗っているなんて想像しないですからね。通常は降下してくるなんて思いません(笑)。
魔導師は防御膜で落下の衝撃を耐えしのげます。だからパラシュートを開くのも極限まで遅らせることが可能なのです。
こうして、敵司令部への突入を成功させたのです。
とはいえ、降下が描かれたのはターニャのみ、他の隊員は?
V-1の残骸は敵司令部らしき建物に当たってはいますが、壊滅的とは言い難い。あくまでドアノック(笑)。本格的な司令部攻撃はここからなのです!
ココアおお~~、めちゃ楽しみ!
時文次話を早く!
初脱落者
タイヤネン准尉の傷痍退役をご報告させていただきます。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
傷痍退役とは、怪我による退役のこと。
今話前半、撤退作戦の殿を務め、第203航空魔導大隊は多大な被害を受けました。遂に退役者が・・・。
と思いましたが ──
まさか腐ったジャガイモで部下を失うことになるとはなあ・・・。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』TVアニメ第9話
戦闘ではなく食べ物によって、だそうです(苦笑)。
「失う」と言っていますが亡くなったのではありません。悪性の食あたりでキチンとした病院で療養が必要だから退役せざるを得ませんでした。
原作では、このタイミングではなくもう少し早い段階です。その補充としてグランツ少尉が第203航空魔導大隊へ配属されました。(8話 )
今話前半、撤退作戦終了後、グランツ少尉がヴィーシャに包帯を巻いているシーンがありました。
指揮官は自分。だから部下が責任を負う必要はない。ひょっとしたらそんな意図があったのかもね。
by ヴィーシャ『幼女戦記』TVアニメ第9話
その手前のベッドで、重症患者がいるような描写がありましたが、よく耳をすますと ──
腹が!腹がー!
── 准尉!タイヤネン准尉!
by タイヤネン准尉『幼女戦記』TVアニメ第9話
はい。
撤退戦の後だったので、戦闘で傷ついたのだと思っていましたが、これが食あたりによる被害だったのです(笑)。
だから ──
── まさかセレブリャコーフ少尉に慰められるとは思いませんでしたよ。
はあ?何それ!
by ヴィーシャ『幼女戦記』TVアニメ第9話
二人は、気にせず会話して笑っていた、とも言えますね(笑)。まあ、だとしてもシュールですが(苦笑)。
とはいえ、あれだけの戦闘です。脱落者も半分以上いたような感じです。実際の被害はどんな状況だったのでしょうか?
原作に記載がありました ──
おかげで、頑丈な我が隊の魔導師ですら脱落者を多数出している。死者こそ未だ皆無だが、戦線復帰が絶望的な面々も少なくないだろう。やはり、募集時に絶えざる危険と正直に書いておいて良かった。
by 『幼女戦記』原作ノベル2巻
なんと、死者はゼロだったのです。
ただ、負傷して前線での戦いを続ける事は不可能。隊員の入れ替わりは行われています。
それでも、死者なしは凄いことです。それで、アニメのようなCパートにしたのでしょう(笑)。
おわりに (『幼女戦記』9話とは)
今作最高の引きで終わった今話。
神の思し召しか、時代の寵児か、追い詰められた帝国が打った起死回生の一撃か。
ターニャが優秀であればあるほど期待は高まり、無茶な作戦でも成功させてくれるのではないかと頼ってしまう。
後方で安全な生活を望んでアピールしてきたはずなのに、毎回命懸けの任務に就かされる皮肉なドラマ。これは現代のサラリーマンでも見られる、優秀な人には仕事が集まる法則!(笑)
一方、コミカライズ、原作ノベルを読んで分かったのは、今話もかなり端折ってアニメ化されていること。正直、前半の西方方面軍撤退作戦だけでも1話できるのでは?と思う程です(苦笑)。
帝国はどんなプロパガンダをして共和国を騙したのか。第203航空魔導大隊がどれだけ長い時間、殿を務めたのか。共和国の防衛線をどこまで突破したのか、そしてその時の敵の心境は、被害は等々。
勿体ない!
毎話言っている気がしますが、アニメ鑑賞後に、コミカライズ、原作ノベルを読む。それぞれ新しい発見が楽しめる。なかなかこんな作品ありません。おかげでレビューを書くのに時間がかかってしまうわけですが・・・(苦笑)。
いや~~兎にも角にも早く続きが見たい!
以上、TVアニメ『幼女戦記』第9話の感想&考察レビューでした。長文にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました。
次話のレビューも書く予定です。
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— 時文@(幼女戦記レビュー中)ここアニ管理人 (@toki23_a) June 19, 2026
妙手か無謀か破れかぶれか
シューゲル主任技師再び、後方奇襲三度
新型兵器は共和国…否、地獄への直行便!?😱
勝てば勝つほど終わりが遠のく泥沼戦争
一都市の攻防から国家レベルの戦略へ
その勝利は戦争終結へ繋がるのか~~
ターニャ、行きます!
次、早う!😆
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