【文字数(本文):約1万文字(目安16分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
『劇場版 幼女戦記』を鑑賞しました。
本レビューでは、劇場アニメの感想に加えて原作を読んだ際の気付き、個人的な解説や考察をお届けします。
時文2期以降のネタバレはありません
ご安心ください!
皆さんの理解の助けとなり、作品をより楽しんでいただければ幸いです。
今話の原作
今回アニメ化されたのは──
- 原作ノベル
-
3巻 第五章「内政フェーズ」中盤-4巻 第四章「再編」中盤
- コミカライズ
-
21巻61話-32巻105話
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- (原作) 欺瞞情報は仕返し!?
- なぜ休む間もなく偵察任務?
- (原作) 連邦はなぜ参戦してきた?
- コミーとは? 赤の広場に民間セスナで着陸とは?
- (原作) メアリー・スーは登場していない!?
- (原作) 帝国国旗と撮影機材はどこで手に入れた?
※「(原作)」は、原作情報を根拠の中心にして考察しているトピック
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『幼女戦記』は、カルロ・ゼン先生によるライトノベルが原作です。
私は2017年放送時に最終話まで鑑賞済み。当時、原作・コミカライズは未読でした。
2026年7月の2期放送開始に向け、1期から改めて視聴中。各話のレビュー作成時に、その話分のアニメ化済み部分のみを読んでいます。
原作全体は未読なので、2期以降のネタバレは物理的に不可能です。視聴済みの1期部分も含め、次話以降のネタバレは書かないので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
原作ノベル・コミカライズを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
なお、原作の情報については「原作情報」として区別して記載します。
ココア緑系の色を目印にしてね!
時文ちなみに、考察や解説はオレンジ系です
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際の目安にしてください。
シリーズ各話リスト
| コミカライズ | 原作ノベル | |
| 劇場版 | 21 – 32巻 | 3・4巻 |
はじめに
統一暦1926年。デグレチャフ少佐率いる帝国軍第203航空魔導大隊は南方大陸で共和国軍残党を潰す任務を終えた。休暇を期待していた彼らを待ち受けていたのは、参謀本部からの新たな任務だった。
怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。
おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。
by フリードリヒ・ニーチェ
TVアニメ『幼女戦記』1期から2年後に公開された『劇場版 幼女戦記』は、完全なTVアニメ最終回からの続編です。
続きであるなら、南方大陸での戦いがたっぷり描かれると思いきや、わずか5分で終了。その後、東部方面の連邦との戦いが大半を占めますが、メアリー・スーがおいしいところを全部持っていった感じです(苦笑)。
ターニャは合理主義を戦争に持ち込んだ化物。メアリー・スーは父親を殺された娘が復讐のために力を得た怪物。この両者の激突が規格外で、劇場版ならではの圧巻な空中戦には魅了されます。ただ、主人公側が勝利してもやるせない気持ちになり、心が満たされない。そんな複雑な感情を味わえる劇場版です。
時文これが戦争か…
アニメ鑑賞後、コミカライズと原作ノベルも読みました。すると、とんでもない量が進んでいました・・・。
時文原作ノベルはほぼ1冊分、コミカライズは約11冊分も!
ココアそんなに!?
考えてみれば、劇場版は約1時間半あります。TVアニメ本編は約23分。単純計算で4話以上。相当な量が進んで当たり前です。
ただ、カットされた部分が多々ありました(涙)。全部は拾いません。重要な部分のみを紹介します。
もちろん、作品の感想・解説・考察は書きますよ!
では、劇場版を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー『劇場版 幼女戦記』
南方戦役
統一暦1926年。ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる、帝国軍第203航空魔導大隊は、蜂起した共和国軍残党を一掃するために南方大陸へと赴いていた。
帝国最良の時代
あの時代、帝国は圧倒的超大国でした。協商連合、ダキアに続き共和国をも撃破。その残党こそ、南方に取り逃がしましたが、大陸に覇を確立しました。“帝国最良の時代”と呼ばれる最大領域を支配したのです。
by WTN特派記者アンドリュー『劇場版 幼女戦記』
冒頭で描かれたのは1966年。1期最終話が1926年なので、40年後です。40年前の大戦を振り返っているのです。

TVアニメ『幼女戦記』1期終盤、第203航空魔導大隊の秘匿呼称V-1による共和国軍司令部強襲から始まった帝国軍の作戦は成功を収め、共和国に大打撃を与え首都パリースィイを制圧しました。

帝国はヨーロッパ大陸の覇者となりその勢力を更に拡大していくと思われたのですが・・・。40年後の評価は、この時が帝国の”最大領域”!?
共和国に勝った1926年時点が帝国の”最大領域” ──
つまり、これ以上は帝国領土は広がらない。今後は、帝国が戦争に勝ったとしても占領下に置くことはない、といっているのです。
『劇場版 幼女戦記』でも、南方大陸や東部方面での戦いを描いていますが、自由共和国や連邦には勝てない、あるいは勝利しても領土は奪えない、ということになります。
ココアあっ、そうじゃん!
こんなに堂々とネタバレをするものでしょうか?それともミスリードでしょうか・・・。
意趣返し
狙い通り、欺瞞情報で敵を穴蔵から誘引しました。あとは包囲撃滅するのみです。
by ビアント中佐(自由共和国)『劇場版 幼女戦記』
珍しく、ターニャが敵の作戦にまんまとハマり、勝負は決したと思われました。
原作によると、これは旧共和国軍による意趣返しのようです。
分散進撃するという偽報で敵を誘引。そして、集結した戦力で包囲撃滅寸前。ライン戦線で帝国にしてやられたことの、お返しを此方がしてやるのだという自負は参謀らどころか将兵一同を大いに活気に満ち溢れさせるに足るものだ。
by 『幼女戦記』原作ノベル3巻
ライン戦線で、共和国が帝国にやられた作戦を、今度は帝国に仕掛けたのです。
ところが、その作戦がかえって自由共和国軍司令部を叩く作戦変更を誘引してしまう・・・。
ド・ルーゴ将軍は、またしても、ターニャ率いる第203航空魔導大隊にしてやられたのです!
だから、こんなセリフを最後に残したのでしょう。
おのれ!またしてもラインと同じか!
by ド・ルーゴ将軍(自由共和国)『劇場版 幼女戦記』
東方方面の脅威
本国へ戻り休暇を期待していた第203航空魔導大隊だったが、特命によりすぐさま東方の連邦領内への越境偵察へ向かう。同じ頃、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が足を踏み入れていた。
昇進
ご苦労。南方でも見事な武勳を挙げたな。
by レルゲン大佐『劇場版 幼女戦記』
早速レルゲンがお出迎え。レルゲンは、いつの間にか大佐へ昇進したようです。
レルゲンは、南方大陸への支援とイルドア王国との折衝の功で大佐へ昇進したようです。
南方大陸への支援で昇進するなら、先の共和国軍司令部強襲と南方大陸での功績でターニャこそ昇進して然るべきだと思うのですが・・・。既に、異例の早さで昇進しているので据え置きされたのでしょうか(苦笑)。
一方、第203航空魔導大隊の隊員達は叙勲や昇進の対象になっているようです。
レルゲンが直々にターニャの元へ来るのは、何か命令を持ってくる時だと相場は決まっていると思いますが・・・。
それだけ、ターニャは砂だらけの南方大陸から本国へ戻れたことが嬉しくて浮かれていたのでしょう(苦笑)。
新たな任務
それでは、早速実務について話を進めよう。
by レルゲン大佐『劇場版 幼女戦記』
輸送についてだが、鉄道部のウーガ少佐は知っているな? 彼は戦略偵察部のルドルフ大尉だ。
第203航空魔導大隊の状態が任務に支障が無いと確認すると、すぐさま次の作戦が・・・。
あまりに用意周到、そこまでして待ち構えていたのか・・・。
いや、逆ですね(笑)。
連邦への越境偵察。一歩間違えると政治的にややこしいことになってしまいます。超極秘で難解な任務を普通の部隊には任せられません。
そこで、第203航空魔導大隊に白羽の矢が立ち、急遽南方大陸から呼び戻したのでしょう。
ココアあっ、そういうことか!
だから、南方大陸で、敵自由共和国軍司令部を叩いた時 ──
とはいえ、我々には本国への帰還命令が出ているのだったな。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『劇場版 幼女戦記』
作戦の成功失敗とは関係なく、事前に「本国への帰還命令」が出ていたのです。
ココアおお、そうじゃん!
極秘任務なので公には言えず、事前通達も不可。だから、レルゲン大佐が偵察部を連れて依頼に来たのです。その際、南方大陸から戻ったばかりで次の任務が可能かどうか判断することも含めて。
なのに、ターニャはようやく砂まみれの南方大陸戦線から解放され、本国へ戻ってゆっくりできると少し油断していたのです。
不審な動き
アニメではさらっとターニャが隊員達に任務を告げていますが、原作ではターニャ自身も任務の真の目的を上空で知ります。
では、なぜこんな不可解で強引な形で任務を伝えたのでしょうか?
第一警戒線にて連邦軍部隊の活性化が報告された。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『劇場版 幼女戦記』
連邦とは、地図に照らし合わせると現実世界のソ連(ソビエト社会主義共和国連邦(1922年 – 1991年))のことでしょう。あの巨大な国が遂に動き始めたというのです。
原作では、ターニャはなりふり構わず越境作戦を指示したことからも、事の重要性と、実際に危機が迫っていることを確信しています。
一方、帝国軍参謀本部は、西方方面で共和国軍に侵攻され遅れを取りました。(1話 ) 同じ轍を踏んではならないと、東方方面では警戒を怠っていなかったのです。
そして、その兆候があると見るや手を打つ。
コミカライズでは ──
各戦線を見てきた我々の嗅覚、多様な作戦に対応してきた経験値、実効力としての代替の練度、そして代替構成員の東部方面への土地勘。
この任務にあたって、中央参謀本部の手駒の中で、我々第203航空魔導大隊以上に適した部隊はない。それほどまでに事態は深刻だということだ。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『幼女戦記』コミカライズ25巻
ターニャは、状況および第203航空魔導大隊に任された理由に納得しています。
他方、まだ連邦との戦争は始まっていません。無断で連邦の領域に軍人が入るのは許されません。だから ──
ただ今から、演習中の偶発的なミスにより、連邦領へ越境偵察を行う運びとなった。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『劇場版 幼女戦記』
ミスを装い連邦領へ入るのです。
かなりリスキーな作戦です。バレてしまうと先に手を出した見なされ、帝国が政治的不利になりかねません。だから、ターニャは、連邦から攻撃させるよう厳命したのです。
保身
一方、連邦は、なぜ今頃になって帝国に宣戦布告したのでしょうか?
帝国が連邦に侵略してこないのであれば、わざわざ戦争をする必要はありません。現に、これまで参戦しなかったのは自国に影響がなかったからでしょう。
帝国と戦争をしたいのであれば ──
多国籍義勇軍を受け入れるくらいですから民主主義国との連携は取っているのです。ならば西方で共和国が苦戦している時に、東方から攻めれば効果的だったはず。今でも連合王国と歩調を合わせれば、北東から同時に帝国を苦しめることができるはず。
なぜ、連邦は今になって帝国へ宣戦布告したのか?その辺がアニメでは一切描かれませんでした。
原作では、時折触れています。
まず最初に、やはりと言いますか、ロリヤが書記長ヨセフにけしかけています。
帝国は危険です。まるで猛獣が如く四方に噛みつき逃げたネズミを血の臭いを嗅ぎ分ける狼さながらに追跡し南方大陸を血で染めている。
– 中略 –
今がチャンスです。千載一遇と言っても良いでしょう。
by ヨセフ書記長(連邦)『幼女戦記』コミカライズ23巻
帝国の目も鼻も牙も舌も、血塗られた爪も銃口も何もかも、こちらには向いておりません。この機を逃せば、帝国は育ってしまう、熟してしまう。そうなってはもう二度と機会は訪れません。
帝国の意識が連邦へない今こそがチャンスだと訴えたのです。
それに対し、ヨセフ書記長は ──
偉大なるルーシーを結束させ、この連邦を力強き紐帯で結ぶには、あと何が必要かを私は常に考えていた。同志諸君、ルーシー連邦に必要なものは勝利である。我々は戦いによって我々を成長させ、戦争によって我が祖国に栄光をもたらす。人類の偉大なる先駆者、我ら共産主義が邪悪なる帝国主義を打倒する。これにより世界は我らに目を向け、そして多くの民族国家が我らに続き、我らの同志として繁栄していくだろう。
by ヨセフ書記長(連邦)『幼女戦記』コミカライズ23巻
なんと、連邦を更に結束させるために、帝国に戦争を仕掛けると言っているのです・・・。
二人とも、それっぽいことを言っていますが、要は保身ですね。
人民のことを心配しているような素振りを見せていますが、自分自身を最優先に考えています。自分の地位や境遇を失いたくないから、帝国のような厄介者は一刻も早く排除しておきたいのです。
連邦に魔導師がいないのも同じですね。反乱を起こさせないためにも人民に力を持たせたくないのです。
ココアお~、そういうことか~
コミュニスト
コミーの防空能力のなさは折り紙つきだよ。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『劇場版 幼女戦記』
ターニャのセリフに何度も「コミー」という単語が出てきますが、これは共産主義者(コミュニスト)のこと。
赤の広場に民間セスナで着陸できると保証しよう。
── 赤の広場?
by ターニャ・デグレチャフ少佐『劇場版 幼女戦記』
── セスナ?
「赤の広場に民間セスナで着陸」とは ──
1987年、西ドイツの19歳のアマチュアパイロットが、セスナでソビエト連邦の赤の広場に着陸した事件のこと。
ソ連はたまたま記念日で警備が手薄だったものの、セスナに気付かなかったわけではありません。モスクワどころか遙か北西のエストニアに侵入した時点で気付いていました。
ただ、攻撃できなかったのです。理由は、1984年に起きた大韓航空機撃墜事件の影響で、ソ連は世界中からバッシングを受けていたからです。
この時は戦時ではないので、今回の場面では比較にはなりません。ですが、冷戦時代です。東西に緊張感が走っている最中に、許可なく西側である西ドイツ人が操縦するセスナ1機がモスクワまで辿り着けたのは、どれだけ衝撃を与えたかは想像に難くありません。
当時の新聞では「西ドイツのアマチュアパイロットに着陸され、ソ連軍赤っ恥!」と報じられたそうです・・・。
1987年に起きた事件なので、作品内での1926年では誰も知るはずもありません。だから、ヴァイスとヴィーシャに意味が通じなかったのです(笑)。
首都モスコー
連邦が帝国へ宣戦布告、戦争が始まった。東部方面への支援依頼に、ターニャは逆に連邦首都モスコーを襲撃すると言い出す。一方、連邦側の多国籍義勇軍には、父の仇である帝国への復讐を誓う少女、メアリー・スー准尉の姿があった。
派遣義勇軍
── スー准尉、何をしている。
奴らの行為を見過ごせません。出撃します。
by メアリー・スー准尉『劇場版 幼女戦記』
1期12話終盤で、合衆国で義勇派兵部隊に志願したメアリー・スーが、連合王国主導の多国籍義勇軍として連邦軍へ!?
メアリー・スーが軍に志願したのがいつかは正確には分かりませんが、1年も経っていないはず。全くの素人が、訓練したからといって前線、それも合衆国の威信を背負って出動するものなのでしょうか?
疑問はそのとおりで、これはアニメオリジナルでした。
原作ノベルでは、彼女はこのエピソードでは登場しません。それどころか『劇場版 幼女戦記』で描かれたエピソードには、メアリー・スーは一切出てきません。
ココアえっ、そうなんだ!
劇場で映えるために分かりやすくアクション中心の敵を登場させたのだと思われます(苦笑)。

原作ノベルでは、義勇軍の参入はありません。ターニャ達は楽々作戦を成功させています。
一方、コミカライズでは、アニメ同様、義勇軍が割り込んできます。ただしそこにいるのは、ドレイクの甥ウィリアムだけです。ウィリアムが叔父の仇であるターニャに向かっていきます。
では、メアリー・スーは何をしているのかというと ──
連合王国で訓練中。ただ、囮作戦に参画し、そこで不運にも帝国のエース・オブ・エースに遭遇してしまいます。そこでメアリー・スーの力が覚醒し、なんと勝利してしまいます。
エース・オブ・エースガ堕とされた帝国は意気消沈します。そこでターニャは、暗いニュースを吹き飛ばすような衝撃的な戦果が必要と考え、連邦首都モスコーで大胆な策に打って出るのです。
ココアお~、そういうことか!
時文これは、納得感あるよね!
コミカライズは上手い解釈をしています
ココア確かに、説得力ある!
プロパガンダ
そうだ、貴官のためにも一つ趣向を凝らしてみよう。土地勘があるなら観光案内をお願いしたい。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『劇場版 幼女戦記』
連邦首都モスコーの主要政府施設を破壊するだけではなく、帝国国旗を立て軍歌を歌い、撮影をする。とんでもないことをしでかしたターニャ達。
にしても一体全体、帝国国旗や撮影機材はどこから調達したのでしょうか(苦笑)。
ココアそれ思った!
原作を読んで、その疑問は解消しました。
さてこの場合は、コミーはプロパガンダが大好きで映画が大好きで、ついでに検閲が大好きであることを知っていれば話が簡単になる。
– 中略 –
撮影用機材もそこから拝借できれば最高だ。
by 『幼女戦記』原作ノベル4巻
『一体どこから?』
『コミー御自慢の映画撮影所だ。連中、反帝国プロパガンダに使う国旗くらい持っているだろうよ』
なんと、連邦がプロパガンダ用に反帝国の映画を作っていたので、映画撮影所に行けば帝国国旗も撮影用機材も手に入ると推測したのです。
映画撮影所へ行くために、土地勘のあるヴィーシャに聞いたのです。
結果的に、この侮辱行為が連邦との講話を阻み、帝国へ一歩も引かない姿勢に繋がるとは知らずに・・・。
ココア戦争終わらせるつもりが講話の糸口を潰したんだね…
ティゲンホーフ市
首都モスコーを襲撃したものの、連邦の侵攻は止まることはなく帝国東部方面を物量で押し込んでいた。そんな中、参謀本部は、第203航空魔導大隊へ孤立したティゲンホーフ市の救出を命ずる。
物量攻撃
母なる大地が生んだ圧倒的な兵力。そして、技術力の粋を結集した航空機!さらに、忌々しい帝国主義のまじないではありますが、多国籍義勇軍なる部隊も投入可能です。
by ロリヤ内務人民委員(連邦)『劇場版 幼女戦記』
これらのあらゆる手段をもってして連中をなぶり攻めたて蹂躙してやろうではありませんか!
ついに、連邦を本気にさせてしまった・・・。
否、ロリヤが個人的な性癖で軍を私的利用!? これまでは恐怖と憎しみで向かってきましたが、とうとう癖で軍を動かす輩が現れたのです(苦笑)。
でも、結果的にそれがターニャら第203航空魔導大隊を苦しめることになるのです。圧倒的物量との戦い。これが世界と戦うということなのです。
ただ、この力押し ── ターニャが戦死してしまっては、ロリヤのターニャを手に入れるという目的は達成できない気がしますが・・・。
ココア・・・そうじゃん!
戦闘狂
ドレイク中佐殿、対帝国戦ですね。私達も戦えるのですね?
── 本国の命令と許可の範疇でだ。
by メアリー・スー准尉『劇場版 幼女戦記』
帝国と戦えることを喜ぶメアリー・スー。って、もう戦えるほど回復したのですね(苦笑)。
原作でもコミカライズでも、先の連邦首都モスコーでメアリー・スーは登場していないので、もちろんティゲンホーフ市の戦いにも出番はありません。
それどころか、首都モスコーでの戦いで多国籍義勇軍は壊滅。ティゲンホーフ市の戦闘には多国籍義勇軍は参加していません。
総攻撃に多国籍義勇軍が参加するのは『劇場版 幼女戦記』オリジナルです。
なぜここに!?敵司令部への攻撃は!?
by ウィリアム・ダグラス・ドレイク中佐(多国籍義勇軍)『劇場版 幼女戦記』
メアリー・スー准尉は、ターニャの姿を見つけるや命令を無視して引き返してきます。
── 光学系術式!? とんでもない魔力反応です!
はっ、狙いは私だけか。
by ヴィーシャ『劇場版 幼女戦記』
市街地にもかかわらず、大技を繰り出すメアリー・スー准尉。
この光学系術式1発で、どれだけの非戦闘員、あるいは一般市民の試算を破壊したのでしょうか・・・。
時文市民は避難させてるかな?
感情で動く正義(メアリー・スー)よりも、冷酷だが計算された悪(ターニャ)の方がよほど人間的で理知的に見えてくるという皮肉な逆転現象が起きています。
父親の仇を討ちたいのは分かりますが、ドレイク中佐にあれだけ指摘されたのに、帝国軍と見るや命令を無視して突進する・・・。
作戦への影響、味方の損害や、(帝国側の)一般人の被害を考えていないのでしょうか?
メアリー・スーの行動原理が完全に復讐一辺倒になっています。
普通に考えれば、父親を奪われたメアリー・スーは悲劇のヒロイン。敵とはいえ同情してしかるべき立場ですが・・・、彼女には全く共感できないですね(苦笑)。
行動が軍人ではなく完全に私怨です。作戦の成功も、仲間の危険性も全く気にしていない。目的はターニャだけ。
どれだけ強くても、私はこれでは共感できません。不愉快極まりないキャラクターですね。正直、劇場版で退場して欲しかったですが、先に記載した通り、そもそも原作ノベルでまだ登場していないので死亡させるわけにはいかないでしょう(苦笑)。残念。
TVアニメ1期では、アンソン・スー大佐をラスボスに配置。劇場版ではその娘メアリー・スー准尉を、ターニャの対抗馬に据える。
どうやら(劇場版を含む)アニメ版『幼女戦記』は、個人の感情や復讐心がどれだけ大きな力を発揮するか、という点に重きを置いているようです。

戦争に個人的な感情だと? バカバカしいにも程がある。
私としたことが、これでは似たようなものか・・・。
仕事だ、感情は抜きだ。理性に基づく自由意志において殺そう。
by ターニャ・デグレチャフ少佐『劇場版 幼女戦記』
考えてみれば、ターニャ自身、ここまで基本的に感情(好き嫌い)で行動指針を決めてきました。
ココアそうじゃん!
時文いつも思い通りになっていないけどね(苦笑)
とは言え、組織の論理を優先してきました。命令違反なんて以ての外です。
原作ノベルでは、個の力がどれだけ強くても国家間の戦争、大きな歴史の流れを変えることはできない歯痒さを描いています。
アニメは視覚も後押してか、メアリー・スーの力はあまりに強大。
敵上層部の思惑通り動けば帝国軍など恐るるに足らずと見えてしまうのは気のせいでしょうか(苦笑)。コミカライズと原作ノベルを合わせて読むと、決してそんな事はないと思うのですが・・・。アニメはアクションを多めにしているが故の影響でしょうか・・・。
メアリー・スーの1期最終話の宣言を聞いて、メアリーは反帝国の最後の希望になると思ったのですが・・・。劇場版での変化を見るに、自滅の道を辿ってしまうような気がするのは私だけでしょうか・・・。
おわりに (『劇場版 幼女戦記』とは)
劇場版という、まとまった単位で見るとよく分かりますが、アニメ『幼女戦記』は、濃密な原作をかなりシンプルにして視聴者に分かりやすくしています。アクション主体にしているのも劇場版ならではでしょう。
一方、コミカライズはコミカライズで面白いアプローチをしています。アクションを主体にしているのはアニメと同じですが、原作よりもっと個人にフォーカスして、さらにオリジナルキャラを登場させて、原作ノベルより個にフォーカスしてエピソードを描いています。
アニメとコミカライズ双方の違うアプローチ作品を味わうことで、より原作ノベルを楽しめるという面白い構造になっています。
願わくは、完結まで描いてほしいものです。※原作ノベルは現在も完結していません
遂に、帝国は連合王国、連邦、自由共和国と三方面の戦争を抱え込むことになりました。帝国はこの戦争に勝てるのか、否、無事に終わらせられるのか。
兎にも角にも、まずは2期ですね!
以上、『劇場版 幼女戦記』の感想&考察レビューでした。長文にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました。
2期のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越しください。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
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ココアこれで毎日ケーキ食べられるかな!?
時文(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!
今週のX感想ポスト
#幼女戦記 劇場版
— 時文@(幼女戦記レビュー中)ここアニ管理人 (@toki23_a) July 7, 2026
怪物と闘う者はその過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ(by ニーチェ)
ターニャは合理が生んだ化物
メアリーは戦争が生んだ怪物
勝てば勝つほど、遠のく終戦
全てを狂わせるのは、やはり戦争そのもの…
お腹一杯の圧巻の空中戦以上に、勝ってもやるせない皮肉で胸一杯の劇場版😆
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アニメ『幼女戦記Ⅱ』のレビューはこちら!
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