こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『不滅のあなたへ』第16話、鑑賞しました。
本レビューはSeason1です。
『不滅のあなたへ Season2』はこちらからどうぞ。
本ブログ「ここアニ」ではこれまで『不滅のあなたへ』を取り上げてませんが、16話を見て書きたくなりました!
唐突ですが16話から各話レビュー開始です(苦笑)。
今話の原作
全てはハヤセの謀(はかりごと)!?
トナリを使って、フシを島へ連れてきただけでなく、大会へも参加させていた。
ハヤセの目的はなんなのか・・・
ハヤセの陰険さは腹立たしいが、盛り上がってきました!
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
話数 | サブタイトル | 原作巻数 |
第1話 | 最後のひとり | 1巻 |
第2話 | おとなしくない少女 | |
第3話 | 小さな進化 | |
第4話 | 大きな器 | 2巻 |
第5話 | 共にゆく人 | |
第6話 | 私たちの目的 | |
第7話 | 変わりたい少年 | 3巻 |
第8話 | 怪物兄弟 | |
第9話 | 深い記憶 | |
第10話 | 新しい家族 | |
第11話 | 過去からの贈り物 | 4巻 |
第12話 | 目覚め | |
第13話 | 高みへの意志 | |
第14話 | 自由の島・ジャナンダ | |
5巻 | ||
第15話 | トナリという名の少女 | |
第16話 | 子どもたちの夢 | |
第17話 | 先覚者 | |
6巻 | ||
第18話 | 進み行くために | |
第19話 | さまよう殺意 | |
第20話 | 残響 |
※リンクは各話レビューへ
はじめに
ノッカーを倒し過去を取り戻したフシ。
共闘してくれたトナリ達とも打ち解け、フシは子ども達のためにも勝利すると決意。
そんな中、決勝戦に現れたのは、マーチの命を奪ったハヤセだった・・・。
裏で動いていたハヤセが、ついにフシの前に現れる。
フシとピオランをジャナンダ島へ連れてきたのも、フシを大会へ出場させたのも。
全てハヤセの企て!?
ハヤセがフシを大会に出場させ自らも出場したなら、フシの不死身に対応策があるからこそ。
パロナの件は、ハヤセの仕返しと、フシの平常心を奪うため。
不死身のフシは、殺せなくても眠らせられるのはヤノメで既に実証済。
この大会では、殺さなくても戦闘不能にすれば勝ち。
フシはまんまとハヤセに乗せられたのです。
だが、フシを捕らえるだけならこんな面倒なことをしなくても良い。
ハヤセの狙いは何なのか?
わざわざ大会でフシを倒す目的は?
一方、トナリはハヤセの指示でフシに近づく。
この出会いはトナリにとって、希望となるか死への近道となってしまうのか・・・
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第16話「子どもたちの夢」
ナレーション
私の理解力が低いのも原因ですが、『不滅のあなたへ』は見ただけでは理解できないところがあります。
アニメは、次の話数のナレーションで、前話をある程度まとめてくれる親切設計。
作品外の”神”目線ではなく、作品内の”観察者”目線なのも面白い!
観察者はフシに、ノッカー以外には構わず、ひたすら強くなれノッカーを追いかけろと言ってきました。
が、ここで初めて他者の力を、人間の力を認めるような発言を──
再び出現したノッカーを相手に苦戦する。
だが、ジャナンダ島の者たちが彼を助けた。ノッカーは倒されフシは過去を取り戻した。
この島は、フシを人として成熟へと導く学び舎なのかもしれない。
by 観察者『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
観察者が、フシを「人としての成熟」を望んでいるのかは分かりません。
が、子供たちの助けを得てノッカーを倒したのは事実。
フシらしい展開で勝利を収めたのです。
“人間らしい”知恵と助け合いの力で勝利したのです。
これが「人としての成熟」なのかもしれません。
子供たちの夢
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
トナリ達と共闘してノッカーを倒したフシ。
フシは子供たちとも打ち解け、子供たちはそれぞれの夢を語る。
夢ではなく使命
ねえ、あなたは将来の夢はないの?
by ミァ『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
自分がやりたいこと。
フシが答えたのは──
1人でノッカーを倒せるようになりたいかな。
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
フシが答えたのは、夢ではなくやらなくてはいけないこと。
使命や自分に課せられた役目みたいなものですね。
ミァが問うたのは夢。
ノッカーを倒して、あるいはノッカーがいなければ何をしたいか、を聞いているのです。
子供たちの夢も同様。
島を出ることは夢ではなく、夢を叶えるための前提条件。
夢を叶えるために、島を出たいのです。
フシが「ノッカーを倒せるようになりたい」と答えたのには少し驚きました。
ノッカーを倒さなくてはならない自覚は、一応あるようですね・・・。
いや、確かにジャナンダ島へ来る前、フシは決意しました。
が、島へ来てからというもの、フシの頭にはピオランを助けることしかなかったので(苦笑)。
ピオランを助けるためにも大会で優勝して島を出るためにも、強くならないといけないはずなのに、全然そのような努力をしているように見えなかったので、てっきりわすてしまっていたのかと・・・。
ニシアサガオ
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
ニシアサガオは、よく効きますね。
by ハヤセ『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
ニシアサガオには睡眠効果が。
フシはうどんを再現する際、ニシアサガオの成分まで生成したのです。
フシの能力の不思議さと、子供たちのあどけなさが際立つシーン。
と同時に、フシを戦闘不能にする手段として使えるのを、すぐに思い出させるために再度取り上げたと思われます。
フシをどれだけ傷つけても殺すことはできない。
だが、薬が有効なのはヤノメの町で検証済。(4話)
このシーンをここで差し込んだことで「ニシアサガオがあればフシを眠らせられるのを、ハヤセは知っている」事をすぐに思い出せるようにしたのです。
見事な構成です!
ヤノメで食べた団子を出すのは、ここが初めてではありません。
グーグーにも出しています。
・・・ん!?
そういえばグーグーに与えた時も、食べた後、寝てました!(9話)
死んだように眠ったのでフシが心配したシーン!
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
てっきり腹一杯になったから眠くなったのだと思ってました。
ニシアサガオに含まれた睡眠効果のせいだったのですね!
うどんだけでなく団子にも入っていたのでしょう。
団子にはニシアサガオは少量だったから、眠るまでに時間がかかりすぐに目覚めたのか?
今回のシーンで活かすために、ここではうどんや団子にニシアサガオの成分が入っていることをフシに気付かせなかったのですね。
巧み!
紡ぐ少女
母親殺しの容疑で島流しとなった父親に付いて、トナリはジャナンダ島へやってきた。
島民の目的は殺人?
だがすぐに分かった。
by トナリ『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
みんなリーダーを欲しているのではない、支配したい欲求を満たしているのだと・・・
島流しされたトナリは、ほとんどの島民が熱中するリーダーを決める大会を観戦。
そこでトナリは気付く。
島民が欲しているのはリーダーではない。
人を殺して他人を支配する欲求、殺人ショーを観戦してその欲を満たしていたのだ。
やはり、囚人の島ということか。
父が大会に出ると言い出した時、トナリは止めた。
危険だというのもあるが、大会に出ているのは”楽しそうに”人を殺す者たち。
もちろん、父はそんな人ではないと信じていたから──
なぜトナリは父を認識できなかったのか
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
私は神に祈った。
最後まで立っているのが、父でありますようにと──・・・そこに父は立っていなかった。
by トナリ『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
最後まで立っていたのは、トナリの父・エラン・ジー・ダルトン。
だが、トナリは認めなかった。
なぜなら、その男は大量の殺人を犯しておきながら”楽しそうに”笑っていたから。
そんなのは父ではない。
なぜトナリはそこまで決めつけたのでしょう。
父親の名前を聞いても、なぜ事実を認めなかったのでしょうか。
考察というより、私の推察です。
トナリは事実を受け入れられなかったのではないでしょうか。
トナリは小さい頃から父が大好きで憧れていた。
好きだからこそ「父親をビックリさせる」ことが夢なのです。
父親は優しく、人殺しなどできない。
ましてや、母親殺しなどするわけがない。
だから父の無実を信じ、ジャナンダ島まで付いてきた。
大会で人を殺して楽しそうにしている男を、父と認めてしまうと──
母を殺したのは父かもしれない・・・と考えてしまう。
そう考えてしまうのを避けるために、勝利した男を父と認めなかったのではないか。
母を殺したのは父ではない、父は無実。
自分は無実の男の娘。
父を殺人者と認めてしまうと、自分は殺人者の娘だと認めてしまうことと同義。
トナリは自分のアイデンティティ、心を守るために、父親をそのような男と認めない自己防衛に走ったのではないでしょうか。
トナリの性格の形成
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
優勝したのは父親ではないと頑ななトナリ。
だが、時折見せる、全てを悟っているかのような表情。
トナリは二重人格でも頭の悪い子でもありません。
分かった上で、心を、その感情を抑え込んでいるのではないでしょうか。
ここからは私の考察や推察どころか、当てずっぽうに近い妄想です(笑)。
戯言としてお読みください。
トナリは登場時から嫌な性格でした(苦笑)。
平気で嘘を付き、人を騙すことに躊躇がない。
彼女なりの「この島で生き抜く処世術」だと思われます。
ただ、時折見せる、か弱い表情、自信なさげな言動。
反省する姿を見せても、どうも信じられない。
返って怪しく見え、トナリを掴みどころなくしています。
トナリのとらえ所のない性格は、遺伝ではないかというのが私の見立て(妄想)です。
父親は自分のためなら平気で殺人ができる男。
そして、人を殺して楽しげにできる男。
トナリは、その男の血を引いているのです。
そのことをトナリも理解している。
平気で嘘を付き人を騙せる自分の性格に、父親の影が重なる。
自分も人を殺しても楽しんでいられるのか・・・
だが、一方でそれらが悪いことだとも認識している。
悪いことと分かっていても生きるためには仕方がない。
その相反する考えが、トナリを掴みどころのないキャラクターにしているのではないでしょうか。
あくまで私の妄想に近い推測です。
話半分くらいで聞いてくださいね(笑)。
脱出の計画
11歳。
by トナリ『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
脱出計画を練り始める。
トナリ達は11歳の時、つまり3年前から島を脱出する計画を練り始めていた。
前話(15話)。
ノッカーとの戦いでトナリ達が実行した攻撃は、この時立てた脱出計画の一部ですね。
プレゼントの贈り主
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
島長(しまおさ)決定戦の決勝。フシの前に現れたのは、ヤノメにいたハヤセだった。
オニグマまで見せて大丈夫なの?
おお、クマだ!
by 観客『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
ノッカーを倒し、過去を取り戻したフシ。
ハヤセの挑発に乗って、初っ端からオニグマを使う。
これまでの戦いで散々変化しているので今更ですが・・・
大勢の観客の前でオニグマの姿まで見せるとは。
どれだけトリックだと思っていても、あれほど巨大なクマに一瞬で変化したら本当に変化していると信じずにはいられない。
まあ、その割には観客は驚いてませんが。
どちらかと言うと殺戮ショーに興奮してました(苦笑)。
ただ気になるのは、勝つためとは言えあまりに能力を見せすぎです。
フシの目的はピオランを連れて島から出ること。
そして、これ以上の犠牲を出さないために平穏に暮らすこと。
これでは、たとえ島から出ても、この先犯罪者から追われる身になるのでは?
そう。
ハヤセ2号、3号が出てくるのです。
ただ不可解なのは、ハヤセがそう仕向けたこと・・・
ハヤセがフシにご執心なのは明白。
だからこそ、関係者以外には極力フシの正体を見せたくないのでは?
なのに、大観衆の前でフシの正体を晒すのは、一体何が目的か?
そして、不死の正体を知る島民を一体どうするつもりなのか・・・
ここまで考えると、嫌な展開が頭に浮かびます・・・
ハヤセは──
①フシを始末するつもり
②島民を始末するつもり
フシを始末するつもり①なら、その正体がバレても問題はありません。
ただハヤセは、フシを手に入れたくはあっても殺すつもりはないように思えます。
だとしたら②!?
島民を全員始末し、フシの正体を知る目撃者を一掃する。
島民全員抹殺なんて馬鹿げていますが、フシが出場したことにより大会は島民全員に注目されています。
全島民を大会に注目させるのが目的だったとしたら・・・
フシの使い方はとても効果的。
まあ、もっと別の可能性。
ハヤセが完全におかしくなっているパターンもありますが(笑)。
最も効果的なタイミング
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
私からの贈り物です。
by ハヤセ『不滅のあなたへ』TVアニメ16話
ここでバラすかパロナの死!
フシは、パロナに変化できた事実で彼女の死を知った。
パロナのことだから誰かを守って死んだのだろう、と前向きに捉えていた。
だが、ハヤセが命を奪ったのだ。
それを、大会競技中、戦っている最中にフシに告げる。
フシが平常心でいられるわけがない。
フシの攻撃は直線的になり、睡眠薬であるニシアサガオを打ち込むハヤセには好都合。
ハヤセの方が、一枚も二枚も上手だったのです。
結局、島へ連れて来られたときから、フシはハヤセの掌の上だったのです。
いちいちフシの神経を逆なでする、ハヤセの言い方。
憎たらしいけど、お見事です!
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
おわりに (『不滅のあなたへ』16話とは)
いや~~
6月下旬から忙しくなった上にPCが故障、新品を購入したりでドタバタ。
1ヶ月ぶりのレビュー投稿となりました。
元々予定していたレビューは、各話レビューが途中の別作品。
他にも幾つかあったのですが、1ヶ月間ブログに一切関わらないと返って吹っ切れ、”今”書きたい物を書こう!という気持ちに(笑)。
『不滅のあなたへ』突如16話から各話レビュー開始の運びとなりました。
1ヶ月ぶりに筆(キーボード)を持ったので、今までとトーンが違っていたらごめんなさい。
久しぶりで感覚がリセットされてます。
ぼちぼち取り戻していくのでご了承を。
◇◇◇◇◇
さて、私のTwitterの感想ツイートを読んで頂いている方はご存知でしょうが。
私はトナリは好きじゃありません(苦笑)。
だけど、本レビューではかなりトナリ寄り。
レビューを書くときは、好き嫌いはできるだけ排除し、自然体で考えるようにしています。
結果、16話で描かれたトナリは、同情の余地がありました。
同情しますが、共感はしないですけどね(苦笑)。
さて、トナリにとってフシは希望となるのか死を呼び込む死神となるのか。
ハヤセに捕らえられたフシ。
となるとトナリが危険に飛び込む展開か?
本作の特徴に従うなら、トナリの結末は予想つくが。
今の状況ではフシを救うのはトナリ達しかいない。
トナリはどう動くのか。
そしてハヤセの狙いは何なのか?
ジャナンダ島編もようやく盛り上がってきました!
次話が楽しみです!
以上、TVアニメ『不滅のあなたへ』第16話の感想&考察レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
17話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
トナリさん
いい加減、フシの名前を聞いてあげて(笑)
関連記事
アニメ『不滅のあなたへ』第17話のレビューはこちら!