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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活(第1期)』第3話「ゼロから始まる異世界生活」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』第1巻
-
第五章「ゼロから始まる異世界生活」から
エピローグ「お月さまが見てる」 (1巻最後まで)
- コミカライズ『Re:ゼロから始める異世界生活 第一章 王都の一日編』第2巻
-
第8話「貧民街の交渉」から
第11話「ゼロから始める異世界生活」 (2巻最後まで)
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
本作品の各話レビューは、次のように作成しています。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、原作小説を読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
私は元々、原作小説、コミカライズ共に未読です。
ですが、本レビュー作成時点で、アニメは2期50話まで、コミカライズ・原作は3話相当分まで読んでます。
先を知っていますが ──
次話以降のネタバレになるような事は書かないようにしますので、安心してお読み下さい。
なお、原作小説の情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
「俺が、必ず──」
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
──お前を、救ってみせる。
次の瞬間に彼──菜月昴は命を落とした。
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系 ──
補足や余談、参考情報はブルー系 ──
と色分けしているので、読む際の目安にして下さい。
全25話 各話リスト
※話数:リンクは各話レビューへ
はじめに
フェルトから徽章を買い取る交渉中にエミリアが到着、続いてエルザが襲いかかってくる。
再び繰り返されるエルザとの攻防。
パックとエミリアはエルザを追い詰めるが、パックがマナ切れで退場すると形成は一気に逆転してしまう・・・。
再び会えた銀髪の美少女。
だけど、彼女はスバルのことを知らない・・・。
二人(+一匹)で過ごしたあの大切な思い出は、もうどこにもない。
だけど、受けた恩を返すのがナツキ・スバル。
苦労の末、名前をゲット。
こうして再び知り合えたエミリアとの関係を、ゼロからスタートさせていくのです。
第一章最終話に相応しく、アクション満載の4周目クライマックス。
「死に戻り」に頼らず、生ある限り足掻く姿が主人公しています!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第3話「ゼロから始まる異世界生活」
【4周目】銀髪のハーフエルフ
スバルがフェルトから徽章を買い取る交渉をしている盗品蔵にエミリアが現れる。
原) スバルが足を引っ張ってた?それとも…
どうしてあの子がここに?
まだ明るい時間なのに・・・。ひょっとして俺がいなけりゃ、こんだけ早く辿り着けたってことか?
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
前話ラスト、盗品蔵に来たのはエルザかと思ったらエミリア!?
2周目、盗品蔵に先に現れたのはエルザでした。
そりゃそうです。
1周目、スバルがエミリアと共に盗品蔵に着いたのは、日が沈んだ夜。
夕方だと、ようやく貧民街へ着いた頃。
1周目と今回4周目の差は、自分が路地裏でエミリアに助けられ、その後行動を共にしたこと・・・。
だからスバルは、自分がいないから早く着いた、と考えたのです。
スバルの推測は間違っています。
スバルと一緒だったのが遅れの原因なら、2周目もエルザよりエミリアが先に着かないと理屈に合いません。
確かに、スバルがいなければ路地裏で時間を取られることなくフェルトを追跡できたでしょう。
ですが、2周目の事実から、それだけでエミリアがこんなに早く着くことはありません。
エミリアが早く着いたのは、別の要因があると考えるのが妥当です。
その答えは原作にありました。
「いや、意外と徽章の持ち主が根性入ってて、逃げ切るの大変だから妨害工作をな。ちょっと金渡せば喜んで周りの連中がやってくれっからさー」
※アニメではカット
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
なんと、フェルトはエミリアを足止めするために妨害工作をしていたのです。
スバルはそんなことを聞き(アニメでも言っていたように) ──
すぐ行こう!
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第2話
パッと行こう、ちゃちゃっと行こう!
と言ったのです。
2周目、エミリアは妨害工作をされて到着が遅くなったのです。
つまり、4周目エミリアが盗品蔵に早く着いたのは ──
スバルを助けている時間だけではなく、妨害工作で足止めを食らわなかったので早く着いたのです。
妨害工作を止めたのはスバル。
「俺がいなけりゃ…」なんて卑下する必要はないのです。
銀髪のハーフエルフ
── ハーフエルフ? それも銀髪!? まさか・・・。
他人の空似よ!
by エミリア『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
私だって迷惑してるもの。
目の前の少女が銀髪のハーフエルフと知り、驚くフェルト。
そういや、2周目でロム爺は銀髪と聞いただけで「悪目立ち」と言っていました。
恐らく、嫉妬の魔女サテラは銀髪のハーフエルフ。
嫉妬の魔女サテラを思い浮かべ、フェルトが恐れおののいたのです。
どうやら、エミリアは嫉妬の魔女サテラに似ているのでしょう。
だから「他人の空似」「迷惑してる」と返したのです。
1周目、スバルに自分の事をサテラと名乗った理由も少し見えてきました。
「他人の空似」と言うほど似ているのです。
だから、スバルに名乗って誤魔化そうとしたのでしょう。
だとしても、疑問が残りますね。
エミリアは、なぜ自分が迷惑している名を語ったのでしょうか。
そんなにスバルに本名を知られることを避けたかったのでしょうか・・・。
1周目、エミリアは、なぜ畏怖されている嫉妬の魔女サテラの名を語った?
反対に、1周目(1話 )スバルが「オタンコナス」と言われた理由が分かりましたね。
その予想当てにならないと思う。
by エミリア『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第1話
私、ハーフエルフだから。
スバルにはサテラと名乗り、ハーフエルフとまで明かす。
なのに、スバルの反応は ──
なるほどな・・・。
どおりで、かわいいと思った。エルフは美人ってのはお約束だもんな。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第1話
などと、(恐らく)今までにない返事をされたのです。
もう、スバルのオタンコナス!
by エミリア『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第1話
銀髪のハーフエルフと聞いて恐れられなかったのが、エミリアにとっては新鮮だったのです。
原) 臆していた
この子の心根は世界を何度繰り返しても変わってない。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
4周目でも迷子を助けたのは、街中で果物屋の店主に聞いたから知っているはず。
何を今更気付いたのでしょうか?
原作を読んで理由が判明。
乱暴に金髪を掻いて舌打ちするフェルトと、その乙女っぽさ皆無の態度に眉を寄せる偽サテラ。微妙なすれ違いと険悪な空気にスバルは息を呑み、視線をさまよわせる。
そして、スバルは気付いた。──偽サテラの左胸に、赤い花飾りが揺れていることに。
-中略-
偽サテラの激しい表情と態度に、スバルは拒絶された前回のループを思い出して尻込みをしていた。だが、偽サテラの心根は世界を幾度繰り返しても変わっていない。
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
スバルは、盗品蔵に入ってきたエミリアの険しい表情に、3周目激しく拒絶されたことを思い出し、気後れしていたのです。
ところが、迷子の女の子からもらったであろう花飾りを見て、1周目のエミリアを思い出したのです。
ちなみに ──
何だよてめえ!
by フェルト『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
何、笑ってんだ!
上記フェルトのセリフはアニメオリジナル。
フェルトにとっては、この時のスバルの笑いは意味不明。
苛立っていたフェルトの感情を描写する、良いアニオリセリフです!
【4周目】はらわた狩りエルザ
エミリアがフェルトに徽章を返すよう迫っていると、エルザが突如襲いかかってくる。
原) エルザの備え
パック、防げ!
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
パックと見事な連携を見せるスバル。
スバルがなぜパックの名を知っているのか誰も疑問に思わないのね(苦笑)
確かに
はい! 時間稼ぎ終了。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
やっちまえパック!
ここでも、意図的に時間稼ぎをしていたのか偶然かよく分からない連携が(苦笑)。
でも、そのパックの渾身の攻撃をエルザは防ぎます。
備えはしておくものね。
by エルザ『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
エルザの備えとは一体何のことでしょう?
(何となく想像つきますますが(笑))
原作に説明がありました。
私の外套は一度だけ、魔を払うことのできる術式が編まれていたの。命拾いしてしまったわね」
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
エルザの動きづらそうなコートには術式が編まれており、それがパックの攻撃を防いだのです。
勤務時間終了
── パックまだいける?
ごめん、すごい眠い。
by パック『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
ちょっと舐めてかかってた。
マナ切れで消えちゃう・・・。
さっきまで元気だったのに、突然マナ切れで消えてしまったパック。
さほど引っかかりはしませんでしたが、原作はより根拠ある流れになっていました。
胸を張り、少女の肩の上でパックの小さな体が小刻みに揺れる。
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
まるで必殺技でも放つかのようなポージング、両手が前に突き出され、そこからこれまでで最大級の魔力が集中──照射されるのがスバルにも見えた。
エルザに大技を放ったのは、エミリアではなくパックだったのです。
強い魔法攻撃を放ったのでマナ切れを起こしたのです。
この一撃で仕留めようとしていたのでしょうね。
五分五分
そろそろ、ただ見てるだけというわけにはいかんなフェルト。
by ロム爺『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
パックが退場し(2周目のように)一気にやられてしまうのかと思いきや ──
意外とエミリア一人で(次第に押されはするものの)対抗。
ロム爺も、気持ち2周目より戦えている気がします。
この違いは何でしょうか?
エルザが右足を氷から強引に引き剥がしたケガと、靴ではなく氷で間に合わせているからですね。
エルザの機動力が落ちているのです。
原作でも ──
向かい合う偽サテラの周囲に氷柱が次々と生み出されるが、氷柱の数はパックが放ったものに比べればだいぶ減っている。
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
機動力が削られたエルザが相手だとしても、勝算は五分五分というところだろう。
エルザのスピードが落ちたので、エミリア一人でも対抗できているとハッキリ述べられています。
ロム爺が2周目よりも少し戦えたのも、エルザが足を負傷したからでしょう。
逆にエルザが手負いでも、エミリア、ロム爺、フェルトでは敵わず。
後半では、(本気を出していないとは言え)剣聖ラインハルトと張り合っていたのです。
恐ろしい強さですね、エルザは・・・。
こんなの最初に当たる敵じゃない…
ホントだよ…
それともう一つ ──
こうしていくらか『打ち合えて』いるように見えるのは、エルザの意識がスバルに集中し切れていないからだ。
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
エルザの注意は、姿を消した精霊の再出現に向いている。そちらへ割いた警戒の影響がかなり大きいからだ。
エルザは、パックの再登場を警戒しながら戦っていたので、エミリアとスバル二人でもなんとか抑えられたのです。
借りは返す
はいだらあ!
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
ロム爺が倒されエルザに罵倒されその場から動けなくなっていたフェルトを救ったのは、この場で一番弱くて臆病だったナツキ・スバル。
── 大丈夫か?
つか、どうして?
by フェルト『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
スバルは、フェルトの質問に答えていませんが、原作では答えています。
体が勝手に動いたと ──
「知らねぇよ! 体が勝手に動いたんだよ! しいて言うならお前は知らねぇだろうけど、これで貸し借りはなしだかんな! 覚えとけ!」
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
フェルトを解放し、スバルは拳を握りしめる。
二度目の世界でエルザの凶刃からスバルを守ってくれたフェルト。この世界では意味のない記憶だが、その借りを返すことができた。
2周目、スバルが徽章をエミリアに返すと知ると、エルザは突然斬りかかってきました。
その時、スバルを救ったのはフェルト。
スバルは、律儀にもその借りを返したかったのです。
4周目の今、フェルトにそんな記憶はなく意味のないことと分かっていても・・・。
今回、フェルトにスバルが助けられる機会はなかったが、きっと逆の立場なら同じ行動をしたはず。
4周目ではフェルトに助けられた事実も記憶もなくても ──
スバルにとっては、フェルトは命の恩人。
だから、借りを返したかったのです。
スバル、主人公してますね!
そして、(恐らく)こういった、その人に記憶のない借りを返していくことで、逆に大きな感謝に繋がっていくのでしょう。
上手い!
原) 命張った目的
── 秘められた真の力とかがあるなら、今のうちに出しておいた方がいいと思うぜ。
切り札はあるけど、使うと私以外誰も残らないわよ。
by エミリア『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
使うとエミリア以外誰も残らない切り札!?
使ってほしくはありませんが、一体どんなワザなのでしょうか・・・。
エミリアの切り札とは?
この後スバルは ──
── 使ったりしないわよ、まだ一生懸命あなたが・・・頑張ってるのに。
今、俺は何も見なかった。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
今のやりとりは全部なしだ!全部なし!
「何も見なかった」とは、どういう意味でしょうか?
正直、アニメ鑑賞だけではよく分かりませんでした・・・。
答えは原作にありました。
仕方なさそうに、そう語る偽サテラの表情を見て、スバルの中でふいに火がついた。
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
諦めてしまいそうな顔だった。弱さを受け入れてしまいそうな顔だった。
スバルの中で偽サテラは、自分がどんな苦境にあっても下を向かない少女だった。そんな少女だからこそ、スバルはその微笑む顔が見たいと思って頑張ったのだ。
何度となく命を落として、それでもスバルは偽サテラを助けるためにここまできた。ここまでの道のりは、こんな少女の弱々しい顔を見るためじゃない。
エミリアの徽章探しに関わらない選択もできたのに、スバルが必死に対処していたのはエミリアに恩を返すため。
そして、エミリアの笑顔を見たいがため。
笑顔のためにやってきたのに、自分が彼女を俯かせてどうする・・・。
それで「何も見なかった」「今のやり取りは全部なし」と言い出したのです。
だから ──
なんで俺がここにいるのか、やっと思い出した。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
やってやるぜクソだらあ!
このセリフに繋がるのです。
【4周目】剣聖ラインハルト
フェルトを逃がしたものの、エミリアとスバル二人ではエルザに太刀打ちできなかった・・・。
原) フェルトを動かしたのはスバル!?
誰か!
by フェルト『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
誰か・・・誰かいねえのかよ!
フェルトの必死の呼びかけに誰も応えてくれない。
貧民街の連中をバカにしてきた報いでしょうか・・・。
でも、よくよく考えるとこの対応が普通。
厄介事に巻き込まれたくない、ましてやここは人に構っていられる余裕がない人ばかり。
そもそも、一銭の徳にもならないことはしない。
フェルトこそ、そういう考えだったはず。
ロム爺は殺されました(と思っています)。
エミリアは、盗みのターゲット。
スバルは逃がしてくれはしたが、さっき会ったばかりの関係。
折角逃げてきたのに、助けに戻る必要などないのです。
助けを呼ぶこと自体が、フェルトの中で何か変化していたのです。
原作には、フェルトの心情変化が描かれています。
いい気味だと思えばいい。世間知らずがちょっとばかりの義侠心で、身の程知らずの真似をしでかしたのだと、無謀さをせせら笑ってやればいい。
スバルだって勝手にかっこつけて自分を逃がしたのだから、逃げ切ってもらった方が浮かばれるに決まっている。決まっているのに──、
「──誰か、誰かいねーのかよ!」
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
今までのフェルトだったら、スバルは運が悪かったなとばかりに気にせず逃げ切れば良い。
分かっているのに、必死に助ける行動をしてしまうフェルト。
頭では、余計な事、無駄な事と分かっているのに、心が求めているのです。
おかしな感情だった。フェルトは涙目になりそうな自分のまぶたを必死で擦る。ロム爺ならいざ知らず、あんな出会ったばかりの少年が死んだところで何が悪い。
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
でも、彼はフェルトの代わりにエルザの言葉に怒ってくれたし、今もこうして自分を生かすために捨石にすらなってくれている。
わけのわからない感覚だ。しかし、フェルトの心はそれがあるから走るのを求める。
少年の行動に、何かを感じてしまった自分がいるのだ。それがあるから、それが熱を求めてやまないから、叫び出したい激情を抱えたままフェルトは走った。
フェルトの印象が変わる心情描写。引用したのは一部なので、ぜひ原作をご覧下さい
以前のフェルトからは想像できないような助けを呼ぶ行為。
その必死さが、ラインハルトに繋がったのです。
今回も死に戻りするかと思った4周目、ついに正解ルートへと繋がったのです。
アニメ鑑賞時、正直、スバルはもっと上手くやれば良いのにと思っていました。
2周目、エルザに徽章が欲しい目的を知られるまでは上手くいっていたのです。
ならば、最後だけ上手く対処すればいい。
4周目、ラインハルトが協力を求めてくれたのです、素直に手を借りてヌルゲーにすればいい。
なるほど、それだと確かに徽章は取り戻せるかもしれません。
が、フェルトは何ら変わらないのです・・・。
展開が上手い!
原) マナ不足
── スバル!
狙いは腹!
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
跡形もなく消し飛んだと思いきや、生きていたエルザ。
徽章がダメならエミリアの命だけでもと思ったのか、エミリアに襲いかかる。
アニメ鑑賞時、隙を突かれたとは言え、エミリアはなぜ避けられなかったのか不思議でした(苦笑)。
原作を読んでスッキリ!
原作によると、そもそもエミリアは立っているのもやっとでふらついていたようです。
なぜか?
ラインハルトが戦うとマナがそっぽを向く。
結果、ロム爺の治療後に、ラインハルトは(少し?)本気を出しました。
すると途端に ──
「ごめんなさい……ちょっと、肩を貸して」
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
寄りかかってくる銀髪の少女を、スバルはわたわたと慌てながら支える。
貧血でも起こし方のように、エミリアは自立することすらできなかったのです。
戦い終了後も ──
スバルは立ち上がろうとする少女を支える。立ち上がった少女は己の銀髪を梳き、まだ頼りなげな足でスバルの庇護を離れた。
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
立ち上がったものの、まだフラフラだったのです。
ラインハルトの影響でマナがそっぽを向き、戦いが終わっても、まだ足元がおぼつかなかったのです。
そんな時に、エルザが襲いかかってきたので、対処できなかったのです。
原) 礼を言いたいのはスバルの方?
君の名前を教えてほしい。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
エルザが逃げ、今度こそようやく決着。
スバルは、ようやく銀髪の少女に名前を聞き出します。
確かに、フェルトが助けを呼び、ラインハルトが来てくれたのがエルザを退けた大きな要因でしょう。
でも、スバルが諸々動き足掻いたからこそ掴んだハッピーエンド。
名前だけでなく、もっとアピールすれば良いのに・・・。
自分でも ──
あれだけ傷ついて、あれだけ嘆いて、あれだけ痛い思いをして、あれだけ命懸けで戦い抜いて、その報酬が彼女の名前と笑顔が一つ。
はぁ、まったく割に合わねえ。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
「割に合わない」と言っています。
でも、これ実は真逆です。
スバルは徽章を取り戻すのに携帯を取り引き材料に使いました。
(1話レビュー にも書きましたが)2周目、原作ではスバルのこんな心情描写が ──
「んにゃ。ぶっちゃけ俺はその現物を見たこともない。金に換えてもこの携帯電話より高いってことはないだろうし、俺の大損は間違いなしだぜ」
「そこまでわかっとるなら、なんでそんなことをする?」
「決まってんだろ。──俺は損がしてぇんだよ」- 中略 -
「俺は恩返しがしたい。貸し借りはきっちり返す。神経質な現代っ子なんでな。そうしなきゃ気分良く寝られねぇんだ。──だから、大損してでも徽章を取り戻す」
※アニメでは全文カット
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
異世界召喚され、自分が大変なのに見返りなしに助けてくれたエミリアに対し、借りを返したかった。
それも、自分が大損する程、エミリアにお返ししたかった。
だから狙い通り。
はぁ、まったく割に合わねえ。
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
上記セリフは、ぼやいているのではなく、満足しての一言なのです。
原作では、最後にこう締めくくっています。
──助けてくれてありがとう。
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
そう言いたいのは彼女だけではない、スバルの方だった。スバルの方が先に彼女に恩を受けていたのだ。だからこれは、それがようやく返せただけのこと。
ようやく、恩に報いることができたと感じていたのです。
既知と未知の情報
ところでエミリア様、彼、スバルとはどういうご関係ですか?
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
そう言えば、ラインハルトはなぜ辿り着けたのでしょうか?
盗品蔵に案内したのはフェルトでしょう。
でも、そもそもなぜラインハルトは貧民街にいたのでしょうか?
皆さん、大体お分かりですよね。
まず、ラインハルトはエミリアを知っています。
エミリアを「様」呼ばわりするほど知っているのです。
路地裏でスバルに聞かれた時 ──
この辺りで白いローブを着た銀髪の女の子見なかった?
付け加えると、超絶美少女!── いや、見なかったな。
じゃあ、もし見かけたら、何があっても盗品蔵には近づくなって伝えてくれ。
by ラインハルト『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第2話
捜し物は必ずこの俺が見つけて届けるからって。
特徴から、探しているのはエミリアだと分かったでしょう。
でも、スバルの素性が分からなかったので答えなかったのです。(2話 )
原作では、このように描写されています。
路地裏での語らいの中、スバルが口にした探し人の特徴と『盗品蔵』という名称。既知と未知の情報が重なり、それを追ううちにラインハルトもまた貧民街へ足を踏み入れ、
by 小説『Re:ゼロから始める異世界生活 第1巻』
「途中で彼女と出会い、今に至るというところです」
「探し人」はエミリア様。
「捜し物」に「盗品蔵」と聞けば、エミリアに何かが起きていると想像に難くありません。
それで、貧民街に調査していたのです。
そこでフェルトに会ったいうわけですね。
フェルトの身に何が…
ああ、なんて事だ・・・。
by ラインハルト『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
君の名前は? 家名は? 年齢はいくつだい?
フェルトがエミリアに徽章を返そうとする様子を見て、血相を変えるラインハルト。
徽章を盗んだ罪で捕まえたりしないと言っていました ──
── 徽章盗難での罰というなら・・・。
それも決して小さくない罪ですが・・・今こうして目の前の光景を見過ごすことの罪深さと比べれば、些細なことに過ぎません。
ついてきてもらいたい。
by ラインハルト『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ第3話
すまないが、拒否権は与えられない。
一体、ラインハルトは何に気付いたのでしょうか?
フェルトの身に何が起きたのでしょうか?
フェルトに隠された秘密でもあるのでしょうか?
そして、そもそも徽章にはどんな価値があるのでしょうか?
ラインハルトはフェルトの何に気付き、何が起きた?
エミリアの徽章には、どんな価値がある?
第3話
「ゼロから始まる異世界生活」
おわりに (『Re:ゼロから始める異世界生活』3話とは)
さて、再び会えた、銀髪の少女。
想定より早い出会い。
これが吉と出るか凶と出るか・・・
悲しいのは、彼女はスバルのことを全く知らないこと。
これだけ、彼女のためにスバルは必死になっているのに、何も知らないなんて・・・。
これが「ゼロから始める」が意味するところか。
だとしたら、辛いですね・・・。
出会っていないのに彼女のために奮闘する、「死に戻り」に頼らず生ある限り足掻く姿が印象的。
その心意気が、結果的にエミリア、フェルト、ロム爺を救ったのです。
面白いのが、スバルの(誰の記憶にもない)受けた恩を返す行動。
その結果は、皆にとっては献身的な行動に写るのです。
異世界に来て訳も分からず、チンピラ3人組にボコボコにされ惨めになっていたスバルを、捜し物の最中なのにエミリアは助けてくれた。(1周目)
⇒エルザを倒したのはラインハルトだが、最後の一撃からエミリアを守る。
ただの交渉相手なのに、持ち主の関係者だと知り突然斬りかかってきたエルザの攻撃から救ってくれたのはフェルト。(2周目)
⇒フェルトにタックルしてエルザの攻撃から守る。
誰の記憶にもない借りを、スバルはここで返したのです。
この辺は、やっぱり主人公なんですよねーー
ヘタレだし、変な事ばかり言っているし、強くはないし、頭が飛びっ切り良いわけでもない(苦笑)。
だけど、主人公たる要素を持っているのです。
情に熱く、無償の奉仕精神が。
上手い展開です!
以上、TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』第3話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 003-01 1周目、エミリアは、なぜ畏怖されている嫉妬の魔女サテラの名を語った?
- 疑問 003-02 エミリアの切り札とは?
- 疑問 003-03 ラインハルトはフェルトの何に気付き、何が起きた?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 001-01 スバルは、誰に、なぜ異世界召喚された?
- 疑問 001-03 エミリアの徽章には、どんな価値がある?
- 疑問 001-03 エミリアが言う、自身の危ない立場とは?
- 疑問 001-05 ハーフエルフは、この世界ではどんな存在?
- 疑問 001-06 エルザの依頼人は誰? なぜ徽章を狙う?
- 疑問 002-01 ラインハルトの言う、ルグニカ王国の少し落ち着かない状況とは?
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アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』次話のレビューはこちら!
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