こんばんは。時文です。
コミック『Re:ゼロから始める異世界生活』第一章「王都の一日編」2巻の比較感想レビューです。
『Re:ゼロから始める異世界生活』面白いですよね~~
私はTVアニメ1期を見てすっかりハマってしまいました。
原作だけでは飽き足らず、漫画版も読みました。
漫画「リゼロ第一章」は小説1巻を原作。
作画マツセダイチ先生により、「月刊コミックアライブ」で2014年8月号から2015年4月号まで連載され既に完結。
第一章のコミックは全2巻。
ここで取り上げるのは、第一章の2巻。
2巻の内容は、TVアニメ2~3話に相当。
アニメや原作小説との違いを取り上げます。
Contents
はじめに
本レビューは「アニメ」⇒「原作小説」⇒「コミック」の順で読み、アニメ・原作との違いを紹介する「コミック感想」です。
原作小説1巻(第一章)が発売されたのは、2014年1月。
コミック(第一章)が発売されたのは、2014年10月~。
アニメ1期が放送されたのは、2016年4月。
漫画が「月刊コミックアライブ」で連載開始されたのは、アニメより2年近く前。
なので、アニメの影響は受けておらず、アニメとコミックは、同じ原作から生まれた兄弟作品と言えそうです。
コミックの展開スピードは、原作小説はもちろん、アニメと比べても少し拙速な気もしますが、アニメでは描かれなかった原作に忠実な箇所があり、うなずく場面も。
さらに、コミック独自の解釈をされている箇所もあり、楽しめました。
その辺りを紹介します。
- アニメ・原作小説との違い
- コミック独自解釈の部分について
コミック版オリジナルの箇所が分かるように見出しの頭に記号を記載したので参考にして下さい。
- コ):コミック版「独自解釈」「工夫点」がある箇所について記載
コミック比較感想 (TVアニメ第2話 相当分)
コ) ラインハルトはスバルを見定めてる
4周目でも3人組に絡まれたスバル。
スバルの叫びに応えてくれた剣聖ラインハルトにより3人組は逃走。
ラインハルトはスバルの素性を探る。
チンピラ3人組が逃走後。
ラインハルトは気さくにスバルと会話する。
このときのラインハルトの心境は──
アニメ鑑賞時はもちろん、原作も注意深く読まなければ、ラインハルトがスバルの素性を探っていることに気付かない。
なぜなら、我々(視聴者/読者)は、スバルが異世界召喚された”普通の高校生”だと知っている。
ラインハルトは衛兵。
この国を守る立場。
怪しい風貌のスバルに注意を払わないわけではない。
ところが皮肉なことに、ラインハルトがあまりに爽やか過ぎて、アニメや原作では警戒しているように見えないのです。
コミック版では、ラインハルトの心情描写の1コマが。
ラインハルト:ルグニカの東・・・大瀑布の向こうからって冗談か何かかい?
スバル:大瀑布!?滝・・・だっけ?そんなのあるの!?
ラインハルト:(・・・ごまかしているわけじゃなさそうだ・・・) とにかく王都の人間じゃないのは確かみたいだね。
by 『Re:ゼロから始める異世界生活』コミック第一章2巻
コミック版では、1コマ使って「ごまかしているわけじゃなさそうだ」と心情描写を入れ込むことにより、スバルの素性を見定めていることがより明確に。
これは、コミック版、上手いです!
納得のシーンです!
コ) エルザとはぶつからない!?
貧民街へ行き、フェルトのねぐらに向かうスバル。
途中で出会ったのは・・・
アニメは原作通り、ここでスバルはエルザにぶつかります。
が、コミック版はエルザとぶつかりません。
角を曲がった瞬間、スバルは正面から歩いてくるエルザを見つけるのです。
死に戻りしたので、エルザはスバルのことを知りません。
スバルはそのことを理解しています。
エルザはスバルのことを気にも留めず、すれ違っていくはずです──
ところが、スバルの体は正直で、固まってしまい、顔は引きつっていく・・・
無事にすれ違ってくれるのか──
凄い緊張感!
アニメはアニメで緊張しましたが、コミックはコミックでシチュエーションを変え、より緊張感高まるシーンに!
これは文字で説明するのは勿体ないほど良い変更シーン!
ぜひ、コミックをご覧下さい!
コ) フェルトの住みかが酷い・・・
アニメでも描かれたフェルトの住みか。
スバルも、幼い彼女が本当にこんな所に住んでいるのか?と呆れますが・・・
コミック版はもっとみすぼらしい・・・
アニメ版の方がプライバシーが守れるだけ「まだマシ」、と思える程の酷さです・・・
ご丁寧に、コミック版では、次の扉絵(2巻8話)でフェルトが住みかで寝ている姿が描かれてます。
フェルトは、その住みかに収まりが良く、違和感ないのが救い?なのですが(苦笑)。
コミック比較感想 (TVアニメ第3話 相当分)
コ) エルザは開いた扉から背後へ
盗品蔵へやってきたのはエルザではなくエミリアだった。
エミリアと交渉していると、いつの間にか背後にエルザの姿が・・・
突如現れたエルザ。
アニメ鑑賞時、違和感があったのは、いつの間にエミリアの背後に、いやどうやって誰にも気付かれず盗品蔵へ入ったのか?
原作を読んでもその違和感は解消されませんでした。
コミック版を読んでスッキリ!
エミリアは盗品蔵へ到着し、入口を入ってすぐの場所で”扉を開けたまま”、スバル達と話をしていたのです。
その開きっぱなしの扉から、エルザはエミリアの背後に近づいたのです。
アニメでは、扉が開きっぱなしの描写はなかったし、薄暗かったので扉は閉まっているものと、思い込んでました。
だから一体どうやって、エルザが誰にも気付かれもせず、盗品蔵へ入ってきたのか違和感を感じていたのです。
これは納得です!
コ) パックの一撃は威力抜群!
エミリアとパックの連続攻撃でエルザの足を固め、動きを止めた。
パックは渾身の一撃をエルザに放つ──
アニメでは、その一撃は放たれた瞬間、大きな氷結となり、エルザがいた方向へと向かう。
コミック版は、パック一人が放ち、氷ではなく、巨大なエネルギー弾のようなものを放ちます。
それは、エルザがいた場所を床もろともえぐり、壁に大穴を開けるほどの一撃。
アニメや原作だと、この時の一撃は”エミリア”の攻撃だと思っていたのですが、コミックではパックの攻撃として描写。
改めてアニメをよく見ると、このワザはパックとエミリアの合わせワザと見えなくもない。
そうか!
だからパックの次のセリフ──
ごめん、すごい眠い。ちょっとなめてかかってた。
マナ切れで消えちゃう・・・
by パック『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ3話
パックがこのタイミングで消えてしまうのは、アニメ、原作、コミック版も同様。
パックはこの一撃で残っていたマナを使い切ったのです。
コミック版ではっきりと描かれたように、このトドメの一撃でパックは残っていたマナを使い切ってしまった。
と解釈するのが筋が通りそうです。
この一撃で盗品蔵の壁には大きな穴が。
この穴からラインハルトが入ってきます。(後述)
コ) エミリア、ロム爺、フェルトの連携
パックが消え、エミリア一人では状況が不利に。
ロム爺とフェルトが加勢する。
アニメでは、エミリアはエルザの攻撃を受けカウンターの裏へ追いやられる。
すかさずロム爺が加勢。
フェルトはエルザの攻撃を邪魔したりする。
コミック版は、エミリアが戦線離脱しておらず、エルザVSエミリア×ロム爺×フェルト。
なんと1対3の戦闘が見れます。
結果は同じなのですが、エルザがロム爺を倒すワザは違うやり方に。
コ) まっすぐ前向いて全力で逃げろ!
スバルがフェルトを逃がすシーン。
コミック版のセリフはアニメにも原作にもない、コミックオリジナルセリフ!
チャンスをつかむんだろ?
振り返るな!下を向くな!
まっすぐ前向いて、全力で逃げろ!
by スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』コミック第一章2巻
こうして、フェルトに決意させるのです。
このセリフには伏線があります。
スバルと二人で、フェルトの住みかから盗品蔵へ行く道中──
下ばっか向いてんじゃねーよ、兄ちゃん。
負け犬根性が移るぜ?-ここまでは原作通り、以降コミックオリジナル-
-中略-こっから出られる機会があんなら、食らいついてでも絶対モノにしてやる!!
今回だってそうさ・・・
アタシは下なんか見ねぇ!
せっかくのチャンスも見逃しちまうかもしんねーからな!by フェルト『Re:ゼロから始める異世界生活』コミック第一章2巻
スバルはフェルトのこのセリフに共感。
だから同じ言葉を使いフェルトにハッパをかけたのです。
コミック版、熱血してます!
コ) ラインハルトの登場の仕方は?
フェルトを逃がし、スバルはエルザに勝てないと分かっていても足掻きまくる。
エルザの刃がスバルを捉えようとしたその瞬間──
現れたのは剣聖ラインハルトだった。
救世主ラインハルトが現れ、スバルが危機を免れた盛り上がるシーン。
盛り上がったシーンに水を差すのは申し訳ないのですが・・・
アニメでも原作でも、理由が分からず違和感があったのは、なぜ、ラインハルトは天井を突き破って現れたのか?
ラインハルトは空を飛んできたの??(苦笑)
コミック版は、明確です!
エルザの刃がスバルに襲いかかると思ったその時──
二人の間を、銃弾のような”何かが真横に”突っ切り、衝撃でエルザの手が止まる・・・
次の瞬間、壁には大きなへこみができ、中心には1本の剣が刺さっていた。
ラインハルトが盗品蔵へ到着。
盗品蔵の外からパックの魔法でできた壁の大穴を通して、剣を投げつけたのです。
そして、ラインハルトは”壁の穴”から盗品蔵の中へ!
これはとても自然な登場、違和感など感じません。
ただ、ラインハルトは剣を一本しか携帯してなかった気がするのですが・・・
ま、きっと剣が落ちていたのでしょう!(笑)
コ) ラインハルトの一撃は王都の防壁まで破壊!
剣聖ラインハルトの一撃は、空気を切り裂き、盗品蔵を越え、隣接する王都の強固な防壁をも切り崩していく──
アニメとは違い、コミック版は原作に忠実。
盗品蔵は王都の防壁を背にして建てられています。
盗品蔵の位置については、詳しくはコミック1巻の比較レビューをどうぞ。
ラインハルトの一撃は、盗品蔵だけでなく隣接する王都の防壁まで一瞬で破壊したのです。
その破壊力たるや・・・
迫力ある絵は、ぜひコミック2巻で確かめて下さい。
おわりに (コミック『リゼロ 第一章』2巻とは)
1巻同様、展開ペースが早いのが残念。
エルザとラインハルトの戦いは一瞬で決着がついてしまいます(涙)。
かなり原作を端折っている反面、アニメ化されなかった原作部分が漫画化されたり。
アニメとコミックの取り上げ方の違いが面白い。
アニメは見たけど、小説を読むのは面倒って方にちょうど良いかもしれません。
さらにオススメなのは、コミック版なりの工夫、独自解釈した描写。
アクションシーンはアニメと違う動きになっていたり。
フェルトの住みかが、更にみすぼらしくなっていたり。
同じ原作なのに解釈や表現の仕方が違うと、このように変わるのだと楽しめました。
以上、『Re:ゼロから始める異世界生活 第一章』コミック2巻のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
コミック第二章1巻のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はTwitter(@toki23_a)にて!
ではでは。
関連記事
ComingSoon