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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『幼女戦記Ⅱ』第4話「鉄槌作戦」を鑑賞しました。
本レビューでは、アニメの感想に加えて原作ノベルを読んだ際の気付き、個人的な解説や考察をお届けします。
時文次話以降のネタバレはありません
ご安心ください!
皆さんの理解の助けとなり、作品をより楽しんでいただければ幸いです。
今話の原作
今回アニメ化されたのは──
- 原作ノベル
-
7巻 第四章「鉄槌作戦」-第六章「『勝ちすぎた』」
- コミカライズ
-
未収録 ※アニメの方が先行
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- 鉄槌作戦は一か八かの大バクチ!?
- (原作) 鉄槌作戦への皆の反応
- (原作) カランドロ大佐は、なぜ突然現れた?
- 「鉄槌作戦」作戦の概要
- (原作) 「敵戦区の間隙」とは?
- (原作) 結局、どうやって敵戦区を抜けたの?
- (原作) 「組織的な離脱」とは?
また、それって問題ないの?
※「(原作)」は、原作情報を根拠の中心にして考察しているトピック
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『幼女戦記』は、カルロ・ゼン先生によるライトノベルが原作です。
私は原作ノベル・コミカライズ共に未読です。アニメ鑑賞後に、アニメ化済み部分のみを読んでレビューを作成しています。
そのため、次話以降のネタバレは書けないので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
原作ノベル・コミカライズを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
なお、原作の情報については「原作情報」として区別して記載します。
ココア緑系の色を目印にしてね!
時文ちなみに、考察や解説はオレンジ系です
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際の目安にしてください。
各話リスト
劇場版
| コミカライズ | 原作ノベル | |
| 劇場版 | 21 – 32巻 | 3・4巻 |
※話数:リンクは各話レビューへ
| 話数 | サブタイトル | コミカライズ | 原作ノベル |
| 第1話 | サラマンダー戦闘団 | - | 5巻 |
| 第2話 | 奇妙な友情 | - | |
| 第3話 | 善意の仲介人 | - | 6巻 |
| 7巻 | |||
| 第4話 | 鉄槌作戦 | - | |
| 第5話 | |||
| 第6話 | |||
| 第7話 | |||
| 第8話 | |||
| 第9話 | |||
| 第10話 | |||
| 第11話 | |||
| 第12話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
はじめに
連邦との講和を進める中、より有利な条件を呑ませるため、帝国は鉄槌作戦を発動する。
蜜を夢見ば毒までも、栄華を夢見て国滅ぶ。
戦争は悪魔の囁きなのか、それとも勝利が幻想を見せるのか・・・。
踊る世論になびく政治家、結果、幕を下ろせない軍部。たとえ運良く得た勝利でも、勝ちは勝ち。なまじ強ければ強いほど、期待が膨らみ後へは引けない。
勝利すれば報われる?
否、勝ってしまったから欲張ってしまう・・・。このままでは国が滅ぶ気がするが、そんなことも想像できないほど、戦争は人をおかしくするのか・・・。
ココアホントそれ!
時文皆、レンズキャップ外し忘れて本質が見えてない気がする…
ココア・・・あっ、Cパートってそういう意味なの!?
時文目の前のことに気を取られ、実態が見えてない比喩だと捉えた
ココアお~
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー『幼女戦記Ⅱ』4話「鉄槌作戦」
アバンタイトル
イルドア王国を介した連邦との講和の機運が高まる中、帝国はより有利な条件を押し付けるため、大規模反撃戦を発動していた。
戦争の代価
── 細君は娘さんとまだ南部の実家に?
ああ、娘婿が死んでからはずっとだ。まだ心の整理がつかんらしい。
── 覚悟はしていただろうが、今の帝国ではありふれた悲劇か。
by ルーデルドルフ中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
まず細君は奥様のこと。セリフから、ルーデルドルフの娘の夫が戦死していることが読み取れます。冒頭で墓参りしていたのは、その娘婿の墓でしょう。
ルーデルドルフは、仲間や部下だけでなく、家族もこの戦争で失っていたのです。
── 何にせよ、これで終わらせたいものだな。
by ルーデルドルフ中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
ああ。
ゼートゥーアの問いかけに、ルーデルドルフは肯定する。彼も講和を望んでいるのです。
ルーデルドルフは、前話ラスト、「運命は己の拳で掴む。誰かの手に委ねなどせん」と言っていましたが、彼自身も早く戦争を終わらせたい。講和したいのはターニャとゼートゥーアだけではなかったのです。
ココア良かった~~
時文なのに、終わらせられなかったのか…
乾坤一擲
ゼートゥーアもルーデルドルフも、戦争を続けたいわけではありません。二人とも、落としどころを探しています。ところが、前話で連邦が提示した講和条件は「無賠償、無割譲、無条件での停戦」という到底納得できないもの。
東部戦線は膠着状態。連邦の物量作戦に圧力をかけるほど押し込めていません。このままでは帝国に有利な講和条件は引き出せない。
そこで取った策が、今回の「鉄槌作戦」です。
もう作戦は始まっている。乾坤一擲の大規模反撃戦だ。
by ルーデルドルフ中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
正直なところ、今の帝国に大規模攻勢をかける余力はありません。「乾坤一擲」とは、運命を賭けて、のるかそるかの大勝負をすることです。
つまり、帝国の講和条件を有利に導くため、ルーデルドルフは一か八かの大バクチを打ったのです。
Aパート
大規模反撃戦「鉄槌作戦」は、空挺部隊を連邦領へ送り込み、敵野戦軍を包囲して殲滅する作戦だった。サラマンダー戦闘団には、敵包囲網をかいくぐりながら、空挺部隊との合流が求められた。
十人十色
無条件での講和がまとまるはずが、ここに来ての大規模攻勢とは・・・。
– 中略 –
私も彼らを見習わねばならんな・・・。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
口々に述べる部下の意見に耳を傾けるターニャ。
ここで一つ疑問が生じます。司令部からの作戦命令は封印されており、ターニャしか読んでいないはず。それなのに、部下たちはなぜ作戦について意見を述べているのでしょうか?
ココアあっ、確かに!
原作を読んで分かりました。
この時点で「鉄槌作戦」は既に発動されており、部下たちも大規模攻勢が始まったことだけは知っていたのです。サラマンダー戦闘団は命令あるまで待機中。だから、それぞれが作戦に対する個人的な考えを述べていたのです。
ここからが面白くて ──
同じ作戦、同じ情報量であっても、部下たちの捉え方は十人十色。各人の経験や個性が見えてくるのです。
ニコリと笑うセレブリャコーフ中尉は例外カウントだろう。良くも悪くも、参謀本部からの無理難題になれている手前、彼女は参考にはならない。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記』原作ノベル7巻
無茶な作戦に慣れきっているヴィーシャは、この程度の作戦では動揺しなかった。他の士官からすれば異様ですが、彼女には当たり前なのです(笑)。
黙々とチョコレートバーを背囊に突っ込み始めているグランツ中尉は、この点、素直な口だろう。士官としてはどうかとも思わないでもないが、現場レベルで可能な対応を採用しているあたり、評価には値する。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記』原作ノベル7巻
グランツは、作戦が長くなると予想して、チョコレートバーを確保していたのです。
原作のこの描写の面白さが、きちんとアニメに反映されたことが嬉しいですね。
カランドロ大佐
今話後半、イルドア王国の観戦武官であるカランドロ大佐がターニャの前に現れました。前話で講和が決裂したので本国へ戻ったのかと思いきや、まだいたようです(笑)。
ココアカランドロ大佐、なんでまだいるの?
時文まだ講和の交渉中ということだね
では、それまではどこにいたのでしょうか?
その答えは原作ノベルに描かれていました。
カランドロ大佐は作戦開始前からずっとサラマンダー戦闘団に帯同していました。作戦説明時にいなかったのは、さすがに遠慮してもらったのです。
ここ暫く、指揮所にいつも姿のあったイルドア王国の観戦武官殿の姿がないのは否が応でも目立つものだ。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記』原作ノベル7巻
「カランドロ大佐殿にはご遠慮いただいた。さすがに、というところでね」
イルドア王国を介しての講和交渉は継続していたのです。つまり、レルゲンはずっとイルドア王国にいた。だから帝国参謀本部には、レルゲンの姿がなかったのです。
ココアあ、だからレルゲンいなかったんだ!
「鉄槌作戦」概要
本作戦の目的は、敵野戦軍の包囲殲滅。連邦主軍を壊滅させ、その戦争継続能力を奪うことにある。
作戦の肝は、敵地後方の大河を巨大な障壁に見立てることだ。これを障壁たらしめるべく、すでに空挺部隊が降下を完了。数ヶ所の橋で封鎖を進めている。そして、先遣した降下猟兵を後続で増強。敵の進路と補給を締め上げる。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
ターニャから「鉄槌作戦」の概要が説明されました。
あまりに規模が大きく、アニメでは作戦のところどころしか描かれないので分かりにくいですが ──
要するに、敵地の後ろ側にある大河の橋を、空挺部隊が占拠。本国から孤立した連邦軍を、前後から挟み撃ちにする作戦です。
この作戦パターンは、『幼女戦記』でもこれまで何度も登場してきました。北方の協商連合でのフィヨルド要塞襲撃、ライン戦線での”衝撃と畏怖”作戦。繰り返し用いられてきた、実績のある作戦なのです。

ただし、実行は簡単ではありません。空挺部隊だけでは、橋を奪還しようとする連邦主軍の猛攻に耐えられません。戦力差がありすぎるのです。
時文空から戦車は下ろせないからね
ココアあっ、そうか!
作戦の成否を握るのは、戦車などの機甲戦力がいかに早く空挺部隊に合流できるか。その先鋒を任されたのが、サラマンダー戦闘団です。中央正面からの敵陣営突破の最先鋒「中央打通組」として、最も重要な役割を担わされたのです。
デッドスポット
敵の防衛網は厳重です。塹壕戦こそ構築されていませんが、どのように突破を?
by トスパン中尉(歩兵指揮官)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
敵陣突破に時間がかかれば、合流が遅れ、空挺部隊が全滅しかねません。
そもそも、これまでの戦線は膠着状態。敵防衛網を突破できるのでしょうか?
歩兵部隊のトスパン中尉でなくても疑問に思うのは当然です。
参謀本部の情報屋どもは、敵戦区の間隙を穿たせる腹のようだ。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
「間隙」とは、隙間のこと。
敵防衛線に隙間があるとはどういう意味でしょうか?
ココアうん、全然意味分からなかった(苦笑)
その答えは原作にありました。
敵防衛の隙間が生じるのは、戦線の構造に原因があります。
軍隊は、縦割りだ。担当区域の防衛に全力を尽くす指揮官とて、隣の区域防衛と権限が被るところでは円滑な指揮統制確保するのは人間の常として難しい。
by 『幼女戦記』原作ノベル7巻
それらを防止するために階級と先任が明記されていると断言できるのは素人だ。敵が襲ってきたとして、それがどちらの担当区域なのかを瞬時に判別できる軍隊は地上に存在しない。
つまり、軍隊は組織として担当区域ごとに分かれているということ。東部戦線は異様に長い。そのため複数の部隊に分割されて防衛にあたっています。その結果、どうしても担当区域と区域の間に死角が生じるのです。
野球で言うところのポテンヒットを狙ったのです。
ココアお~、実感しづらいけど、なんとなく分かった
ただし、この作戦に対して、部下も疑問を抱いています ──
「……確かに、敵の管轄を把握できていれば大したものです」
by アーレンス大尉(機甲部隊指揮官)『幼女戦記』原作ノベル7巻
そのような隙間が存在することは理解するものの、敵の管轄をそこまで正確に把握できるものなのか?
ターニャもその危惧は尤もだと肯定しながら、参謀本部の分析はある程度信頼しています。
だとしても「仮に失敗すれば、敵地後方を扼せる空挺戦力が全滅する訳で……途方もなく壮大なギャンブルだ」とターニャは考えています。
小細工
戦闘団の規模で敵の間を縫って進むなど、本当に可能なのですか? 味方との連携も取れないですよね?
by アーレンス大尉(機甲部隊指揮官)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
敵陣営の隙間を縫って、見つからずに進む・・・。
サラマンダー戦闘団の人数は、2期開始時点で数千規模でしたが、今回の作戦は、先鋒だけで三個師団強の規模に増強されています。つまり、約3万人の大軍です。

これだけの規模の軍隊を、敵に気付かれずに移動させなくてはならないのです。
ココアいや、無理でしょ…
そこで考え出したのが ──
諸君らの不安は理解できる。よって、小細工を行うことにした。
– 中略 –
── タンクデサント、思った以上にお尻が痛いですね・・・。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
「タンクデサント」とは、戦車の車内ではなく、戦車の上に乗って移動すること。
これが敵に気付かれずに突破する秘策? そう単純ではありません。
だが、飛行による魔導反応を抑制すれば、他の魔導部隊に注目を集めることができる。連邦軍は上空の魔導士ばかりを警戒するゆえ、突破の成功率が格段に上がる。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
本当の秘策は、魔導反応を抑制することにありました。
地上を戦車で移動するサラマンダー戦闘団には、魔導反応が発生しません。一方、空を飛ぶ他の帝国軍魔導部隊は、当然、魔導反応を発します。連邦軍は、魔導反応を監視しています。
原作ノベルによると ──
東部戦線において帝国軍航空魔導師の跳梁跋扈に手を焼いていた連邦軍が、入念に対航空魔導戦防備を固めていたのは逆に幸いだったのだろう。
by 『幼女戦記』原作ノベル7巻
つまり、連邦はここまで散々魔導部隊に痛い目に遭わされてきたため、魔導師を過剰なまでに警戒していたのです。
敵は魔導反応を頼りに、帝国軍の位置を把握して迎撃していました。
ターニャが友軍の通信を拾う限り、航空魔導部隊に対し連邦軍は感知次第即座に要撃戦力を差し向け、敵わぬ場合でも魔導反応を帝国軍の所在位置特定に活用しているらしきことは確実だった。
by 『幼女戦記』原作ノベル7巻
結果は、魔導反応を発しながら前進する他の帝国軍部隊に、連邦軍の警戒が集中。その間に、魔導反応を抑え敵担当区域の隙間を進んだサラマンダー戦闘団は、敵の防衛網をくぐり抜けたのです。
結果、ターニャのサラマンダー戦闘団は東部における記録的な進撃速度を達成。拍子抜けするほど順調な突破行程を満喫できていた。
by 『幼女戦記』原作ノベル7巻
だから、一番早く空挺部隊と合流できたのは、ターニャたち中央打通組だったのです(笑)。
時文ん?これって味方を囮にしたような…
労い
── 三日近くの孤立で、既に弾薬が残り少なく。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
直ちに手配しよう。代わりと言ってはなんだが、少し水を分けてもらうぞ。
── 水?水ならいくらでも。
それは君たちが得た獲物だろう?
空挺部隊は、敵地に孤立した中で、3日近くも敵の猛攻に耐え抜いたのです。
ココアスゴッ!
ターニャは、不足している弾薬を直ちに手配することで、空挺部隊に敬意を示した。そして、敵から守り抜いた大河の水を「君達が得た獲物(戦果)」だと讃えたのです。
ココアターニャ、粋!
カメラ一式の手配はお任せください。
by ヴィーシャ『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
原作によると ──
敵地でのカメラ手配は、『劇場版 幼女戦記』の連邦首都モスコーでやったときと同様、現地調達したようです(苦笑)。(劇場版 )
ヴィーシャ、優秀ですね!(笑)
敵司令部探索
── 敵陣地は予想以上に強固!各所で苦戦している模様!
くそっ!相変わらず参謀本部は人使いが荒い!
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話

敵司令部強襲といえば、第203航空魔導大隊の出番です!これまで何度も敵司令部を叩いてきました。しかし今回、連邦は司令部防衛を想定していたのか、守りは予想以上に強固。
あまりの強固さに、ターニャは目の前の司令部は偽装と判断。撤退を選択しました。
アリバイ作りのように、離脱しながら敵司令部を探索したところ ── 本当の敵司令部を発見してしまいます(笑)。
あのバカ!散々誤認しておきながら、なぜこんな時だけ!?
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
「散々誤認しておきながら」とは、戦車で移動中、カカシや味方の兵士を敵と見間違えてしまったこと。いつも誤認ばかりしているヴュステマン中尉が、こういう時に限って見つけてしまった。
結果、大手柄を上げることになったのです(笑)。
最大限の成果
── 敵司令部を直撃!レルゲン戦闘団がやってくれました!
── 敵の組織的な脱出も見られていたところです。包囲から全面的に脱出されることは阻止しました。現状、望める最大限の成果かと。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
またしてもターニャ率いる部隊が大活躍。乾坤一擲の博打作戦は大成功を収めたのです。
── 勝ったな。
ああ、また勝てた。
by ルーデルドルフ中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
ルーデルドルフの言い方が気になりますね ──
「勝った」ではなく「勝てた」。
単なる可能動詞の違いではなく、ニュアンスが異なります。「勝った」は想定どおりの勝利。「勝てた」は、困難を乗り越えた想定外の勝利という意味が込められています。
そこへ、「また」が加わっています。
ルーデルドルフが指揮した作戦を思い出してください。北方方面軍のフィヨルド要塞奇襲(1期7話)、共和国軍主力を一網打尽にした「衝撃と畏怖」作戦(1期10話)。成功確率の低い作戦を、何度も勝利させてきたのです。
この成功の繰り返しが、ルーデルドルフに余計な自信を与えてしまったのではないでしょうか。
ココア・・・あっ、それが最後のセリフに繋がるんだ!
葉巻とタバコ
冒頭シーンで、ルーデルドルフがタバコを吸っていました。いつも葉巻を吸っていたのに、なぜ今回はタバコなのか。
原作によると ──
高級将校ですら葉巻は貴重品となっているようです。葉巻の代わりに「手巻きのタバコ」で代用しているのです。
帝国の困窮はそこまで波及しているということ。戦争継続のため、国民も指導部も我慢を強いられているのです。
ココアだったら、戦争なんて止めればいいのに…
時文そこまで我慢しているからこそ、見返りが欲しいんだろうね…
ココアそういうことか…
Bパート
連邦へ仕掛けた鉄槌作戦は大成功を収めた。これにより、参謀本部は連邦に対して有利な条件で講和ができると確信していたが・・・。
連邦の抵抗
── 見事にやり遂げたな。連邦もここまで大敗すれば、停戦は時間の問題だろう。
しかし、数ヶ所で組織的な離脱を許したとの報告もあります。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
「離脱」とは、連邦軍が本国へ逃げ帰った、ということです。
帝国は、橋を占領し連邦軍の退路を断ちました。その上、ターニャが、連邦の司令部を叩きました。
なのに、組織的な離脱をされてしまった!? これは一体どういうことでしょうか?
原作を読んで分かったのは ──
離脱されたのは、ターニャが任された中央のことではなく、他の橋でのこと。
ターニャは、このことを重く受け止めています。
連邦軍というのは、どこまでも厳密なピラミッド型。……良くも悪くも、鋼鉄の統制を誇る連邦軍は、頭が弱点であるはずだったのだ。頭を潰せば、下部はマヒするものだと無条件にターニャですら信じ込んでいた。
by 『幼女戦記』原作ノベル7巻
「監督する上級司令部抜きで、下級部隊が相互に連携し、調整したと? くそっ、考える軍隊じゃないか!」
ターニャは確かに敵司令部を壊滅しました。
ターニャの認識では、連邦軍は頭を失えば烏合の衆なはずでした。
ところが、司令部を潰したのに組織的な離脱が発生していた。司令部抜きで下部組織が互いに連携して動いていたのです。
「命令遂行型じゃなかった! くそったれめ、任務遂行型への転換だぞ、これは!」
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記』原作ノベル7巻
連邦軍の変化に驚くターニャ。潜在的な脅威を認識したため、勝利を無条件には喜べなかったのです。
衆愚主義
かろうじて戦力は残っているようだが、このざまとはな・・・。政治局が手打ちにしたがるのも当然だが・・・、愛しの妖精さんを諦めろと!?
by ロリヤ内務人民委員(連邦)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
出ましたロリヤ!
連邦は、今回、帝国に完全に敗北してしまいました。本来なら、これ以上の被害を避けるために講和すべき状況です。ところが、ロリヤにとってはここで停戦すると、ターニャを手に入れる機会を失ってしまいます(苦笑)。
政治局は帝国との講和に傾いていますが、ロリヤは戦争を継続したがっています。理由は明白 ── ターニャへの執着です。
ココアキモッ!
それに、完全に個人的な理由じゃん!
ところが、ロリヤは新聞から帝国の世論を知り、講和は上手くいかないと確信します。
“圧倒的な要求条項“
“見返り“帝国は勝利に酔っている?国内の実情も知らず、プロパガンダに踊らされている?
まったく、これだから統制されていない衆愚主義は・・・。やはり我々は政治で戦うべきだな。いやはや、恋路とは応援されるものですなぁ・・・。
by ロリヤ内務人民委員(連邦)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
権威主義の連邦は言論とメディアを統制できます。一方、民主主義の帝国はそうではありません。結果、メディアが報じる勝利は国民感情へ直結し、政府の判断に影響を及ぼすのです。
つまり、帝国の勝利が国民を煽ってしまったのです。
ココアえっ、良い条件で講和するための作戦だったのに…
時文皮肉だよね…
原作では、ロリヤはさらに興味深い分析をしています。
彼らは、『スパイ』を警戒している。
by ロリヤ内務人民委員(連邦)『幼女戦記』原作ノベル7巻
実に正しく、実に愚かだ。『隠したいこと』だけが守られ、それ以外が手放し。情報戦の基本は、なんでもない普通のことをパズルのように組み合わせ、大きな絵を描くことだというのに!
帝国は軍事情報は規制していますが、その他の情報は野放し。ロリヤたちはその公開情報から、隠されている情報を読み解いているのです。
帝国軍は、検閲を行っているつもりなのだろうが……新聞報道というのは『検閲』ではなく、『指導』しなければ喉としては不十分だという事実を知らないのだろう。
by ロリヤ内務人民委員(連邦)『幼女戦記』原作ノベル7巻
「検閲」ではなく「指導」 ── 戦時に於いては、深く考えさせられる指摘です。
講和
現時点での軍事境界線を境に全軍が停戦。現有支配地は暫定的な統治とみなし、領有権の移譲は行わない。国境数十キロには非武装地帯を設定。現在、帝国が占領した連邦領では、住民による帰属・独立投票を条件に、多国籍の監視を受け入れ、講和成立とともに投票。
軍がイルドア経由でまとめた外交合意案で間違いありませんね。
by 政府『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
参謀本部は、この講和条件なら妥協できると考えていました。鉄槌作戦で東部戦線は大幅に前進。戦車でも2日かかる距離を一気に占領したのです。この成果を前提に、講和交渉を進めるつもりでした。
ところが ──
── どうやら国内の世論をご掌握されてないですな。
by 政府『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
── こうした条件での停戦講和などとても認められません。
政府側は納得しません。
前話でも示されたように、戦争に投資してきた国民と政府は、それ相応の見返りを求めているのです。敗戦国からの賠償金なしでは、帝国の財政は破産してしまう。勝っている今だからこそ、もっと有利な条件を勝ち取るべき。
帝国はここのところ負け知らず。だから余計に、まだ勝てると考えているのです。良い条件を得られるまで勝てば良い、相手を叩きのめせばいい、と ──

そこまで勝てと仰るなら。
by ルーデルドルフ中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第4話
── やめろ!
勝ってご覧に入れましょう。
── その口をつぐめ!ルーデルドルフ!!
いかなる犠牲を払ってでも、我が軍は勝利いたします!
ルーデルドルフは言い切りました。
売り言葉に買い言葉か、それとも彼自身も勝利の美酒に酔いしれているのか ──
鉄槌作戦成功時に「また勝てた」と呟いたルーデルドルフ。成功の繰り返しは確実な自信を育てていました。今や連邦首都モスコーさえ射程距離。目の前に見える果実に、手を伸ばしたくなるのが人間です。
ルーデルドルフだけではありません。理性的な帝国も、戦争に心も体も財産をも蝕まれ、欲望に支配されてしまったのです。
最大領域?
今話を鑑賞していて、一つ疑問が浮かびました。
『劇場版 幼女戦記』冒頭で、未来のシーンが描かれました。(劇場版 )
あの時代、帝国は圧倒的超大国でした。協商連合、ダキアに続き共和国をも撃破。その残党こそ、南方に取り逃がしましたが、大陸に覇を確立しました。“帝国最良の時代”と呼ばれる最大領域を支配したのです。
by WTN特派記者アンドリュー『劇場版 幼女戦記』
記者が語った「最大領域を支配」。
つまり、帝国はこれ以上、領土を広げないことが示唆されていました。
ところが、どうでしょう。
今話、帝国は鉄槌作戦で東部戦線を大きく前進させ、連邦首都モスコーすら射程距離に収めました。
これは、領土拡大ではないのでしょうか?
このことは何を意味するのでしょうか?
未来のレポートは大雑把なものだったのでしょうか。それとも別の可能性があるのでしょうか ──
おわりに (『幼女戦記Ⅱ』4話とは)
二期に入って、怒濤のペースで原作ノベルを消化してきましたが、ここに来てようやく落ち着きました(ホッ)。
ただ、戦闘シーンはあるものの、1期のような爽快感はなし。今話も政治劇がメインといって良いほど。
時文実は、二期は中将二人が主役じゃね?などと思ったり…
ココア・・・あっ、確かに!
いや、我らが妖精・ターニャ様がいるからこその勝利だと思いますが、国の行く末となるとターニャが蚊帳の外なのがもどかしい。
ターニャの活躍を見たいが、帝国が負けないと戦争は終わらない・・・。この矛盾した状況を、作品としてどのように着地させるのか。つい怖い想像をしてしまいますが、最後まで見届けたいです。
以上、TVアニメ『幼女戦記Ⅱ』第4話の感想&考察レビューでした。長文にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越しください。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
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ココアこれで毎日ケーキ食べられるかな!?
時文(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!
今週のX感想ポスト
#幼女戦記 Ⅱ4話
— 時文@(幼女戦記レビュー中)ここアニ管理人 (@toki23_a) July 31, 2026
蜜を夢見ば毒までも
栄華を夢見て国滅ぶ
勝ったのに嫌な予感しかない…
踊る世論に幕下ろせない軍部。なまじ強ければ強い程、期待が膨らみ後へは引けぬ
幻想を抱かせる戦争は、やはり悪魔の囁き😱
これでは勝っても国が滅ぶ気もするが…
皆レンズキャップ外し忘れ本質見えてない!?
関連記事
アニメ『幼女戦記Ⅱ』次話のレビューはこちら!
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