こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『シャドーハウス』第5話「”お披露目”」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の原作
今回、アニメ化されたのは原作2巻 21~24話。
※厳密に言うと20話ラスト2ページ、3巻25話2ページ程も今話に
ついに始まった、お披露目!
でも、生き人形としての振る舞いを、エミリコは殆ど知らないのでは!?
なんだかとても不安です(苦笑)。
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
作品レビュー 一覧
話数 | サブタイトル | 原作 |
第1話 | シャドーと生き人形 | 1巻 |
第2話 | 部屋の外には | |
第3話 | すすによる病 | 2巻 |
第4話 | 深夜の見回り | |
第5話 | ”お披露目” | |
第6話 | 庭園迷路 | 3巻 |
第7話 | 不完全な地図 | |
第8話 | 手のひらの上 | |
第9話 | 鳥籠と花 | 4巻 |
第10話 | 最後の一対 | |
第11話 | 黒い飲み物 |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
今回のあらすじ
お披露目の日、当日。
今回の対象はケイト、ジョン、ルイーズ、パトリック、シャーリーと生き人形達の5組。
特別な生き人形、エドワード主導で”お披露目”が開始された。
シャドー家で成人になるには儀式”お披露目”をクリアしなければならない。
ついにと言うべきか、急に始まったと言うべきか・・・。
エミリコ同様、お披露目の内容を知らないまま、当日を迎えてしまいました(笑)。
エミリコの人への思いやりは、競い合いの場では弊害にしかならない?
優しさは、長所となるのか短所となるのか。
一方、エミリコの友達であるミア。
ミアがサラに叩かれる衝撃的なシーンが。
なぜミアが自ら申し出たのか?
じっくり見ればミアの真意は分かります。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第5話「”お披露目”」
亡霊騒ぎの原因 (原作20話)
エミリコ達が突き止めた亡霊の原因。
亡霊騒ぎの原因は設備の故障だった。
この世界に時間概念が!?
みんなそろそろお部屋に戻る時間よ。
by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第5話
ローズマリーが時計をチェック。
って、この世界に時計あるのですね!
正確な時間を意識しているような動きではなかったので驚きました(笑)。
普段はケイトと二人で過ごしているので、細かい時間は気にしなくて良いのでしょう。
原作では、ミアが特に時間厳守と言われています。
あらぁ!
みんなそろそろお部屋に戻らないとだわぁ。特にミアは時間厳守でしょ?
※太字は、アニメではカット
by ローズマリー『シャドーハウス』コミック2巻 第20話
だから、ミアは一人駆け出していったのです。
ミアの部屋はいつもすすだらけ?
バービーの悔しがる顔を見て、ご機嫌だったミア。
ところが、部屋へ戻ると一転──
サラ様・・・。
by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第5話
ミアの部屋は、すすだらけ。
エミリコからもらった人形は無残にも・・・。
ミアは、サラの名前を出しているので、すすで部屋を汚したのはミアの主人・サラ。
ミアの部屋がすすだらけなのは、2話Cパートでも描かれました。(2話 )
ミアの部屋はいつもサラに入られているのでしょうか?
それとも、一度入られて、ずっと掃除をしていないのでしょうか?
別の視点で考えると──
今回は、ミアが大掃除に出かけていたので、サラは簡単に部屋に入れたでしょう。
前回(2話)は、世話を終えて部屋に戻った際、すすだらけなのを見つけました。
そもそも、前回サラはいつミアの部屋へ行ったのでしょうか?
ミアの部屋が描かれるのは、原作では、ここが初めてです。
2話Cパートのタイミングで描かれたのはアニメオリジナルです。
アニメだけ見ると、ミアの部屋はいつもすすで汚れているようにも取れます。
が、ミアは今回部屋の状態を見た時、驚いています。
このことから、ミアの部屋がすすだらけなのは、今回が初めてなのではないでしょうか?
これまでの流れから──
生き人形が一人で部屋の外へ出るのは、大掃除の時だけ。
2話ラスト、ミアはサラのお世話をした後、部屋へ戻りすすだらけになっているのを発見しました。
お世話中にミアがサラを見失い、その間にサラがミアの部屋へ行ったとは考えにくい。
その点からも前回ミアの部屋がすすだらけだったのは不可解です。
それと今回、ミアはすすだらけの部屋を見て驚いています。
私は、前回ミアの部屋がすすだらけだったのは、アニメ的演出だと解釈します。
恐らく、完璧に見えるミアにも闇があると印象づけたかったのではないでしょうか。
演出としては打って付けですね。
ここでは、ミアの部屋がすすだらけになったのは”今回が初めて”だと仮定します。
では、なぜサラがミアの部屋を探ったのでしょうか?
「エミリコの人形を壊したこと」。
ここにサラのメッセージが込められています。
ミアは、サラのメーセージを理解したから、後の折檻シーンとなったのです。
前夜 (原作21話)
エミリコは、ケイトから明日が”お披露目”の日だと知らされる。何もできなかったエミリコは不安を募らせる。
明日がお披露目!?
明日が”お披露目”!?
by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
お披露目が明日であることを知るエミリコ。
亡霊の原因探しの見回りのせいで、前日まで知らされなかったのです。
とは言っても、深夜の見回りをしたのは5日間のみ。
その前に勉強できたのでは?
それとも、お披露目の日が決定したのは直前だったのでしょうか?
それに、深夜の見回りで勉強できなかったのはエミリコだけでなく、ショーンやラムも同様。
二人ともエミリコ同様時間なかったはずですが、ショーンは”顔”として振る舞い、ラムは踊りもできました。
決して、この5日間忙しかったことだけが原因ではないですね。
むしろ、”お披露目”に向けて何を勉強すればいいのか分からなかったのが悩ましい。
何をしても空振りになるかもしれない。
だからこそもっと根本的な事を──
偶然でもサラ&ミアを見かけたのですから、二人をお手本にしてケイトの顔となるよう努力するとか、やることはあったと思うのですが・・・。
まあ、物語的にはぶっつけ本番の方が面白いですが(苦笑)。
メタ的な観点は置いといて、ケイトはエミリコに細かい事を言っても無理、自由人なのがエミリコの強みだと思っている節がありますね。
ケイトはエミリコを他の生き人形のように矯正するつもりはない、ということ。
そうだとしても、ケイトはエミリコに教えなさすぎな気がするのですが。
その選択が、吉とでるか凶と出るのでしょうか・・・。
反則技の顔芸
笑って。
悲しんで。クスッ・・・もういいわ。
by ケイト『シャドーハウス』TVアニメ第5話
エミリコの笑う顔は何度も見てきましたが、自分で作る「悲しい」顔。
これは、なかなかの破壊力!
ケイトが思わず笑ってしまうのもうなずけます。
ただ、このリクエストは何の意味があったのでしょうか?
エミリコも不思議がってます(笑)。
一つ言えるのは、エミリコは感情表現は豊か、それどころか自由自在。
ならば、ケイトの感情を読み取りさえすれば、ケイトの顔としては機能する。
ケイトは、エミリコとの関係は良好だから、自身の感情を理解してくれていると思っていたのではないでしょうか。
だからこそ、次のシーンでエミリコの心情描写──
ケイト様に迷惑かけてばかり・・・。
ケイト様の気持ちも理解していない・・・。by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
ケイトの「気持ちを理解していない」セリフが効いてくる。
エミリコはケイトの気持ちも考えも理解できてないと自覚。
この時点で二人の解釈にズレが生じていたのです。
サラの気持ちを汲み取るミア
サラ様。
私に、成長の機会を与えて下さい。by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第5話
部屋を汚され人形を壊されたのに、ミアは怒るどころかサラに折檻を申し出る。
これが生き人形の宿命?
少し違います。
ミアが部屋を空けた間に、サラが忍び込み人形を壊していった。
これは、人形を持っているのを怒った?
いいえ、エミリコと仲良くしているのに怒ったのです。
サラ達は、星つきにならないといけないのよ!
“偉大なるおじい様”に認められるのはサラ達なのよ。まだ”お披露目”も済んでない「失敗作」と遊んでいる場合じゃないわ!!
ミアはサラのためだけに動くの!
ミアはサラを輝かせるためにいるの!ミアは優秀なんだから!!
by サラ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
サラが怒っているのはエミリコとの関係。
だから「『失敗作』と遊んでいる場合じゃない」と言ったのです。
ただ、その後の「サラのためだけ」「輝かせるためにいる」「ミアは優秀」。
このセリフの変化を聞いていると、サラは星つきになるためだけでミアに厳しくしているのではない気がします・・・
サラはミアが好きなのではないでしょうか。
それも依存するほどに。
なぜなら、単に緩んでいるのを叱るだけなら、普通に言えばいい。
怪しい行動をしているなら、問い詰めればいい。
主従関係なのですから。
それを従者がいない間に、黙って部屋へ入り人形を見つけ破壊する。
サラは、ミアが他のお陰様や生き人形に気を許すのを我慢できない。
もしかすると、ミアに置いていかれるのを不安視しているのかも。
ミアがいなくなる、ミアが自分以外に興味を持つ、と考えると居ても立ってもいられない。
単に「生き人形同士が仲良くなる必要はない」と考えているのかもしれません。
ですが、私にはもっと強い意思を感じました。
ミアに厳しい折檻をするのは、強度の依存症、独占欲、愛情の裏返しな気がします。
そして、ミアもサラの感情に気付いている。
だから、エミリコとの関係を直接怒らずに、人形を壊すという行為に至ったサラの心境を慮って──
サラ様。
私に、成長の機会を与えて下さい。by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第5話
サラを傷つけないよう、そしてサラに従順であることを示すために・・・。
ミアは主人をとても深い所まで理解しているのです。
では、ミアはサラを嫌っているのでしょうか?
今のところその気配はなさそうです。
ミアはサラに付き従うのが、自分の生きる道と理解しているのではないでしょうか。
だから、サラの願いに合わせ、ミアは行動する。
ミアは主人思いなのです。
私は、このシーンをそう解釈しました。
ミアとエミリコのやりとりに、サラはなぜ気付いた?
そもそもサラは、ミアとエミリコとの関係に、なぜ気付いたのでしょうか?
生き人形達の大掃除のことはミアが報告しない限り知り得ません。
ミアが”余計な事”を報告しているとも思えません。
#口を滑らした可能性は考えられますが
単純に、今回壊されたエミリコの人形と手紙に焦点を絞りましょう。
ミアはエミリコのために地図を作成。
大掃除がなく直接会う機会がないので、受け渡しは部屋が上下なのを利用して窓からヒモを垂らして実施。
#アニメではカット、詳しくは4話レビュー をどうぞ
その姿を、サラが直接見ていれば、イヤミの一つでも言えたはず。
ミアは、サラに隠れてこっそりやったのでしょう。
だが、コソコソ何かしているのに気付いたサラ。
ミアが何をやっていたのか探るために、ミアが留守中に家探しをしたのではないでしょうか。
ミアの部屋でエミリコの手紙と人形を見つけたサラ。
サラは怒り、いいえ、嫉妬で破り捨てたのではないかと私は解釈しています。
原) 眠れないので「考えないノート」
「考えないノート」を作って、余計な事は全部書いて忘れちゃおう。
by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第2話
ケイトに「寝なさい」と言われたエミリコ。
原作では、エミリコは一度ここで寝ようとします。
が、色んなことが気になって眠れない。
そこで、「考えないノート」を作って忘れようとします。
原作では、ここで初めて「考えないノート」が出てきます。
エミリコの文字の学習進度から言うと、確かにこの辺の方が合点がいきます。
最初は文字を知らなかった。
ケイトに文字を教えてもらう。
ミアと簡単な手紙(エミリコはメモと言ってます)をやりとり。
ようやく「考えないノート」を書けるように。
ケイトを思うが故に・・・
私はケイト様のことを何も知らない。
落ちたら、ケイト様のことをもっと知りたいのに出来なくなる・・・。私、”お披露目”に受かりたい・・・。
by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
エミリコは暗示にかかりやすいタイプ?
「考えないノート」に書いたことにより頭の中を整理できたようです(笑)。
- 4人目のこと(アニメでは完全カット)
- こびりつきのこと
- 館の外のこと
エミリコには知らないことだらけ。
すすが動くことについてはケイトも知らなかった。
星つきになればもっと色んなことが知れるかもと、星つきを目指すと言うエミリコ。
だけど、そもそも”お披露目”に合格しなければ処分されてしまう。
大好きなケイトのことを何も知らないまま処分されてしまう・・・
エミリコは自分の願いの根源に気付く。
でも、”お披露目”に受かるには何をどうすればよいのか分からないのです・・・
五対の新人 (原作22話)
お披露目を控える5組の新人。エミリコ以外の組も思い思いにお披露目前夜を過ごしていた。そして、“お披露目”当日──
ジョン&ショーン
「顔の見えない人形」に頼んでショーンと同じ形の眼鏡を用意させた。
これでショーンは眼鏡をかけても問題ないだろう。by ジョン『シャドーハウス』TVアニメ第5話
思い切り違和感のあるシャドーの眼鏡。
でもショーンはなかなか触れません。
ショーンが眼鏡に触れたときの、ジョン様の嬉しそうなこと!
生き人形ショーンのために伊達眼鏡をかけるお陰様。
他のシャドーとは違い、気さくな感じ。
ジョンとショーン。
なんだか、いい関係ですね♪
おやすみキスには驚きましたが(苦笑)。
シャーリー&ラム
結局、一度もシャーリー様にお休みのキスをできなかった・・・。
by ラム『シャドーハウス』TVアニメ第5話
ラムは他の生き人形だけでなく、ご主人のシャーリーにさえ話せない?
一度も「お休みのキス」どころか、一度も”会話”すらできてない?
そもそもシャーリーが話さないのでしょうか?
お披露目が始まってからの二人を見ていると、どうも二人とも無口のようです。
パトリック&リッキー
「面汚し」と「無能」と・・・あとひとつなんだっけ、リッキー?
by パトリック『シャドーハウス』TVアニメ第5話
こいつも新人なんですね。
今回の嫌われ役決定(苦笑)。
こういうイキるタイプは後で痛い目に合うのが定番ですが、しぶとく残っていくのでしょうね。
早く、悔しがる顔を見たいです(笑)。
ん?
そういえば、シャドーは悔しがっても表情が全く分からないですね・・・
ルイーズ&ルウ
早くおめかしをさせてっ。
by ルイーズ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
なんと、ルウの主人は、ルウ大好き人間でしたか。
ルウは自分では考えることも判断もしません。
主人であるルイーズの言う事に従うだけ。
ルイーズはルウを人形のように扱いたい。
ある相性ぴったりの二人ですね。
こうして各ペアを見ていると、それぞれ共通点を感じるのですが、何かあるのでしょうか?
お披露目の間は別棟
“生き人形”に聞く。
「おじい様と共にある棟」に続くこの渡り廊下、なぜこんなに長いんだと思う?by エドワード『シャドーハウス』TVアニメ第5話
「お披露目の間」に続く長い廊下を歩く途中。
試験官エドワードは生き人形へ質問します。
「おじい様と共にある棟」=別棟。
3話の授業で、ローズマリーより年上がいる棟と説明されていました。
お披露目は別棟で行われるのです。
エミリコ:ローズマリーより年上はいるんでしょうか?
ローズマリー:あら、もちろんよぉ。あちらの別棟にいらっしゃるわぁ。
ミア:偉い方々の場所よ。
ローズマリー:余計なことは考えちゃいけないわ。by 『シャドーハウス』TVアニメ第3話
別棟には、ローズマリーより年上の方々が住んでいる。
ただ、詮索してはいけない。
と、ローズマリーはエミリコに、生き人形の教えを伝えていたのですが・・・。
既に試験は始まっていた
“生き人形”が考えるべきことではありません。
by リッキー、ルウ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
お花畑のエミリコならいざ知らず、ショーンも答えてしまったのは意外(笑)。
原作にはその理由が──
続きを読む (クリックして下さい)
原作では、深夜の見回りでお陰様と出会います。(4話 )
このお陰様は、他のお陰様とは違いとてもフランクでした。
あのお陰様に調子を狂わされた。
“シャドーハウスについて余計なことを考えてはだめだ”※アニメでは全文カット
by ショーン『シャドーハウス』コミック2巻
ショーンとエミリコは、このときお陰様と自由に話せたので、その調子で応えてしまったのです。
ラムは、人見知りが激しいので返って良かったのかもしれないですね(苦笑)。
エドワードの引っかけ問題に、まんまとやられたショーンとエミリコ。
ルウは”お披露目”に限らず、普段から余計な事は考えません(笑)。
それがここでは功を奏した──
いや・・・ルウのスタンスが”生き人形”のあるべき姿なのです。
格付け (原作23話)
いよいよお披露目が始まった。試験官エドワードに「見せろ」と言われるが、お題は何もなし。お陰様たちは自由に過ごすが・・・。
格付け
君たち五組が今回の顔ぶれだ。
by エドワード『シャドーハウス』TVアニメ第5話
エドワードはそう言って、5人の新人シャドーの人形を6段組の棚に並べる。
上から2段目にルイーズとパトリック。
それ以外の3人は3段目。
恐らくスタートは、上から3段目。
廊下で正しい答えをした二人が、さっそく一つ上に上がったのです。
一番下の段は、針地獄。
針になっているので即アウト?
一度でも落ちるとダメだと言うことでしょうか・・・。
すすの出方にも個性が
お陰様たちも不安になってる。
何をするか知らないんだ。by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
エドワードから何のお題もなく「見せて貰おうか」と言われ、戸惑うお陰様たち。
お陰様たちの表情は分かりませんが、すすの出方で不安がっているのが分かります。
ケイト曰く、すすは怒ったり良くない感情の時に出ます。
これはお陰様共通のようです。
すすが出ているときは良くない感情だと判断すればいいのです。
今回は「不安」ですね。
にしても、すすの出方にも個性があるとは!
これまですすが出る姿はケイトしか描写されていません。
皆同じように頭のてっぺんから出るのかと思っていたのですが、どうやら違うようです。
名前 (原作24話)
完全に心が離れてしまったケイトとエミリコ。ラムとショーンはエミリコを励ますが・・・。
エミリコが励まされる
“生き人形”はシャドーの「顔」としてのみ存在する。
「余計なこと」を考えるのはシャドーに対する反抗である。どんなことがあっても、シャドーに忠誠を誓うべきである。
“生き人形”同士が仲良くする必要はない。by ケイト『シャドーハウス』TVアニメ第5話
「”生き人形”同士が仲良くする必要はない」と断じるケイトの前で、ラムとショーンがエミリコを励ます。
二人に励まされ、元気を取り戻すエミリコ。
エミリコの良さは他とは違う天真爛漫なところ。
好奇心旺盛で純真なエミリコに、ケイトはこれまで救われてきたのです。
ケイトはどれだけキレイにしても、すぐに自分のすすで汚してしまうことに自己嫌悪していました。
もしかすると毎朝落ち込んでいたのかもしれません。
少なくとも最初の内は。
それを救ったのがエミリコなのです。
アニメでは構成が変わっているので分かりにくいですが、そのことが描かれているのが2話です。
#詳しくは2話レビュー をどうぞ
ケイトが間違っていた?
間違っていた・・・。
エミリコを見ていなかったのはわたし。by ケイト『シャドーハウス』TVアニメ第5話
ここまで明らかにエミリコが失敗をしていたように見えました。
ケイトはなぜ自分が間違っていたと考えたのか・・・
アニメではカットされたセリフが、原作にはあります。
間違っていた・・・
周りを気にして、ルールに縛られてエミリコを見ていなかったのはわたし。
※太字部分はアニメではカット
by ケイト『シャドーハウス』コミック2巻 第24話
ケイトは、自分自身が周囲を気にしてシャドーのルールに縛られて行動していたというのです。
ケイトが目指していたのは型どおりのお陰様と生き人形ではない──
シャドーとしての正しさを、わたしは求めていたわけじゃない。
by ケイト『シャドーハウス』TVアニメ第5話
前話ラスト、ケイトは自分には「やらなきゃいけないことがある」と言っていました。(4話 )
シャドー家として何かを目指すというより、シャドー家に対して何かをやる決意と私は受け取りました。
ならば、シャドー家の型どおりに縛られることはかえって危険。
ケイトは、シャドー家としては正しくない方法を用いてでも何かを成す。
今は、目の前の”お披露目”をクリアする。
自分を取り戻したケイト。
だから、すすを使ってエミリコの踊りをフォローしたのです。
エミリコ、あなたはダメね。
失敗は多い。
困っている相手を見逃せない。
「余計なこと」を考える。“生き人形”としては、全然ダメ。
だけど私は、あなたのそんな型どおりじゃないとこがいいと思うの。
by ケイト『シャドーハウス』TVアニメ第5話
エミリコを他の生き人形のように型どおりにはめるのが、そもそもの間違い。
エミリコを型にはめると良さが失われるどころか失敗してしまう。
個性を活かすようにすれば良いのです。
言う程簡単ではないでしょうが・・・。
原) エミリコと名付けた理由は・・・
「エミリコ」?変な名前ね。
普通は、自分の名前と近いものにするでしょ。by ルイーズ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
お陰様と生き人形。
近い名前にするのが当たり前と言われ、動揺するエミリコ。
アニメではケイトがなぜ「エミリコ」にしたのか説明されません。
が、原作では、ケイトの心情描写で説明されます。
ケイトがどのような考えでエミリコと名付けたか。
そこにはケイトの願いがあります。
アニメではこの先描かれるでしょうから、一応隠しておきます。
気にならない方のみ、ご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
ねぇ、エミリコ。
“生き人形”の名前はね。
確かに自分の略称や愛称や近い音の名前を普通はつけるわ。なぜならシャドーにとって「生き人形の名前は重要ではない」から。
でも・・・今は声に出して伝えられないけど。
※アニメでは全文カット
by ケイト『シャドーハウス』コミック2巻 第24話
“生き人形”の名前は自分と近しい名前を付ける。
ケイトは、もちろん知っていました。
分かっていて、エミリコの名を、自分とは似ても似つかない名前にしたのです。
理由は、他のシャドーとは違い、ケイトにとってエミリコの名は重要だから。
生き人形はシャドーの顔であって、生き人形自身の顔ではない。
生き人形の個性はシャドーの個性であって、生き人形自身の個性ではない。
所詮、”生き人形”は、お陰様の付属品。
ならば、お陰様と近い名前にしておけば分かりやすいし覚えやすい。
この考えにケイトは賛同できなかったのです。
だから、ケイトは生き人形の名を、敢えて自分とは違う名前にした。
いいえ、それよりも、もっと積極的に──
私は、ケイトとは違う「個」であって欲しいから、あなたをエミリコと名付けたのよ。
※アニメでは全文カット
by ケイト『シャドーハウス』コミック2巻 第24話
ケイトは、生き人形に対し、自分とは違う「個」であって欲しいと願っているのです。
シャドー家のルールから、完全に逸脱しています・・・。
でも、この考え、聞き覚えありませんか?
今話中盤、ルイーズがパトリックに向かって「”顔”に性格があるわけ?」と言った時。
エミリコはこんなことを考えていました──
ルイーズ様が一段上がったのは、”生き人形”を純粋に「顔」として見ているのが正しいから・・・。
でも、なんかそれって・・・悲しい。
by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第5話
エミリコも”生き人形”が、お陰様の顔であることに疑問を持っているのです。
つまり、ケイトとエミリコは、お陰様と生き人形としての関係は全然ですが、”生き人形”としての在り方については同じような感覚を持っている似た者同士なのです。
原作コミック情報
ここでは、本編の流れでは紹介できなかった、原作情報を紹介します。
今回、アニメ化されたのは原作2巻 21~24話。
正確に言うと、20話ラスト2ページから開始し、3巻25話2ページで終了。
少しだけカットされたシーンがありました。
前話で完全にカットされた「4人目関連」。
それとラストの「エミリコという名前の理由」。
名前の理由は、重要なシーンなのでいずれアニメでも出てくるでしょう。
それ以外については、原作通り、構成も全く同じでした。
さすがに物語が重要になってきたので、原作に忠実です。
今後もこのような形が取られると思うので「原作コミック情報」項目は今話で最後とします。
次話からは、本文の中でその都度取り上げていきます。
おわりに (『シャドーハウス』5話とは)
主人公達が試験を受ける。
他の作品でも散々見てきた展開です。
通常、このような試験は、なんとなく合格する条件が想像できます。
優秀であれば、強ければ、最期まで生き残れば等々。
ところが『シャドーハウス』の”お披露目”は、何が求められているのか分からない。
他の作品とは違う「正解」。
何が正解か考えなくてはならない不気味で不可解な試験。
それでいて、シャドー家に求められる”生き人形”のあるべき姿を示していく展開が新鮮です。
以上、TVアニメ『シャドーハウス』第5話の感想&解説レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
6話のレビューも書いています。
良かったらご覧下さい。
ではでは。
そういや、人形なのに目が悪くなるんだな・・・
今週の感想ツイート
#シャドーハウス 5話
— 時文@ここアニ(プロフ画像変更しました) (@toki23_a) May 9, 2021
お披露目
顔として適性を見る
そこへ試験官の悪意が追加される
エドワードの目的は娯楽
不安がらせ、戸惑うのも楽しんでる❓
狙いはミスを見つけ落とすこと
ダンスも全員ができれば面白くない
エミリコの思いやりは、競い合いの場では弊害❓
ここでの優しさは長所か短所か🤔
関連記事
アニメ『シャドーハウス』第6話のレビューはこちら!