こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『シャドーハウス』第3話「すすによる病」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の原作
今回、アニメ化されたのは原作2巻 13~16話。
3話はシャドーの謎に関わってきたためか、1、2話と比べてゆっくりペース。
丁寧にアニメ化されているのは嬉しいですね!
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
作品レビュー 一覧
話数 | サブタイトル | 原作 |
第1話 | シャドーと生き人形 | 1巻 |
第2話 | 部屋の外には | |
第3話 | すすによる病 | 2巻 |
第4話 | 深夜の見回り | |
第5話 | ”お披露目” | |
第6話 | 庭園迷路 | 3巻 |
第7話 | 不完全な地図 | |
第8話 | 手のひらの上 | |
第9話 | 鳥籠と花 | 4巻 |
第10話 | 最後の一対 | |
第11話 | 黒い飲み物 |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
今回のあらすじ
シャドーハウスのことを学ぶ授業に参加するエミリコ。
ミアに会うのが気まずかったが、ミアはいつも通りだった。
──サラと一緒の時のミア。
──まだ見ぬお披露目。
エミリコには、まだまだ気になることだらけだが、生き人形は余計な事は考えてはいけない。
その時、亡霊が現れ、生き人形達が集められる──
「シャドー家への忠誠」
それ以外を許容しない空気。
「こびりつき」と「亡霊」
すすは「掃除の対象」だけの存在ではなかった。
少し垣間見えてきた、シャドー家と「すす」の謎。
それよりなにより、ただならぬ雰囲気・・・。
天真爛漫で明るいエミリコを応援したいが、考えなしに喋る姿を見るとちょっと心配になってきますね(苦笑)。
ただ、エミリコは出来損ないではなく、常識にとらわれない発想の持ち主。
今話で、その一端が見えてきました。
それに、ケイトもイレギュラー?
ケイトとエミリコ。
異色コンビがシャドー家に何をもたらすか。
物語の方向性が少し見えてきた3話。
面白くなってきました!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第3話「すすによる病」
授業 (原作13話)
エミリコはシャドーハウスのことを学ぶ授業に参加。ローズマリーとミアに色々教えてもらう。
サラの感情
エミリコ:私、ミアに嫌われたのかと思ってました。
サラ:この前のことね。あれはサラ様の感情よ。エミリコはまだまだね。by 『シャドーハウス』TVアニメ第3話
前話終盤、部屋の外で鉢合わせしたサラ&ミア。(2話 )
その時、ミアが冷たい態度だったのを気にしていたエミリコ。
ところが、”サラがいない時”のミアは以前と同じ明るいミア。
ミアが言うように、あの時のミアはサラの”顔”として動いていたので、勝手な表情を作ることすらできなかったのです。
そのことにミアと出会うまで気付かなかったエミリコ。
ミアが言うように、エミリコは「まだまだ」ですね・・・
ただ、サラ&ミアを見たにもかかわらず、シャドーと生き人形の関係を教えないケイトも不思議です・・・。
二人だけの秘密
二人だけの秘密だもんね。
by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第3話
ローズマリーの疑問に、エミリコに答えさせる隙を与えず、ミアが「二人だけの秘密」と返す──
これは、ミアの配慮ですね。
シャドー&生き人形のペア。
ケイト&エミリコ以外は、サラ&ミアしか登場してませんが、サラの言い方からして、全ての生き人形は外ではシャドーの顔を演じるのでしょう。
よって、ミアがサラの感情を表していることを、ローズマリーに隠す必要はありません。
隠さないといけないのは、お披露目前に「ケイト達が部屋の外へ出た」ことですね。
それを周囲に知られないよう、ミアは「二人だけの秘密」とごまかしたのです。
サラと一緒にいたときのミアは、少し怖かったです。
が、ミア自身は機転の利く優しい子だと、私は感じました。
掃除用具ではなくハンマー
緊急用ね、滅多に使われることはないわ。
by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
掃除用具というより、まるで無骨な武器のよう(苦笑)。
緊急用、って一体何のためなのか・・・。
その目的は、すぐに分かりました──
中盤、亡霊騒ぎの時に、生き人形(男子)が持っていたハンマーが、この緊急用掃除用具ですね。
バービー!
ハンマー揃いました!どうしましょうか?by 生き人形『シャドーハウス』TVアニメ第3話
亡霊や、こびりつきが出てきたときに使うので、利用頻度は高くないのです。
ただ、あんなので叩き付けたら、床が壊れてしまいそうな気がしますが・・・(笑)。
顔の見えない人形
「顔の見えない人形の仕事場」行く必要なし。
by ルウ『シャドーハウス』TVアニメ第3話
キッチンやランドリーは「顔の見えない人形の仕事場」。
顔の見えない人形は、アニメではきちんと説明されていませんね。
「顔の見えない人形」は、洗濯や食事を任されています。
エミリコの部屋へパンを配ったり。(2話 )
掃除に日には、生き人形の部屋の鍵を開けて回っていました。(2話 )
気になるのは、先のセリフの後に続くローズマリーの言葉──
エミリコも必要のない場所のことは、今後考えなくてもいいのよぉ。
by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
自分達の仕事ではないとしても、普通は「必要のない場所のことは、考えなくてもよい」とまでは言いません。
言うとしても、必要ない場所だから「気にしなくていい」というレベルでしょう。
ローズマリーが意図的かどうかは置いといて──
「考えなくてもいい」と言ってますが、実際は「考えるな」と擦り込んでいるように見えます。
一瞬、不穏な空気になり、エミリコも、少し怪訝な顔をしています。
この場に限らず「生き人形は、余計な事を考えるな」という空気が一貫してますよね。
ポートレイトはまさに”顔”用
ポートレイトと言って、「顔」の役目を担うときに着るのよ。
手足はレースで覆って、顔のみを目立たせるの。
生き人形の正装ね。by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
明るい音楽と共に次々紹介される屋敷内。
衣装も自然な流れで紹介されます。
ポートレイトは、生き人形の正装。
「正装」と聞くと特別な時に着るように思えますが、普段から、お陰様の”顔”役をするときは着るようです。
シンプルでお付きの服のイメージがありますが、まさに顔だけを目立たせ、それ以外の個性をなくすデザイン。
生き人形の目的は、シャドーの”顔”であると同時に、その人の個性を出さないよう”影”にならないといけないのです。
ルウもお披露目前
エミリコとルウはまだねぇ。
by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
この班で、お披露目を済ませてないのはエミリコだけだと思っていたのですが、なんとルウも!?
ルウはエミリコよりも先に班に入っていたので、てっきりお披露目済だと思ってました。
学校の学年のように、同時期に班に入って育成されるわけではないのですね。
となると、エミリコが不利な気もしますが・・・
それともエミリコはルウと同じ時期に生まれたけど、単にエミリコが外で掃除をするのが遅いだけだったのでしょうか?
体を自由に動かし、掃除に慣れるのに時間がかかって・・・。
やはりエミリコは出来損ない??
ケイトが試用期間!?
エミリコ:ケイト様は、まだ成人ではないのですか?
ミア:そう、試用期間といったところね。by 『シャドーハウス』TVアニメ第3話
おっと。
生き人形だけでなく、お陰様も、お披露目前は一人前として扱われないのですね。
「試用期間」──嫌な言い方ですね(苦笑)。
「成人」に達してないなら、普通は「子供」「未成年」「半人前」という呼び方かな、と。
「試用期間」だと、、まるで成人になれない可能性もあるような響き・・・。
「処分」は人形だけだと思ってましたが、まさか・・・ね。
生き人形の創造主
そういえば、偉大なるおじい様って・・・。
by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第3話
エミリコが突然言い出した「偉大なるおじい様」。
これは「処分」と聞いて、前話終盤で、サラに言われた言葉を思い出したからです──
名乗って損したかしら?
こんな出来損ないのシャドーと”顔”じゃ、いずれ偉大なるおじい様に処分されてしまうわね。by サラ『シャドーハウス』TVアニメ第2話
続いて、ローズマリーのセリフ──
その呼び名はシャドー家の方のみが呼ぶのよ。
私たちは──
「シャドー家を統率するシャドーハウスの王、私たち生き人形の生みの親、偉大なる創造主様」と呼ぶわ。by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
偉大なるおじい様が、生き人形を生み出したと言うのです。
偉大なるおじい様は、シャドーハウス家を統率し、生き人形の生みの親。
まさに創造主ですね。
亡霊 (原作14話)
緊急の呼び出しがかかりエミリコ達が戻ると、亡霊が出現し大騒動になっていた。
「星つき」
星つきの指示を待ちましょうか。
by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
星つき。
生き人形の中でもランクがあるようです。
「星つき」は偉い生き人形。
バービーと呼ばれる生き人形が、星つき。
よく見ると、胸元に「星」を付けています。
これが目印ですね。
ぼんくらと言われたのは・・・
ぼんくらローズ!
貴様らは班全体ぼんくらか!by バービー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
口の悪い星つき生き人形・バービー。
ローズマリーのおっとりした性格だと、バービーから見るとイラッとするのでしょう。
この性格だと、ローズのことを普段から「ぼんくら」と言ってそうですね(苦笑)。
ただ、ここで言ったのは「”班全体”ぼんくら」。
ハンマーで叩くと、亡霊はこびりつきに分裂。
逃げたこびりつきを、叩くことなくエミリコが避けたから、バービーは「ぼんくら」と言ったのです。
対処方法を何も知らない上、初めて見たこびりつきに驚き飛び上がるエミリコを責めることはできない。
ミアはバービーの言い方に腹が立ち、こびりつきを追いかけた、ということですね。
なぜ額縁の裏だと思ったのか?
額縁の裏だと思います。
by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第3話
エミリコはなぜ、こびりつきが額縁の裏へいると思ったのか?
ミアは、こびりつきは角を曲がって見えなくなったのに、なぜ「どこに隠れたか見た?」などと聞いたのか?
アニメ鑑賞時、不思議でした。
原作を読んで、少しだけ分かりました。
まず、原作は曲がり角ではありません。
まっすぐの通路を走って追いかけます。
見失ったので、どこかに隠れたのだと思い「どこに隠れたか見た?」と問うたのでしょう。
エミリコがなぜ、額縁の裏に隠れたと思ったのかは、原作にも理由はなし。
なので、推測するしかありません。
原作1巻4話「すすだるま」、アニメだと1話序盤。
エミリコがケイトに掃除の仕方を教わったとき──
そういう隙間に、すすはたまるのよ。
by ケイト『シャドーハウス』TVアニメ第1話
と棚の裏を掃除するよう教えられます。
ここで、こびりつきも隙間が好きだと連想したのではないでしょうか。
つまり、エミリコは、こびりつきが隠れたのを見たのではなく、額縁の裏に逃げ込んだと推理したのではないでしょうか。
こびりつきが生き人形を襲う
こびりつきは、生き人形を襲い、体を奪う!?
衝撃的でしたね・・・
こんなホラー展開になるとは思いませんでした(苦笑)。
これまでいくつか伏線はありました。
- すすでできた鳥が飛ぶ (1話)
- 家具の隙間から、すすが飛び出しケイトに踏みつぶされる (1話)
- ケイトが強い感情の時に出たすすは、天井に張り付いて取れない
が、機嫌が直るとすすは自然に落ちた (2話)
これらから、すすはシャドーの体から離れても、何らかの意思を持っている。
シャドーのすすは、普通のすすではないことは示されていました。
が、こんなに急なホラー展開になるとは(苦笑)。
思いも寄りませんでした!
ミアもエミリコも叩いてます
叩いて、叩いて!
ルウ!ローズじゃなくて頭のすすをだよ!by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第3話
ミアは先輩らしく、こびりつきの対処法を指示します。
が、アニメ鑑賞時、口だけでなく手も動かせよ!と思ってました。
エミリコもだまって見ているだけでしたしね(苦笑)。
原作を読んで、その違和感が解消。
原作では、ミアもエミリコも叩いている”ように見えます”。
「ように見える」と微妙な表現なのは、はっきりと描かれていないから。
原作でのこのシーンは1コマで描写。
1コマの中で──
ミアは「叩いて叩いて」の指示をして、ローズマリーの頭を叩き、ルウは体を叩き、「ルウ!ローズじゃなくて、頭のすすをだよ!」と指摘されます。
コミック『シャドーハウス』は1話のページ数が少なく、テンポの早いは、1コマの情報量がかなり多くなっています。
また、アニメ鑑賞時は気付かなかったのですが。
原作では、こびりつきは、ローズマリーの口から侵入しています。
目や耳からではありません。
目や耳を通して体の内部に入るのではなく、口から侵入。
だから治療は、すすを洗い出すために水を大量に飲ませるのです。
生き人形は、顔が命
もうやだ!
私手離すよ。
“顔”傷ついちゃうもん。by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第3話
ミアも顔の傷を気にして、さすがそこは女子?
ではないですね(笑)。
生き人形は、お陰様の”顔”役。
外見が大切。
服や髪型はあとでどうとでもなるが、顔に傷をつくると、顔役として失格。
下手をすれば処分?
だから、顔だけは守らなくてはならないのです。
・・・あれ?
人形なら、傷ついたら修理できるような・・・
でも、エミリコがヒザを擦りむいたとき、どこかで修理してもらった様子はありませんでした。
自然治癒っぽかったような・・・
まあ、血が流れるくらいだから、自然治癒もする精巧な人形なのでしょう!
きっと・・・
花瓶を倒してたのは伏線だった!?
私よく花瓶の水をこぼしてケイト様に怒られるんです。
えへへ・・・。by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第3話
エミリコの機転により、ローズマリーの窮地を救った。
お陰様に仕え、シャドー家に忠誠を尽くすこと以外を考えない生き人形は、柔軟な発想ができません。
一方のエミリコは、普段失敗ばかり。
水と言えば、花瓶を倒してケイトの大切なぬいぐるみを濡らしてしまい、泣くほど後悔したのは、ついこの間。
失敗から学ぶエミリコ。
エミリコの良さが出てきましたね。
すす病
ああ、ああ。
ああああああ。by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
「すす病」。
すすが体内に入ると、かかる病気。
先のシーンよりもショッキングでした。
あの清楚でおっとりしたローズマリーが・・・まるでゾンビ。
だけど、救護班の手慣れた対応から見ると、「すす病」はよくあること?
もっと驚いたのは、ローズマリーの心配をしてないこと・・・。
ルウ:散らかったすす、掃除しなきゃね。
ミア:そうね。by 『シャドーハウス』TVアニメ第3話
ミアだけでなく、ルウも心配していない。
二人とも亡霊を見たのは初めてだから、「すす病」を見るのも初めだよね!?
その割には落ち着いているような・・・。
それどころか、まるで他人に関心がないように見えるのは気のせいでしょうか・・・。
前話から強調されている、生き人形は「余計なことは考えない」。(2話 )
それは、自分のお陰様以外の誰かを心配することも考えないという意味なのでしょうか。
それとも、人形だから、そのように作られているのでしょうか・・・。
一人、ローズマリーの心配をするエミリコは、二人の冷めた態度に動揺します。
まるで、エミリコだけ別の世界の住民のようですね・・・。
洗浄の日 (原作16話)
エミリコ達は、「洗浄の間」で身体を綺麗にする。
「洗浄の間」のエピソードは原作と順番が違います。
原作では、ぬいぐるみが動き出す「動く人形」エピソードが先です。
原) 「すす」は捨てるのではなく集めている!?
授業初日からあんなことになれば、それもそうよね。
私もびっくりしたけど。by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第3話
アニメではサラッと流されていますが、原作ではここで重要なことが語られています。
原作は、このエピソードより先に「動く人形」が描かれます。
そこで、エミリコはすすに不思議な力があることを知ります。
そして、亡霊も誰かの悪意で動いているのでは、と疑惑を持ちます・・・
その直後にミアが呼びに。
なので、エミリコはミアに問います──
ミア:びっくりしたでしょ”授業”初日にあんなことになった。私もびっくりしたけどね。“こびりつき”も知らなかったんでしょ?
エミリコ:はい、でもケイト様に教えてもらいました。すすって不思議な力があるんですね!※太字部分はアニメではカット
by エミリコ『シャドーハウス』コミック2巻 第16話
重要なのはこの続き、エミリコの問いかけに対してのミアは──
それはそうよ。
お陰様から出てくるんだもの。だから私たちが集めるのよ。
※アニメでは全文カット
by ミア『シャドーハウス』コミック2巻 第16話
ミアは、すすに対して妙な言い方をしています。
お陰様から出たすすを「掃除する」ではなく「集める」と。
まるで、捨てるためでなく、すすを取り置いておく、あるいは別の目的で使うような言い方ですね・・・。
すすを掃除するのは「汚い」からではなく「集めている」?
残すと亡霊になる危険性があるだけでなく、何かできてしまう?
もしかすると、すすを捨てずに持っているのも禁止事項なのかもしれないですね・・・
ならば、ぬいぐるみに入れた、すすは・・・
面白くなってきました!
人形だから水が入ってくる?
私怖かったんです。
水が体の中に入って壊れちゃうかもって。by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第3話
アニメ鑑賞時、このセリフ引っかかりました。
「人形用の石鹸」と聞いて、なぜエミリコがこんなことを言い出したのか?
原作を読んで、その理由が分かりました。
エミリコ:大掃除の後、お湯に浸かったとき私怖かったんです。
ミア:え?なんで?
エミリコ:水が体の中に入って壊れちゃうかもって。※太字部分はアニメではカット
by 『シャドーハウス』コミック2巻 第16話
エミリコが怖がっていたのは、今回お湯に入ったことではなく、前回のこと。
前回、お湯に浸かった時、エミリコは体の中に水が入ってこないか不安だったのです。
人形なら関節や節目に隙間があると考えるのは当然。
その隙間から、水が入るのではないかと心配したわけですね。
だから、ミアは「(人間のように)精巧に作られている」と答え安心をさせたのです。
ミアの背中の傷は・・・
ちょっとー
仕返しね!もう!by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第3話
シャワーを浴び石鹸が流れ落ちたミアの背中。
そこには、痛々しい傷跡が・・・
アニメでは、一生消えないような切り傷、火傷跡のようでした。
が、原作では、そこまで大きな傷ではなく、アザのようです。
たとえアザだとしても、ミアが誰かに痛めつけられているのは確か。
2話Cパートの流れからみると、主人のサラでしょうか・・・
お陰様と合わせている?
洗浄、よかったでしょ。
お付きのお陰様の身分が上がれば、もっと良いことがあるはずよ。by ミア『シャドーハウス』TVアニメ第3話
ミアのこのセリフの前、気になるシーンが描かれてました。
「顔の見えない人形」が、生き人形の「髪の長さ」「身長」を測っています。
これは何を意味するのか・・・。
髪の長さを測っているときの画面を、よく見て下さい。
ここは髪の毛を整える場のようです。
生き人形の前には「お陰様」の絵が。
美容院のような機能だとすると、普通目の前にあるのは「鏡」ですよね。
主人である「お陰様」の絵を前に、見た目を整える。
つまり、ここでは、お陰様の”顔”たり得るために、髪型を整える・・・
いや、生き人形をお陰様の外見に合わせているのではないでしょうか。
でも、身長が違ったらどうするのでしょうか?
人形だから縮めたり伸ばしたりできるのでしょうか?
ミアが楽しみにしている「洗浄の日」。
私には、生き人形が、定期的にチェックされている気がしてきました・・・
班長としてエミリコを守った
だめねぇ私。
エミリコに班長らしいところ見せたかったのに。恥ずかしいところ見られちゃったわぁ。
by ローズマリー『シャドーハウス』TVアニメ第3話
エミリコに襲いかかろうとする「こびりつき」を見つけ、思わず割って入り、ローズマリーが犠牲になってしまった。
ローズマリーの性格から、後輩に危機が迫り思わず助けたのだと思ってました。
班長らしいところを見せようと、らしからぬことをしてしまったのです。
そんなローズマリーを笑ってはいけません!
でも、ミアの予想どおりのセリフを言ったので、二人は思わず顔を見合わせ笑ってしまったのです(笑)。
あっ!
あはははは。by エミリコ&ミア『シャドーハウス』TVアニメ第3話
ローズマリーが「すす病」で救護班に運ばれたとき、冷たい態度が気になりましたが、いい班ですね。
動く人形 (原作15話)
ある日、エミリコのぬいぐるみ・パンが動き出す。エミリコは、ケイトの人形も動くはずだと言い出すが・・・
原作では、他のぬいぐるみも動かそうとケイトは力を込めてみますが、動きません。
エミリコが繕った人形しか動かないので、エミリコはすすだるまを入れたのが原因だと気付きます。
アニメでも、パンが飛び出した後、ケイトのぬいぐるみだけ倒れてますね。
パンの中にはすすだるま
大切なものには、大切なものを入れたかったんです。
これなら、いつでもケイト様を近くに感じられます。by エミリコ『シャドーハウス』TVアニメ第3話
エミリコがぬいぐるみ・パンを作ったのは、自分も大切なものを持ちたかったから。
それまで、エミリコにとって大切なのは、ケイトしかいませんでした。
それ以外は、同程度の大切さだったのです。
ケイトに叱られ、自分も大切に思う心を持つために、パンを作った。
パンの生地はケイトのケープです。
ケイトのケープを使っただけでなく、パンの中にはケイトから出たすすで作った「すすだるま」を入れていたのです。
ケイトの作ったすすだるまを、こんな風に使うなんて・・・。
by ケイト『シャドーハウス』TVアニメ第3話
ケイトもビックリ。
自分から出たすすをそんな使い方するなんて・・・。
人間からすすは出ないので、違うかもしれませんが・・・。
人の体から出てきた・・・たとえば垢で作ったような感覚!?
ちょっと引いてしまいますが、エミリコは純粋に大切にしたいという想いから。
だから、ケイトも了承。
それどころか、少し微笑んだ!?
お陰様
別のフロアでは、お陰様がお披露目について語っていた──
お披露目は楽しければ良い?
今回の新人は何人残るかしら?
出来損ないは早めに淘汰しなきゃ。by お陰様たち『シャドーハウス』TVアニメ第3話
ここまで不穏な空気はあったものの、エミリコ達の明るさでそこまで暗くはありませんでした。
が、Cパートは、一気にダークな世界に・・・。
お披露目は、残すための試験ではなく、”間引く”ための試験?
試験官に選ばれたエドワードという・・・人間?人形?
顔があるからシャドーではないでしょう。
シャドーに仕えているようなので、人形か。
が、単独で動いているので生き人形と言えるのかどうか。
そのエドワード曰く──
目的は3階の方々に娯楽を提供すること。
これで偉大なるおじい様の目に留まれば、3階に上がることも可能だろう。新人などどうでもいい。
by エドワード『シャドーハウス』TVアニメ第3話
お披露目とは名ばかり。
不穏な空気が漂います。
荒れそうな予感がしますが・・・楽しみですね♪
原作コミック情報
ここでは、本編の流れでは紹介できなかった、原作情報を紹介します。
2巻からストーリー物に
1、2話でアニメ化された1巻の内容は、1話完結のショートストーリー形式。
3話の前半、亡霊騒ぎを見た時、ショートストーリー形式の原作がどうなっているのか気になっていました。
1話のように、違う話を繋げたのかと・・・
ちゃんと?続いていました(笑)。
どおりで、きれいにつながっていると思いました。(疑ってごめんなさいっ)
アニメ前半の亡霊騒ぎは、原作2巻13、14話の2話で成り立ってます。
1話のボリュームは12ページと1話完結時と変わりません。
よって、一コマ一コマすごい情報量。
セリフも多いです。
2巻は今話冒頭にあった「授業」から始まります。
この辺から明らかに描かれる情報量が変わりましたね。
セリフだけでなく、絵でも表現をしています。
よくぞ、一コマに入れ込んだなと感心してしまうほど。
読めば読むほど、新しい発見があると言ってもいいほどです!
じっくりとアニメ化
2巻に入ってからアニメ化のペースが丁寧になりました。
コミック巻数 | 話数 | アニメ話数 |
1巻 | 1話 | 1話 |
2話 | ||
3話 | ||
4話 | ||
5話 | ||
6話 | ||
7話 | ||
8話 | 2話 | |
9話 | ||
10話 | ||
11話 | ||
12話 | ||
2巻 | 13話 | 3話 |
14話 | ||
15話 | ||
16話 |
アニメ1話は7話分、2話は5話分と来て、3話は4話。
徐々にペースを落として映像化されています。
ただし2話は原作の1話分、カット。
実質、4話分の内容がアニメ化されています。
原作を忠実にアニメ化しようとすると、『シャドーハウス』の場合、原作4話/アニメ1話ペースがちょうど良さそうですね。
ぜひ、このペースのままアニメ化を進めて欲しいものです。
仮にこのままのペースだと全13話で5巻の1/3までアニメ化されそうです。
まだ3話時点で、2期の話をするには早いですが──
原作は現在7巻まで刊行。(アニメ3話放送時点)
2期が製作されるとしても、しばらく期間をおかないと原作ストックが足りないですね(涙)。
おわりに (『シャドーハウス』3話とは)
私は原作未読です。
事前情報を一切入れずにアニメを見始め、1話で怪しい雰囲気の予感があり、2話のサラとの出会いで確信に。
そして、3話で一気に謎が散りばめられ、我慢できずに原作購入!
原作を読むと、かなり設定が練り込まれていると分かり、各話レビューを書くことにしました。
- 必要のない場所のことは考えなくていい
- シャドー家に有用な素材かどうか
- シャドー家に対して忠誠以外の心を持ってはいけない
- ケイトも「試用期間」
- 偉大なるおじい様は、生き人形の生みの親
- 「亡霊」「こびりつき」とは?
- ケイトは、すすを動かせる?
- 生き人形のスタートラインは一緒じゃない
他にもエミリコが優しさを見せるが、それは異質。
ミアは優しいようだが、闇の部分もありそう。
謎が増える反面、物語の方向性が見えてきました。
シャドーと生き人形は力を合わせ、身分を上げていくのが目標になりそうです。
練り込まれた世界観は大好物。
面白くなってきました。
以上、TVアニメ『シャドーハウス』第3話の感想&解説レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
4話のレビューも書いています。
良かったらご覧下さい。
ではでは。
花瓶の水は、花を抜いてからかけた方がいいよ!
今週の感想ツイート
#シャドーハウス 3話
— 時文@ここアニ(プロフ画像変更しました) (@toki23_a) April 25, 2021
忠誠以外を許容しない空気
エミリコの迂闊さがチト心配
ただ、エミリコは出来損ないではなく
常識に捕らわれない発想の持ち主
ケイトも少しイレギュラー?
異色コンビがシャドー家に何をもたらすか
謎はますます増えていくが
ようやく物語の方向性が見えてきた
楽しみ‼️😆
関連記事
アニメ『シャドーハウス』第4話のレビューはこちら!