こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『不滅のあなたへ』第20(最終)話、鑑賞しました。
本レビューはSeason1です。
『不滅のあなたへ Season2』はこちらからどうぞ。
今話の原作
今回アニメ化されたのは、原作6巻#53「三度目の日の出」~#54「残響」。
ここまでは原作3~4話分がアニメ1話で映像化されてきたのですが、今話は2話!
加えて、登場人物はフシとピオランのほぼ二人(+観測者)。
二人の最後の旅で1期ラストを飾る、納得の最終回でした!
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- ジャナンダ島を出た子供たちはどうなった?
- フシは、なぜミァ達に変化したのか?
- ピオランは、なぜフシだとすぐに気付いたか?
- ハヤセは一体どうなった?
- 認知症のピオランに笑顔を向けるフシを「あがき」とは?
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
話数 | サブタイトル | 原作巻数 |
第1話 | 最後のひとり | 1巻 |
第2話 | おとなしくない少女 | |
第3話 | 小さな進化 | |
第4話 | 大きな器 | 2巻 |
第5話 | 共にゆく人 | |
第6話 | 私たちの目的 | |
第7話 | 変わりたい少年 | 3巻 |
第8話 | 怪物兄弟 | |
第9話 | 深い記憶 | |
第10話 | 新しい家族 | |
第11話 | 過去からの贈り物 | 4巻 |
第12話 | 目覚め | |
第13話 | 高みへの意志 | |
第14話 | 自由の島・ジャナンダ | |
5巻 | ||
第15話 | トナリという名の少女 | |
第16話 | 子どもたちの夢 | |
第17話 | 先覚者 | |
6巻 | ||
第18話 | 進み行くために | |
第19話 | さまよう殺意 | |
第20話 | 残響 |
※リンクは各話レビューへ
アニメ『不滅のあなたへ』第20話のレビューはこちら!
はじめに
フシはピオランが待つゼダンの港へ戻ったが、ピオランを危険な目に遭わせたくないフシは声を掛けられないでいた・・・
が、気付かれてしまったフシは、ピオランと共に人気のない所を転々と旅する。
やりたいことをやって生きろ!
フシはノッカーを引き寄せてしまう。
だからと言ってフシがやりたいことをやらない理由にはならない。
フシを孫のように思っていたピオランは、フシの生き方を不憫に感じたのか。
もっと自由に生きて欲しいと思ったのか。
残された自分の命でフシに伝える──
“フシと一緒にいて幸せな人もいる“
人生の最後をフシと過ごし、幸せだったと言うピオラン。
やりたいことをやり尽くし、満足な人生だったと言い切る。
そんなピオランの最後の願いはフシの役に立つこと──
これまで同様フシは近しい者の死に直面しますが、今回は温かい面も。
人はいつか死ぬ。
この世の生き物は全て、いつか必ず──
避けようのない事実を受け、フシは何を思うか。
今後、フシはどう生きていくのか。
続きが気になりますが、まずは今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第20話「残響」
再会への旅立ち
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
トナリとサンデルはジャナンダ島へ残り、フシはピオランが待つゼダンの港へ戻った。
ジャナンダ島の皆はどうなった?
トナリはフシを追いかけ、ミァ達はトナリを追いかけジャナンダ島へと戻りました。
子供達を乗せた船は無事に港へ着いたのか、子供達は大丈夫なのか心配でした。
ピオランが港にいるということは、ジャナンダ島を出た子供達は無事に着いたのです。
ピオランは子供達と別れ、一人でフシを待っていたのでしょう。
では、ジャナンダ島を出た7歳以下の子供達はどうなったのでしょうか?
先導したトナリ達がいない中、大丈夫なのでしょうか?
原作を確認しても、アニメ同様本編には何も描かれていませんでした。
が、本編以外に書かれていました!
原作6巻#52と#53の間。
ナンドとトナリの手紙のやりとりという形で、”それぞれ”の近況報告がされています。
島を出た子供達もなんとかやっているようです。
ホッ。
今後の展開に関わるのであれば本ブログ「ここアニ」でも取り上げますが、今のところ展開に関わりそうにないので、引用しません。
気になる方は、ぜひ原作コミックをご覧ください。
私の感想だけ伝えておくと──
トナリの覚悟に感心、だけど嫌な予感もするな・・・
別観点で、付け加えておくと・・・
先に島を出ていった子供たちの事を、フシが全く気にしてないのが引っかかります。
知らない子たちの事はまだしも、ナンドと弟はフシも気にかけていたはずなのに・・・
まあ、ピオランのことで頭が一杯だったと解釈すればいいのかな(苦笑)。
三度目の日の出
フシはピオランを見つけた。が、ピオランを危険な目に合わせたくないフシは声を掛けられないでいた。
フシを狙うのはノッカーだけではない
オレは最悪なものを引き寄せる・・・
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
オレをどうにかしたい奴らを。
フシと一緒にいると、ノッカーに襲われ危険な目に遭う。
ノッカーだけではありません。
ハヤセのようなヤツもフシを狙っています。
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
実際、今回ジャナンダ島へ誘い込まれ、ピオランが収容されたのはハヤセの策略。
フシの傍にいると、命が危険なだけではなくトラブルに巻き込まれてしまうのです。
今話の問題提議
ここに来るまでの間、ずっと考えてた。
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
オレは誰も幸せにできない・・・
フシが考え至った結果──
自分の存在は周囲を不幸にする、誰も幸せにできない。
最終20話は──
フシが身をもって実感した「誰も幸せにできない」という結論に対し、
ピオランが残された寿命で「一緒にいて幸せだった」と反論する形になっています。
自分が必要な理由を探す
そういえばピオランは金をどれくらい持ってるんだ?
店で食べてたのは、たった豆5粒!
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
生きていけるわけがない!
ピオランと別れると決意したのに、ピオランが気がかりなフシ。
金、健康、危ない目に合ってないか・・・
ピオランを危険にさらさないためには、自分とは一緒にいないほうがいい。
と頭で分かっていながら、ピオランと離れたくない・・・
フシのそんな感情が、自然と”ピオランの傍にいなくてはならない理由“を探してしまうのです。
人は必ず死ぬ
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
人は必ず死ぬ。
by 観察者『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
人は必ず死ぬ。
人に限らず、この世の生き物は全て。
確かにその通り。
現実世界では唯一100%断言できる真実。
だがフシの身近で起こった死は、誰かによって奪われた、あるいはフシが巻き込んでしまった結果。
フシがいなかったら死ななかったと考えるのは当然のこと。
フシは、自分が知っている人に死んでほしくない、特に自分のせいで死んでほしくないのです。
だけど、フシは不老不死。
フシは生き続けるので、人と関わる限り、死からは逃れられないのです。
寂しいが決意するフシ
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
そう・・・そうだ。
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
オレはさびしいんだと思う。
観察者に指摘され、自分の気持を素直に認めるフシ。
危険だからピオランと離れなくてはならないと考えながら、フシは離れたくないのです。
そこで、ウーロイ、ウーパ、ミァに変化し、その姿を見て気持ちを新たにする。
ウーロイ、ウーパ、ミァ。
認めるよ。
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
皆、オレが殺したんだ。
ピオランを見ていると、寂しくて一緒にいたくなる。
だが、ピオランと一緒にいると、皆と同じように死なせてしまう。
ピオランから離れるために、巻き込んでしまった人の姿を見て、決意を新たにする。
悲劇を繰り返してはならない、自分で決心しなくてはならない。
自分を戒めるため、3人の姿に変化したのです。
なぜフシだと分かった!?
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
フシッ!
by ピオラン『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
ミァ姿のフシをすぐにフシだと見抜いたピオラン。
ピオランが、これまで見せなかった笑顔。
それも、とびっきりの笑顔を見せるのがいいですね!
なぜピオランは、ミァの姿を見てフシと分かったのでしょう。
ピオランとフシの信頼関係?絆?
ごめんなさい。
私は現実的に考えてしまいました(苦笑)。
フシは、ピオランが寝ている間に食べ物を置き手紙も届けた。
これにより、ピオランは”フシが港へ来ている”ことは知っています。
フシが寝ている間に、物を置いていくのも分かりました。
そんな状況で近づいてきた者・・・
すぐにコートを出しミァの髪と顔を隠したことで、返って惑わされることなく雰囲気を感じられる。
ち、違うよ、フシじゃないよ。
よく見てほら!女の子だし・・・ッ!
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
追い打ち掛けるように、この回答。
この回答は、フシのことを知っている人の回答です(笑)。
少なくともフシが男の子だと知っている。
ピオランの目はごまかせなかったのです──
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
あっ
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
ピオランに抱きつかれた瞬間のフシの表情──
ついさっき、ミァ達の姿を見てピオランと別れる決意をしたのに、一瞬で瓦解したのです・・・
押さえていた感情が吹き出そうな人間味あふれるフシの表情が、とても印象的。
同時に、フシがどれだけピオランと一緒にいたかったのかが感じられる表情。
原作での描写は二コマ。
アニメではフシの変化していく表情が堪りません!!(涙)
誰もいない所を転々と・・・
ピオラン:どうじゃ。ここがサールナイン密林じゃ!
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
フシ:はは、本当に誰もいないね。
フシは、ピオランと一緒にいることを選択。
フシがピオランと旅を始めるのはこれで3度目。
最初は、ヤノメを脱出しパロマと別れた後、タクナハまで。
二度目は、グーグー亡くした後、タクナハからジャナンダ島まで。
そして、今回。
今までは運が良かったが、いつ何時ノッカーが襲ってくるかわからない。
確実で安全な方法を探る。
一番良いのは、ノッカーと戦わないこと。
だが、ノッカーが人を襲っていたら放ってはおけない。
だから、人気のないところを転々と旅することにしたのでしょう。
人がいない密林を転々とし、観察者にノッカーを見張らせ、接近される前に逃げる。
これがフシが取った、ピオランを確実に守る作戦です。
この手はまさか・・・
ケガ、まだ痛みますか?
これ食べてください。うおっ!?
by 男性『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
穏やかなBGMで、かつ場面が似ているので一瞬何が起きたのか分かりませんでした(笑)。
が、このシーンはフシとピオランが描かれたわけではありません。
明らかに別の場所であり、別の人・・・
ケガがまだ痛む? ケガをした人?
うーん、私には一人しか思い浮かびません(笑)。
決定的なのは、一瞬写った逞しい右腕──
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
腕と手の、装飾?防具?がハヤセと同じ・・・。
ハヤセはあの状況で生き延びたのか?
男が声をかけているということは、ノッカーに乗っ取られることなくもなかったのか?
それともノッカーが乗っ取り、人を騙せるほど・・・
そして食べたものは食べ物だけなのか・・・
強烈なキャラが生き残っていたのは嬉し・・いや心配ですが(笑)。
この後、ちょいちょいノッカーの存在が観察者により察知されましたが、彼女だったのでしょうか?
『不滅のあなたへ』は、話の流れが少し外れた時、その意味は直前にヒントが示されることが多い親切設計になっています(笑)。
ハヤセらしき人物が描かれた直前には──
オレは、たくさんの分からないことや納得できないものを、そのままにしてきている気がする。
いつか向き合わないといけない日が来るかもしれない。
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
「いつか向き合わないといけない日が来る」
これは、ハヤセの事も含め言っている・・・と私は解釈しました。
今後に期待ですね!
と思っていたのに、2期開始前に数十年経過してしまいました(苦笑)。
ここまで伏線を見せて、登場させないのは有り得ないでしょうが。
数十年後のハヤセですか・・・どうなっているのでしょう(苦笑)。
残響
フシとピオランは、ノッカーから逃げながら人気のないところを点々とする。
安全に過ごすためのルール
フシはピオランと一緒にいる代わりに、安全に過ごすためにルールを作り徹底した。
その1 ──
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
ノッカーが来たら、なりふり構わず逃げること。
応戦するとかえって危険だ。
最初からこうすれば良かったと思うのですが(笑)。
これまで町にいたので、人間を人質に取られできなかったのです。
ピオランとフシがいるのは、人がいない密林。
ノッカーが発生したら観察者が教えてくれる。
観察者をノッカー探知機にするとは、上手いこと考えたものです。
ただ、フシの成長が見込めなのに、観察者が黙認しているのは不思議ですが(笑)。
その2 ──
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
得体の知れない動物への変化は控えること。それがもし自分を保っていられないものだったらノッカーが来た時に対応できないから。
身体的特徴は、変化先の個に影響されるのは、モグラに変化した時に視界が悪くなったので分かりました。
ルール2では、身体的特徴だけでなく、意思や自我と言ったものまで変化した動物に左右されることを言ってます。
この時、フシの足に吸い付いていたヒル。
興味本位でヒルになってしまうと、意思を失い少年の姿に戻ることすらできなくなる!?
逆に言うと・・・モグラは意思や自我を持っているということですかね(笑)。
孫とはフシのこと?
ワシはなぁ。
やりたいことは、もう全部やり尽くした。昔は馬車馬のように働くだけの人生じゃったけど、孫にも恵まれたし、こうして自由も手に入れた。
満足な人生じゃったよ。
by ピオラン『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
ピオランはこれまで、自分の孫どころか子供の話すらしていない。
身内に近い存在は、恋人呼ばわりしていた酒爺ぐらい。
根拠もなにもない直感ですが(苦笑)。
ヤノメを脱出し、向かった先は家族ではなく酒爺のところだった。
老い先短い、残された時間が少ない中で、フシと一緒にいることを選んだ。
これらの選択から、ピオランには家族はいないのではないでしょうか。
もしくは既に死んでしまったか。
それでは孫とは誰なのか?
孫とは、フシのことを言っているのではないでしょうか。
私は、ピオランが言う孫とは、フシのことではないかと解釈しています。
ピオランと出会った頃のフシはまるで赤ん坊。
赤ん坊のようなフシに、言葉や文字を教え、生きていく術を伝授。
フシにとってピオランは育ての親。
ピオランにとってフシは孫のような関係。
家族のいなかった自分に、孫のような存在ができた。
そして、自分の人生の最後を、大好きな孫と一緒に過ごせた。
これが、ピオランが言う、満足な人生の総決算。
フシは、自身の存在でピオランを最後を飾ったのです。
満足・・・オレもいつかそう思えるようになるのかな。
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
自分が満足する人生、確かに大事です。
だけどフシは、ピオラン自身の人生を満足させている。
もっと大切なことをしたのではないでしょうか。
観察者の言う「あがき」とは?
なぜこんな風になってしまったのか、フシにはわからないようだ。
私が「そういうものだ」と伝えた所で納得するわけでもなく、黙々と老婆の世話をするだけだった。
by 観察者『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
ピオランの歳は90歳近く。
老いには勝てず認知症の症状が出始める。
見捨てることなく懸命に世話をするフシ。
観察者に「(歳を取るとは)そういうものだ」と伝えられても、だからと言って放っておくわけにもいかない。
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
彼は頻繁に笑顔を見せるようになった。
常に前を向くような清々しいその表情は新しい経験に触れた一瞬の感動の表れか、尽きゆく者に対する最大限の”あがき”だったのかもしれない。
by 観察者『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
フシは認知症のことは分からないが、ピオランに死が近づいていることは感じていた。
だが、ピオランが死んでしまうなんて信じられないし受け入れられない。
少しでもピオランが元に戻るよう、長生きするよう、必死に世話をする。
観察者が言う”あがき”とは、フシが人間の寿命に抗っているように見えたのでしょうね。
最後の願い
今のうちにワシを連れていけ。
そしてできるなら、今度はもっとフシの役に立つモノへと生まれ変わらせてくれ。
by ピオラン『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
あいつを大切に思うならばワシの言う通りにしろ。
ピオランが、得体のしれない観察者に声を掛けるのに驚きましたが、願う内容にもっと驚きました!
やりたいことを全部やり尽くし、満足な人生だったと言うピオランが。
自分の魂の形を失ってでも、フシの役に立つモノへなるのを申し出る。
フシに”望み”を聞かれた時、ピオランの応えは「若返ること」。
単に、若さを取り戻し元気になりたいだけかと思っていましたが・・・
本当は、フシのために役に立ちたいと思っていたのか?
今は、フシのお荷物でしかないことを悔やんでいたのか?
そう考えると、認知症の症状が出た時に言っていた──
ワシのこと役立たずじゃって思っとるだろ!!おろせ!!
分かっとるワシはお荷物なんじゃ、ワシみたいな老いぼれ道に捨てていけ!
by ピオラン『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
認知症状でよく聞くセリフですが、本心がポロリと出たのかも。
ピオランは、グーグーの家を出た時から、思いとしては本気でフシの役に立ちたいと考えていたのかもしれないですね。
願った姿は若い頃、球の先にあるモノは・・・
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
目を閉じ、なりたいものを想像しなさい。
by 観察者『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
楽園に捕らわれる前に私が迎えに行く。
ピオランが「なりたいもの」とは、フシの役に立つモノ。
だけどそれが何かは分からない。
ならば、素直に自分の願いである「若い頃」を思い浮かべたか。
それとも、若ければもっとフシの役に立てると考えたか。
これまでも『不滅のあなたへ』では死の直後、自分の願う世界を見せていた。
ピオランの場合は、若い頃に戻るのが望みだった。
ただそれだけなのか?
ピオランは楽園で若返り、顔や肌の感触が違うことに感動する。
だが目的を忘れてはいない。
「フシの役に立つモノ」に生まれ変わる。
それが何だか分からない。
自分を失うことになるかもしれない・・・いや確実に失ってしまうだろう。
それでもピオランに迷いはなかった。
観察者の姿を見つけると、近寄り、球に手をかざす──
楽園世界に於いてでも、目的を忘れることなく真っ直ぐ動く。
願いはフシの役に立つこと。
自分を何度も救ってくれたフシのため。
人生を豊かにしてくれたフシのため。
今度は、自分がフシの役に立つ。
ピオランは一体何に生まれ変わるのか?
果たしてフシは、その正体に気づくのか?
ピオランの死は残念ですが、退場ではありません。
姿形は変われど、いつかどこかで不死の前に現れるのです、きっと・・・。
最後のメッセージ
フシ。
by ピオラン『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
ワシはあんたに出会えて幸せじゃったよ。
ピオランが不意に発したこの言葉。
フシに最後を看取らせず、最後の時間を使って観察者に交渉するのが憎いッ!
それどころか、ピオランはフシの行動を予測。
いつか出すであろう紙の裏に記した言葉──
「不滅のあなたへ/alu.jp」より引用
お前の夢は何だ?フシ。
by ピオラン『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
ワシみたいに、やりたいことをやれ!
いつまでも残る、いつでも出せる紙に、ピオランからフシへのメッセージ。
ありがとう、ピオラン。
by フシ『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
オレも幸せだったよ。
ピオランがフシといたことで幸せだったことが伝わったのか?
フシは港へ着いてからずっと悩んでいた──
自分は「誰も幸せにできない」と。
ピオランは自分の人生の最後の時間を使って教えてくれた──
自分は「フシと出会えて幸せだった」と。
フシはすべての人を不幸にするわけではない。
フシの存在自体が否定されるわけではない。
ピオランは、フシに言葉と文字、そして生きる術を教えた。
最後に伝えたかったのは「フシが人を幸せにしているというフシの存在価値」だったのではないか。
ピオランの最後のメッセージ、フシにきちんと伝わったのでしょうか・・・
数十年後!?
その先しばらく、フシについて私が語るべきことは特にない。
by 観察者『不滅のあなたへ』TVアニメ20話
そして数十年が経過した。
一瞬、フシとは思えない見た目と笑い声。
声は声変わり!?
他の体に変化せず、少年のまま数十年過ごしたということか?
フシは変化すると、歳も得た時の姿に戻ります。
が、変化せずに同じ姿でずっといると成長。
グーグー編では、4年間同じ姿で、大きくなりヒゲも生えてきました。
それよりなにより・・・
せっかくピオランが「フシと一緒にいて幸せな人もいる」ことを伝えたのに。
数十年間も一人で暮らしたの!?(笑)
またまた引きこもり性格に戻ったのでしょうか・・・
随分ワイルドな引きこもりですが(笑)。
2期が決定したとのこと。
続きもアニメで見られるとは嬉しい。
原作封印して、1期と同じようにアニメから楽しみたいと思います。
おわりに (『不滅のあなたへ』20話とは)
やられました!
ピオランが最期を遂げるのは予想していましたが、それだけだろうと思ってました(笑)。
ピオランと再び旅をすることにした再会の瞬間、認知症からのピオランの最期。
そして、ピオランと観察者の邂逅と願い、からのフシへ残したメッセージ。
登場人物はほぼフシとピオランの二人のみ。
じっくり見せる演出と、幾つかある山に、グッと来てしまいました(涙)。
グーグーの時もそうでした。
大今良時先生は、結論は読めているのに予想を軽く超える展開が巧み!
フシの心に刻み込み、ピオランに死しても期待を残し、視聴者に希望を残す・・・
納得の最終回でした。
◇◇◇◇◇
『不滅のあなたへ』は死がテーマなので、ノッカーとの戦い等アクションシーンがありますが、決してそれがメインではないことは見ていてすぐに分かることと思います。
ワザと情報を絞り、正直理解しづらい箇所もあります。
ただ、分からない事を考える面白さ。
この人はなぜそんな判断をするのか考えるのが楽しく、筋が通った仮説が見つかった時の気持ち良さ!
いつの間にかハマってしまいました。
これまで書いてきた内容は、私の個人的な解釈です。
これが正解とは決して思っていませんし、解は一つではないでしょう。
私も幾つか考えられる中で可能性の高いモノを書いたに過ぎません。
皆さんも思い思いに想像を膨らませてみては如何でしょうか。
更に『不滅のあなたへ』の世界が身近に感じられますよ。
以上、TVアニメ『不滅のあなたへ』第20話の感想&考察レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
Seasons2のレビューも書いています。
良かったらご覧下さい。
ではでは。
・・・リガードはどこへ???
関連記事
アニメ『不滅のあなたへ Season2』第1話のレビューはこちら!