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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『時光代理人』第10話「善意の代償」、鑑賞しました。
本サイトでは、原作ありアニメを原作情報の紹介と共に解説してきましたが、『時光代理人』は原作なしのオリジナルアニメ作品。
よって、アニメを見ただけの考察&解説になります。
あくまで個人的な解釈ですので、ご了承下さい。
本レビューが、皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
次話以降の「ネタバレなし」なのでご安心を
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- シャンシャンを襲ったのが、なぜ連続殺人犯だと思ったのか?
- 後ろ姿だけの写真で、なぜ容疑者を特定できた?
- トキは、なぜ待っていられなかった?
- トキが単独ダイブしたのは初めて?
- 善意の代償とは?
- アリバイが示す事実は?
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
全12話 各話リスト
話数 | サブタイトル |
第1話 | エマ |
第2話 | 秘伝のレシピ |
第3話 | 必ず負けろ、決して勝つな |
第4話 | 告白 |
第5話 | 告別 |
第6話 | 番外編「手合わせ」 |
第7話 | 消えた息子 |
第8話 | 信念 |
第9話 | 逃したシグナル |
第10話 | 善意の代償 |
第11話 | 罠 |
第12話 | 光をくれる人 |
※話数:リンクは各話レビューへ
はじめに
シャンシャンのスマホから怪しい電話があり、その後、音信不通に。
3人はシャンシャンの身を案じ、ヒカルは警察へ向かい連続殺人犯の写真をもう一度見せてもらう。
一方、トキは警察が公開した犯人の写真をネットで見つけ、一人でダイブしてしまう・・・。
警察側で容疑者として上がってきた男と、ヒカルとトキが写真から突き止めた男は同一人物。
だが、あの体で犯行は・・・
その上、アリバイが──
捜査は、三歩進んで二歩下がる?
それどころか、ふりだしか!?
アリバイあるなら、トキが過去で見た男はフェイクかトリックか?
それとも真犯人はリウ・ミンとは別人なのか?
はたまた、リウ・ミンも何かの能力持ちなのか・・・?
一方、トキは、シャンシャンを助けたい一心で単独ダイブ。
自身が犯した過去改変の影響を知る。
トキが迂闊な行動を慎んでいれば、シャンシャンも巻き込まれることはなかったかもしれない・・・。
だけど、起こしてしまったことは取り戻せない。
これからどうしていくかが重要なのです。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第10話「善意の代償」
シャンシャンに何かあった!?
シャンシャンのスマホから怪しいメッセージと電話があり、その後音信不通となったことでトキ、ヒカル、リンは不安を募らせる。
連続殺人犯!?
落ち着くんだ。
普通の警察には話せない、シャオ刑事に会ってくる。俺の直感だとあのネット記事が絡んでる。
by ヒカル『時光代理人』TVアニメ 第10話
ヒカルは、即座に連続殺人犯がシャンシャンに何かしたのではないかと疑います。
なぜヒカルは、シャンシャンを襲ったのが連続殺人犯だと考えたのでしょうか?
連続殺人犯のターゲットに共通点はありません──
ここ最近、動機不明の殺人が続いてる。
被害者には共通点もない。
by シャオ・リー刑事『時光代理人』TVアニメ 第9話
だから俺達は連続殺人事件だと踏んでいる。
被害者に共通点がないということは、無差別殺人。
無差別なのに、なぜシャンシャンのスマホから不審な連絡があっただけで連続殺人犯と結びつけたのでしょうか?
それが──
俺の直感だとあのネット記事が絡んでる。
by ヒカル『時光代理人』TVアニメ 第10話
ですね。
(ネット記事)女子大生がミステリー事件解決
シャンシャンにフラれた男の逆恨みなのに、いつの間にミステリー事件に変わったんだ?
ったく、メディアにはモラルって物がないのか!?
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第9話
話題になるためだけに適当な見出しをつけて、シャンシャンの写真まで公開しやがってさぁ。
記事の内容が読めないのが残念ですが。
記事を(日本語で)読みたい(笑)
セリフのニュアンスから──
メディアは世間を騒がせている連続殺人犯を、女子大生がさも解決したかのような見出しを付けたのでしょう。
そこでヒカルが考えたのは──
ヒカルの知るシャンシャンは誰かに恨まれる人ではないのでしょう。
それでも狙われたのは、シャンシャンが目立ったからではないか?と考えるのが妥当です。
シャンシャンは、ネット記事に大々的に取り上げられて、目立ってしまった。
しかも、まるで連続殺人犯を捕らえたような取り上げられ方がされたので、犯人に刺激を与えてしまったのではないか?と推理したのではないでしょうか。
もし連続殺人犯がシャンシャンを襲ったのなら、警察は全く容疑者を特定できていません。
全く手がかりを持っていない普通の警察に、こちらから友人が連続殺人犯に何かされたと訴えても取り合ってくれるわけがありません。
断りはしたものの、自分たちを頼ってくれたシャオ刑事に言うのが一番の近道だとヒカルは判断したのです。
だからシャオ刑事の元へ向かったのです。
警察
犯人に繋がる唯一の画像を公開した警察には、続々と情報が寄せられていた。
容疑者リウ・ミン
そして今朝、容疑者が写った唯一の画像を公開したところ、わずか数時間の内に多くの情報が寄せられた。
その殆どが同一人物についてのものだ。
リウ・ミン、男、27歳。
by シャオ・リー刑事『時光代理人』TVアニメ 第10話
海外に留学し、今はある会社の専務取締役だ。
わずか1枚の写真、それも後ろ姿で何も特徴がないように見えますが・・・。
わずか数時間で人物を特定できるほどの情報が集まるとは、よほど特徴的な後ろ姿だったのでしょう!
とまあ、意地悪な感想はさておき(笑)。
アッという間に容疑者が浮かび上がったようです。
本当に特徴のない写真なら、容疑者を絞り込むことはできません。
でも、殆どが同じ人物を指していたということは・・・。
我々には分かりませんが、この写真は特定できる特徴を捉えていたと解釈すべきでしょう。
本作は、ミステリでも警察モノでもなく、サスペンスだと私は捉えています。
タイムリープ設定を舞台とし、ちょっとした過去改変が大変な事件へと発展していくことで視聴者をはらはらさせる展開(サスペンス)が売りだと。
ならば見せたい部分は ──
なぜ過去改変をしてしまったのか、些細なことであってもどのような変化が現れ、登場人物にどう影響していくのか、ではないかと。
それ以外の展開や描写は、相対的に弱くなってしまうのは致し方なし、かなと。
その上、ヒカルが犯人の車だというナンバーは、リウ・ミン所有・・・。
容疑者の写真を公開したのは今朝。
警察に続々情報を寄せられているが、容疑者リウ・ミンの名は公開してはいない。
にも関わらず、寄せられる情報の多くはリウ・ミンを指しているのです。
これで、リウ・ミン犯人説が濃厚になってきたというわけですね。
責任を感じるトキ
そうだ!
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第10話
ネットなら何か手がかりがあるかも・・・。
ヒカルに待っていろと言われたトキが大人しく待っているはずもなく・・・。
それもそのはず──
ヒカル:俺の直感だとあのネット記事が絡んでる。
by 『時光代理人』TVアニメ 第10話
トキ:まさか、あの時、俺が・・・。
あのネット記事──
トキがシャンシャンに入ったとき、マザコン男を捕まえてしまったからネット記事に取り上げられました。
シャンシャンが巻き込まれたのは自分が勝手な行動をしたからだと思い至ったので、トキは責任を感じ、いても立ってもいられなかったのです。
ヒカルは、トキに対して迂闊なことを言ってしまいましたね・・・。
もう一段掘り下げておくと・・・
トキがシャンシャンの写真にダイブする前、シャンシャンが男に襲われた、あるいは捕まえたなんて出来事はありませんでした。
トキがシャンシャンに入ったことにより起きた出来事(過去改変)です。
シャンシャンにフラれた男の逆恨みなのに──
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第10話
そもそもマザコン男が襲ってきたのは・・・
いや、路地裏に逃げるような、誘うような行動をしたのも、シャンシャンに入ったトキが、男にひどい振り方をしたからです。
シャンシャン、そんな・・・ひどいよ!
by 男子学生『時光代理人』TVアニメ 第10話
振るにしても、そんな身を削ることないだろ!
シャンシャンに嫌がらせをしたかった軽いイタズラ心が、事を大きくしていったのです。
そのことにまでトキが気付いているかは分かりません。
いずれにせよ、自分がシャンシャンの人生を変えてしまった可能性が高いので、トキはジッとしていられないのです。
単独ダイブは初
ネットに公開されていた犯人の写真を見つけたトキは、手がかりを探すために一人でダイブしてしまう ──
なあ、ヒカル・・・本当に繋がってない。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第10話
トキのこのセリフから──
トキが単独で写真へダイブしたのは、これが初めてだということが分かります。
それは当然です。
トキが写真にダイブすると、写真の世界では撮影者になります。
トキ一人では、この先何が起きるか分からず、撮影者の行動を模倣できません。
すぐに過去とは違う言動をしてしまい、過去改変となってしますのです。
トキ:じゃ、自分の手を叩いて写真の中に入ったら?
by 『時光代理人』TVアニメ 第10話
ヒカル:俺とはリンクされない。だからお前は写真の中で何が起きるか一切分からない。
過去改変を防ぐ為には ──
写真世界の12時間以内の出来事を把握できるヒカルの能力が必須なのです。
一人でダイブするなんて、(過去改変が)恐ろしくてできないのです。
これが一つの歯止めになっていたんだね
お~なるほど!
ところが、トキは過去改変のリスクが少ない方法を知りました。
今までは写真の撮影者にリンクした・・・。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第7話
ということは、今回・・・監視カメラになるのか!?
監視カメラの映像にダイブすると、トキは(写真には存在しない)トキの姿のままでいられる。
その間、極力存在感を消せ、その場にいない人間だ。。
by ヒカル『時光代理人』TVアニメ 第7話
監視カメラ映像に入った時、注意すべき事も知っていた。
凶悪犯を尾行して手がかりを探すだけだ。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第10話
誰の注意も引かず無茶なことはしない。
危険があれば退散する・・・。
少しでも早くシャンシャンを救いたいトキは、我慢できず手がかりを求めダイブしてしまったのです。
物語序盤では分からなかった能力の条件を徐々に明かし、新しく判明した設定を織り込んで新しい展開を作る。
本作は、その辺の展開が秀逸ですね。
実に楽しい!
シャンシャンが心配で、犯人が写っている写真へ一人ダイブしたトキ。
一人でダイブしたことは、トキの身ならず、歴史を変えてしまう危険性さえある重大なこと。
それ以外にも、トキはとんでもないミスを犯しています。
写真には一度しかダイブできません。
トキは、唯一犯人を捉えた写真を、軽はずみに使用してしまったのです。
最重要容疑者は・・・半身不随!?
息子は事故で半身不随になったんだ。
by リウ社長(リウ・ミンの父)『時光代理人』TVアニメ 第10話
人殺しなんてできるわけないだろ!
最重要容疑者が・・・半身不随!?
確かにこの体では、殺人なんて無理。
公開した写真に寄せられた情報に、トキがダイブして見た男は、明らかにリウ・ミンその人。
でも、シャオ刑事らが見たリウ・ミンは半身不随。
リウ・ミンは犯人ではないのでしょうか?
と考える前に、事故にあったのがいつの時期か、を知りたいですね。
考えるのは、それからです。
作品内では、リウ・ミンが事故を起こした時期が、意図的に隠されています。
#もちろん展開をミステリアスにするためですね
半身不随になったのは昔からなのか?最近なのか?
この辺が、終盤に出てくるアリバイを解く鍵にもなってきます。(後述)
少なくともエマとばったり会ったときには、リウ・ミンは普通に歩いていました。
この時には、まだ半身不随ではなかったのではないでしょうか。
半身不随のリウ・ミンは殺人などできない?
ダイブ
トキは犯人の写真にダイブし、女性を乗せた車のトランクに乗り込む。その女性は・・・。
エマの上司!?
大丈夫だよ。
by リウ・ミン『時光代理人』TVアニメ 第10話
CFOの件は俺も聞いた、災難だったね。
CFOの件とは、1話で財務データ偽装で捕まった事件のこと。
リウ・ミン、男、27歳。
by シャオ・リー刑事『時光代理人』TVアニメ 第10話
海外に留学し、今はある会社の専務取締役だ。
警察の調べによると、リウ・ミンは専務取締役。
ということは、リウ・ミンはエマが務める会社の専務だったのです!
1話ラスト、エマが駅でぶつかったのは、見ず知らずの男だと思ってました。
今話の会話を聞いていると、会社の上司に出会い誘いに応じたのです。
偶然にしては出来過ぎですね(笑)。
「俺の金を返せ」云々言っているので、リウ・ミンは、最初からエマを狙っていて駅で待ち伏せしたのでしょうか?
いいえ、それはありません。
エマが駅へ向かったのは、トキがメッセージを返し、突然両親が訪ねてきたから。
予想できるはずはありません。
それとも、盗聴でもしていたのでしょうか?
エマが横領?
降りる?俺の金を奪っておいて逃げる気か?
- 中略 -
早く言え!金はどこだ!
by リウ・ミン『時光代理人』TVアニメ 第10話
エマが、専務の金、あるいは会社の金を横領したなどという話は、ここまで出てきてません。
リウ・ミンがCFOの件で誤解をしているのか、誰でも彼でも過敏に反応しているのでしょうか・・・
この時点では分かりません。
善意の代償
連続殺人犯に襲われているのが、1話で入り込んだエマだと分かったトキ ──
被害者の一人がエマだと知って、俺を関わらせまいとしたのか?
こうなったのは・・・俺が・・・。俺が・・・あんな事したから・・・。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第10話
トキは、シャンシャンを少しでも早く助けたくて我慢できずに写真へダイブ。
そこで知ったのは──
1話で、つい感情に流され両親に返信してしまった事がきっかけで起きた、殺人事件。
つい良かれと思い送ってしまったメッセージが、エマの運命を変えてしまう。
シャンシャンを助けたいと思う善意が、辛い真実を知るキッカケとなる。
これがサブタイトルの意味「善意の代償」でしょう。
サブタイトル「善意の代償」にはトキ以外も含まれている気がします・・・。
1話ラスト。
ヒカルは、エマが被害にあったことをニュースで知っていました。
でも、トキには知らせませんでした。
連続殺人犯の捜査に協力しなかったのも、エマが被害者だと知ったから。
今回、警察にトキを連れて行かなかったのも、エマが被害者だとトキに知られたくなかったのもあるでしょう。
ヒカルは、エマのことを知るとトキが傷つくと思ったのでしょう。
1話でトキがしたことは、両親にメッセージを返信したこと。
これによりエマの運命が大きく変わりました。
些細なことでも人の運命を変えてしまうことがある。
トキは過去を変えることの重みを知らないから、その後も何度も何度もヒカルが止めるのも聞かず、過去改変してきました。
ヒカルがトキを思いやって言わなかったのでトキが何度も勝手に動き、今回シャンシャンを事件に巻き込んだとも言えるのです。
「善意の代償」は、ヒカルにも当てはまるのではないでしょうか。
現実
エマが被害者だったと知ったトキは、何もせず現実へ戻り、リンにも全て明かす。
元から気付かなかったはずだが・・・
他にもリンに伝えたいことが。
ドウドウが誘拐されたことを気付けなかったと、自分を責めてたよな?
でもあの事件は・・・俺にも責任がある。俺が突然現れたことで、注意を逸らしてしまった。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第10話
反省したトキは、リンの過去にしたことを伝える・・・。
ドウドウが誘拐された時、すれ違ったのにリンが気付かなかった件。
それは自分が突然目の前に現れたことで気を逸らしてしまったのが原因だと告げる。
でも、これは正確ではありません。
トキがダイブする前の時間軸でも、リンは気付けなかったのです。
トキがいたから、リンが犯人に気付けなかったわけではありません。
なぜ、トキはそんなことを言ったのでしょうか?
トキは、過去改変した全てのことに対して深く反省しているのではないでしょうか。
3年前、ドウドウを追いかけてる途中で、リンに会う直前。
ヒカルは、トキに止まるよう指示しました。
それを聞かずに通りに出てしまい、シャンシャンに見つかったのです。
トキは、過去改変した全てを事実と認め、自分の行動を悔いてるからこそ、リンの前へ現れたことを謝ったのではないでしょうか。
アリバイ
シャオ刑事:最新の捜査資料によると、エマが亡くなったとき、リウ・ミンは現場にいなかった。
チェン刑事:アリバイがあったんだ。その日の深夜1時、彼は手術を受けてた。しかも、ある橋の監視カメラがとらえてた── 一人で歩くエマの姿を。
by 『時光代理人』TVアニメ 第10話
トキは何もできなかったが、エマの殺人現場を目撃(耳撃?)しました。
写真に入る能力のことは公にできないから証拠にはなりませんが、犯人を絞り込む役には立ちます。
が、リウ・ミンにはアリバイがあると言う・・・。
しかも、その後、エマが橋を歩いている姿が監視カメラに収められていた・・・。
これは一体どういうことでしょう?
エマを殺したのは、リウ・ミンではないのでしょうか?
では、トキが見た(聞いた)殺人現場は何だったのでしょうか?
リウ・ミンに似た男?
トランクにいたトキの声を聞き、リウ・ミンが偽装工作した?
それとも、リウ・ミンもまた能力持ちなのでしょうか・・・。
本作はミステリではなくサスペンス?
誰が犯人なのか、犯人が既に登場しているのかどうかすら分からなくなってきました。
でも、それが正常な反応かも(笑)。
そうなるよう作られている気がします。
私は、本作はミステリではなくサスペンスだと解釈しています。
ミステリ、特に本格ミステリであれば、探偵役が知る情報は全て視聴者に示されます。
視聴者は探偵役と同じ条件で推理を進められます。
本作は、そのような情報開示の仕方をしていません。
7、8話の誘拐犯エピソードがいい例でした。
誘拐犯は、登場していた人物とは全く関係のない人。
忽然と現れたので、事前に推理のしようもありませんでした。
本作は、犯人を推理できるような作りになっていません。
では、何も推理できない?
そんなことはありません。
それに、本レビューは考察サイトです。
期待して読んで頂いた方に申し訳ない(笑)。
(情報が開示されてないので)私も全て分かっているわけではありません。
でも、アリバイの謎は、簡単に解けますよ。
順を追って説明しましょう。
アリバイが示す事実は
シャオ刑事:最新の捜査資料によると、エマが亡くなったとき、リウ・ミンは現場にいなかった。
チェン刑事:アリバイがあったんだ。その日の深夜1時、彼は手術を受けてた。しかも、ある橋の監視カメラがとらえてた── 一人で歩くエマの姿を。
by 『時光代理人』TVアニメ 第10話
シャオ刑事曰く、エマが亡くなったとき、リウ・ミンは手術中。
でも、トキは確かにリウ・ミンがエマを殺しているのを聞きました。
この矛盾は、今話描かれた情報で説明できます。
上記セリフで、エマの死亡時刻は深夜1時だと分かります。
では、トキが見た(聞いた)のは何時だったのでしょうか?
エマがリウ・ミンに首を絞められていた時、落としたスマホの画面に時刻が描写されています。
── 22:34 ──
by エマのスマホ『時光代理人』TVアニメ 第10話
エマのスマホには22時半の表示が──
警察の調べによると、エマの死亡時刻は深夜1時。
それに、深夜1時の橋の監視カメラ映像にも捉えられていました。
この時間差から導き出される答えは──
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
トキが目撃したリウ・ミンが首を絞めていた時、エマは完全に死んではなく、まだ息があったのではないでしょうか。
では、一体何が起きたのか、考察を進めましょう。
午後10時半頃、リウ・ミンはエマの首を絞め殺したと思っていた・・・。
エマの死体を乗せ、車を走らせるリウ・ミン。
そこで事故を起こしたか、エマが息を吹き返し暴れたのではないでしょうか。
リウ・ミンは、事故で病院へかつぎ込まれ、手術。
エマは、無事に車から逃げ出し、橋へたどり着く。
これで、リウ・ミンのアリバイと、エマの監視カメラ映像の辻褄が合います。
となると、リウ・ミンは犯人ではない?
はい、そうです。
リウ・ミンはエマ殺人未遂ではないでしょうか。
では、エマを殺した真犯人は──
エマが橋へ行き、そこで真犯人に襲われたのか?
リウ・ミンと一緒に事故にあっていたら五体満足ではないでしょうから橋から落ちてしまったかも。(事故死?)
あるいは、人気のない橋に自ら行ったことから、色々気にやみ本当に自殺してしまったのかも・・・。
これが、今話から得られた情報を元にした考察です。
エマがリウ・ミンに首を絞められた時刻と死亡時刻に差があるのは何故?
トキが絡んでる?
さて、ここで終わっては面白くないですね(笑)。
折角なのでもう一段深掘りしてみましょう。
シャオ刑事:最新の捜査資料によると、エマが亡くなったとき、リウ・ミンは現場にいなかった。
チェン刑事:アリバイがあったんだ。その日の深夜1時、彼は手術を受けてた。しかも、ある橋の監視カメラがとらえてた── 一人で歩くエマの姿を。
by 『時光代理人』TVアニメ 第10話
シャオ刑事が言う「最新の捜査資料によると」というセリフに私は引っかかりました。
エマの姿が捉えました死直前の映像。
そんな事実はここまで語られませんでした。
まるで突然降って湧いたかのようです。
タイムリープ物のお約束──過去改変が起きた時によくある演出ですね(笑)。
もしそうだと仮定すると──
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
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リウ・ミンは、エマを殺そうとしてました。
でも、先の推理でエマはその時死んではいなかった。
リウ・ミンがエマの首を絞める手を止めたのは・・・トキの叫び声です。
トキがトランクで叫んだことにより、エマがあの時完全に息の根を止められなかったとしたら?
エマがあの時、死んでなかったから、あの後、何かが起き、リウ・ミンが事故を起こし半身不随になったとしたら?
もしリウ・ミンが連続殺人犯だとしたら、過去改変で半身不随にしてしまったら、連続殺人は止まるのでしょうか?
死に関することは変えられないから、何らかの強制力が働き殺人は継続されるのではないでしょうか?
もしそうだとしたら・・・
この事件は、トキの過去改変により、不可能犯罪となってしまった可能性があるのです。
さてさて、どのような決着となるのでしょうか。
次話以降も楽しみです!
おわりに (『時光代理人』10話とは)
いや~~ミステリ好きの私にとっては、10話はとても挑戦的な回でした。
本文に書いたとおり、犯人を特定できる情報が開示されてないので、現時点では誰が犯人でも不思議ではない状況です。
でも、そんな状況でも考察できる事はある。
そう考え出すと、いてもたってもいられなくなり、レビューを書きたくなったのですが、放送直後は何かと忙しくて時間が取れず(涙)、11話からレビューを書いて、今遡ってる次第です。
先を知っているのに、10話を観た時の頭に戻って書くのが一苦労。
考察に書いたことは11話を見たから分かったのではなく10話鑑賞時点で考えていたことです。
証明できないので信じてもらうしかありませんが(苦笑)。
それにしても、本作はサスペンスとして緊張感を高める見せ方が巧い!
トキが、トランクに入り込む所から、リウ・ミンが開ける瞬間まで、固唾をのんで見ていました。
今話は、9話から始まった最終エピソード。
ここで、トキにこれまでの軽はずみな行動を反省させるエピソードを持ってきたのも良き。
今回、目の当たりにした事実に、トキがどう向き合うのか。
物語はこのまま最終回へと向かっていくのでしょうか。
次話が楽しみです!
以上、TVアニメ『時光代理人』第10話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
11話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
ところで、皆シャンシャンの事忘れてない?
あっ・・・
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問1期XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 1期10-01 半身不随のリウ・ミンは殺人などできない?
- 疑問 1期10-02 エマがリウ・ミンに首を絞められた時刻と死亡時刻に差があるのは何故?
残っている疑問
- 疑問 1期01-01 トキは、何の借金を負っている?
- 疑問 1期01-02 トキの両親は、なぜいない?
- 疑問 1期01-03 トキがダイブしたのは、今回が初めて?
- 疑問 1期01-04 トキとヒカル、いつ、どのようにして能力を身につけた?
- 疑問 1期01-06 ヒカルは、なぜ事前に写真の中の出来事をトキに教えない?
- 疑問 1期07-02 エマを殺害したのは連続殺人犯?
- 疑問 1期09-01 なぜシャンシャンが狙われた?
- 疑問 1期09-02 ヒントとは? なぜリンにメッセージを送ってきた?
今週の感想ツイート
#時光代理人 10話
— 時文@ここアニ(ブログテーマ移行中) (@toki23_a) March 14, 2022
三歩進んで二歩下がる
あの体では確かに実行は…捜査振り出し⁉️
でもトキが過去で見た男は
フェイクかトリックか真犯人は別なのか?
はたまた能力持ちか
シャンシャン助けたいが故の行動が
自身が犯した過去改変の影響を知る
もっと早く認識してればシャンシャン救えたのだぞ…
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アニメ『時光代理人』第11話のレビューはこちら!