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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『幼女戦記Ⅱ』第6話「囮」を鑑賞しました。
本レビューでは、アニメの感想に加えて原作ノベルを読んだ際の気付き、個人的な解説や考察をお届けします。
時文次話以降のネタバレはありません
ご安心ください!
皆さんの理解の助けとなり、作品をより楽しんでいただければ幸いです。
今話の原作
今回アニメ化されたのは──
- 原作ノベル
-
8巻 第三章「アンドロメダ」-第五章「ポケット」
- コミカライズ
-
未収録 ※アニメの方が先行
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『幼女戦記』は、カルロ・ゼン先生によるライトノベルが原作です。
私は原作ノベル・コミカライズ共に未読です。アニメ鑑賞後に、アニメ化済み部分のみを読んでレビューを作成しています。
そのため、次話以降のネタバレは書けないので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
原作ノベル・コミカライズを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
なお、原作の情報については「原作情報」として区別して記載します。
ココア緑系の色を目印にしてね!
時文ちなみに、考察や解説はオレンジ系です
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際の目安にしてください。
各話リスト
劇場版
| コミカライズ | 原作ノベル | |
| 劇場版 | 21 – 32巻 | 3・4巻 |
※話数:リンクは各話レビューへ
| 話数 | サブタイトル | コミカライズ | 原作ノベル |
| 第1話 | サラマンダー戦闘団 | - | 5巻 |
| 第2話 | 奇妙な友情 | - | |
| 第3話 | 善意の仲介人 | - | 6巻 |
| 7巻 | |||
| 第4話 | 鉄槌作戦 | - | |
| 第5話 | 貧乏籤 | - | 8巻 |
| 第6話 | 囮 | - | |
| 第7話 | 煉獄 | ||
| 第8話 | |||
| 第9話 | |||
| 第10話 | |||
| 第11話 | |||
| 第12話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
はじめに
ターニャ率いるサラマンダー戦闘団が連邦に包囲される中、救援を渋る東部司令部にゼートゥーアはある決断をする ──
敵と味方を囮で釣り出し、狂犬メアリーを囮で騙す。
囮役の戦闘団から敵の気を逸らすには、もっと大きな囮を使えばいい!?
高級将官の命さえも最大限活用。打ち合わせなしでも即興ダンスを踊ってみせる。優秀な参謀同士だからこそできる連携。これぞ超合理的な指揮官二人ならではの動き!
待ってました!この展開!バトルミュージックが流れ出した時の高揚感と言ったら ──
時文もう、ゾクゾクした!
ココアうんうん!
来た来た来た~って感じだった!!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー『幼女戦記Ⅱ』6話「囮」
アバンタイトル
ソルディム528陣地で帝国軍を包囲した連邦軍。航空魔導師ミケル大佐は、ヴァイス少佐を撃墜した後、執拗な追撃はしなかった。
先走り娘
なぜ敵を見逃すのですか!連中もろともラインの悪魔率いる者は全て打ち落とさねば!
by メアリー・スー中尉(多国籍義勇軍)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
中尉の立場で、大佐に食ってかかるメアリー・スー。多国籍義勇軍と連邦軍。同じ軍ですらない。しかも、ここは連邦領なのに、です。
劇場版で存分に暴れまくったメアリー。2期に入ってからここまで、出番は少ししかありませんでしたが、ようやく前面に出てきました。新しく得た二つ名は”先走り娘”!?(笑)
時文“先走り娘”、ピッタリだね!
ココア確かに!
政治将校のリリーヤと友人になり、前話では犬と戯れていました。少しは丸くなったと思っていたのですが・・・。『劇場版 幼女戦記』から全く変わっていませんね(苦笑)。

時文う~ん、リリーヤよりもメアリーの方が面倒臭いな…
ココア確かに…
Aパート
「アンドロメダ計画」発動中。ターニャ率いるサラマンダー戦闘団が連邦に包囲される中、防衛を担う東部方面軍B集団司令部は、現状戦力では救援を出せないと渋る。そこでゼートゥーアはある決断をする ──
誘導
諸君、なぜ救援部隊を動かさない? 包囲された味方を助けに行く、すごく単純な話であろう。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
ゼートゥーア閣下の東部戦線での任務は「B集団の監査と指導」です。B集団司令部に、作戦を命じる権限はありません。
サラマンダー戦闘団の囮作戦は、ゼートゥーア閣下とターニャの独断です。前話終盤、戦闘団が包囲されたことに司令部が驚いていました。これが許可を取っていない証拠です。(2期5話 )
権限はない。では、B集団司令部に救援部隊を出させるには、どうするか?
なるほど。命令ではなく、救援せざるを得ない空気へ、誘導したのです。
戦争では、窮地の味方を助けに行かない将校は、部下の信用を失います。自分も見捨てられる、と思われてしまうからです。兵士が無茶な戦場へ身を投じられるのは、何かあっても助けてくれると信じているからこそです。
石橋を叩いて…
── 閣下、我らB集団に課せられた命令は、戦線防衛です。
by 帝国将校『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
── 帝国の現状をお考えください。我々は一度の失敗で破綻しかねないのです。
B集団司令部に課せられたのは、戦線防衛です。ギリギリの状態で戦っている帝国は、一度の失敗で破綻しかねません。サラマンダー戦闘団は見捨てたくない。ただ、救援に戦力を割いて戦線を守れなければ、帝国は敗北してしまいます。
B集団司令部は、失敗を恐れるあまり、慎重になっているのです。
原作では、この場面の議論がもっと詳しく描かれています。
まず、敵が侵攻してくることは想定していました。
アンドロメダ作戦が発動し、いよいよ南部諸都市攻略のためにA集団が動き出したのと呼応する形での連邦軍攻勢は、『敵の牽制作戦』としてありうることが想定されていた。
by 『幼女戦記』原作ノベル8巻
実際、想定進行ルートに兵を待機させていたようです。連邦は、そのルートを進んでこなかったのです。
そして、次のような判断を下します。
「自力での離脱を命じ、可能な支援を行えばよろしいかと。解囲を前提としての大規模作戦を行うだけの兵力的余裕が我々には乏しい以上……」
by 帝国将校『幼女戦記』原作ノベル8巻
この意見をゼートゥーア閣下は真っ向否定します。司令部の失態で包囲された部隊に自力で離脱を求めるとは、これまで何を学んできたのか、と。
ただまあ、連邦が想定と違うルートを進んだのは、ゼートゥーア閣下とターニャが囮作戦を実行したからなんですが・・・。
ココアえっ、それって酷くない!?
時文だね。でも、そうせざるを得ない理由があったようです
東部に赴任早々、言葉を尽くしたが説得できなかった。だから、やむを得ずデグレチャフ中佐に無理強いをしてソルディム528陣地の死守を命じている。
by 『幼女戦記』原作ノベル8巻
ゼートゥーア閣下は、東部着任時から司令部を説得していました。それが通らなかったので、ターニャに囮作戦を実行させる強硬手段に出たのです。
決して自分勝手ではありません。このままではB集団の防衛戦は破られ、「アンドロメダ計画」が失敗すると思っていたからこそ、強引に進めたのでしょう。
随分、強引ですが、帝国を思っての行動だったのです。
ココアおお、そういうことか!
この強引な手段を、原作では閣下自身がこう評しています。
おそらく、これまでの相方が積極性過剰なルーデルドルフ中将、手駒が必要に応じて猪突猛進できるデグレチャフ中佐であったために、自分は『温厚な学究肌』を称すことができたのだろう。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記』原作ノベル8巻
なるほど。これまではルーデルドルフが隣にいたので、”温厚な学究肌”を演じる必要はありませんでした。もともと、ゼートゥーア閣下には押しの強い部分があったのです。
限界
これ以上は時間の無駄だな。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
諸君らが懸念する点は私も理解している。よって、君たちは君たちの理念で動きたまえ。
あっさり引き下がったゼートゥーア閣下。この後、自ら先頭に立ってサラマンダー戦闘団を救出に向かいますが ──
アニメは尺の都合でテンポ良く進みます。実際のところ、ゼートゥーア閣下はどれだけ耐えたのでしょうか。
原作によると、ソルディム528陣地が連邦に包囲されたのは統一歴1927年6月10日。ゼートゥーア閣下が東部軍B集団司令部に三行半を下し、グランツ中尉を護衛につけて陣地へ向かったのは、同年6月18日です。
実に、8日間・・・。8日間経っても、B集団司令部は判断できなかった。それで「これ以上は時間の無駄」と、司令部に見切りをつけたのです。
ただ、ゼートゥーア閣下は、8日間かかったことを後悔するでもなく、必要な時間だと考えています。すぐに救出に行っては、囮作戦をした意味がありません。北側の連邦軍を陣地へ十分引きつけたところで救出に向かい、挟撃するのが効果的なのです。
これが、前話でターニャが「敵が食いつくに足る囮が必要です。しかも、餌に食いついた魚が針を飲み込むまで耐える根性も必要」と言っていた意味でしょう。
早すぎれば連邦の戦力が集まりきらず、遅すぎればサラマンダー戦闘団が全滅する。非常に難しい判断が求められていたのです。
8日間司令部にいた閣下は、B集団の厳しさも目の当たりにしています ──
酷すぎる、と。
書類の上では理解し得ていたはずの窮状ですら、現実のそれに比べればおおよそ楽観的に近い。B戦線は、文字通りに机上の防御線だ。B集団参謀が揃ってためらうのも、これでは一つの道理だろう。– 中略 –
相反する感想があるとすれば、デグレチャフ中佐を囮として配し、本当に良かったという安堵だろうか。敵が毒餌に食いついてくれなければ、紙面上だけの防衛線で、物質的軍隊を阻止する羽目になっていた。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記』原作ノベル8巻
連邦軍が我武者羅に突っ込んでこなくなったことを、神と祖国に感謝したい。
将校を含め、かなりの戦力を攻勢側のA集団に割かれたようです。
B集団司令部が救援を出すのを躊躇うのも理解できます。だから、独断行動に踏み切らざるを得なかったのです。
一方で、囮作戦をやったことで、結果的にB集団の戦線が救われたことも実感しています。当初の想定どおり、長い防衛線を攻め込まれていたら、とても守り切れなかったでしょう。ゼートゥーア閣下は、そう確信しています。
サラマンダー戦闘団の献身による囮作戦は、東部方面軍B集団を救ったのです。
要請
参謀本部より委託された権限でもって要請する。頼んだぞ。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
ゼートゥーア閣下が電話で要請したのは、前話で言っていた戦略予備でしょう。

ふむ。この東部で動かせる戦略予備は、B集団の虎の子、機甲師団が一つか。だが簡単には手放すまい。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第5話
その閣下自身が、簡単には手放すまいと言っていたのです。
東部方面軍では何の命令権もないゼートゥーア閣下は、どうやって師団を動かしたのでしょうか?
この点は、原作に詳しく描かれています。
呼び出す番号は、東部軍B集団において数少ない戦略予備の師団長自身の物だった。
by 『幼女戦記』原作ノベル8巻
「クラム師団長、私だ、ゼートゥーア中将である」
B集団司令部ではなく、師団長自身への直談判です。包囲から8日。その間に閣下は、クラム師団長へ”研究の要請”と称して徹底調査させ、他の師団長にも協議を要請しています。
師団長の上司は、本来、東部方面軍B集団司令部です。いくら中将とはいえ、名目だけの参謀本部将校であるゼートゥーア閣下の指示に従う必要はありません。断ることもできます。
ですが、彼らは動きます。
「友軍を救ってくれ」
by 『幼女戦記』原作ノベル8巻
「……本懐とするところであります。ご指示を」
組織の中にいるゼートゥーア中将の読み通り、彼らは『友軍救出』を可能とする口実へは飛びつく。
言い訳を提供すること。
つまり、クラム師団長たちは、包囲された友軍を助けに行きたかった。上からの命令は待機です。そこへ閣下が「参謀本部より委託された権限でもって要請する」。実質は効力のない要請です。師団長らには、軍を出す口実が欲しかった。閣下はそれを読んで、言い訳を提供したのです。
同じ手は、グランツ中尉にも使っています。散歩と称して、救出への同行を促したのです。
ココアお~~、なんか凄い!
指揮官先頭
── 閣下!どうかお下がりください!
却下だ。帝国軍は建国以来、常に指揮官先頭が大前提だろう。さあ、諸君、泥に飛び込もう。共に戦争を始めようではないか。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
アニメを見ていたときは、ゼートゥーア閣下が出撃したのはB集団司令部の重い腰を上げるためだと思っていました。自ら囮になるのは、副次効果、と。結果、軍も付いてきました。
原作を読むと、意味合いが全然違いました(苦笑)。
付いてきているのは、先に要請したクラム師団長の機甲師団ですね。ゼートゥーア閣下は「既にクラム師団長には声をかけておいた。他の師団長らも同行する」と言っていたので、他の師団もいるのでしょう。
つまり、ゼートゥーア閣下の要請で既に師団が動いており、閣下が先頭に立つ必要はありません。
では、何のために、ゼートゥーア閣下は先頭に立ったのでしょうか?
ゼートゥーアにとっては、ここで、無理でも何でも『参謀本部のお偉いさん』が前線にいるという状態を保つ必要がある。B集団のチキンどもとて、そうであればこそ、『ゼートゥーア中将』を残して撤退命令という無茶を躊躇するだろう。
by 『幼女戦記』原作ノベル8巻
いくら中将から要請があったとはいえ、師団長らが直属上司である司令部の命令を無視したことには変わりません。すぐさま戻って来いと命令が下るでしょう。ゼートゥーア閣下は、それを懸念していたのです。
参謀本部の中将が前線に出ていたら、その上官を置いて撤退しろとは命令できないだろうと踏んだのです。
ココアお~、そういうことか~~!!
それにしても大胆な決断です。
帝国の勝利、作戦の成功、サラマンダー戦闘団の救出、ターニャとの約束。理由はいくつもあります。それでも、あの冷静な閣下が無謀な賭けをしているようにも見えます。
そこには、こんな下地があったようです ──

この点、真珠のように貴重な一個魔導中隊を手元にもっているという事実こそが、参謀本部から東部軍に権限もなしに単身赴任しているゼートゥーア中将をして大胆不敵な決断と行動を可能たらしめるのだ。
by 『幼女戦記』原作ノベル8巻
前話で借りた1個魔導中隊が、この賭けの保険になっていたのです。
拠点防衛戦
── 朗報です。救援軍が動きました!
ようやくか!
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
救援軍が動き出したのは、包囲から8日後です。だからターニャは「ようやくか」と言ったのです。その間、サラマンダー戦闘団は耐え続けていたのです。
いち戦闘団でよく耐えたな、という疑問が浮かぶかもしれません。理由は、サラマンダー戦闘団の強さだけではありません。冒頭、連邦軍のミケル大佐がこう言っていました。
我々が党から受けた命令は包囲だ。
by ミケル大佐(連邦)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
連邦軍が言い渡された命令は、ソルディム528陣地の奪取でも、サラマンダー戦闘団の殲滅でもなく、「包囲」だったからです。
ターニャは、持久戦を見越して、休息を取るよう指示していました。
原作では、ターニャは次のように指示しています。
「とにかく、敵の油断を誘うためにも……受け身を装え。トスパン中尉の歩兵部隊を主役に、粘り強く防戦することになる。援軍を期待しうる状況ではあるが、援軍に救われることを期待しすぎるのもあやうい」
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記』原作ノベル8巻
したがっていざというときに備えて余力を残しつつ、もう片方で敵の攻撃を裁く必要がある。
最初から持久戦を覚悟して臨んでいたのです。
体力と戦力の温存が必要だと、アーレンス大尉、メーベルト大尉、トスパン中尉も理解していた、ということですね。
命令
“発ゼートゥーア、宛レルゲン戦闘団 速やかに行動を開始せよ“
「速やかに行動を開始せよ」・・・つまり、作戦行動を起こせ、最適な行動を選択しろという意味か。ゼートゥーア閣下は何を考えている?
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
救援が来るのは計画通りです。ただ、ゼートゥーア閣下自らが出てくるのは予想外。ターニャは思考を巡らせます。
この辺の、ターニャの思考は実に面白いのでぜひ原作ノベルを読んでいただきたい。ここでは一部紹介に留めます。
ターニャは、この通信文で、ゼートゥーア閣下が軍を積極的に動かす考えだと気付きます。救援の動きに即座に呼応できるよう、全部隊長を招集して待機させます。連邦と帝国の通信を傍受し、動きを捉える体制を整えたのです。
それが、アニメで描かれた、全部隊長が待機している部屋です。ヴィーシャが通信兵のようなことをしていたのは、連邦の通信が慌ただしくなると、ネイティブでないと聞き取れないからです。だから、通信担当をヴィーシャに交代したのです。
また、アニメでは描かれていませんが、ターニャはゼートゥーア閣下に返電しています。
「発レルゲン戦闘団長、宛『ゼートゥーア閣下』、『レルゲン大佐』は、速やかに『所定』の行動を開始す。以上だ!」
by 『幼女戦記』原作ノベル8巻
「速やかに『所定』の行動を開始す」。この短い返電で、ゼートゥーア閣下は、ターニャが自分の意図を正しく汲み取っていると確信し、前進を始めたのです。
ん?即興だが。あのデグレチャフ中佐だ。即興劇も朝飯前。今頃支度しているだろう。
── いくら中佐殿でも・・・。
中尉!デグレチャフ中佐を化け物呼ばわりすると聞くがねえ。私に言わせてもらえば、あれこそ正しい参謀将校の姿だ。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
時文ぜひ、ターニャに聞かせてあげたい
ココアホント、それ!
ゼートゥーア閣下、このセリフの裏では、こんなことを考えています。
参謀将校の強み。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記』原作ノベル8巻
それは、判断力であると同時に『行動を察する』という予測可能性にある。味方が何を意図し、あるいは攻勢の目的を理解し、与えられた目的に沿って『自律的に判断し得る』という参謀将校の柔軟さ。
実に、ターニャを買っている心情描写ですね。
ゼートゥーア閣下は、ターニャの返電に手応えを感じます。僅かな通信文で自分の意図が伝わることに、いたく感心し、厳しい戦場にいるのに楽しくなってきます(笑)。
それで、戦闘が始まっても、自ら先頭に立つという無茶をしたのでしょう。
ココアアゲアゲだったってこと?
時文アゲアゲ(笑)
ま、そういうことだね
Bパート
ターニャは、ゼートゥーア閣下が囮になって連邦軍の気を引こうとしていると気付く。そこで、第203航空魔導大隊を率いて包囲網の突破を試みる。
魔導反応抑制
敵に動きは?
── 変わりありません。我々の包囲にビビって震えて隠れているんじゃ?ラインの悪魔がそんなタマか・・・?
by ウィリアム・ダグラス・ドレイク中佐(多国籍義勇軍)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
ゼートゥーア閣下の部隊に呼応して連邦軍を挟撃する、といっても、ソルディム528陣地は連邦軍に包囲されています。一体どうやって抜け出したのでしょうか?
203大隊は魔導反応を抑えて出撃する!
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
どうやら、魔導反応を抑えて出撃し、連邦の包囲網をかいくぐったようです。
原作によると ──
第二〇三航空魔導大隊は、隠れん坊に長けている。ターニャという当代においては帝国軍で五指に入りうる魔導師ですら、本気で隠されている部下の魔導反応を拾うのは至難の業だ。
by 『幼女戦記』原作ノベル8巻
魔導反応を抑えると、捕捉は困難なようです。
では、ドレイク中佐は、なぜ気づけたのでしょうか?
敵陣地から感じとれる魔導反応が……激減している? 「連中はどこだ?」
by ウィリアム・ダグラス・ドレイク中佐(多国籍義勇軍)『幼女戦記』原作ノベル8巻
全くいないわけでもない。ある程度は活動しているのだろう。少しばかりの反応ならば拾える。だが、先日までの脅威と比較すれば残滓とでもいうべき微々たるものに過ぎない。
敵陣地へ戦闘を仕掛けたのに、感じ取れる魔導反応がこれまでより少ない。ドレイク中佐は、その僅かな違和感から魔導部隊が包囲網から抜け出したと推測したのです。
デコイ
3時方向に魔導反応!
by メアリー・スー中尉(多国籍義勇軍)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
では、なぜメアリーに見つかったのでしょうか?
逆ですね。
メアリーが見つけたのではありません。ターニャ側が仕掛けたのです。
── こちら05、エサに引っかかりました。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
デコイで釣れたか。これで留守番部隊の負担も減る。
デコイとは、囮のことです。
本隊は急いで、ゼートゥーア閣下がいる戦場へ向かわなければなりません。敵の魔導部隊とぶつからないよう、ヴィーシャの魔導反応を高め、囮にしたのです。
これは同時に、本隊が抜けたソルディム528陣地から、敵の魔導部隊を引き離すことにもつながっています。
つまりターニャは、本隊が抜けた陣地を連邦が取りに来るだろうと読んでいたのです。そこで囮を使い、敵の魔導部隊を引き出したのでしょう。
展開が早いので、近い距離で追跡・接触しているように見えます。実際は、かなり遠い距離での出来事なのでしょう。メアリーは、相当な距離を引き離されたのだと思います(笑)。でないと、すぐに引き返して、魔導反応の抑制を解除したターニャを追いかければいいのですからね。
苦労人
見捨てるわけにもいかんか・・・。
by ウィリアム・ダグラス・ドレイク中佐(多国籍義勇軍)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
一方、苦労人ドレイク中佐(笑)。”先走り娘”に振り回されます。
ターニャの策に、連邦もメアリーも振り回される痛快なシーンです。見逃しがちですが、メアリーはとんでもない選択ミスを犯しています。
ココアえっ、そうなの!?
唯一、勝ちどころを読み切っていたのはドレイク中佐です。その読み通り、主力の魔導部隊が抜けたあとなら、ソルディム528陣地は落とせたのです。
ところが、リリーヤ政治将校は朝令暮改になると、頑なに拒否します。ドレイク中佐も興奮して、ラインの悪魔がいないと大声で話してしまい、メアリーに聞かれる始末・・・。
結果、メアリーは勝手に飛び出し、感情の赴くままにターニャを追いかけてしまったのです。
原作では、ドレイク中佐が悔やんでいます。
暴発するにしても、方向性が違えばまだましだったものを!
by ウィリアム・ダグラス・ドレイク中佐(多国籍義勇軍)『幼女戦記』原作ノベル8巻
「陣地へ突っ込めばよいものを、わざわざ敵魔導部隊を追うか、そこで!?」
どうせ暴走するなら、ソルディム528陣地へ向かってくれればよかったものの・・・。そうすれば、部下を止めに行く上司を演じられたのです。なのに、選んだのは、戦果の小さい、いや、落とすこと自体が困難な魔導部隊でした(苦笑)。
挙げ句の果てに、アニメでは騙され、勝ちきれず、まったく戦果を上げられなかったのです・・・。
ここでメアリーがソルディム528陣地に向かっていたら、相手は劇場版であれほど暴れまくったメアリーです。サラマンダー戦闘団は、ひとたまりもなかったでしょう。
ココアあっ、確かに…
離脱?
── 騙されました!あの卑怯者!
ダミー!? くそっ、上手い手だ!
by ウィリアム・ダグラス・ドレイク中佐(多国籍義勇軍)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
ソルディムか、解囲軍か、ヤツはどっちに・・・?
結局、多国籍義勇軍はこのあと出てきません。
あの執念深い”先走り娘”が、諦めるはずがありません。一体どこへ行ったのでしょうか?
原作を読むと、その疑問は解消しました。
なんと、ターニャ達が友軍を助けようとした直前に割り込んできたのが、多国籍義勇軍です。
ターニャは、多国籍義勇軍を一度引き離すと、再び魔導反応を抑えて、ゼートゥーア閣下がいる戦場へ向かいます。ところが義勇軍は、魔導反応がなくても行き先を読んで、先回りしていたのです。
これが、アニメの ──
例の連邦魔導師か。こちらの目的を読んでいたようだな・・・。
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
というセリフに繋がるのです。
確かに理に適っていますね。多国籍義勇軍は、一度魔導部隊を落とすと決め、飛び出したのです。決着もついていないのに、おめおめ引き返すわけにはいきません。
アニメでは、先回りしてきた相手を、ミケル大佐に差し替えたのです。
ラーゲリでの絆
── なんだこの連携は!?
さては、ラーゲリでの絆か!?
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
ラーゲリとは、ミケル大佐たちが送り込まれていた強制収容所のことです。失礼、強制収容所ではありませんね。同志曰く、正しい教育を施す矯正施設ですね(苦笑)。
つまり「ラーゲリでの絆」とは、強制労働を強いられる、きつい収容所で培われた絆、というわけですね。
原作では、この場面の相手は多国籍義勇軍です。
アニメは、カットされたソルディム528陣地上空の戦いと、原作で直前(ヴィーシャがメアリーに捕捉された場面)の多国籍義勇軍と一戦交えた場面を、一つの戦闘にうまく組み合わせて盛り上げています。
時文上手い!
アルテ
高級将官が死ぬ。
いいことだ。少しは後ろの連中も目を覚ます。将兵の死体は最大効率を持って、活用されなければならない。戦争もここに極まれりだな。
デグレチャフ中佐、貴官の舞を楽しませてくれ。── では一つ、アルテをご覧に入れましょう。
by ゼートゥーア中将(帝国参謀本部)『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
アルテとは、技、芸術という意味です。
「アルテをご覧に入れましょう」とは、閣下が「舞を楽しませてくれ」と言ったのに対し、芸術のような戦い方(連携)を見せる、とターニャが返したのでしょう。
「アルテをご覧に入れましょう」とは、ゼートゥーア閣下の「舞を楽しませてくれ」と言われたのに対し、芸術のような戦い方(連携)をお見せしましょうと返したのでしょう。
時文粋だね~
ココアうん、一々セリフが格好いい!
直後、おなじみのバトルミュージックが流れ出すとテンションMAXです!!ターニャの勝ちが確定です(笑)。
── 敵魔導師部隊、離脱!
対地支援だ!突入用意!
by ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐『幼女戦記Ⅱ』TVアニメ第6話
総員、閣下を救うぞ!突撃!!
閣下の大胆な作戦に付いてきたクラム師団長、必死に護衛したグランツ中尉、呼応したターニャ。この三者で掴んだ勝利です。
どちらも、軍という縦割り組織の足枷はあります。それでも帝国は、動く状況に合わせて臨機応変に対応した。連邦は、最初に立てた作戦を基本堅持した。この差でもありました。
ただ、不安なのは、敵の魔導部隊が強くなっていることです。
とはいえ、ひとまず難を逃れて、解囲作戦は成功です。B集団が耐えたなら、アンドロメダ計画は成功したのでしょうか。それにしては、次話のサブタイトル『煉獄』が不穏なのですが・・・。
ココア怖いこと言わないで…
おわりに (『幼女戦記Ⅱ』6話とは)
いや~~久しぶりにギリギリで濃密な戦闘シーンを堪能できました。そして、ゼートゥーア閣下との背中合わせ!最高です!
これまで連邦は物量で押してきました。質的優位を保っていたからこそ、帝国は対抗できていました。その筆頭が第203航空魔導大隊です。最近は、サラマンダー戦闘団も強くなってきました。
ところが今話、第203航空魔導大隊と渡り合える魔導部隊が連邦にいると分かった。ミケル大佐の部隊であり、メアリーです。帝国の質的優位が、揺らぎ始めているのです。
(原作情報) 原作では、連邦の戦車も装甲が厚く、簡単には破壊できません。どうやって攻略しているか知りたい方は、原作をどうぞ。
今話も、原作のいくつかのシーンがカットされました。ただ、いつもと違い、飛ばしただけではなく、足した場面も多々ありました。ソルディム528陣地の防衛戦はほぼカット。その代わり、連邦軍と多国籍義勇軍の交渉、魔導師同士の戦いが加わりました。
2期に入ってから、政治劇と会話劇が中心でした。原作を読むと、恐ろしいほどのペースで消化していたので、どうなることかと思っていました。ここで、うっぷんを晴らすように爆発です。カタルシスを味わわせてくれました。
ただ逆に言うと ──
帝国がここまで追い込まれたからこそ、そこからの逆転劇に爽快感が得られたのです。
ココアあっ、そっか!
ゼートゥーア閣下が要請しても拒否し続けるほど、余裕のない前線。ここまでしないと動かないほどの状況。救出される側が救出に向かうという無茶をしなければ勝てない戦況。
もはや、帝国は強国ではなくなっているのです。さて、帝国はここから挽回できるのでしょうか・・・。
以上、TVアニメ『幼女戦記Ⅱ』第6話の感想&考察レビューでした。超長文にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました。
次話のレビューも書く予定です。
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#幼女戦記 Ⅱ6話
— 時文@(幼女戦記レビュー中)ここアニ管理人 (@toki23_a) August 14, 2026
敵味方を囮で釣り出し、狂犬は囮で騙す
高級将官の命さえも最大限活用!?
打ち合わせなしでも即興ダンスを踊ってみせる。これぞ超合理的な指揮官二人ならではの動き!あの曲が流れ出した時の高揚感と言ったら~もうゾクゾクした!😆
ヴィーシャは逃げ切ったんだよね?Cパ見る限り🤣
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