アニメ【無職転生】1話 感想&解説 ここでなら本気出せる!

無職転生 1話

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』第1話「無職転生」を鑑賞しました。

異世界転生ものの先駆者的作品と言われている『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』が遂にアニメ化!

私は原作未読ですが、圧倒的な映像美と丁寧に描かれたストーリーで一瞬で虜に。
その日の内に、原作を購入してしまいました(笑)。

原作にはアニメでは描かれなかったあれやこれや・・・
これは、各話レビューを書かねば!

ということで、以下の観点でレビューします。

アニメ鑑賞後感想

コミカライズ・原作を読み
知り得た情報を加味して「解説・考察」

私は原作・コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。

よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください

本レビューで、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

週末しかレビュー書く時間取れないので、投稿は少し遅れてしまいますが、3ヶ月間一緒に『無職転生』を楽しみましょう!

今話の原作

原作小説 1巻

コミック 1巻

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

作品レビュー 一覧

無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (全23話)各話リスト
話数サブタイトルコミカライズ原作巻数
第1話無職転生1巻1巻
第2話師匠
第3話友達
第4話緊急家族会議
2巻
第5話お嬢様と暴力
2巻
第6話ロアの休日
第7話努力の先にあるもの
3巻
第8話ターニングポイント1

※ 話数:リンクは各話レビューへ

目次

今回のあらすじ

今話あらすじ

34歳無職引きこもりの主人公が事故死・・・

気付くと、そこは見知らぬ世界。
ルーデウス・グレイラットとして剣と魔法の世界に生を受けた主人公は、今度こそ本気出すと誓うのだった。

34歳引きこもりニートの主人公が、ある日事故死してしまう
が、その瞬間、別世界で生まれ変わる!

原作は小説投稿サイト「小説家になろう」のオンライン小説

なろう系の主流である異世界転生モノの鉄板展開だと思ったら、『無職転生』が生みの親!?

オーソドックスな展開は、むしろ『無職転生』が元祖。

他の異世界転生モノと一線を画すのは、ストーリーの丁寧さ。
昨今の作品は、すぐに異世界での主人公の強みの結果を見せつけられる急ぎ足。
『無職転生』は、幼少期から一歩ずつ積み重ねる。

他作品と比べてテンポは遅いかもしれない。
が、遅さを感じさせないリアリティとちょっとした成長が魅力。

違う世界だから、言葉を覚えるところから始め。
ネットなんてないから、文字だらけの本から知識を得る。

順調だけど、楽勝ではない。
本気を出さないと、思うように生きられない。

転生するのは”なろう”らしいが、展開は軽くない。
転生を題材にした、リアルな本格ファンタジー。

垣間見える世界観と時代に即した生活環境、動植物に魔術の理論。
そして、それらを描写する圧倒的な映像美!

どこまで練られているのか興味が尽きない第1話。
これは期待大です!

私は原作未読組です。
アニメ鑑賞後、該当部分のコミカライズ、原作ライトノベルを読んで、各話レビューにまとめます。

アニメは分割2クール
じっくり楽しんでいきましょう!

では、今話を振り返っていきましょう。

感想&解説レビュー 第1話「無職転生」

前世 34歳無職引きこもり

あらすじ

34歳引きこもりニートの主人公は、ある日、トラックにはねられ事故死。
その瞬間、別の世界で生まれ変わった。

前世の主人公

アニメは、主人公の事故直後からスタート。
主人公が、生前どんな生活をしていたのかは詳しく描かれません

コミカライズや原作では、生前の主人公が描かれています。

アニメでは、2話以降、追々描かれていく構成。
原作情報は、アニメで描かれたタイミングで取り上げます。

高校生はどうなった?

同じくはねられたとみられる高校生2人はいまだ行方不明につき現在捜索中

by 警察無線『無職転生』TVアニメ1話

(原作情報) 原作によると、主人公が助けようとした高校生は男2人、女1人の計3人。その内の1人を引っ張ってトラックの走行ラインから出しました。

主人公が後ろへ引っ張った高校生は無事のよう。
が、残り二人ははねられたのでしょうが、行方不明!?

アニメで描かれた事故直後のシーンは、実は原作にはありません。
このセリフはアニメオリジナルです

ならば、なぜ「行方不明」などとややこしい設定にしたのでしょうか?

はねられて「ない」なら、厄介事に巻き込まれたくないと逃げた可能性は考えられます。
が、はねられて、ケガをしているのに、なぜ行方不明に?

主人公が転生したことと何か関係するのでしょうか・・・

生前は体重100キロ超

アニメで、主人公の姿形が分かる場面はありません。
#顔のアップか、シーツを掛けられた姿のみ

へ?マジかよ
100キロ超えの俺をこうも簡単に・・・

by 前世の男『無職転生』TVアニメ1話

引きこもり生活20年で、体重は100キロ超えに。

が、コミカライズにはしっかりと。
原作にも2カット描写が。

興味ある方は、コミカライズ、原作をどうぞ。

転生後の、ルディのイメージが壊れてしまうので、見ない方がいいかもしれないですね(笑)。

もしかして転生?

無職転生 1話
『無職転生』公式HP「STORY#1」より引用
あらすじ

死んだと思った主人公は、気づくと、赤ん坊に転生していた。

電気もガスもない・・・もしかして貧乏?

にしても、さすがに田舎すぎだよなあ。
電気もガスもないって何時代よ。

by 前世の男『無職転生』TVアニメ1話

アニメは、絵で現代とは明らかに違うと描写。

半年も生活すれば、すぐに異世界と気付くだろうと思いがち(笑)。

が、原作では、この想像、生後1ヶ月。
つまり、周囲の言葉も分からず、自由に動くこともできない。
行動も情報収集も制限されていたのです。

生後1ヶ月の情報収集では、ここは、時代が違うとか、別の世界とは考えてません
地球上のどこか別の国へ転生したのだと考えてます。

補足

今となっては当たり前の異世界転生。
転生されたらすぐに異世界を思いつきますが『無職転生』は元祖

主人公が最初考えたのは、いわゆる「輪廻転生」。
同じ世界での転生です。

なので、失礼な結論に至ります──

もっとも、彼らが特別に貧乏で電気代も払えないという可能性もある
・・・もしかして、その可能性は高いのか?

-中略-

確かにやり直したいとは思ったが、電気代も支払えないほど貧乏な家に生まれるとは、これから先が思いやられる。

by 小説『無職転生』1巻

文明が発達した日本の視点で、電気もガスも使えないのは貧乏だという発想になったのです(苦笑)。

もしかして異世界?

あらすじ

半年後、ルディはハイハイができるようになり自由に移動が。
言語もそれなりに分かるようになってきた。

ここは、剣と魔法の世界だった──

泣かない赤ん坊

赤ん坊だからと言っても、生前は34歳の男。
簡単に泣かないのは当然です

が、原作では、皆心配しています──

「眼を放すとすぐにどこかに行っちゃうの」
「元気でいいじゃないか。生まれてすぐの頃は全然泣かなくて心配したもんだ
今も泣かないのよねぇ

動きまわる俺を見て、両親はそんな風に言っていた。
さすがに腹が減った程度でビービー泣くような歳じゃない。

by 小説『無職転生』1巻

メイドのリーリャも不思議がっていたどころか不気味に思ってます。(詳細後述)
なので、ルディがイスから落ちて頭を打ったとき──

これでも泣かないなんて・・・

by リーリャ・グレイラット『無職転生』TVアニメ1話

と言ったのです。

この家は裕福

ハイハイができるようになって、色んなことを学んでいくルディ。
原作では家の懐具合にも言及してます──

まず、この家は、裕福だ。
建物は木造の二階建てで、部屋数は5つ以上。メイドさんを一人雇っている。

by 小説『無職転生』1巻

それでも、電気がないのは「田舎だから」と結論づけてます(笑)

ここは剣と魔法の世界

「無職転生~異世界行ったら本気だす~/alu.jp」より引用

そんな時、父親の剣を振り回す姿と、母親の魔法を見て、ここが生前とは違う剣と魔法の世界だと分かったのです。

いえ、正確に言うと、原作では魔法を見ても、簡単には信じてません

それからというもの、俺は両親やお手伝いさんの会話に注意深く耳を傾けるようになった
すると、聞き慣れない単語が多いことに気づいた。
特に国の名前や領土の名前、地方の名前。固有名詞は聞いたことがないものしかなかった
もしかするとここは・・・

by 小説『無職転生』1巻

ここまで分かって、確信したのです。

ここは、地球ではない、別の世界。

「剣と魔法の世界」だと

原) ドン引きメイド・リーリャ

原作では、ここでメイドであるリーリャ視点に変わり、リーリャの過去から現在までが描かれます。

リーリャ自身のことも意外と興味深い。
が、リーリャ視点でのルディ評が正直で最高!

詳しくは原作を読んで欲しいのですが、一部紹介しましょう。

原) リーリャは元・近衛侍女

リーリャはアスラ後宮の近衛侍女だった
近衛侍女とは、近衛兵の性質を併せ持つ侍女のことである。
普段は侍女の仕事をしているが、有事の際には剣を取って主を守るのだ。

by 小説『無職転生』1巻

なんと、メイドのリーリャは戦えるメイドだったのです!

ただ、剣士としての腕は平凡で、王女を狙った暗殺者に不覚を取り後遺症が──

直ぐに傷を治療魔術で治し、医者が解毒を試みたおかげで一命は取り留めたものの、後遺症が残ってしまった。
日常生活を送る分には支障はないが、全速力で走ることも、鋭く踏み込むこともできなくなってしまった。

by 小説『無職転生』1巻

王宮に解雇されたリーリャは職を探すことに。

王女暗殺の黒幕はまだ見つかってない。
王宮を知るリーリャが狙われないとは限らない。

リーリャは王都から離れ、ルディがいる辺境フィットア領へとやってきたのです。

助産婦兼子育てができるメイドで、パウロとは道場仲間

「無職転生~異世界行ったら本気だす~/alu.jp」より引用

フィットア領のブエナ村にて、下級騎士が侍女を募集中。
子育て経験があり、助産婦の知識を持つ者を優遇する、と書いてある。

-中略-

何より、募集者の名前に見覚えがあった。
「パウロ・グレイラット」
彼はリーリャの弟弟子である

by 小説『無職転生』1巻

リーリャは、ルディの父親パウロと、剣の道場で一緒だったのです。
ただ、それは7年も前の事。

パウロは「冒険者になる」と言って道場を出て行った。
リーリャにとって悪い印象はなかったので、彼を頼ることに。

パウロはリーリャを快く迎え入れる。
ゼニスの出産が近く、むしろ顔見知りのリーリャは大歓迎。

ルディが生まれたとき(1話序盤)、リーリャは雇われたばかりだったのです

不気味な赤子

リーリャは王女の出産と育成に備えて、赤子のあらゆる知識や技術を叩き込まれていた。
なので、出産直後のルディを見て、違和感を持ちます。

泣かない、無表情──

リーリャの心中に、先輩の近衛侍女から聞いた話がよぎる。
生まれてすぐに泣かない赤子は、異常を抱えていることが多い。

by 小説『無職転生』1巻

赤子の知識があるだけに、ルディの異常さに気づいたのです。

不気味な子供だった一切泣かないし、騒がないもしかしたら身体が弱いのかもしれないが、手間がかからなくていい。

by 小説『無職転生』1巻

そりゃあ、中身は34歳ですからね・・・

ルーデウスはハイハイができるようになると、家中のどこにでも移動した。
家中のどこにでも、だ。

-中略-

とにかく眼を離すと、すぐにいなくなった。
だが、なぜか必ず家の中で見つかった
ルーデウスは、決して家の外に出ることはなかった

窓から外を見ている時はあるが、まだまだ外は怖いのか。

by 小説『無職転生』1巻

ルディはハイハイができるようになり、家中を移動したが、家の外に出ることはなかった。

これは、後ほど取り上げますが、引きこもり・・・というより、事故がトラウマになっているようです・・・

生理的嫌悪感

両親の親バカぶりとは違い、リーリャは冷静にルディを見ています(苦笑)。

大抵の場合、ルーデウスは笑っていた。
ある時は台所で野菜を見つめて、ある時は燭台のろうそくに揺れる火を見つめて、また、ある時は洗濯前のパンツを見つめて
ルーデウスは口の中で何かをブツブツと呟いては、気持ち悪い笑みを浮かべて笑うのだ。

──それは生理的嫌悪感を思える笑みだった

by 小説『無職転生』1巻

パンツをかぶるシーンはアニメオリジナルでした
原作のこの一文から膨らませたのでしょう。

原作では、パンツを見つめて、ブツブツ呟いて気持ち悪い笑みを浮かべているだけです!

#いや、充分、怪しいか(苦笑)

さらに、リーリャの感想は続きます。

リーリャは後宮に務めていた頃、任務で何度か王宮まで足を運んだのだが、その時に出会った大臣が浮かべる笑みによく似ていた。
はげ頭をテカらせて、デップリと太った腹を揺らしながら、リーリャの胸を見て浮かべる笑みに似ているのだ。生まれたばかりの赤ん坊が浮かべる笑みが。

by 小説『無職転生』1巻

この一文が、アニメの──

メイドのリーリャ。
すばらしいものをお持ちで。

うひひ~~

by 前世の男『無職転生』TVアニメ1話

と描かれたのでしょう。

見事なアニメ化です!(苦笑)

原作では、リーリャがルディを抱き上げたときの描写も・・・
詳しくは原作を。

リーリャの心情描写だけ抜き出しましょう。

「無職転生~異世界行ったら本気だす~/alu.jp」より引用

胸に抱く赤ん坊を、思わず地面に叩きつけたくなるほどの悪寒が
赤ん坊の愛らしさなど欠片もない。この笑みは、ただひたすらにおぞましい。

-中略-

この赤ん坊は何かがおかしい。もしかすると、何か悪いモノでも憑いているのかもしれない。あるいは、呪われているのかもしれない、と。

by 小説『無職転生』1巻

(原作情報) 後にルディ側の心情描写もあり、胸に顔を埋めるとリーリャが嫌そうにするのは気づいてます。が、ルディは「きっとあのメイドは子供嫌いに違いない」と断定してます・・・(苦笑)。

中身は34歳無職引きこもり。
リーリャさんの勘は正しい!

うーーん、リーリャの心中をお察しします(苦笑)。

この一連がアニメでは──

少々申し上げにくいのですが。

その・・・
ルーデウス様には何か悪いものが・・・

あっいえ、何でもございません。

by リーリャ・グレイラット『無職転生』TVアニメ1話

この一言に凝縮されていたのです。

決してパンツを被ったことだけの疑念ではなかったのです

(原作情報) 原作ではリーリャはさらに魔除けまでやってます。

(原作情報) ルディは、母ゼニスに対しても、胸に顔を埋める以上の事を・・・詳しくは原作をどうぞ。

原作ではリーリャの妄想はもっと広がっていきます。
ついには、自分が赤子に襲われるのではないかと・・・

ただ、最後はこう締めくくられています──

リーリャは迷信を本気で信じるタイプだった

by 小説『無職転生』1巻

1年経つと落ち着いた

最初の1年ぐらいは、そんな風に怯えていた。
しかし、いつからだろうか。予測できなかったルーデウスの行動がパターン化された。
神出鬼没ではなくなり、二階の片隅にあるパウロの書斎に籠もるようになった
書斎といっても、何冊か本があるだけの簡素な部屋だ。
ルーデウスは、そこに籠もって出てこない。ちらりと覗いてみると、本を眺めてブツブツと何かを呟いている。

by 小説『無職転生』1巻

ルディが魔法の存在を知り魔法の練習を始めると、リーリャにとっても予測できる行動に。
ただ、ブツブツと呟いているのが不思議に思えた。

この時、ルディが呟いていたのは恐らく日本語でしょう。
リーリャには、意味不明だが、意味のあることを話しているのを感じ取ったのでしょう。

しかし、不思議と嫌悪感はなかった
思えば、書斎に籠もるようになってから、正体不明の不気味さや気持ち悪さは次第になりを潜めていった。
たまに気持ち悪く笑うのは変わらないが、抱き上げても不快感を覚えなくなった。

by 小説『無職転生』1巻

最初、ルディの興味は、リーリャ自身。
女性の身体に興味を持っていたのです。

それを、リーリャがおぞましく感じたのは正解。

リーリャの胸に飽きたのか(笑)、魔法へ興味が移ったのかは分かりませんが、リーリャにいやらしい視線を向けなくなったのです

赤ん坊を放っておくことに

最近はむしろ、邪魔してはいけないと思うような真摯さや勤勉さを感じるようになった
ゼニスに話してみると、同じように感じたらしい。
それ以来、放っておいたほうがいいのでは、と思うようになった
異常な感覚だと思った。
生まれて間もない赤子を放っておくなど、人としてあるまじき行為だ。

しかし、最近のルーデウスの瞳には知性の色が見えるようになった
数ヶ月前まで痴性しか感じられなかった瞳にだ

by 小説『無職転生』1巻

ルディの中身は34歳引きこもり。
基本は一人で行動し、干渉されたくない。

魔法という題材を見つけ、書斎に籠もり、まずは文字を覚える所から始める。

リーリャの判断は正しく、ルディは放っておけば良いのです(笑)。

にしても、「痴性」から「知性」とは、うまいこと言いますね!

このくだりが、アニメで、書斎で本を読んでるルディを、母ゼニスとリーリャが覗き見、そっと扉を閉めるシーンで描写。さり気なくて上手い!

ルディ2歳 魔術教本

あらすじ

ルディは2歳になり、足腰もしっかりし、この世界の言葉も話せるようになっていた。

書斎に籠もり、こっそり魔法の勉強を始める──

まずは文字から!

原作では、ここが「剣と魔法の世界」と知り「本気で生きる」と決意します

そこで、まずどうしようか考えます──

生前では何が必要だったか。
勉強、運動、技術
赤ん坊にできることは少ない

-中略-

運動はもう少し後でいいだろうと考えた俺は、文字を覚えるため、家の本を読み始めた。

by 小説『無職転生』1巻

本気で生きるために必要なモノは「勉強・運動・技術」。
2歳では、まだ運動や技術は無理。

アニメでもあった「赤ん坊にできることは少ない」とはこういう意味だったのです

だから、勉強を始めるためにも文字から覚えようと本を探したのです。

5冊の本

家には5冊の本が。
アニメでは「魔術教本」しか出てきませんが、原作では5冊とも紹介が。

世界を歩く
世界各国の名前と特徴が載ったガイド本。

フィットアの魔物の生態・弱点
フィットアという地域に出てくる魔物の生態と、その対処法。

魔術教本
初級から上級までの攻撃魔術が載った魔術師の教科書。

ペルギウスの伝説
ペルギウスという召喚魔術師が、仲間たちと一緒に魔神と戦い世界を救う勧善懲悪のおとぎ話。

三剣士と迷宮
流派の違う三人の天才剣士が出会い、深い迷宮へと潜っていく冒険活劇。

by 小説『無職転生』1巻

最後の2冊はフィクション。
最初の3冊で、ルディは勉強します。

特に、魔術はこれまで触れたことのない世界なので、興味深く読み込んでいくのです。

個人の魔力総量は生まれながら決まってる!?

ルディが気にしていた「魔力総量」。
魔術教本に書かれていたのは──

四.個人の魔力は生まれた時からほぼ決まっている。

by 小説『無職転生』1巻

だから気になり、初級魔法を使って、魔力量を把握する。

初日は「ウォーターボール」2発で、MP枯渇で気を失う。

(原作情報) オネショと勘違いされますが、このとき原作ではまだ2歳です。アニメでは3歳位になっているようです。

使えば使うほど魔力総量は増える!?

ウォーターボール2発でMPが枯渇し、落ち込んでいたルディ。
ところが次の日、やってみると3発以上打てた。

しばらく試して色々分かった。

あの本、ウソこきやがって。

魔力の量は使えば使うだけ増えてるし
詠唱なしでも魔術は使えてる。

by 前世の男『無職転生』TVアニメ1話

アニメでは「使えば使うだけ増えている」と少し分かりにくかったですが、原作では、その数まで描写されています。

次の日は、水弾を四つ作っても平気だった。
五つ目で疲れを感じた。

-中略-

翌日。
水弾を作れる回数が増えた。
11個だ。
なんだか、使った回数分だけ増えている気がする
もしそうなら、明日は21個なっているはずだ。

さらに翌日
念のため、五個だけ使ってその日はやめておく。

さらにさらに翌日。
26個になっていた。
やっぱり、使った分だけ増えていく
(嘘こきやがって・・・!!)
何が人の魔力総量は生まれた時に決まっている、だ。

by 小説『無職転生』1巻

「使った分だけ増える」という意味での「使えば使うだけ増えている」だったのです

だけど、ルディは過去の経験と照らし合わせ、今は子供で成長期だから増えるのかもしれないと考えます。

成長期が終われば増えない。
だから「魔力総量」は生まれた時に”ほぼ”決まってると言われるのかもしれないと。

ならば、結論は一つ!
成長期が終わる前に、鍛えられるだけ鍛える!

そこからルディは毎日魔法を限界まで使い続け魔力総量を上げていったのです
同時に、使える魔術の種類を増やしていきながら。

魔術難易度

後に、ロキシーが説明してますが、原作ではこのタイミングで魔術難易度の紹介が──

魔術の難易度は七段階に分かれている。

「初級、中級、上級、聖級、王級、帝級、神級」

一般的に教育を受けた魔術師は自分の得意な系統の魔術を上級まで使えるが、他の魔術は初級か中級までしか使えないらしい。

-中略-

しかし魔術教本には、火・水・風・土系統の上級魔術までしか載っていなかった。

by 小説『無職転生』1巻

ルディは、魔力総量を上げると同時に、全系統の初級魔法の完全マスターを目標にします。

(原作情報) 原作には教本に書かれている水系初級魔法を全て紹介。使用する魔力量についても言及されています。

(原作情報) 射出速度設定についても、原作には詳細に記載されています。あくまでルディの仮説ですが。

ルディ3歳 初中級魔法!

無職転生 1話
『無職転生』公式HP「STORY#1」より引用
あらすじ

ルディは、魔力量が増えてきたので、試しに中級魔法を使ってみる。
それは想像以上の破壊力だった・・・

原作では水は飛んでない!?

この頃のルディは、魔法の理屈も感覚で理解。

中級魔法とは言え、基本は同じ。
原作では「サイズ1、速度0」で中級魔法を唱えてます

つまり、飛ばしません。
最初のウォーターボールのように、床に水が落ちるだけです。

物を壊したり、ましてや壁を壊すことがないよう、気をつけて魔法を唱えています。

いつもどおり、桶に水が溜まるだけだと思っていた。
ちょっと溢れるかもね、ぐらいには考えていた。

そうしたら、凄まじい量の水が放出されて、壁に大穴が開いた。
穴の縁から、ポタポタと水滴が地面に落ちるのを、俺は呆然と見ていた。

by 小説『無職転生』1巻

原作では、思わぬ量の水が出たようですが、飛んではいません。
部屋の壁を壊し水があふれはしましたが・・・

攻撃魔法のように外へ向かった射出されたのはアニメオリジナル演出

アニメのように、ぶっ飛ばしてくれた方が、ルディの才能の片鱗が見え、迫力あるシーンになってますよね!

コミカライズ情報

コミカライズはアニメ寄り。
アニメは、コミカライズの案を採用したのかもしれないですね。

「無職転生~異世界行ったら本気だす~/alu.jp」より引用

コミカライズは、放たれた攻撃をコントロールできず、もっと緊迫したシーンに!

興味ある方はコミカライズをご覧下さい。

悪いことをしたときは謝る!

ルディ。
もしかして、この本、口に出して読んじゃった?

by ゼニス・グレイラット『無職転生』TVアニメ1話

アニメ鑑賞時、私には、この時の母親は「にんまり」しているように見えました。

が、ルディには「眼が笑ってない」ように感じたのです。

ルディは母親の険しい顔を見て、魔術を使うのは危険ではないのかと、中世の魔女狩りを思い浮かべます。

が、素直に謝ります。
これは、生前に学んだ──

怖い。
眼の奥が笑ってない。
泳ぎそうになる目線を、必死にゼニスに向ける。
俺はニート時代に学んだのだ、悪いことをして開き直ってふて腐れても、事態は悪化する一方だと

by 小説『無職転生』1巻

素直じゃないですか!
見直しました!

リーリャは感づいていた?

ルディが中級魔法を使ったと知り、パウロは戸惑い、ゼニスは歓喜。
リーリャは一人平然と、片付けを始める・・・

この時のルディの心情描写が面白い。

恐らく、このメイドは俺が魔術を使えることを知っていたか、薄々感づいていたのだろう。
別に悪いことじゃないから特に気も留めなかっただけで。

by 小説『無職転生』1巻

ルディの見た目に騙されず、34歳キモ男を見抜いた、勘の鋭いリーリャ!

先のリーリャ視点で取り上げたように、ルディが書斎に籠もり何かに熱中していたのは知っていた。
そこから予想し、今回の光景を見て合点がいったという所でしょう。

だから冷静に捉え、パウロとゼニスに落としどころを示したのでしょう。

午前中は魔術、午後から剣術を学べばいいのでは?

by リーリャ・グレイラット『無職転生』TVアニメ1話

「無職転生~異世界行ったら本気だす~/alu.jp」より引用

また、リーリャ視点の心情描写を読みたいものです。
今後出てきた時は、各話レビューで紹介していきますね。

ルディは天才?

ルディの中級魔法を見て、はしゃぐゼニス。

ルディは天才なのでしょうか?
ただの親バカなのでしょうか?

原作では、ルディ自身が分析しています──

誰も何も言わなかったが、俺はこの世界の文字を独学で覚えた。
言葉も教えてもらっていない。
両親からしてみれば、我が子は教えてもいないのに文字を読み、本の内容を口に出して喋れる、という認識をされていたのだろう。

天才だろう。
俺だって自分の子供がそんなんだったら天才と思う。

by 小説『無職転生』1巻

中身が34歳だと知らなければ、確かに天才ですね。
ゼニスが有頂天になるのも致し方なし(苦笑)。

そりゃあ、家庭教師を雇って英才教育をしたくなるというものです。

家庭教師 ロキシー・ミグルディア

無職転生 1話
『無職転生』公式HP「STORY#1」より引用
あらすじ

ルディに魔法の才能があると見込んだ両親は、早速魔術の家庭教師を雇う。

なぜ引退した冒険者が来ると思ったのか?

両親の予想によると、来るのは恐らく、既に引退した冒険者で、長年魔術師として研鑽を積んだ中年か老人で、ヒゲをたくわえた、まさに魔術師って感じのが来るだろうって話だった。

by 前世の男『無職転生』TVアニメ1話

確かに田舎ですが、なぜ中年か老人の魔術師だと思ったのでしょう?

考えてみれば、両親は冒険者。
それも、ゼニスは魔術師。
業界に詳しいのです。

原作には詳しく描かれてました。

引退した魔術師が来ると考えた理由
  1. この世界では、魔術の教師ができるのは上級以上の魔術師
    ⇒ 冒険者のランクとしては中の上か、それ以上
  2. ド田舎ゆえに若者は来たがらない
    さらに、この村には宿屋がないので住み込み前提

そもそも、上級以上の若い魔術師なら王都でいくらでも仕事がある。

なるほど。
ベテランの引退した魔術師しか来ないだろう理由はよく分かりました。

ならば、なぜロキシーのような少女が来たのでしょうか?

ん?
「宿屋がないから住み込み」?

ロキシーはルディの家に住み込むのですね!?
これは、楽しみ・・・いや、心配ですねー色々と(苦笑)。

そうか、だから最後に歓迎会が開かれたのですね。

ロリ・ジト目・無愛想

「無職転生~異世界行ったら本気だす~/alu.jp」より引用

引退した冒険者がやってくると思っていたら、やってきたのは歳は中学生くらい?

アニメ鑑賞時、私はルディがなんて言っているのか聞き取れませんでした(苦笑)。
「ロリ」「無愛想」は分かったのですが、2番目が・・・

「ジト目」という単語があるんですね(笑)

原作にはちゃんと?解説が──

日焼けしていない白い肌に、少し眠そうなジトっとした目。無愛想な感じの口元。眼鏡こそかけていないものの、図書館に引きこもっている文学系少女という印象を受ける。

by 小説『無職転生』1巻

なるほど!
「眠そうな目」のことを「ジト目」というのですね

勉強になりました!(笑)

ルディはこれまで外へ出たことがなかった・・・

え?外でやるんですか?

by ルーデウス・グレイラット『無職転生』TVアニメ1話

中級魔法を使って、家の壁を壊したルディ。
魔法の練習をするなら外でやるのは当然だと思うのですが・・・

ルディは外でやることに驚く・・・
そして、しばらくソワソワと落ち着きがなかった・・・

原作ではこのような描写はありません。
が、コミカライズで描写されていました。

正直に言おう。
俺は転生してから一度も家の外に出たことがない

窓から外を見たり、庭までなら出ることができた。

けど、それ以上は──

どうしても、あの日の記憶が甦って──

by コミカライズ『無職転生』1巻

生前の事故を思い出し、外に出ることができなかったのです。
コミカライズでは庭で我慢してもらう。

アニメでは庭でもソワソワしていました。
庭に出たのも初めてという設定なのかもしれませんね。

ロキシーはチョロイン?

無職転生 1話
『無職転生』公式HP「STORY#1」より引用

治癒魔術も使えるんですね。
すごい、すごいです。

by ルーデウス・グレイラット『無職転生』TVアニメ1話

ロキシーは褒められ慣れてないのか、ルディの称賛に照れる(笑)。

原作での、ルディの表現の仕方が・・・

言い方はぶっきらぼうだったが、口元はニマニマとだらしなく緩んでおり、ちょっと得意気に鼻がひくひくと動いていた。嬉しそうだ。
特に捻りもなくすごいすごいと連呼しただけでこれか、チョロそうだ

by 小説『無職転生』1巻

主人公、表現がゲスい・・・

どちらかと言うと、私は照れてるロキシーの表情が良きです(苦笑)。

パンチラはアニメオリジナル

ルディが詠唱を端折る原因となった、ロキシーのパンチラ

補足

皆さん分かっていると思いますが・・・

魔法を放った後、ルディがバランスを崩していたのは、下から覗いていたからですね(苦笑)。

これは、原作にはなくアニメオリジナルです

原作では詠唱を端折ります。
なぜか──

やばい、一年近く水弾の詠唱なんてしてなかったから思い出せない
今ロキシーが言ったばっかだよな。えっと、えっと。

-中略-

「汝の求める所に・・・ウォーターボール」
思い出せないので端折った。

by 小説『無職転生』1巻

原作にはパンチラはありません!
コミカライズでも、パンチラはなく、噛んでしまい、端折ります。

どれもこれも、最後まで詠唱できないのは同じです。
が、パンチラはアニメオリジナルです!

ただ、コミカライズでは、ロキシーが見本を見せたときに覗き込んでます。
これが一番始末が悪いか・・・(苦笑)

「無職転生~異世界行ったら本気だす~/alu.jp」より引用

ルディは気を遣い魔法は小さめに

アニメでは、ルディはパンチラに気を取られながらも水弾を成功。
原作では、詠唱を端折って、魔法を放ちます。

放った魔法にはルディの気遣いが。
原作にはその心情描写が──

先ほどのロキシーの作った水弾よりもちょっとだけ小さく、ちょっとだけ遅く
彼女より大きいのを作ったら拗ねるかもしれないしな。

by 小説『無職転生』1巻

というか、ロキシーの魔法を見て、その大きさと速度を把握したこと
それより少し小さい魔法を放つ、細かい技術の方に驚きです(笑)

ロキシー歓迎会

無職転生 1話
『無職転生』公式HP「STORY#1」より引用
あらすじ

パウロとゼニスは、ロキシーの歓迎会を催す。

歓迎会はアニメオリジナル

ロキシーも喜ぶパウロ家での歓迎会。

アニメ1話を締める良いシーンでしたが、これはアニメオリジナル!

温かいシーンで素晴らしい演出。
その楽しげな姿を見て、ルディが決意するシーンも良し。

よく聞くと、ルディはここへきても、今も夢かもしれないと思ってます
にわかに信じられないくらい、充実して幸せなのでしょう。

今後が楽しみです!

まるで夢のようだ、トラックにひかれて死にかけている俺の・・・
いや、もしそうだとしても構わない。

この世界なら、俺にだってできるんじゃないだろうか。

人並みに生きて人並みに努力して、つまずいても立ち上がって、なお前を向いて。

できるかもしれない、こんな俺でも。
無職の引きこもりでクズな俺でも、人生をやり直すことが。

── 本気で生きていくことが ──

by 前世の男『無職転生』TVアニメ1話

おわりに (『無職転生』1話とは)

原作小説 1巻

コミック 1巻

うーーん。
これまで各話レビューは書いてきましたが、小説原作の内容を取り込んで各話レビューを書いたのは初めて。
#今までは、それぞれ別々に書いてました

なんと1話で1万4000文字にもなりました・・・

そんな超長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
2話以降も書いていきますので、良かったらまたお越し下さい。

◇◇◇◇◇

アニメより原作の方がエロいと聞いてましたが、そんなことはありませんでした(笑)。

原作では、転生した直後、母親の胸を触ろうとしてません。
パンツを被ってはいません。
ロキシーのパンチラシーンもありません。

ただ、原作は下品です(苦笑)。
ルディの心の声(前世の男)でとんでもない言葉が。
恐らく、アニメでは制限がかかるようなセリフがサラッと出てきます(苦笑)。

そこが、原作はもっとエロいと言われる所以でしょう。

アニメは、下品なセリフをそのまま使うわけにいかず、アニメらしく?視覚上のエッチな描写に変更したのでしょう。

と、記念すべき1話の締めがこれでよいのか分かりませんが、これが『無職転生』!?

実際にいたら悪寒が走るようなキモオタ34歳引きこもりニートが、(多分)真っ当になっていく物語なのです。

以上、TVアニメ『無職転生』第1話の感想&解説レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

2話のレビューも書いています。
良かったらご覧下さい。

ではでは。

きょうのひとこと

パウロは働かなくていいの?

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