こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』第3話「友達」を鑑賞しました。
ロキシー師匠がわずか1.5話でいなくなってしまったのが残念だったのですが・・・
そう来ましたか(苦笑)。
「ジト目ロリっ娘」の次は「ボクっ子」!
今話の原作
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ鑑賞後の感想
+
コミカライズ・原作を読み
知り得た情報を加味して「解説・考察」
私は原作・コミック共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
作品レビュー 一覧
話数 | サブタイトル | コミカライズ | 原作巻数 |
第1話 | 無職転生 | 1巻 | 1巻 |
第2話 | 師匠 | ||
第3話 | 友達 | ||
第4話 | 緊急家族会議 | ||
2巻 | |||
第5話 | お嬢様と暴力 | ||
2巻 | |||
第6話 | ロアの休日 | ||
第7話 | 努力の先にあるもの | ||
3巻 | |||
第8話 | ターニングポイント1 |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
今回のあらすじ
外へ出ることができるようになったルディは、一人で外へ遊びに行く。
村はずれでいじめられていたエルフ耳の子供、シルフィを助け、ルディに初めて友達が。
ルディがロキシー師匠から授かったものは数多く、中でも、家の外へ出られなかったトラウマを克服させてくれたのが大きかった。
ルディは、家から外へ出たことで、世界が一気に広がる──
初めて外へ出たルディには、目に入るものが全て新鮮。
その風景が、ルディフィルターにでもかかっているかのように、鮮やかに描写される。
ふと目に入る、イジメの風景。
前世と同じく、正義感から首を突っ込む。
だけど、前世と違って、今回は実力も周囲も味方する。
異世界へ来て、同年代、初めての友達ゲット。
新たな出会いは、ルディに何をもたらすか。
「ジト目ロリっ娘」ロキシーの次は、「エルフ耳のボクっ子」シルフィ!。
異世界を存分に楽しんでいるのは、主人公か作者か(苦笑)。
#いや、こちらこそ存分に楽しませてもらってます
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&解説レビュー 第3話「友達」
初めて外へ遊びに出かける
ロキシーが連れ出してくれた外の世界。
村を横切っただけだけだが、ルディには安心感を与えてくれた。
さっそくルディは外で遊びに行くと、パウロに声をかける。
御神体は没収されてない!?
彼女は本当に大切な贈り物をくれた。
外に出られる、引きこもりからの脱却。ここが俺の人生のスタートライン。
やっと始められるんだ。by 前世の男『無職転生』TVアニメ3話
ルディがロキシー師匠に、本当に感謝しているのが分かるセリフ。
前話でも感動させて頂きました!
ルディは、師匠に尊敬と感謝の意味を込めて、ロキシーの御神体に毎朝拝む・・・
って、パンツが御神体!?
ロキシーからは杖ももらっているし、何よりロキシーが大切にしていた「ミグルド族のお守り」があるのに!
なのにパンツに拝むって、なんて奴だ・・・
私はパンツに拝むことに呆れているのではなく。(いや呆れてますが(笑))
ロキシーのお守りの存在を忘れているのでは!?と思ってました。
が、後半、服を脱いだとき、ルディは首にかけてましたね。
ちょっと安心しました(笑)。
いや、そもそもパンツは、前話ラスト、メイドのリーリャに見つかったので没収されたのでは!?
と思ったら、数ヶ月前に盗んだ、ロキシーのパンツがありました。
ごめんなさい。by 前世の男『無職転生』TVアニメ2話
ロキシーのパンツのくだりが語られるのは、原作も同様。
が、実は原作ではリーリャに見つかってません。
なので、原作では御神体は守られているのです!
よって、リーリャに見つかったのはアニメオリジナル。
リーリャの冷めた顔と、ルディの正座、この二人の構図が最高でした(笑)。
アニメに辻褄を合わせるなら、御神体を「取り戻した」か「もう一枚」隠し持っていたのでしょう(笑)。
パウロに聞いたのは止められると思ったから
父様、母様。
外で遊んできてもいいですか?by ルーデウス・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
ルディは既に5歳。
両親の反応を見ると、自ら外で遊ぶと言ったのは初めての様子。
ルディが外へ出ない理由はトラウマだったのですが、両親は「体が弱い」と思っていたのだ。
喜ぶ両親が微笑ましい。
原作には、両親のそんな心配も気にせず、別のことを考えているルディが伺えます──
この年頃の子供というものは、目を放すとすぐにどこかに行ってしまう。
近所とはいえ、黙って出ては親も心配するだろうとの配慮だ。-中略-
あっさり許可が出た。
by 小説『無職転生』1巻
考えてみれば、ルディはまだ5歳。
私達の感覚で言うと幼稚園児。
確かに黙っていなくなれば大問題になる。
当然の配慮。
もう一つルディは懸念してました──
「思えば、お前には自由な時間を与えていなかったな。親の勝手な都合で魔術と剣術を同時に習わせたが、子供には遊ぶことも必要だ」
-中略-
一日中剣術をしろと言われる可能性まで考慮していたのだが、拍子抜けだ。
by 小説『無職転生』1巻
3歳からずっと「午前中は魔術、午後から剣術」の毎日だったルディ。
ロキシーがいなくなり、半日の時間が空いたのです。
魔術は、卒業試験に合格し、水聖級魔術師となり一定(以上)のレベルに。
だから「次は剣術」と言われると想定していたのです。
原) さらにパウロに付け加えていた
ゼニス:いい子に育ったわね。
パウロ:たまには親父らしいところを見せたいよ。by 『無職転生』TVアニメ3話
パウロのセリフ「たまには親父らしいところ」が勢い余って、中盤の勘違い説教になってしまったのです。
このセリフはアニメオリジナル。
原作では、唖然とするだけで、口にまではしてません。
#原作ではパウロ一人。ゼニスは近くにいません。
アニメの方が、パウロの心の動きが分かりやすくなってますね。
ただ、原作では、ルディはもっと細かい事を言ってます──
「ああそうだ、父様。これからもちょくちょく外出すると思いますが、出かける時は必ず家の誰かに言いますし、剣術と魔術の鍛錬は毎日欠かさずやります。日が落ちて暗くなる前には帰りますし、危ない所には近づきません」
「あ・・・ああ」
念のため、そう言い残しておく。
パウロはなぜか唖然としていた。by 小説『無職転生』1巻
子供にここまで言われたパウロ。
5歳の子供にこんなことを言われたら、大人としてのメンツを見せたくなりますね(笑)。
親として威厳を保つためにも、何か”親らしい”ことをしてやらなければと気負っていくのも致し方なし。
この何気ないシーンで、ルディが丁寧で律儀な子供だということと、中盤のパウロが意気込んでしまう伏線を描いているのです。
外の世界
ルディは、辞典を片手に外へ遊びに行く。
原) 挨拶できたのは何度も外出しているから
こんにちは
by ルーデウス・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
村で出会った子供に、挨拶され、気軽に返すルディ。
アニメ鑑賞時、初めて外へ出た割には、ずいぶん気さくな感じで挨拶しているなーと疑問に思ってました。
原作を読んで謎が解けました。
確かに、家を出るときは、初めて一人で外へ遊びに行った日。
その後、ルディは、何度も外出。
シルフィのイジメを目撃したのは、数日経過した後です。
原作には、それまでの過程が描かれます──
数日が経過した。
外は怖くない。順調だ。すれ違う人と爽やかな挨拶をかわせるようにまでなった。
人々は俺のことを知っていた。パウロとゼニスの子供、ロキシーの弟子として。
初対面の相手には挨拶と自己紹介。二度目の人にはこんにちは。誰もがにこやかな顔で挨拶を返してくれる。by 小説『無職転生』1巻
トラウマを克服したとは言え、最初は、恐る恐るだったのです。
そりゃあそうです、外へ出るのはできたとしても、見知らぬ人と一人で話す、声をかけるのはまた別。
ルディは「初めて出会った人には挨拶と自己紹介」。
二度目以降は「こんにちは」と挨拶。
これを数日繰り返して、「爽やかな挨拶をかわせる」ようにまでなったのです。
アニメの、少女に挨拶されて、橋の上から挨拶を返すのは、そのシーンだったのです。
原) 外へ出た目的は地理と調査
引きこもりだった主人公は、別にアウトドア派というわけでもなく、どちらかと言うとインドア派。
そもそも、なぜ外へ行ったのか、アニメ鑑賞時不思議でした。
原作には、外へ行った目的も描かれてました──
外に出た主な目的は、主に自分の足で歩き、地理を覚えることだ。
地理さえ覚えておけば、突然家から叩き出されても、迷ったりしないからな。
同時に、植物系の調査も行いたい。
ちょうど植物辞典もあることだし、食べられるもの、食べられないもの、薬になるもの、毒になるもの・・・。それぞれ見分けられるようにしておいたほうがいい。by 小説『無職転生』1巻
目的は「地理と植物系の調査」。
その理由は「突如、家から叩き出されても大丈夫なように」。
って・・・おい!
そりゃあ、アニメではカットされるはずだよ(苦笑)。
なんてネガティブな・・・
いや、合理的なのか!?
私の推測に過ぎないですが・・・
主人公は、前世で突然家から叩き出され、何もできなかった自分を不甲斐なく思っていたのではないでしょうか。
だから、いつ家を追い出されても生きていけるよう準備をしておく。
本当は「家から叩き出されないようにする」のが最優先だと思うのですが(笑)。
それよりも重要な信念があり、叩き出されても問題ないように備えておくのが主人公の性格のようです・・・
これが、後のシーンで、パウロに強気に出られる一因にもなるのでしょう。
植物辞典は母ゼニスからの贈り物
外出時に小脇に抱えていた本。
これは、5歳の誕生日にゼニスからもらった植物辞典ですね。(2話 )
この本があったから、一人で植物を調べることができたとも言えます。
森へ行くが、粋がらない
森へ一人足を伸ばすルディ。
異世界物だと、ここで魔物に出会って、思わぬ力を発揮する展開になるところ。
が、『無職転生』にはそんな展開はない。
上級魔術師だけど、ルディはかなり慎重のようです。
戦闘に関しては。
俺は魔術を憶えて多少は戦える力を手に入れたかもしれない。
だが、元は喧嘩もロクにしたことのない引きこもりだ。
増長してはいけない。
実戦経験も無いし、調子に乗ってヘマをしたら目も当てられない。
そうして死んでいった奴を何人も見てきた・・・漫画でな。
そもそも、俺は血の気の多いほうじゃない。戦いは極力避けるのが一番だと思っている。
魔物に遭遇したら逃げ帰ってパウロに報告しよう。
そうしよう。by 小説『無職転生』1巻
熱心に攻撃魔法を習得したのは、戦うためだと思ってましたが、どうやら違う?
基本、戦う気のない平和主義の主人公でした(笑)。
この先、平和な展開だけではないと思いますが、主人公はそういう性格のよう。
だから、シルフィを助ける時も恐る恐るだったのです。
そういえば、ルディは水聖級魔術師になりましたが、ロキシーの授業で魔物との実戦はなかったですね。
この世界で魔法とは、戦う道具ではないのか??
謎だ・・・
いじめ目撃
村はずれで、子ども3人がかりで1人をいじめている現場を目撃。
一人が石を手に持ったのを見て、ルディは割って入る。
なぜルディは別方向に向かって啖呵を?
やめろー!
3人寄ってたかって、イジメなんて、お前ら最低だ!by ルーデウス・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
救世主登場の見せ場!
水弾は見事命中!
啖呵を切るルディ!
だけど、ルディは体は3人の方へ向いておらず、空を切る!?
どこ見てんだよ!
by 子供『無職転生』TVアニメ3話
なぜ、ルディは横を向いて啖呵を切ったのか。
#横を向いて啖呵切るのはアニメオリジナル
前項で書いたように、魔物が出たら、逃げ帰って父パウロに報告しようと言う考えのルディ。
基本的に、喧嘩は苦手。
というか喧嘩の経験がありません。
相手は3人とは言え、小学生程度の子供。
それでも、この手の勢いでくる、いじめっ子には過去の記憶もよみがえりビビってしまう。
「兄ちゃーん!!変なのがいるぅー!!」
子ども達は仲間を呼んだ!
しかし誰も現れなかった。
しかし、俺の足はすくんだ!
ぐぬぬ、3人もいるとはいえ、子供に叫ばれて足がすくむとは情けない。
これがイジメられて引きこもった者のサガか・・・。by 小説『無職転生』1巻
弱い者相手に恫喝する、虐げる声を聞くと、主人公の心が萎縮してしまうのです。
それをアニメでは、面と向かって啖呵切れない主人公、と描写したのでしょう。
泥玉を避けれたのは剣術鍛錬のおかげ
ふはは。
当たらなければ、どうということはない。by 前世の男『無職転生』TVアニメ3話
アニメだと不格好に左右に避けてます(苦笑)。
実際は、相手は3人。
3人が同時に投げる泥玉を避けるのはなかなか難しいのでは?
原作ではその理由が──
3倍になって返ってきた。パウロに教えてもらった足さばきと魔術を駆使して華麗に回避。
「あ、あたんねぇ!!」
「よけんじゃねえよ!!」by 小説『無職転生』1巻
剣術鍛錬で教えてもらった、パウロ直伝の足さばきを使っていたのです。
それと・・・魔術?
この時、魔術を使って避けていたというのです!
原作、コミカライズにも、魔術をどのように使ったのかは描かれてません。
考えられるのは、風魔法で泥玉をそらせる、あるいは自分の体裁きをサポートする、といった感じでしょうか。
緑色の髪色をしたシルフのクォーター
助けた子供は、緑色の髪色をした美少年だった。
原) シルフィ登場シーン
ワーオ!
まあ、びっくり。
驚くほどの美少年。by ルディ&前世の男『無職転生』TVアニメ3話
こんな可愛い子を、少年と思ったルディ。
仮に女子に見えないにしても、男子と断定する要素もないのでは?
なぜ、ルディはシルフィを少年と断定したのか?
もしかすると、アニメだからキレイに描かれているのであって、原作では違うのか!?
原作はルディの一人称。
ルディ目線で見たシルフィを見てみましょう──
同じぐらいの歳とは思えないほどの美少年がそこにいた。
子供にしては随分と長いまつ毛に、すっと通った鼻筋に、薄い唇、ぞくりとするような顎のライン。白磁のような肌──それらに怯えたウサギのような表情が相まって、なんとも言えない美しさを醸し出していた。by 小説『無職転生』1巻
いやいや、女子でしょ、この描写(笑)。
どうやらルディは最初から、少年と決めつけてます。
もしかすると、イジメにあうのは男、男がいじめるのは男みたいに思い込んでいるのかもしれないですね。
コミカライズもチェックしてみましょう。
いやいやいや、こっちはもっと美少女でしょう(笑)。
特に足のライン!
靴も、完全に女子でしょう!
#靴はコミカライズのみの描写
#むしろ左膝の包帯姿が痛々しい
もしかして主人公は思い込みが激しい?
それとも単に人を見る目がないだけ??
何にズクンと来たの?
あまり人の言うことに逆らわない子らしい。
ショタコンのおにいさんがいたら一発で”ズクン”ってなるだろう。by 前世の男『無職転生』TVアニメ3話
主人公の下品な表現は個性と言う事でさておき(苦笑)。
アニメ鑑賞時、何をもって”ズクン”と表現したのか分かりませんでした。
原作・・・いや、コミカライズの描写を見て理解しました、何を言わんとしているか・・・
「ちょっと、そこに荷物を置いて、そっちの用水路の前でひざまずいて」
-中略-
少年は四つん這いで用水路を覗きこむような姿勢になっている。
ショタコンのお兄さんがいたら、一発でズクンってなるだろう。by 小説『無職転生』1巻
なんと、シルフィを四つん這いにさせていたのです・・・
コミカライズにはその描写も。
ちと、載せるにははばかられるような絵なので、興味ある方はコミカライズで直接ご覧下さい。
なるほど、アニメは自主規制していたのですね(苦笑)。
ルディの初友達・シルフィ
ルディはシルフィに、友達になって一緒に遊ぼうと誘う。
シルフィは魔法に興味を持ち、ルディが教えてあげることに。
クォーターエルフ
お父さんは半分だけエルフ。
でも、髪の色、お父さんともお母さんとも違う。by シルフィエット『無職転生』TVアニメ3話
アニメではこれだけの説明で、よく分からなかったですが、原作にはもう少し説明が──
「お父さんの種族は?」
「・・・半分だけエルフ。もう半分は人間だって」
「お母さんは?」
「人間だけど、ちょっとだけ獣人族が混じってるって・・・」
ハーフエルフと、クォーターの獣人?
それでこんな髪になるのか・・・?by 小説『無職転生』1巻
父親と母親の遺伝子を等分に授かるかは分かりません。
見た目がエルフっぽいので、クォーターエルフと言ってしまいそう。
が、両親の種族を聞くと・・・
血の濃さで言うと、人間の血が一番多い。
シルフィは、見た目はエルフ、中身はエルフと獣人、そして人間の血が混じった混血です。
原) いじめられっ子の気持ちはよく分かる
アニメ鑑賞時。
いじめから助けた後、ルディがシルフィに優しくしていたのは、美少年と親しくしていると「おこぼれ」がもらえる下心だと思ってました(苦笑)。
が、原作では、他の思いもありました。
うーん、他人の家庭の事情にまではあんまり踏み入りたくないんだが、俺もかつてイジメられっ子だったし、どうにかしてやりたい。髪の色が緑色ってだけでイジメられるのは可哀想だしな。
俺の遭っていたイジメは身から出た錆の部分もある。
けど、少年は違うだろう。生まれを変えるのは、自分の努力では不可能だ。by 小説『無職転生』1巻
見直しました!
まともどころか、とても正義感が強い主人公。
今日あったばかりの少年に対し、イジメの痛みが分かるから、助けようとする。
前世で、自分がイジメにあっていたのは自身にも責任があると自覚しています。
感心しました。
結果、ルディはアニメでは描かれなかった行動に出ます──
「よし、じゃあ行こうか」
「・・・ど、どこに?」
「君についていくよ」
子供についていけば親が現れる。自然の摂理だ。by 小説『無職転生』1巻
なんと原作では、親と髪色が違うことから家庭環境も疑い、そこを確認するために父親に会いに行くのです!!
「家庭環境への疑い」と言っても、無茶苦茶疑っているのではなく、念のためってレベルですけどね。
原) シルフィの父親の所へ
「初めまして。ルーデウス・グレイラットです」
「グレイラット・・・もしかして、パウロさんの所の?」
「はい。パウロは父です」
「おお、話には聞いていたが、礼儀正しい子だ。おっと、申し遅れた。ロールズです。普段は森で狩りをしています」by 小説『無職転生』1巻
シルフィの父親の仕事は、普段は森で狩り。
この時は当番で、森の脇のやぐらで魔物を見張っていた。
村の用心棒であるパウロも、同じように当番制で、やぐらに来ることも。
なんと、シルフィの父親とパウロは知り合い。
子供のことで相談しあう仲だった。
「ウチの子はこんな見た目だが、ちょっと先祖返りをしてしまっただけなんだ。仲良くしてやってほしい」
by 小説『無職転生』1巻
父親と違うシルフィの髪色は、先祖返りだと言うのだ。
先祖返りとは、両親ではなくそれ以前の世代の遺伝が出ること。
「隔世遺伝」とも言う。
シルフィは、父方の親(エルフ)の遺伝子が出て、緑色の髪に。
尖った耳は、父親も同様。
髪色だけが先祖返りしてしまったのです。
つまり、家庭環境には問題なさそう。
ルディとの会話を聞いていてもおかしなことはない。
それに、父親は、シルフィがイジメに遭っていることも知っていた。
#適切に対処しているかは分かりませんが
結論としては、シルフィがいじめられる要因などなく、単にイジメっ子が差別しているだけなのです。
シルフィと友達になったのは戦略!?
シルフィ:でも仲間外れにされるかも
ルディ:その時は君が遊んでくれよ。僕達は今日から友達さ。by 『無職転生』TVアニメ3話
サラリと言った、いいセリフ「今日から友達さ」。
いじめられっ子に必要なのは友達!
異世界でも、それは同じ!
ルディいい奴じゃん!
と思っていたら、アニメでも描かれたように、おこぼれをもらう漁夫の利作戦!?
原作では、もっとずる賢いことを考えてました──
イジメられっこを助けたらイジメられました──なんてのは、よくある話だ。
「その時は君が遊んでくれよ。今日から友達さ」
「えっ!?」だから二人で徒党を組むのだ。
イジメの連鎖は、助けられたほうが裏切ることで起きる。助けられたほうが責任を持って、助けてくれた恩を返すのだ。もっとも、少年の場合はイジメの原因がもっと根の深い部分にあるので、裏切ってイジメっこの側にまわるとは思わないが。by 小説『無職転生』1巻
なんという、計算ずくの考え方!
シルフィに友達を申し出たのは、自分がいじめられないためでもあったのです!
原作では、その後、おこぼれをもらうことを考えてます。
父パウロの勘違い説教
いじめを撃退したルディだったが、いじめていた側の一人の母親が、ケガをさせられたとパウロの所へ文句を言いに来ていた。
パウロはルディに注意しようと叱るが・・・
ソマル坊はなぜケガをしていたのか?
しかし、ソマル坊は確かにケガして
by パウロ『無職転生』TVアニメ3話
アニメで描かれた、パウロの回想シーンで、ソマル坊は確かに左目の上に殴られた後が。
そのケガが、どうしてできたのか、アニメだけでなく原作でも描かれてません。
ただ原作では、ルディはソマル坊が「当たり屋」だと推測します。
自分でワザとつけたというのです。
が、何度も撃退している内に、ソマル坊というより、その母親がパウロに興味があったからだと分かります。
ソマル坊は「当たり屋」ではない?
かすり傷一つでウチまで歩かされるソマル君もうんざりしているようだった。彼は当たり屋ではなかったのだ。疑ってすまんね。
by 小説『無職転生』1巻
わざとケガをしてないなら、あのケガの原因はなんだったのか?
アニメでは水弾をぶつけてましたが、原作では敵同様、泥玉をぶつけてます。
この泥玉で傷ができた。
もしくは、「目に入った」というセリフがあったので、泥が目に入ったままかいてしまったのかもしれません。
それで、目の上が腫れてケガのように見えたのではないでしょうか。
原) ルディとパウロは和解している
すまない。
父さんが悪かった、話してくれ。by パウロ『無職転生』TVアニメ3話
パウロが詫び、ルディの話を聞くのかと思ったら、家へ入ってゼニスと話す。
アニメ鑑賞時、気になってました。
パウロの誤解は解けたのか?
ルディとは和解したのか?
原作では、ルディがイジメのことを説明し、パウロは勘違いだと認めます。
謝るパウロに対し、ルディは叱っても構わないと言う──
謝る必要はありません。今後も僕が間違っていると思ったら、容赦なく叱ってください。ただ、言い分も聞いてくれると助かります。言葉足らずだったり、言い訳にしか聞こえなかったりする時もありますが、言いたいことはありますので、意を汲んでいただければと思います。
by 小説『無職転生』1巻
ルディはしっかりしているが完璧ではない。
#前世は無職引きこもりだったのですから・・・
だから、間違っていると思ったら叱って欲しいという。
ただ、一方的に叱るのではなく、こちらの言い分も聞いて欲しい、と。
さらに、ルディとパウロの会話は続きます──
「ああ、気をつけるよ。もっとも、お前は間違ったりしなさそうだが・・・」
「でしたら、そのうちできる僕の弟か妹を叱る時の教訓にしてください」by 小説『無職転生』1巻
なんと、自分だけでなく、他の人を叱る時に気をつけて欲しいと諭すのです。
なかなかできた人間ですね、ルディは。
なぜ、無職引きこもりだったのか不思議なくらいに・・・
それとも、前世を後悔しているからこそ、今は本気で生きているということでしょうか・・・
最後に、ルディはあることを確認して、満足します──
「父様、今度シルフを家に連れてきてもいいですか?」
「え? ああ、もちろんだ」
俺はその返答に満足すると、父親と一緒に家の中へ入っていった。
パウロが魔族に偏見を持っていなくてよかったと思う。by 小説『無職転生』1巻
ロキシー師匠曰く、ロキシーは魔族だから、両親と初めて出会ったとき戸惑っていた。
本当は、想定外の幼い女子が来たからだと思いますが・・・
ロキシー師匠が言っていたこともあり、確認したのでしょう。
シルフィのエルフ耳と緑の髪色は一見魔族に見えてしまう。
ソマル坊たちがシルフィをいじめていたことには口を出さない。
ならば、魔族に偏見を持っている可能性がある、というわけです。
が、パウロは即答で問題なし。
パウロは魔族に偏見など持っていなかったのです。
それで晴れやかに家に入り、安心してゼニスに報告したのです──
ゼニス:おかえりなさい。ルディ。今日は楽しかった?
ルディ:今日は友達が増えました。
ゼニス:あら、それはよかった。by 『無職転生』TVアニメ3話
シルフィの父親とパウロは知り合いです。
だからシルフィが魔族ではないと分かっているから、了承した。
という見方もできます。
原) パウロ視点
パウロが謝り、ルディと和解した後、原作ではパウロ視点で振り返りがあります。
近所で悪ガキとして評判の子供ソマルを連れており、ソマルの目尻には青いアザができていた。剣士としてそれなりに修羅場をくぐってきたオレには、それが殴られてついたものだとわかった。
by 小説『無職転生』1巻
パウロには、ソマルが悪ガキだとの認識はあったどころか、評判だった模様。
ただ、目尻には殴られた跡があったと言うのだ。
これが、先に書いたように、不思議ですね。
奥方の話は要領を得なかったが、要約するに、うちの息子がソマル坊を殴ったらしい。
それを聞いて、オレは内心ほっとした。-中略-
息子はなんだかやけに聡くて大人びているが、子供らしいところもあるのだ。
エトの奥方は顔を赤くしたり青くしたりしながら大事にしようとしているが、所詮は子供の喧嘩だ。見たところ、怪我の方も痕になったりはしないだろう。
オレが叱って終わりだ。by 小説『無職転生』1巻
奥方の話は要領を得なかったが、ソマル坊の目に殴られた跡があるのは確か。
パウロは子供の喧嘩だし、むしろ、ルディに子供らしいところもあって安心しています。
それがどうして、あんなことになったのか・・・
子供なら殴り合いの喧嘩の一つもするだろうが、ルーデウスは他の子供より力を持っている。若くして水聖級の魔術師となったロキシーの弟子であり、三歳の頃からオレの指導で訓練してきた身体だ。
きっと喧嘩も一方的になったはずだ。
今回は大丈夫だったようだが、頭に血がのぼってカッとなれば、やりすぎてしまうかもしれない。by 小説『無職転生』1巻
実は、今回の事で目くじらを立てたのではなく、これを機に「今後気をつけるように」注意をしようとしたのです。
ところが、ルディの挑発的な態度に、父親がエキサイトして殴ってしまったというわけです。
まあ、ルディも憎たらしい言い方をしてましたからね・・・
ソマル坊の怪我を「殴られた跡」の証拠として断定してしまったのが過ちの元ですね。
力の強い者はその力を自覚して、自分より弱い者に軽々しく暴力を振るうな、と説教していたのに。
オレは殴ってしまったのだ。by 小説『無職転生』1巻
力を持っているからこそ、弱い者に対して正しくあれ、と説教するつもりだったのが、自身が暴力を振るってしまい、何も言えなくなってしまったのです。
ちなみに、この時、パウロは24歳です。
#原作情報より
24歳なら、そんなもんでしょう・・・
原) パウロは実家を出ていた
パウロ:たぶん、あいつも出てけと言われたら、すぐにこの家を出ていくんだろうな。あっさりと。
ゼニス:あなたみたいに?by 『無職転生』TVアニメ3話
ルディが克服したトラウマ、家の外に出られないこと。
ずっと不思議に思っていたのは、なぜ赤ん坊の時に、家から一歩も外へ出てなかったのか?
赤子が自ら外へ出ることはないにしても、病院に行くなり、子供を連れて買い物に行ったりするだろう。
それに、パウロやゼニスの親に会いに行ったりしなかったのか?
出産は、助産婦であるリーリャが。
リーリャは子育てのエキスパートだから、健康管理は家でOK。
病院は病気にならない限りいかない?
買い物も、メイドのリーリャが全てまかなっているから、ゼニスと二人交代で家で子守をしていた。
それでも、祖父祖母が出てこないのは違和感がありました。
謎が一つ解けました。
パウロは家を出ていた。
だから、両親に孫を見せる機会はなかったのです。
原作にはもっとはっきりと描かれています──
そもそも、オレ自身も、堅苦しい家で厳格な父が頭ごなしに叱ってくるのに嫌気がさし、大喧嘩の末に家を飛び出したのだ。
by 小説『無職転生』1巻
なんと、まさにパウロが勘違いしてルディに説教したように、パウロ自身が父親から頭ごなしに叱られ、家を飛び出していたのです。
血は争えない。
親子ですね。
それは、ルディも同じ・・・
ルディも「出ていけ」と言えば、あっさり出ていくだろう。
だから、パウロは最後のひと言を我慢したのです。
原) パウロの父は既に他界
最後まで謝れなかったけど、親父もこんな思いだったのかな。
by パウロ・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
「”最後まで”謝れなかった」とはどういう意味か?
アニメでは、サラッと流されましたが気になってました。
原作には、パウロ視点で心情描写が──
父はオレが旅に出てしばらくして病に倒れ、死んだと聞く。風の噂では、今際の際まであの日の喧嘩のことを後悔していたらしい。
by 小説『無職転生』1巻
パウロの父親は病で亡くなっていた。
だから、親と和解という話が出るでもなく。
ルディが生まれても会いに行くこともなかったのです。
そして、今回、ルディと喧嘩して、父親の気持ちがよく理解できた。
今のパウロなら、父親と和解できるかもしれない。
「親孝行、したい時に親はなし」じゃないですが、既に遅いのです。
今できることは、自分が父と同じようにならないこと。
それが、自分の為だけでなく、ルディのためになる、と。
だから、パウロは自分の非があると分かったら、素直に謝ったのです。
シルフィも無詠唱が使えた
シルフィと友達になってから半年ちょっと。
シルフィの魔法も上達していた。
いじめっ子との関係は?
あれから、何度か例のクソガキどもが懲りずにやって来たが、すべて撃退した。
そのたびに母親がうちに怒鳴り込んできた。
どうやら、子供のことと言うより、パウロのことが好きらしい。
子供をダシにして、会いに来ていたというわけだ。
バカバカしい。by 前世の男『無職転生』TVアニメ3話
パウロが酒を飲みながら反省している時、ソマル坊と母親のシーンを回想。
パウロが謝罪したとき、よく見ると、ソマル坊の母親が頬を染めてますね。
芸が細かい!
この手のいじめっ子は、根に持って、何かの折に出てくるウザい存在。
どうなったかは気になるのですが、アニメでは、この程度。
原作ではもう少し続きがありました──
襲撃があったのは5回ぐらいか。
ある日を境にパッタリと来なくなった。たまに遠くの方で遊んでいるのを見かけるし、すれ違うこともあるが、互いに話しかけることはない。
無視することに決めたらしい。
こうして、あの一件は一応の解決をし、丘の上の木は俺たちの縄張りとなった。by 小説『無職転生』1巻
なるほど。
いじめっ子達は、ルディに敵わないと分かって無視することにしたのです。
付き合う必要がないのですから、良い落としどころかも。
そういや、この世界には義務教育ってないのでしょうか?
ルディは6歳。
前世で言う所の小学校入学の歳です。
シルフィの魔力総量
この半年ちょいでシルフの魔力量もかなり増えた。
by 前世の男『無職転生』TVアニメ3話
アニメ鑑賞時、シルフィの魔法の適性が気になっていました。
エルフの血が入っているのだから、魔法の適性高いのでは、と。
だから、無詠唱ができたのかもしれませんが、原作には初期の状態にも言及しています──
最初の頃、シルフは入門的な魔術を5~6回で息切れしていたが、この1年で魔力総量もかなり増えてきた。半日ぐらいなら、ずっと魔術の練習をしていても問題ない。
by 小説『無職転生』1巻
最初、シルフィは5、6回の初級魔法を使って魔力切れを起こしかかっていたのです。
他の人の量が紹介されてないので、これがどの程度の魔力量かは分かりませんが・・・
ルディは最初、水弾2発で、気絶したんですけどね。(1話 )
それに比べたら、シルフィは初期魔力量は多い方??
まあ、ルディはそのとき、2歳でしたが。
シルフィは最初の頃は、そうでもなかったにしろ、魔術習得の筋は悪くなく。
無詠唱もなんなく突破。
ただ、苦手な系統があるようです──
もっとも、魔術の方はまだまだだ。
特に彼は火が苦手だった。シルフは風と水の魔術を実に器用に操ったが、火だけはうまくできなかった。by 小説『無職転生』1巻
小さい頃、火傷をしたせいで、本能的に火を恐がっているからではないかとルディは分析。
その点、ルディは苦手系統はない。
それは、なんの危険にもさらされず、ぬくぬく育ったからだと言う。
いや、あんたには、別の苦手な物があったけどね(苦笑)。
シルフィはお湯を出したい
ルディが、水と火を同時に出し、お湯を作る魔法を使ってみせる。
それを見て、シルフィが言った。
どうして、ルディは口で言わないの?
by シルフィエット『無職転生』TVアニメ3話
とても自然な流れで、当然のセリフと思ってました。
が、原作を読むと、より深い意味が込められていました──
「大分上達してきたな」
「うん!!・・・でも、この本にルディが使ってたの、書いてないよね?」-中略-
「書いてあるじゃん。ウォーターフォールとヒートハンド」
「・・・?」「同時に使うんだ」
「・・・??」
首をかしげられた。
「どうやって二つ一緒に詠唱するの?」by 小説『無職転生』1巻
シルフィは、魔術教本に書かれていた魔法を次々と使いこなしていく。
だけど、魔術教本には、シルフィが感動したお湯を出す魔術が書いてないのだ。
元々シルフィは、お湯を出す魔法と、温風を出す魔法を使いたいがために魔法を憶え始めたのに!
それは、ウォーターフォールとヒートハンドの同時に使えば良い、と当たり前のように返すルディ。
これまで詠唱、つまりを口に出して魔法を使ってきたシルフィ。
二つ同時に詠唱するなんて、どうやれば良いのか見当が付かなかったのです!
これをアニメでは無詠唱そのものに疑問を持たせたわけですね。
大体、最初の出会いでルディが魔法を使った時、詠唱なんてしてなかったですしね。
無詠唱は高等技術。
高等技術である無詠唱が使える魔術師が、ここに二人現れたのです。
それもまだ6歳の子供たち。
シルフィにはあるものが・・・ない!?
突然の大雨に、二人は急いで帰る。
すっかり冷えた体を温めるために、濡れた服を脱ぎ、お湯に入ろうとするが、シルフィがじっとして動かなかった・・・
ルディは雨を止めることもできる!?
急な大雨に見舞われたルディとシルフィ。
アニメ鑑賞時、ちょいと疑問に思ってました。
雨に降られたが、ルディの魔法でなんとかならなかったの?と。
原作のシルフィも同じようなことを考えたようです──
「ルディ。雨降らせられるのに、やませられないの?」
「できるけど、もう濡れちゃったし、作物は雨が降らないと育たないからね。天気が悪くて困ってるって言われない限りはやらないよ」by 小説『無職転生』1巻
いや、雨を止めるなんて大層なこと考えてなかったですが、風で雨を避けたり、何かを加工して傘代わりにしたり・・・
って、雨止めることできるの!?
ルディすげぇ!
そういや、前話の卒業試験の時、雲を操っていたね(笑)。
天気に関する魔法は、ちゃんと農家のことを考えて使っているようです。
配慮のできる偉い子でした。
一人で脱げないと思った?
ルディはなぜシルフィの服を脱がそうとしたのか?
どうやら、一人で脱げないと思ったようです。
しかし、シルフは動かない。人前で脱ぐのが恥ずかしいのか・・・。
それとも、まだ一人で脱げないのだろうか。しょうがないな、六歳にもなって。by 小説『無職転生』1巻
だから、アニメでも──
ほら、手上げて。
しょうがないなあ、こんな歳にもなって。by ルーデウス・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
と言ったのです。
嫌がっているのに無理やり!?
や・・・やめてよぉ・・・
by シルフィエット『無職転生』TVアニメ3話
嫌がるシルフィのカボチャパンツに手を掛けるルディ。
原作を読むと、シルフィを心配していたようです(苦笑)
とはいえ、シルフの手は冷たい。早くしないと本当に風邪を引いてしまう。
by 小説『無職転生』1巻
ルディに悪気はなかったようです。
悪気が働いたのはこの後です・・・
オレが手を離すと、シルフは涙目になりながら、こくこくと頷いた。
可愛い。この可愛らしい少年と、もっと仲良くなりたい。
そう思ったら、唐突に俺の中のイタズラ心が芽生えた。
俺だけ全裸って、不公平じゃん。by 小説『無職転生』1巻
シルフィがあまりに可愛く、いじめたくなったのです。
正に、好きな子にイタズラをする小学生の感覚です(苦笑)。
パウロの成長と、ルディの反省
ルディがシルフィを全裸にして泣かせていた。
叱ろうとしたが、グッと堪えて、ルディに事情を聞く。
ルディが襲っていたように見えた
このシーン、原作ではもっと衝撃的な出だしです──
仕事を終えて家に帰ってくると、息子が幼馴染みの少女を襲っていた。
by 小説『無職転生』1巻「パウロ視点」
そりゃそうです。
部屋には、ルディとシルフィの二人。
ルディが全裸で、シルフィのパンツを握っている。
シルフィは、全裸で泣きながらしゃがみ込んでいる。
#もっと決定的な現象がありますが、自主規制(苦笑)
#知りたい方は原作をどうぞ
ルディが無理やりにシルフィを全裸にしたようにしか見えない。
#いや、その通りか(苦笑)
パウロは慎重に
どうしてあんなことをしたんだ?
頭ごなしに怒るのはダメだ。
前の失敗は繰り返すまい。by パウロ・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
パウロはこのような決定的瞬間を見ても、今回は慎重。
同じ過ちを繰り返さないように。
まぁ、お前ぐらいの歳なら、興味を持つものなのかもしれないがな。無理やりはダメだぞ。
by パウロ・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
パウロは、ルディがシルフィのことを男の子だと思っていたと気付いてません。
パウロは、この時、こんなことを考えてました──
女好きはオレの血筋だ。オレは若い頃から血気盛んで精力が強く、可愛い子と見ればひっきりなしに手を出してきた。今はある程度落ち着いたものの、昔は本当に我慢というものができなかった。
遺伝したのだろう。
理知的な息子にとって、そんな本能は悩んで当然のものだろう。by パウロ・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
パウロ、完全にルディがシルフィを襲ったと思ってます。
そんでもって、その衝動は自分の血筋だから仕方ないと考えているようです(苦笑)。
出来事の本質を捉えないと、説教は意味がないのですが・・・
原) 妄想は広がる
原作のパウロは、この後、妄想が広がっていきます。
パウロの中で、ルディはシルフィにかなりのご執心のイメージになっていきます──
思えば、最初から息子はあの子に執心していた。一年前の騒動だって、あの子を守るためにしたことだ。その結果、父親に殴られることにすらなった。
その後も、毎日のように一緒に遊んで、他の子から守っていた。剣術も魔術も頑張りながら、彼女のためにマメに時間を作っていた。自分が一番大事にしていた杖や魔術教本を彼女にプレゼントしてしまうぐらい、アプローチしていた。by 小説『無職転生』1巻「パウロ視点」
なるほど!
パウロからはルディはそう見えるのですね!
シルフィが女の子だと分かっていれば、確かにルディの行動は、恋愛感情に見えるかも。
シルフィと仲直り作戦
シルフィを傷つけてしまったルディ。
あれ以来、シルフィはルディと少し距離を取るように・・・
なぜシルフィを男と見間違えたのか?
なぜ、ルディはシルフィを男と思っていたのか。
原作には少しその理由が書かれてました──
仕方ないじゃないか。初めて会った時は俺より髪が短かった。ベリーショートというほどオシャレな感じではないけど、坊主というほど短くもない、そんな感じだった。服装だって女の子っぽい格好は一度もしたことがなかった。浅い色の上着にズボン。それだけだ。スカートでも履いてれば、俺だって間違わなかったさ。
by 小説『無職転生』1巻
ルディは、シルフィの服装と、自分よりも短い髪型から男の子だと思い込んでいたのです。
が、言われてみれば、思い当たるようです(笑)
いや・・・落ち着いて考えてみれば、だ。
髪の色でイジメられていた。だから、髪を短く切って目立たなくするだろう。イジメられれば走って逃げなければいけない。だから、スカートよりズボンを履くだろう。シルフィの家はそれほど裕福ではない。だから、ズボンを一着作れば、スカートを作る余裕は無い。by 小説『無職転生』1巻
ルディが、男の子だと思った理由にはすべて事情があったのです。
それにもう一つ。
名前「シルフィエット」を聞けなかったことですね。
アニメでは風が吹き聞こえなかった。
原作では、小さい声で最初の方しか聞こえなかった。
「シルフ」と聞いて、先入観と合わせて男と思い込んだのです。
シルフィはなぜ距離を取っていたのか?
もしかして、シルフィエットとまだ仲直りできてないのか?
by パウロ・グレイラット『無職転生』TVアニメ3話
ラストシーンで、ルディはシルフィと元通りになりますが、少し時間がかかったようです。
原作では、その時の出来事も描かれてます。
ギクシャクしていても、シルフィには他に友達がいないので、ルディと遊ぶしかなく一応は会ってくれます。
が、シルフィは「警戒心を抱きながら」魔術の練習をしていました。
それで──
ごめんね。
でも僕、ルディのこと嫌いになったわけじゃないよ。だから、普通にしてて。
by シルフィエット『無職転生』TVアニメ3話
アニメだけだと少し分かりにくかったのですが、原作を読んでよく分かりました。
「だって、最近のルディ、なんかちょっと変だもん・・・」
by 小説『無職転生』1巻
シルフィがルディに距離を取っていたのは、怒っていたからではなかったのです。
ルディは、シルフィが女の子だと分かった瞬間から態度が変わったのです。
うん。自覚はあった。
言われるまでもなく、俺は今までと同じ態度では接していない。
シルフィから見れば、それはまさに豹変だったろう。-中略-
今までと同じように、なんてのはさすがに無理だ。こんなに可愛い子といて緊張しないわけがない。
幼く、同年代、可愛い女の子。こんなのと仲良くなる方法を俺は知らない。by 小説『無職転生』1巻
主人公は、これまで、同年代の可愛い女子と接した経験がないので、どう対応すれば良いのか分からなかったのです。
分からないから、テンパり緊張してしまい、シルフィに威圧感を与えてしまっていたのです。
だから、シルフィは、今まで通り「普通にしてて」と言ったのです。
ルディは決意します!
シルフィの上目遣いのその言葉を聞き、目指します──
彼女が怯えないように、うろたえないように、男としての部分をひた隠しにして接するのだ。
つまり、アレだ。俺はアレになればいいのだ。
なってやろうじゃないか。鈍感系主人公に。
by 小説『無職転生』1巻
って、おい!
おわりに (『無職転生』3話とは)
外へ出られないトラウマは克服したが、まだまだ主人公には難あり。
特に対人。
臆病な性格は、戦闘へは不向き。
間違っている相手には後先考えず突っ込んでいくのは、トラブルの元。
どうやら、主人公は「思い込んでしまう」性格のようですね。
これが、お調子者の性格と相まってトラブルになりそうです。
なまじ頭が回り、強い魔術を習得したので、今後も衝突が続きそう。
だけど、それが物語の起伏となっていくのでしょう。
以上、TVアニメ『無職転生』第3話の感想&解説レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
4話のレビューも書いています。
良かったらご覧下さい。
ではでは。
男の子だとしても
無理矢理はダメ!
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アニメ『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』第4話のレビューはこちら!