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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『小市民シリーズ』第8話「おいで、キャンディーをあげる」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 小市民シリーズ第2弾『夏期限定トロピカルパフェ事件』
-
第四章「おいで、キャンディーをあげる」
終章「スイート・メモリー」の序盤
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『小市民シリーズ』の原作は、米澤穂信先生の小市民シリーズ第1弾『春期限定いちごタルト事件』、第2弾『夏期限定トロピカルパフェ事件』。
私は、2作とも未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって、次話以降のネタバレはなしなので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
原作小説を読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
原作小説の情報は、「原作情報」として区別できるよう表記します。
こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
これは、推理の連鎖で片がつく。
by 小説『春期限定いちごタルト事件』
ちなみに、考察や解説、疑問はオレンジ系 ──
それ以外は、補足や余談、参考情報はブルー系 ──
読む際の目安にして下さい。
全10話 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作小説 |
第1話 | 羊の着ぐるみ | S1 |
第2話 | おいしいココアの作り方 | |
第3話 | ハンプティ・ダンプティ | |
第4話 | 狐狼の心 | |
第5話 | 巴里マカロンの謎 | 短編集 |
第6話 | シャルロットだけはぼくのもの | S2 |
第7話 | シェイク・ハーフ | |
第8話 | おいで、キャンディーをあげる | |
第9話 | ||
第10話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル、原作小説:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
※原作小説:S1(シリーズ第1弾)「春期限定いちごタルト事件」
短編集「巴里マカロンの謎」
S2「夏期限定トロピカルパフェ事件」
はじめに
小佐内ゆきが誘拐された!?
母親が警察に連絡。
小鳩は帰らされるが、スマホに小佐内からメッセージが・・・。
何か気付いた小鳩は、堂島に協力を求め小佐内が監禁されている場所を探す。
触るな危険、三つ子の魂百まで。
小佐内さんを誘拐したのは、石和 馳美率いる薬物乱用グループ。
中学時代に自分をチクった相手を探していたのだ。
だが、狙った相手が悪かった?
小佐内さんは、事前に誘拐を予測(察知?)し、対策考え準備万端整えていた?
これが、この夏の集大成!?
年に1度の祭り、この時にしか食べられない「むらまつや」のリンゴ飴は台無しにされたのか、織り込み済みか・・・。
サブタイトルにもある「おいで、キャンディーをあげる」は、昔からある女児誘拐の誘い文句。
一見、小佐内さんが甘い物に釣られて誘拐されたように思えますが、そんな事実はなし。
実際に、ロリポップの包み紙を見つけ、監禁場所を特定したのは小鳩たち。
さて、今回の誘拐事件。
一体、誰が誰を誘ったのでしょうか・・・。
えっ、石和が小佐内さんを誘拐したんじゃないの?
さあ、どうなんだろうね~
今回起きた誘拐事件は、悲劇か復讐劇か・・・。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第8話「おいで、キャンディーをあげる」
推理
小鳩は小佐内が誘拐されたことを知る。状況がつかめないままマンションを出てすぐ、その小佐内からメッセージが届いた。
拉致現場?
あの子が、ゆきが・・・500万で無事に返すって。
機械を通した変な声で・・・。── つまり、小佐内さんが誘拐されたってことですか?
by 小佐内母『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
小佐内さんが誘拐!?
今話冒頭に描かれた「むらまつや」の前のロリポップの包み紙。
これも小佐内さんが残した手がかりだとすると、「むらまつや」の前で拉致されたということでしょうか。
だとしたら、白昼堂々、それもこれだけ人通りが多いところで小佐内さんを拉致したことになります。
商店街で白昼堂々誘拐・・・。
1話の自転車泥棒と言い、『小市民シリーズ』の犯罪者は大胆・・・いや、あまり考えもせず犯罪を犯している気がしますね(苦笑)。
身代金の電話をしておきながら(恐らく)警察への口止めはせず。
小佐内さんを後で返すつもりなのに、犯人は顔を見せている。
身代金は、500万円とリスクとリターンにあっていない。
明らかに素人っぽい犯行ですね。
まあ、高校生らしい・・・いや、もっと稚拙に見えますね。
後半の石和 馳美の言動からも、誘拐については何も考えてなさそうに見えます。
まだ何か隠れているのでしょうか・・・。
小佐内が誘拐されたのは「むらまつや」前?
あれ?
おかしいな・・・
ん、どした?
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
仮に、「むらまつや」の前で小佐内さんが拉致されたとしましょう。
なぜ、小佐内さんは「むらまつや」へ行ったのでしょうか?
そりゃあ、今日売り出されるリンゴ飴を・・・
あれ? なんで一人で先に行ったの?
そうです。
今日小鳩と待ち合わせをして行く店が「むらまつや」。
── 明日は現地集合かな?
一度、私の家に来て、そして一緒に出掛けるの。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
そう・・・1時頃に私の家に。
13時に小佐内さん家に集合して、一緒に行く予定だったのです。
これから行く店に、なぜ一人で先に行ったのでしょうか?
下見?
いえいえ、前話バーガーショップを出た後、二人で「むらまつや」の店を確認しています。
我慢できなかった?
それなら、小鳩に連絡して時間を早めるか、現地集合にすれば良いのです。
はい。
ここまで書けばお分かりですね。
今話ラスト ──
小佐内さんは、誘拐されることを分かっていたんだね。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
小佐内さんは、誘拐されることが分かっていたから、午後に約束していたはずの「むらまつや」へ一人で行ったのです。
店を訪れても(誘拐されるので)「むらまつやのリンゴ飴」を手に入れられないことが分かっていたのです。
腕試し
こんなことになってごめんなさい。
by 小佐内母『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
もうすぐ警察が来るので、今日は・・・。
小佐内家を追い出された小鳩。
(原作によると)小佐内さんのスマホに電話をしても出ず、夫や警察にも連絡して小鳩を家から出したので、どうやら冗談やドッキリではなさそう。
そんな状況なのに、小鳩はニヤけてしまいます・・・。
すぐさま考え直します ──
これは知恵試しの材料じゃない。
小佐内さんが誘拐されてるんだぞ。
警察だって動いてる。ボクの出る幕じゃないんだ・・・。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
ニヤつく理由は想像つきます(笑)。
事件にワクワクするのは探偵の血。
世の中の探偵(の大勢)は、事件が起きると生き生きとします。
確かに…
小鳩も、誘拐事件にワクワクしているのでしょう。
でも誘拐されたのは(外見は)か弱い女の子。
知人が誘拐され、それでも事件発生に心躍るのか?
小鳩の場合、どういう経緯でそこへ辿り着くのか。
アニメ鑑賞時、小説のこの部分を早く読みたくて仕方ありませんでした(笑)。
「ボクの出る幕じゃない」と自制しているなら、自分の思考が良くないことだと理解しているようです。
小鳩は、探偵バカか、冷たいサイコパスか・・・。
そのバランスを知りたい。
心情描写が描かれている小説ならば、明らかにされているのではないか、と。
小鳩くんの名誉のために書いておきます。
小佐内母に追い出され、次の引用に至るまで、2ページ近く思考を巡らせています。
まず、誘拐なんて嘘か詐欺ではないか。
これまで色々トラブルに巻き込まれてきたが、殆どが身に危険が迫るようなものではない。(サカガミ事件のラストくらいですが、それも危険な事はなかった)
誘拐がもし本当だったら、当然小佐内さんの身を心配しています。
その上で、気付くのです・・・。
なんだか現実感がない中で、自分の心の奥底にある感情に目を向けます ──
疑念、不安、非現実感。なるほど、ぼくは確かにそれらを感じている。それは自然なことだ。しかしぼくは、それらの奥底に不埒な衝動を感じていた。そのことは認めざるを得なかった。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
そんな衝動を持ってしまったことを恥じ、ぼくは個室の中で呟く。
「これは知恵試しの材料じゃない……。小佐内さんが、現に、攫われてるんだぞ!」
ぼくは、高揚していたのだ。
こんなことは滅多にない、と。知恵がまわるのを鼻にかけ、誰よりも早く「真相」に辿り着けると自認しているぼくにとって、こんなおいしい材料は他にない。妙技は好敵手あってこそ引き立つもの。才を試すにはそれに相応しい舞台と題材が必要だ。長い間そうした機会に恵まれずにいたけれど、こんな素晴らしい事件に出会えるならこれまでの退屈を帳消しにして余りある。誘拐万歳!
最後の「誘拐万歳」なんて、ちと人道を外れている気もしますが、許してやってください。
小鳩くんは、誰にも聞かれていないと思っている頭の中で想像しているだけです(笑)。
ちゃんと恥じているし、「誘拐万歳」なんて思うから人を不愉快にしてしまう。
だから、小市民を目指さなくてはならないと反省します。
現に小鳩は、家を追い出され警察も動いている中、自分には何もできないと諦めます。
結果、事件に首を突っ込むのを止め、小佐内さんが戻ってきた時に渡せるよう「むらまつやのリンゴ飴」を買っておこうと考えています。
おお、確かに諦めた感じだね!
そんな時、小佐内さんからのメッセージが届いたのです。
この絶妙なタイミングも気になるな…
御使いメール?
ごめんなさい
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
りんごあめを4つとカヌレを1つ買ってきてください
ごめんなさい
こんな時に、御使いメール!?
そんなわけはありませんね。
小佐内さんは誘拐されたのです。
御使いを頼むわけがありません。
仮に、誘拐は嘘で小佐内さんを拉致せずに脅迫電話してきたなら ──
小佐内さんと連絡が取れるはずですし、メッセージに13時の約束に触れるはずです。
これは小鳩以外が見ると、御使いメール。
小鳩が見ると、おかしいと気付く。
小鳩だけが違和感に気付くメッセージを送ってきたのです。
それにしても、犯人に囲まれ手を縛られている状況で、小佐内さんはどうやってメッセージを送ったのでしょうか・・・。
小佐内は、あの状況でどうやってメッセージを送った?
原作では、もっと深い所で違和感を感じています。
りんごあめと、カヌレを買ってきてほしかったのか? いや、もちろん違う。りんごあめならこれから買いに行く約束をしているし、それを反故にするというのならどこに来てほしいのか書いてないといけない。それに、カヌレなんて名前には憶えがない。多分甘いものの名前なのだろうけれど、ぼくが甘いものに詳しくないのを知っていてそんな名前を出すこと自体、何か狙いがあることを示唆している。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
小鳩はカヌレがどういったお菓子なのか知らなかったのです。
確かに、前々話の御使いでは店の指定までしています。(6話 )
ごめんなさい 家を離れられなくなりました
第10位のお店でマンゴープリン2つとシャルロットのグレープフルーツのせを4つ買ってわたしの家まで来てください
ごめんなさい
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
小佐内さんが本当に御使いを頼むのなら、店と品物を指定します。
ところが、今回店名まで書いてしまったら、場所を示していることが犯人側にバレてしまうかもしれない。
店の名前がなかったこと自体が、店に注目して欲しい意図が隠されていたのです。
結果、このメールは小佐内さんからの「SOS」だと確信します。
小市民たるもの、誘拐などと言う大事件に関わってはいけない。
大体、自分では何もできない、と諦めていましたが・・・。
小佐内さんからの「SOS」を見て考えを改めるのです。
自分の手で
110
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
小佐内さんからのメールが何らかのメッセージだと分かった小鳩は、警察に電話しようとしますが止めます。
電話するより、警察が来るであろう小佐内家に戻ればいいのに…
確かに
はい。
てっきり小佐内家に戻って、警察にメッセージを見せ推理し「あれれれ~」とか言って捜査に協力するのだと思っていました(苦笑)。
なぜそうしなかったのでしょう?
その解は、原作にありました。
これが救援要請だとして、ぼくはどうすべきか。具体的には、これを警察に渡して捜査を待つべきだろうか?
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
いや、それは正解とは思えない。警察が誘拐事件に際してどのような行動を取るのか、ぼくは知らない。このメールを重視してぼくの話を聞いてくれればいいが、そうでなければ時間を浪費してしまう。正解は、このメールを元に小佐内さんを発見した上で、警察を呼ぶことだ。
なるほど。
警察の捜査官が物わかりの良い人であれば、小鳩の話を聞いてくれるかもしれません。
が、そうとは限りません。
小佐内母とは初対面で信頼関係も構築できていません。
(だから追い出されたのだと思います)
下手をすると小鳩自身が疑われかねません。
1分、1秒を争う状況です。
時間を優先するなら、小佐内さんが監禁されている場所を確定してから警察に連絡することにしたのです。
つまり小鳩は ──
この時点で、小佐内さんのメールで監禁場所を特定できると踏んでいたのです。
まあ現実的に考えれば、警察に協力してもらう方が人海戦術と(車移動で)移動時間の短縮ができます。
何より、安全です。
南部体育館と特定した時点で、警察に連絡早う!と思った
ホント、それ!
まあ、そこは、知恵比べを生き甲斐とする小鳩の血が騒いだのでしょう。
あるいは・・・。
小鳩にメールを送ってきたのです。
小佐内さんは、小鳩に助けに来て欲しいと願っていたのではないでしょうか・・・。
えっ、あっ…でもそれって…
1話レビューからずっと書いてきたように、小鳩に小佐内さんへの恋愛感情はありません。
小佐内さんも小鳩に頼るのは、恋愛感情ではなく何か利益がある時だけだと断言しています。
でも、少なくとも・・・。
小佐内さんの身に危険が迫ったときの小鳩の感情は、並々ならぬものがある気がするのは私だけでしょうか。
原作小説は、小鳩の一人称。
小鳩の心情が描写されているだけで、真実とは限りません。
小鳩が自分では自分の気持ちに気付いていない・・・。
なんてこともあるのではないでしょうか。
お~~~、そんな気がしてきた~~
まあそれが愛情だとは限らないけどね
どゆこと?
友情、依存、同志(仲間意識)といった類いでも、同じような感情になりますね。
いずれにせよ、小鳩は合理性や推理欲を満たすだけでなく、感情面でも小佐内さんを自分の手で助けたいと思っているのではないでしょうか。
アニメを見ていると、そう感じてしまいます。
頼れる友達
監禁場所を特定し確認するまで自分の手でやると決意した小鳩。
危険な事になるのを想定して、堂島に助けを求めます。
助っ人と言えば、腕っ節の強い堂島健吾ですね!
健吾、すぐ来て欲しいんだ。
- 中略 -
── お前、他に頼れる奴はいないのか?
いない!
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
このやりとり違和感感じませんでしたか?
健吾すぐ助けてくれると思ったのに、冷たいと思った!
ですよね。
堂島は『小市民シリーズ』1話から登場し、出ていないのは6話「シャルロットだけはぼくのもの」だけで、ずっと何かしら二人と絡んでいます。
ましてや、『春期限定いちごタルト事件』のラストでは、一緒に小佐内さんがサカガミ達に何かされるのではないかと心配した仲。
つい最近だと、バーガーショップで堂島から伝言を頼まれ、激辛タンメンを食べたところ。
誰がどう見ても、堂島は一番頼れる仲の良い友達、いや、それどころか親友では?
うん、そう思う!
どうも、その解釈が違うようです。
どうやら、小鳩と堂島、殆ど会っていないようです。
えっ、そうなの!?
バーガーショップでばったり会った時 ──
やあ、揚げパンぶりだね。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
── あの時は世話になったな。
揚げパンとは、5話「伯林あげぱんの謎」の時のこと。
小佐内さんに悲劇が起きたあの事故があったのは5月です。(5話 )
バーガーショップに行ったのは8月。
3ヶ月近く会っていなかったのです。
前話で激辛タンメンを食べたときも──
── 常悟朗、鷹羽中学で薬絡みで補導された奴が出たことは?
知ってるよ、こないだ教えようかと思ってた。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
バーガーショップで会ってから、一切会話してないことを物語っています。
やっぱりお前に話して正解だったな。
by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
お前なら大して同情もせず、おざなりに聞き流してくれると思ったんだ。
これは、普段は小鳩とは話していないことを示唆してますね。
小鳩と堂島は、普段は全く会話していないのです。
それどころか、アニメで描かれた場面でしか会話してないようです。
そうなの!?
普段から一緒なんだと思ってた…
二人は”つうかあ”だし、そう思ってしまうよね
あまりに二人が互いの性格と思考を理解し合っているので、親友のように見えてしまいますが、普段は友達でも何でもないのです。
原作では、次のように説明されています ──
平穏な学校生活を送っているぼくには友人は多いけれど、こんな馬鹿な話を持ち込めるのは、あの男以外にいない。もちろん、不本意だ。不本意ではあるけれど、背に腹は代えられない。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
アニメでも原作でも全く描かれていませんが ──
小鳩には小佐内さんや堂島以外に友人はいるようです。
ましてや、これから思い切り推理しようというのです。
小市民として接している友人には、正体を明かすわけにはいきません(苦笑)。
小賢しい知恵働きをする小鳩を知っているのは、小佐内さんと堂島しかいないのです。
『お前、他に頼れるやつはいないのか?』
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
……ぼくは、小市民的であろうとした。
そして、そうしている間に得られた友人たちとは、やはりそれなりの関係しか結べない。ぼくが『狐』であることを知っている健吾だけが、『狐』であるぼくが信を置くに値する。そのことの皮肉に笑う気もしないまま、ぼくは即答した。
「いない」
健吾も、すぐに答えた。
『わかった。どこに行けばいい?』
キツネとして行動するとき、信頼できるのは堂島健吾しかいないのです。
では、なぜ堂島は意地悪な質問をしたのでしょうか?
それは、小鳩の正体(キツネ)を知っているのは、自分以外にもいると思っていたのでしょう。(普段会話しているわけではないですからね)
なぜなら、堂島の質問は「他に友人はいないのか?」ではありません。
「他に頼れる奴はいないのか?」と問うているのです。
ちゃんと堂島は理解しているのです。
だから、小鳩が「いない」と答えたので、すぐにOKしたのです。
暗号メッセージ
カヌレを一つだと?
by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
── 一つじゃおかしいの?
俺の知ってるカヌレは小さな菓子だ。
一つだけで買うかな。
カヌレとは、次のようなお菓子です。
確かに小さい。
1個だけ買うものではありませんね。
というか、小佐内さんが小鳩に頼んでいるのだから ── 偶数でないとおかしいですね(笑)。
二人で分けて食べるのです。
一人分なら、そのことを伝えないと足りなくなります。
それに一人分だとしたら、リンゴ飴4つというのが変です。
(まあ、小佐内さんなら1年に1度のリンゴ飴なら4つ欲しがりそうですが(笑))
これは、御使いのメールではないと確信する小鳩。
商品から店を探します。
<小佐内スイーツセレクション・夏>として手渡された地図。
回る店はベスト10なのに、なぜ圏外まで書き込まれているのか不思議でした。
だって、数が多くなって分かりにくいだけですからね
なるほど!
こういう時のために、市内全域をカバーするようにリストアップされていたのです。
体育館?
── 市営南部体育館。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
あれ、間違ったかな?
メッセージが指し示す場所が体育館だと分かり、小鳩はなぜ「間違った」と思ったのでしょうか?
これは、前のセリフにかかっています。
ショッピングモールだぞ。
by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
こんな人目の付く場所に?
ショッピングモールは人も多く、何かと人の目を気にしなくてはなりません。
監禁場所は、人気のない所だと踏んでいたのです。
ところが、4対1の比率で示された場所は体育館。
体育館も(時期によるでしょうが)人目があって、監禁場所には不適切だと思い「間違った」と一瞬思ったのです。
常悟朗、知らないのか?
あそこは建て替えられるんだ。今はもう立ち入り禁止のドデカい廃屋になってる。
by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
「ドデカい廃屋」。
まさに、監禁場所に打って付け。
小佐内さんは、市営南部体育館に監禁されている可能性が高いのです。
そこまで確信したなら、ここで警察に…
ホント、それ!
この後ちょっと怖かった(涙)
それにしても、小佐内さん。
拉致されている状態でメールを送ってきたのも凄いですが・・・。
「むらまつや」と「レモンシード」の4対1の間に南部体育館があることがよく分かりましたね・・・。
それも、地図を使わず頭の中で・・・。
小佐内は、地図も見ずにどうやって南部体育館を示す暗号ができた?
乗り付けられた車
汚れがない。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
最近誰かがここへ乗り付けたんだ。
ちっちゃい子とは言え、人間一人を拉致するのです。
車がないと難しいですね。
この車に小佐内さんを連れ込み、南部体育館まで運んだのでしょう。
でも、そう考えると高校生グループだったというのが疑問ですね。
拉致するために車を用意し、もちろん運転もする。
普通なら、大人がいると考えます。
でも、高校生グループと言い切っています。
高校生だとすると一番上でも高校3年生(17~18歳)。
車の運転免許は、確かに18歳から取得できますが、夏の時点で免許も車も持っているのでしょうか?
その疑問は、原作に解がありました。
大した事実ではないので今後も触れられないかもしれませんが、一応隠しておきます。
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小佐内ゆきは、グループの一人北条智子の父親が所有していた普通乗用車で拉致された。北条は運転免許証を所有していなかったが、これまでもしばしば父親の車を持ち出し、無免許運転を繰り返していた。また、父親もそれを知りながら黙認していたと思われる。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
拉致に使った車は、グループの一人北条智子の父親のもの。
彼女は免許を取得していなかったが、これまでも父親の車を持ちだし無免許運転をしていたのです。
ロリポップ
あれ。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
はっきり見えないけど、ロリポップの包み紙に見える。
小佐内さんが、常にポケットに忍ばせている?ロリポップの包み紙を発見。
ここでロリポップが出てくるとは!
ロリポップとは、棒付きのキャンディーのこと。
さらに、助手席にはボイスチェンジャーも発見。
ここまで揃ったら、ここが監禁場所でほぼ間違いなさそうです。
そろそろ警察に・・・
うん、ここまで揃ってきたら警察に一報入れた方が良い気が…
さらに ──
── どうした?
これ・・・。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
階段の途中にもロリポップの包み紙が・・・。
原作では ──
几帳面に四つ折りにされていたそれを開き、裏面を指で撫でる。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
「……まだべたついてる」
包み紙の内側がまだベタついていることから、つい最近置かれたものだと判断します。
これで益々小佐内さんがここに監禁されている可能性が高くなったのです。
連絡
── はい、小佐内です。
もしもし、先ほどお邪魔した小鳩です。
ゆきさんを見つけました。- 中略 -
── 君は誰?
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
小佐内母と話しているつもりが、急に女性捜査官に。
小佐内家が映し出されますが、電話を持っているのは小佐内母ではなく女性捜査官。
最初から女性捜査官が、小佐内母のフリをして電話に出ていたのでしょう。
電話を逆探知するのに、出来る限り引き延ばすためか。
誘拐犯から少しでも情報を引き出すためでしょうか。
原作によると、電話口の声色が変わり、一瞬で気圧されたようです。
だから小鳩は ──
はぁ~~緊張した。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
と言ったのです。
救出
監禁場所を見つけ警察に伝えるも、現場では今にも小佐内が傷付けられようとしていた。
石和 馳美
あれは、石和 馳美だ、間違いない。
川俣さなえを引き込んだ奴だ。
── ドラッググループのリーダー。聞いた話じゃ、石和はかなりキレた奴だ。
by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
何するか分かったもんじゃないぞ。
事件が繋がってきましたね。
バーガーショップで、堂島が張り込みをして情報収集していたドラッググループが小佐内さんを誘拐したのです。
だとすると、堂島が助けたかった川俣さなえもいるのでは!?
あっ、そうじゃん!
犯罪を犯すような輩を助ける必要はない!?
原作では、小鳩もすぐに気付きます。
「じゃあ、川俣さなえもあの中に? 健吾の彼女のお姉さんなんだろ? あと五分で警察が来る、引っ張られるよ!」
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
「川俣は別に彼女じゃない。それと、そのことは大丈夫だ。今日は来てないようだった。
堂島は、川俣さなえの顔を知っています。
監禁場所にいた5人の中には、川俣さなえはいなかったのです。
そういえば、バーガーショップで見張っていたグループは6人でした。
監禁場所にいたのは5人。
川俣さなえはいない。
そういや、さっきの石和と誰かの会話で ──
── あっちからすり寄ってきておいて、バックレるとか生意気だよね。
さなえの奴、次見つけたら殺そ。
by 石和馳美『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
川俣さなえは、グループから抜けたがっていたが、石和が怖くて抜けれなかった様子。
誘拐は完全な犯罪。
犯罪に手を染めると知り、逃げたのでしょうか・・・。
オオカミ
顔は許してやるからさぁ、とりあえず腕出そっか。
by 石和 馳美『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
原作では、ここでナイフは使っていません。
石和が手にしているのはタバコ。
タバコの火でヤキを入れようとします。
あの!
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
ようやく見えた、小佐内さんの表情。
でも、その顔は怯えや泣き顔ではありませんでした。
どちらかと言うと、生き生きとした表情 ──
原作は小説なので、文字で描写されています ──
中学時代は、何度か見た。しかし高校に入ってからは、『タルト事件』の際にたった一度、見たことがあるきり。嘲っているのではなく、ふてぶてしいのでもなく、暗い悦びを感じさせる薄い笑み。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
縛り上げられながら、いまの小佐内さんは小市民ではなかった。……『狼』の、小佐内ゆき。
小鳩が中学時代に何度か見た、オオカミの小佐内ゆきがそこにいたのです。
お前が覚えてたから何?
何なら、もっと覚えやすくしてもいいけど。首、行っとく?
by 石和 馳美『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
下手に動くと死ぬよ?
小佐内さんも、こんな脅し?で石和がビビったり、改心するとは思っていないでしょう。
時間稼ぎですね。
後に言ってますね ──
── あんな無謀な啖呵を切ったのは、ボクがいるのを知ってたからだったんだね。
まさか躍り込んできてくれるとは思わなかったけど・・・。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
時間稼ぎのつもりだったの。
原作では、もっとオオカミらしい発言をしています。
「小鳩くん。来てくれてありがとう。小鳩くんなら、きっと来てくれると思ってた。だからわたし、あの部屋の入口の扉をずっと見てた。そうしたら少しだけ開くのがわかったから、ああ来てくれたんだなって思ったの」
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
アニメだと、扉を結構開けてました(苦笑)。
見つからないかヒヤヒヤした
確かに…
実際は1、2センチ程度しか開けていなかったのでしょう。
だから、小佐内さん側からは覗いているのは誰かは分からず。
でも扉が開いたから誰かが助けに来てくれたと確信。
小鳩に違いないと考え、もう少しだけ時間稼ぎすれば良いと考えたのです。
お見事!
言い訳
その辺にしておけ、バカ野郎!
by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
小佐内さんも想定外。
我慢できずに割り込む堂島と小鳩。
いや、堂島健吾は、こんなの黙って見ていられないでしょう(笑)。
これ以上、罪を重ねるんじゃない!
── 誰?
通りすがり。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
あ、こいつも。
小佐内さんのピンチに、格好良く殴り込んだ二人。
でも、小鳩は心の準備ができてなかったようで、間の抜けたセリフしか言えませんでした・・・。
原作では、一応言い訳がされています(笑)。
最初の啖呵は、健吾が急に扉を開けたので出遅れ。
次のセリフは ──
「何だおめーら」
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
小佐内さんの知り合い、と答えちゃまずいだろうな、やっぱり。そう返事したら、小佐内さんを人質に取られてしまう。なのでこう答えた。
「通りすがり」
知り合いと答えると、小佐内さんを人質に取られると思い「通りすがり」と答えたのです。
一応考えて答えていたのです(笑)。
いや、バレバレでしょ(苦笑)
うん…
決着
女子ばかりとは言え、5人相手に、それも一人はナイフを持っているグループに、堂島と小鳩はどう立ち向かったのか気になりましたが、アニメでは描かれず。
原作でもほぼ決着が着いた時点での描写のみでした。
現場では通報者小鳩と、小鳩の友人堂島健吾が犯行グループと揉み合いになっていた。石和馳美は手にナイフを持っていたため、その場で取り押さえられた。堂島が石和のナイフによって左手の指を切られており、病院に移送。全治三日と診断された。その他には顔などを殴られた者がいたが、いずれも軽傷。被害者である小佐内ゆきは無事に保護された。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
どうやら、ナイフを持った石和に堂島が相手をし、残りの4人は小鳩が突き飛ばしたりして二人に近寄らせないようにしていたようです。
堂島は勿論、小鳩くんも大したものです。
石和と揉み合いになった堂島は、指を切られたが全治3日。
小鳩曰く、かすり傷らしいので大丈夫なのでしょう。
ありがとうございました。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
これにて、小佐内ゆき誘拐事件は解決したのです。
ティンカー・リンカーのピーチパイ
── どうしたの?殴られたとこ?
それもあるけど・・・お腹空いた。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
肝が据わっているのか、小鳩が来てくれると信じていたからか。
あれ程怖い目に遭っていながら、落ち込んではいなさそう・・・。
それどころか ──
── <小佐内スイーツセレクション・夏>の次のターゲットにしよう。
── 次は確か・・・。ティンカー・リンカーのピーチパイ!
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
白桃を使っていて、とっても、とっても美味しいの!
あれ?
「むらまつやのリンゴ飴」はどこへ行ったのでしょうか?
もう間に合わないのでしょうか・・・。
原作によると ──
「お腹、空いた」
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
ははあ。まあ、昼食抜きだっただろうしね。時刻は三時半。昼には遅く、夕には早い。これから小佐内さんは自宅に帰るのだけど。
まだ3時半です。
昼前に家を出て誘拐され、その日の3時半に決着するスピード解決。
ならば、まだ「むらまつやのリンゴ飴」も買える気がしますが・・・。
どうやら諦めた様子。
昼に行かないと売り切れてしまうのでしょうか?
後日の<小佐内スイーツセレクション・夏>でも、2位「むらまつやのリンゴ飴」だけは消し込みがされていません。
── 1時だね、わかった。
絶対ね。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
これが、この夏の思い出の集大成なんだから。
昨夜、あれだけ楽しみにしていた「この夏の思い出の集大成」はどこへ行ったのでしょうか?
誘拐を知っていた?
夏期限定トロピカルパフェを二つ下さい。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
── ねえ、小鳩くん、黙ったままじゃつまらない。何かお話しをして。
じゃあ、高校2年のこの夏休みは、どれほど有意義なものだったかについて少しだけ。
- 中略 -
誘拐されるって分かってたんだよね、小佐内さん。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
無事に解決したと思われた小佐内ゆき誘拐事件。
いや、随分呆気なく解決したと思ったら・・・。
やはり裏があったのです。
小佐内さんは、誘拐されるって分かっていた?
もう、お分かりですよね。
時折不思議な行動をしていたのは、小佐内さんが何か実行していたから。
誘拐後これだけスムーズに解決したのも、小佐内さんが誘拐を予想して準備していたから。
小佐内さんは、自分が誘拐されると分かっていたのです。
そして、救出してもらうには小鳩の力(知恵働き)が必要だとも。
だから、事件当日小佐内家にいてもらう必要があったので、前日念を押して、母親にも家で待ってもらうよう伝えて、(誘拐されに)外出したのです。
全て書いてしまうと次話の楽しみがなくなってしまうので、要点だけにします。
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
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前話レビューの最後。
原作には相手方の行動が描かれていると書きました。
それを紹介しましょう。
──八月十八日午後十一時二十分ごろ、石和馳美は川俣さなえからの電話を受けた。川俣は石和に、翌十九日の小佐内ゆきの行動について情報を伝えた。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
その際に石和は、かねてグループ内で話し合われていた計画の実行を川俣に示唆した。川俣は遠まわしに中止を求めたが、力関係上、その制止を石和が受け入れることはありえなかった。
手段は分かりませんが、川俣さなえが小佐内さんの行動を入手した様子。
原作小説では ──
石和グループが小佐内さんの誘拐を目論んでいることが匂わされていたのです。
私は、前話から小佐内さんの行動に疑問を感じていました。
- 疑問 06-01 <小佐内スイーツセレクション・夏>に、なぜ小鳩を誘った?
- 疑問 06-02 小佐内さんは、なぜ家を離れられなかった?
- 疑問 07-01 小佐内さんは、なぜレゲエの格好をしていた?
これらの疑問に対し、ある仮説を立てると・・・。
ほぼ全ての疑問の解になるものが見えてきます。
その仮説とは ──
手段は不明だが、もし小佐内さんが事前に自分が誘拐されると分かっていたら・・・。
一つ一つは解説しません。
要は小佐内さんは、自分が狙われていると知っていた。
だから外出時は一人にならないようにして、一人になる時は小佐内ゆきと分からないよう変装していたのでしょう。
夏祭りの縁日でキツネ面を被っていた時から、対策(計画)は始まっていたのです。(6話 )
今回誘拐されたときは、地味な格好をしていました。
石和グループが見ても、小佐内さんと分かる格好をしていたのです。
小佐内さんは、8/18に誘拐されるよう誘導したのです。
誘拐されるのが分かったなら、先に対策を打って誘拐されないようにするのが普通です。
小佐内さんは、なぜそんなわざわざ誘拐されるような危険な事をしたのでしょうか?
ここからは完全に私の想像に近い推測です。
まず、なぜ石和は小佐内さんに目を付けたのでしょうか。
これは、気付けば簡単です。
当時補導されたリーダーは石和って言うんだが、そいつは川俣がチクったんじゃないかって疑ってたらしい。
今年になって川俣を見つけて、相当脅しつけたそうだ。
- 中略 -
チクったのは川俣じゃなかったらしいが、それで心底怯えて、抜けるに抜けれなくなってるんだ。
by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
石和は、自分をチクったのは川俣だと最初は思っていた。
が、違うと分かり、次に小佐内さんを疑ったのはないでしょうか。
だから、今話 ──
大人しそうな顔してやってくれるよな、お前なんだろ?
黙ってんなよ。
by 石和馳美『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
お前がチクってくれたお陰でさあ、こっちは保護観食らってんだよ。
と言っていたのです。
警察に捕まった時 ──
触んなよ!
by 石和馳美『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
アタシは被害者だって言ってんだろうが!
これも、自分は何も悪いことをしていないのに、誰かに嵌められたと思っているのでしょう。
実際に、罪を犯したのか、罪を押しつけられたのかは現時点では分かりません。
また「今年になって川俣を見つけて、相当脅しつけたそうだ」と堂島は言っていました。
これは、今年まで川俣がチクったと疑っていて、その後川俣がチクったのではないと分かり、次の容疑者を探していたことに繋がります。
小佐内さんが高校2年生になってから一人外出時は奇抜な格好をしているのと合致しますね。
では、次に ──
自分が狙われていると知った小佐内さんは、何を企んだのでしょうか。
小佐内さんは、バーガーショップで石和をこう評していました。
石和さんは保護観察処分だったけど、別に悪いことをしたって思ってないと思う。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
小佐内さんは、保護観察中の石和を反省してないと見做し、あるいはチクった自分に復讐をしようと目論んでいることを察知し ──
保護観察では生ぬるい。
逮捕されるような事件を起こさせたのです。
つまり、誘拐、拉致されることは予想済み。(あるいは誘導した?)
手段は分かりませんが、この日に誘拐が実行されることも掴んでいた様子。
誘拐されれば何をされるか分かりません。
命の危険だってあるかもしれない。
小佐内さんは自分が傷つくことも厭わず、石和に罪を犯させ逮捕させる(前科を付かせる)ために、拉致されることが分かっていて自ら飛び込んだのです。
自分の復讐を完遂するために。
前話レビューのラスト、私は「ヤバいですよ、これ・・・」と書きました。(7話 )
それは、誘拐事件でも展開のことでもありません。
小佐内さん自身が、相当ヤバい子だと気付いたのです。
ただ、それでもまだ疑問点は残っていますね。
- どうやってメッセージを送った?
- 地図なしでどうやって南部体育館の位置を計算した?
一番分からないのは ──
- なぜリンゴ飴が売り出される8/18にした?
小佐内さんは「むらまつや」のリンゴ飴を大変楽しみにしていました。
それすら、小鳩を欺く(巻き込む)ための演技だったのでしょうか。
いや、楽しみなのは、リンゴ飴ではなく復讐だったのでしょうか・・・。
一方、石和も不思議な行動をしていますね。
小佐内さんに詫びを入れさせる、あるいはヤキを入れるのに拉致したのなら。
なぜ、警察が介入してくるような身代金を要求したのでしょうか。
身代金を要求しておきながら、なぜ受け渡し場所の連絡や、その後小佐内家に連絡したりもせず、ヤキを入れることばかりに集中していたのでしょうか・・・。
その辺も含め、次話は本当の意味での解決編。
楽しみです!
石和はヤキを入れるのに、なぜ身代金を要求した?
おわりに (『小市民シリーズ』8話とは)
『小市民シリーズ』は全10話・・・残り2話!?
誘拐事件は、謎を残すものの小佐内さんを無事に救出でき一区切りしました。
次話で説明が付くと思いますが、残り1話はどうするのでしょうか?
それとも、ここからドンデン返しがあって、残り2話かかってしまうのでしょうか?
そう言えば、原作小説のタイトルは『夏期限定トロピカルパフェ事件』。
1~4話の原作小説のタイトルは『春期限定いちごタルト事件』。
春期限定いちごタルトが台無しにされる一大事件が起きました。
今回はまだ「夏期限定トロピカルパフェ」で事件は起きてない!?
それどころか、パフェのお店にようやく辿り着いたところ!?
つまり、これから事件が起きるのでしょうか。
そんな風には見えませんが(苦笑)。
でも、残り2話あります。
事件が起きるには十分な尺はあります。
かと言って、今回の誘拐の裏に隠れている事情を説明する時間も必要です。
一体どんな展開になるのでしょうか。
そして、どんな結末を迎えるのでしょうか。
以上、TVアニメ『小市民シリーズ』第8話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
9話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 08-01 小佐内が誘拐されたのは「むらまつや」前?
- 疑問 08-02 小佐内は、あの状況でどうやってメッセージを送った?
- 疑問 08-03 小佐内は、地図も見ずにどうやって南部体育館を示す暗号ができた?
- 疑問 08-04 石和はヤキを入れるのに、なぜ身代金を要求した?
残っている疑問
- 疑問 04-01 小佐内は、なぜ警察と関わりたくない?
- 疑問 06-01 <小佐内スイーツセレクション・夏>に、なぜ小鳩を誘った?
- 疑問 07-01 小佐内は、なぜレゲエの格好をしていた?
- 疑問 07-02 小佐内は、なぜ急に小鳩におごる気になった?
- 疑問 07-03 約束通りの時間に行ったのに、なぜ小佐内は外出した?
今週の感想ツイート
#小市民シリーズ #小市民 8話
— 時文@ここアニ(小市民シリーズレビュー中) (@toki23_a) September 1, 2024
触るな危険三つ子の魂百まで
復讐のつもりが狙った相手悪かった
誘拐予想し対策考え準備万端整えてた?こっちが夏の集大成!?年に1度の林檎飴台無しにされたのか織り込み済みかサブタイ"おいで"は誰が誰を誘ったのでしょう..
で、どうやってメッセージ送った?
残り2話!?
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アニメ『小市民シリーズ』第9話のレビューはこちら!