アニメ【小市民シリーズ】1話感想&考察 能ある鷹は爪隠す?自称小市民は何隠す?

小市民シリーズ 1話

【文字数(本文):約1万5千文字(目安25分)

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『小市民シリーズ』第1話「羊の着ぐるみ」を鑑賞しました。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

今回アニメ化されたのは──

小市民シリーズ第1弾『春期限定いちごタルト事件』

羊の着ぐるみ」と「For your eyes only」の一部

小説 『春期限定いちごタルト事件』

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

今話で解決しなかった疑問

最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレなし

アニメ『小市民シリーズ』の原作は、米澤穂信先生の小市民シリーズ第1弾『春期限定いちごタルト事件』、第2弾『夏期限定トロピカルパフェ事件』

私は、2作とも未読です。

アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって、次話以降のネタバレはなしなので、ご安心ください

アニメ鑑賞

原作小説を読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」

原作小説の情報は、「原作情報」として区別できるよう表記します。

原作情報
ココア

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!

引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──

これは、推理の連鎖で片がつく。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

ちなみに、考察や解説、疑問はオレンジ系 ──

考察

それ以外は、補足や余談、参考情報はブルー系 ──

補足

読む際の目安にして下さい。

全10話 各話リスト

小市民シリーズ (全10話)
話数サブタイトル原作小説
第1話羊の着ぐるみS1
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話
第10話

※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル、原作小説:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
※原作小説:S1(シリーズ第1弾)「春期限定いちごタルト事件」

目次

はじめに

TVアニメ「小市民シリーズ」WEB次回予告 第1話<羊の着ぐるみ>
今話あらすじ

小市民を目指すと約束した小鳩こばと常悟朗じょうごろう小佐内おさないゆきは、同じ高校に入学。
果たして二人は、平穏で慎ましい高校生活を送れるか・・・。

明らかに平凡とは程遠いオーラを醸し出す小鳩くんと小佐内さん。
中学時代に何があったか知らないが、二人は小市民を目指すと言う。

小市民は目立ってはいけないとばかりに、推理力を隠す小鳩。

二人は、本性を隠す為に互いを利用する互恵関係、って解釈で良いのでしょうか?

時文

となると、小佐内さんの方にも何かあるのね

ココア

あっ、そういうことか!

小鳩が隠したいのは推理力?
そんな中、昔の小鳩を知っている堂島どうじま 健吾けんごが絡んでくる。

ポシェット盗難事件。
(ミステリ作品としては)地味だが、日常の事件なんてこんなもの。
それに当人にとっては大問題。

軽く片付けたと思ったら、ラストに起きた大事件。
自転車の方が金額的なインパクト大だと思うが、小佐内さんにとっての大ごとは春期限定いちごタルト!?

原作小説のタイトル『春期限定いちごタルト事件』って、そういうこと!?

では、今話を振り返っていきましょう!

感想&考察レビュー 第1話「羊の着ぐるみ」

合格発表

あらすじ

平穏で慎ましい小市民を目指す約束をした小鳩常悟朗と小佐内ゆきは、同じ高校を受験していた。

原作情報

原作では、合格発表の前にプロローグがあります。
小鳩が夢を見ている形で描かれ、「なぜ小市民を目指しているのか」その理由らしきことに少し触れられています。

ココア

微妙な言い方だね

時文

夢なので事実か被害妄想か分からないんだよ

ココア

あー、なるほど

ネタバレになるので、ここではこれ以上触れません。
気になる方は原作をどうぞ。

小鳩常悟朗

受験番号 1058
氏名 小鳩 常悟朗

by 『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話
原作情報

原作は、小鳩常悟朗の一人称で描かれています
なので、小鳩くんの感情がダダ漏れです(笑)

ココア

そうなんだ!

時文

心の中を覗いている感じ。生々しくて面白いよ(笑)

原作によると、受験した船戸高校は難関校。
とはいえ公立なので受験者数は中学校で調整され、倍率は1.2倍ほど。

小鳩は合格に自信があったので、気軽に合格発表を確認しに来ています

でも、自分の番号を見つけた小鳩は少しホッとしたような感じでした。

自信があったのにホッとする
矛盾しているのは何故でしょうか?

ぼくは近所の桜でも見に行くような気軽さで番号を眺めていき、程なく自分の番号を見つけた。小さく息を吐いたのは、それでもやはり多少の不安はあったからだろう

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

小鳩は合格する自信はありましたが、自分の番号を見つけると安堵したのです
多少の不安はあったのだろうと自己分析しています。

達観している風の小鳩にも中学生らしいところがあるのです

小佐内ゆき

今どこにいるの?

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

すぐさま小佐内さんに連絡する小鳩。

自分の合格を早く伝えたいのか、彼女の合否を早く確認したいのか・・・。
でも少し変ですよね?

ココア

ん?何が?

後に分かりますが、二人は付き合っているわけでも、片思いしているわけでもありません。

なのに、早々に連絡を取って合否を確認する・・・。
気にしている割には、合格を確認したら ──

寒いし、僕は帰るよ

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

さっさと帰ろうとします・・・

ココア

あっ、確かに!

(原作情報)原作では、小佐内さんもさっさと帰ろうとします。

仲睦まじく見えますが、二人は既に互恵関係。
(自分の願いを叶える為の)ただのパートナーに過ぎないのです

原作情報

原作では、その辺が明確に描写されています。
小鳩が、自分の番号を確認した直後 ──

とにかく自分のことは片がついた。けれど、これですっかり安心というわけにはいかない。もう一人、約束を交わし合った同志のことが気にかかる

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

小佐内さんのことを志を同じくした同志と見ているのです

考察

小佐内さんには若干小鳩のことを気に入っているような描写が見て取れますが・・・。

時文

いや、ただの気遣いか?

小鳩は、小佐内さんのことを何とも思っていない感じですね

恋人どころか友だちですらない

ココア

え~、そうなの!?
小佐内さん、こんなにカワイイのに!

何かあったときに理由や言い訳に使う関係。(お互いに)
だから、すぐに帰ると言ったり、甘い物に興味がないと平気で言ったりする。

誰がどう見ても、二人はお似合いのカップル。
だけど、実は相手を何とも思っていない。

そのくせ、ある程度の付き合いは必要だと思っているのか、誘われたら基本断らない。

その辺が、二人の関係性と、小鳩を掴み所のないキャラにしてしまっているようです。

周囲や他人に敏感な小佐内ゆき

私も。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

合否を聞かなくても、小鳩の顔を見て結果が分かった小佐内さん。
どうやら、小佐内さんは他人の感情や周囲の状況を読むのに長けているようです

原作情報

原作では、小鳩が小佐内さんにメッセージを送った時に合格したと伝えています。
顔色を見ただけで合否が分かったのは、アニメオリジナルです。

動かないで、小鳩くん。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

クラスメイトを見つけても、声を掛けないどころか見つからないように隠れる小佐内さん。

クラスメイトも受かったとは限らない。
確かに表情をよく見ると、浮かない顔。
落ちたかもしれない子に声は掛けられないのです。

原作情報

原作によると、合格を報告してくれた「私も」という小佐内さんの声は、いつにも増して小さかったようです。

周囲に不合格者がいると申し訳ない、と気遣っていたのです。

そのことに気付いた小鳩。
クラスメイトに声を掛けないだけでなく、周囲にも気遣う小佐内さんを見て ──

僕は小市民失格だね。

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

と言ったのです。

そこへ合否の確認を気にすることなく、大きな声で声を掛けてくる男が ──

堂島健吾

おい、そこのお前。

by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

いや、こんな声の掛けられ方されたら、小佐内さんじゃなくてもビビります(苦笑)。

(原作情報) 原作によると、小鳩も少し驚いています。

頭を使うことで、お前がしくじるとは思ってない

by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

堂島は堂島で、小鳩が受験したなら間違いなく合格したのだろうと推測。
表情を見るまでもなく、合格発表の場にいるのであれば合格したに違いないとばかりに声を掛けてきたのです

ある意味、小鳩をとても買っているのです。

ココア

でも、怖い!

時文

怖いよね
先輩かと思った…

(原作情報) 原作では、堂島は小鳩の合否を確認しています。確認しないのはアニメオリジナルです。

原作によると、小佐内さんは人見知りのようです。

時文

補足しなくても分かりますね(笑)

ところで、小佐内さんは人見知りをする。当然かもしれないが、男性相手の方がその度は高い。まして、なんとも男くさい健吾は、小佐内さんのまるで苦手なタイプだろう

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

それで、小鳩は「怖くはないよ」とフォロー?したのです。

堂島は堂島で、妙な挨拶をします。

どうも小佐内さん。
常悟朗の友だちなら、きっと我慢強いんだろう

by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

小鳩の友だちなら我慢強い?

時文

いや、堂島に言われたくない気もするが(笑)

ココア

それ!

このセリフ・・・。
いや、この流れは、堂島は小鳩のことをよく知っていそうな感じですね

確かに、小鳩は何を考えているのか分からない、と思ったら・・・。
思ったことをすぐ口にするタイプ?

そんな小鳩の友だちだから「我慢強い」と表現したのでしょうか?

小鳩は、少し取っ付きにくいところがありそうですが、悪い奴ではないのは分かります。
堂島は、小鳩の何を指して、小佐内さんに我慢強いと言ったのでしょうか?

時文

小佐内さんは、意味分かってるような感じだな…

疑問 01-01

「常悟朗の友だちなら我慢強い」とは?

甘いもの

小市民シリーズ 1話
TVアニメ「小市民シリーズ」小佐内ゆきダイジェスト より引用

── おいしい?
うん、おいしい。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

どうやら甘いものには目がない小佐内さん。

原作情報

原作ではもっと辛辣に描かれています・・・。

小佐内さんがこうして微笑むのは、いまとなってはもう、甘いものの話をするときぐらいだ

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

小佐内さんが笑うのは、甘い物の話をするときだけ!?

今となっては」とは、以前は別のことでも笑っていたのでしょう。
他の物に関心がなくなったのか、心を閉ざしてしまったのか・・・。

ココア

えっ、何があったの!?

一体、何があったのでしょうか・・・。

考察

小佐内さんに何があったのかは、いずれ明かされるでしょう。

今大事なのは、小佐内さんに何があったかではありません。
小鳩が、小佐内さんを、そのように思っていることです

原作は、小鳩常悟朗の一人称で描かれています。つまり、先の引用は小鳩の心情描写です。

どうやら、小鳩は甘い物に興味はなさそう。

でも、唯一笑顔を見せる甘い物に関してだけは決して遮らない
だから、自分は興味なくても話を合わせるし、お店にも付き合う。

小鳩なりに気遣い、そんな意識でいるように感じました。

原作情報

小鳩の家が和菓子屋であると紹介されますが、これはアニメオリジナル。

原作では、(この時点では)小鳩がなぜ甘い物に興味ないのか、家が何やっているのかに触れられていません

いい人だともっと心配

── 心配はいらない。いい奴なんだ健吾は。

いい人だと、もっと心配・・・

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

普通の人よりも、いい人の方が心配?

原作では、小佐内さんのセリフはもう少し続きます ──

いいひとだと、もっと心配。・・・逃がしてくれないもの。悪いひとの方が扱いやすいって、小鳩くんも言ってたじゃない」

by 小説『春期限定いちごタルト事件』
考察

色んな風に解釈できますね。

悪い人の頼みはろくでもないから堂々断れば良いが、いい人の頼みは本気で悩んでいるから断りづらい。

いい人は他人の困りごとに黙っていられないから、頼み事が多くなる。

ココア

ポシェット盗難事件は、まさにこれ!

そもそも、悪い人の頼みはぞんざいにできても、いい人に対しては雑に扱えない。

という感じでしょうか。

ただ、原作では小鳩は堂島のことを評価しているようです。

ぼくは健吾と仲良くはないけれど、彼には一目置いていた。できれば、小佐内さんにも健吾に悪感情を持って欲しくない。ただまあ、それは小佐内さんが決めることだ。口は出さない。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

堂島と何があったのかこの時点では分かりませんが ──
小鳩は堂島に一目置いていたのです

時文

だから、この後堂島に呼び出された時、素直に応じたんだろうね

ココア

あっ、そういうことか!

さらに、堂島のことを小佐内さんにも知って欲しいとまで思っていたのです。

ポシェット盗難事件

あらすじ

小佐内からいちごタルトを買いに行こうと誘われた四月のある日、小鳩は堂島からなくなったポシェットの捜索に駆り出されてしまう。

1、2ヶ月後

いちごタルト?

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

何ごともなかったかのように進んでいますが ──
冒頭の合格発表から月日が経ち、既に高校生になっているようです。

原作情報

原作では明確に記されています。

高校生活は、穏やかに始まった

- 中略 -

やがて、クラスメートたちは徐々にそれぞれの本性を垣間見せ始める。そして四月も半ばまで進んだある平日の、放課後のことだった

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

高校入学してから、2週間程度経過していたのです

時文

ん?じゃあ彼は2週間で好きになってラブレター入れたんだ…

ココア

お~~、確かに

時文

まあ、中学時代から知っていた可能性もあるか(笑)

なんと高校入学していたと思ったら、既に高校生活も2週間経過
つまり、冒頭の合格発表から1ヶ月以上経っていたのです。

余談

ちなみに。
原作では、先の引用部分の直後で ──

その日は昼ごろまで雨が降っていて、地面はまだぐしょぐしょに濡れていた

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

「地面がぐしょぐしょ」だと、中盤、高田がジャージの裾を濡らすことに繋がる伏線が張られています。

お誘いではなく…

小鳩くん、一緒に行ってくれる?

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

小佐内さんからのお誘い!
普通の男子なら小躍りするほど嬉しいはず。

だけど、小鳩は妙な切り返しをします ──

つまり、お一人様1個限定なんだね

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

なぜこのような返しをしたのでしょうか?

その答えは原作にありました。

誘っていただけるとは光栄だけれど、理由がわかりすぎるほどよくわかる。聞けば悲しくなると知っているのに、ぼくは訊いてしまった。
「つまり、そのタルト、御一人様一個限定なんだね」

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

小鳩は、「春期限定いちごタルト」に興味を持たないから、頭数要員として声を掛けられたのです

補足

まず、理解しておく前提条件として ──
終盤、購入した2つの「春期限定いちごタルト」。

小市民シリーズ 1話
TVアニメ「小市民シリーズ」第2弾PV より引用

これは、2つとも小佐内さんの物です
だから小佐内さんは小鳩を待っている際、夕食後に1つ、もう1つは明日の朝、と計画していたのです。

解説

小佐内さんの目的は「春期限定いちごタルト」
それ以上でもそれ以下でもありません。

いちごタルトを、小鳩と一緒に食べたい訳でもありません。
だって、小鳩が甘いもの好きではないの知っていますからね。

ならば、なぜ小佐内さんは小鳩を誘うのか?

それは、「春期限定いちごタルト」は一人1個しか購入できないから
つまり、複数買うなら複数人必要。

美味しいタルトなら、普通なら自分も食べたいと思うはず。
そんな人は誘えません。
なぜなら、小佐内さんの物にならないから・・・。

小鳩は甘い物を食べないから誘われたのです

小鳩は自分が誘われた理由をすぐさま理解し「お一人様1個限定なんだね」と伝えると ──

うん、早く行かないと売り切れちゃう。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

当たり前と言わんばかりに、明快に返事をする小佐内さん。

(原作情報) 原作では、「妙に明るく」と描写されています。

小鳩の推理は正解。
小鳩は、小佐内さんの性格も考え方も正しく理解しているのです

面白いのは、小佐内さんはその事に対して悪びれてもいない。
これもお互いを利用する約束事にでも含まれているのでしょうか?(笑)

呼び出し

健吾。
ああ、帰るところだけど・・・。

手を貸す?どのくらい?

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

これから小佐内さんと一緒に「春期限定いちごタルト」を買いに行こうとした矢先に、堂島から呼び出し・・・。

私なら、堂島の呼び出しは即断ります。

ココア

この状況だと、小佐内さんだよねー

ほんの僅かとはいえ、小佐内さんとの約束の方が早かった

それに、堂島の用事が30分で終わるとは限りません。
「春期限定いちごタルト」は、早く行かないと売り切れてしまう可能性があります。

そんな状況で、なぜ堂島の呼び出しに応じたのでしょうか?

やはり、堂島の誘いを断ると怖い?(=断りづらい?)
それとも、「春期限定いちごタルト」なんか興味なし?

その答えは、原作を読むと分かりました ──

原作情報

なんと原作では ──
この時、小佐内さんと行くのは「春期限定いちごタルト」ではありません

原作では、「春期限定いちごタルト」を買いに行くのは次章「For your eyes only」での出来事。

アニメは、原作の「羊の着ぐるみ」をメインに、「For your eyes only」の「春期限定いちごタルト」を買いに行くエピソードだけ持って来た構成になっています。

この日、小佐内さんが話題にしたのは新しくできた「クレープ屋」。
つまり、今日でなくても問題なし

それどころか、今日行こうとまで話が進んでいません

「一緒に行こうか」
「行ってくれる?」
 帰りに寄ろうか、と言いかけたところで、ケータイが震えた。取り出すと、メールではなく着信だ。相手は健吾。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

今日行くとまで言ってないので、小鳩は堂島の呼び出しを検討の土台に乗せたのです

なんと、原作では小佐内さんと「今日行く」とまで約束しておらず。
持ちかけようとする直前に、堂島から「手を貸せ」と言われてしまう。

ほんの僅かではありますが、堂島の呼び出し(誘い)の方が早かったのです

とは言え、堂島の誘いは雑です・・・。

(原作情報) アニメは堂島の声はありませんが、大体想像付きますよね(苦笑)。原作には堂島のセリフもあります。「手がいる。貸せ」そんな感じです(苦笑)。

こんな言い方をされると嫌な気分になり、重要な事かもしれないが受けたくなくなります(苦笑)。

ココア

うん、なんか嫌だこの人…

時文

関わりたくないよね…
小市民目指すなら尚更…

小鳩は、堂島のことを怖がっているのか逆らえないのか・・・。
そんなことを考えてましたが、答えは原作にありました。

はい、先にも書きましたね。

ぼくは健吾と仲良くはないけれど、彼には一目置いていた。できれば、小佐内さんにも健吾に悪感情を持って欲しくない。ただまあ、それは小佐内さんが決めることだ。口は出さない。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』
考察

小鳩は、堂島を評価していたのです

小鳩と堂島の間に何があったのか分かりません。
堂島のどこに一目置いているのか、現時点では記されていません。

過去に何かあったのか。(中学は別だったので、小学生時代!?)
小鳩の類い希な推理力で、堂島の隠れた内面を見つけたのか。

兎にも角にも、小鳩は堂島を高く買っているのです。
だから雑な呼び出しにも素直に応じたのではないでしょうか

決して、事件の匂いを嗅ぎつけたわけではないでしょう・・・多分。

ココア

ん?
時文は、逆にそう思っているということ?

時文

いや~まだ分からないね
でも、小鳩くんのことだから、ケーキより事件って性格な気もする(笑)

ココア

あ~探偵あるあるだね(笑)

ポシェット探し

小市民シリーズ 1話
TVアニメ「小市民シリーズ」第2弾PV より引用

探して欲しいものがある、ポシェットだ。

by 堂島健吾『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

なんだか、険悪な雰囲気。
堂島の強引な呼びかけに皆渋々なのか、一様に不機嫌。

原作情報

原作によると、学生服の吉口、下村は徽章から1年生と判別。
(堂島は同級生なので)一人だけ上級生ということもないだろうと、ここにいる者は皆1年生だと小鳩は推測しています。

本作は学園ミステリーと聞いていたので、ここで推理物が始まると思ったらに非ず。
単なるポシェット探しを始めました(笑)。

その理由は、原作にありました。

とにかく、金目の物は入っていなかったようだ。とすると・・・・・・。

 いや、考えることはいまのぼくには要求されていないなら、考えてはならない。健吾はぼくの手を借りたいと言っただけだ。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

堂島の要求は「手を貸せ」。
頭ではなく、手を貸せと言われたのだから考えてはダメだと言っているのです

考察というより疑問

手を貸せと言われた目的は、ポシェットを見つける為
ポシェットを見つける為に頭を使う分に何も問題ないと思いますし、(みんな)早く解決したいのだから何か分かった事があれば言えばいいのに・・・。

小鳩くん、なかなか捻くれていますね(笑)。

時文

原作では、堂島も「妙に素直だな」と不思議がってるね

ココア

ああ、昔の小鳩くんとは違うってことだね(苦笑)

同志

探してくれるのはありがたいんだけど・・・。
あんなに張り切られると、男子ばっか4人に手伝ってもらったなんて、何だか媚びを売ったみたいで辛いのよ

by 吉口『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

原作には、吉口のセリフを聞いた時の小鳩の心情描写があり、これが面白い!

より正確には、媚を売ったと他のクラスメートに思われるのがつらいのだろうこの女子生徒、どうやら我が党の党員だ。我らが小市民クラブに栄光と平穏あれ。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

小鳩は、随分捻くれた・・・いや心眼をお持ちのようで(笑)。

ポシェットを盗まれたのは困ったことだが。
それを男子4人に探させるのは悲劇。

これぞ小市民!

良い意味でも悪い意味でも、また探偵はもちろん被害者としても目立ちたくない小市民精神をこの女子生徒に見たのです!

だから、小鳩は ──

恩には着せないよ
健吾の頼みでやるんだから

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

なんだ、小鳩くん。
人の心なんて分からないタイプだと思ってましたが、ちゃんと気遣いできる人だったのです。

ココア

うん、優しいと思う!

時文

でも、こうして見ると、同志として(小市民として平穏な生活を維持する為に)配慮しただけとも読めるね

ココア

あっ・・・

春期限定ではない

さて、推理が始まる辺りから、なかなか突っ込みどころ満載ですね(苦笑)。

ごめん。
── いいよ、行こう。

うん、でもその前に、ちょっと聞きたいことがあるんだ
── えっ、それってすぐ終わる?

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

いやいやいや、すぐに終わらないでしょう(笑)。
聞くだけでなく、ポシェット探す気満々ですし(爆)。

確かにすぐに探さないと犯人がポシェットを回収してしまう、ポシェットが見つからないと明日警察に連絡されてしまう、急ぐ気持ちは分かります。

が、小佐内さんには目下1年に1度の大イベント(春期限定いちごタルト)が!

考察

すぐに行けないのは仕方ないとしても・・・。
それならそれで、小佐内さんを先に行かせれば良いのです
(少なくとも一つは手に入れられます)

小佐内さんが店に到着後、あと幾つ残っているか確認。
まだ残っていれば、小鳩は追いかければ良いのです。

時文

私なら、(手を貸したのだから)堂島も巻き込んで3つ手に入れる作戦を提案するね

ココア

それ、いいかも!

小佐内さんには、絶対譲れない物がある
何が何でも手に入れたい「春期限定いちごタルト」。

30分遅れなら問題ないが、既に30分以上出遅れてしまった。
普通なら、いや甘い物好きの小佐内さんなら気が気ではないはず・・・。

なのに、呑気に事件検証?

はい、理由はもうお分かりですね。
先に書いたとおり、原作では、この日に行くのは「春期限定いちごタルト」ではなく、ただのクレープ屋

クレープ屋に早く行きたい気持ちはありますが、一刻を争うような状況ではないのです

原作情報

それでも小佐内さんにポシェット探しを付き合わせる必要はなくて、待たせておくか、先に帰らせれば良い、と思いました。

それには、原作に答えがありました。

さっきは鉄骨の陰や冷水機の陰だったが、今度は軒下のプランターや植え込みの陰を覗いていく。一人でやると浮いた行動でも、二人でやるとなにか理由ありげに見える。そこが小佐内さんと行動することのミソの一つだ。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

一人で物陰を探すと怪しげな人。
小市民を目指す小鳩としても本望ではない。

二人だと、何かあるのだろうと思い、怪しげには見えず邪魔もする気にならない。

ココア

確かに

小鳩は、ちゃんと小佐内さんの存在を利用していたのです

雨模様

さすが小鳩くん。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

見事、物置の下からポシェットを見つけた小鳩。

これだけ広い敷地内。
なぜ、見つけられたのでしょうか?

原作情報

その解は原作にありました。

健吾はポシェットは盗まれたか、隠されたかしたって言ってた。
でも、僕は盗む隠すに、もう一つ加えたいんだ。

仕掛けるってのをね

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

「仕掛ける」ってことは、後で返すという意味
返すのであれば、変化があってはいけない。

ましてや汚すなど以ての外
この日は、雨が振った直後で地面はぬかるんでいる。

つまり、いずれポシェットは返す意図があるということだ。雨模様の下に、返す意図のあるポシェットを放って置きはしないだろうだから多分、あるなら屋根のあるところ、だ

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

そこで雨に濡れない屋根のある場所を片っ端から覗いていったのです

アニメでは、まるで物置小屋に真っ直ぐ向かったように見えましたが、(原作によると)実際は屋根のある場所を片っ端から確認していったのです。

僕たちが付き合ってる?

小市民シリーズ 1話
『小市民シリーズ』公式HP「あらすじ 第1話」より引用

お前らには分かるだろ?
付き合ってるんなら、俺がどんな気持ちでこいつを仕込んだか・・・

by 高田『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

高田の問いかけにキョトンとする二人。

原作情報

原作では、示し合わせたように、二人はこの問いに頷いています

これは、付き合っていることを肯定したのではないでしょう。
これ以上、高田の感情を逆なでしないよう、彼の気持ちは理解できると同調したのです

考察

ある意味、二人は周囲に「付き合っている」と見られても問題ないと思っている節がありますね。

むしろ、小鳩の方は、付き合っていると思われていた方が都合良いとさえ思っている節が読み取れます。

ココア

えっそうなんだ!?
それって小佐内さんのこと好きってこと?

時文

あくまで付き合っているように見えた方が、二人で行動しやすい、使えるって感じだね

ココア

何それ~ちょっとヒドくない?

時文

でも、小佐内さんもそれで良いと思っている感じだね

二人は本性を隠す為に互いを利用する約束をした関係性。
そのためには、付き合っていると思われても問題なし。

というか ──

小佐内:ねえ、さっき言ってたね。お前ら付き合ってるなら分かるだろうって。
小鳩:僕には縁のないシチュエーションだ
小佐内:私もそうなの

by 『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

二人には恋愛感情はない、あるいは全く興味がないのではないでしょうか
相手が小佐内さんだから小鳩だから、というのではなく、そもそも他人に対して全てを捧げることができる程の熱情を感じないのでは。

だから恋愛感情を頭では理解できても、心では感じられない。
それが二人の欠点であり、共通点。

ひいては、(心の底から)他人を慮る気持ちも人より少ないのかもしれません

二人は一端いっぱしの(元中学生であり)高校生。
そんな感情に欠けていたら、他の人とコミュニケーションが取れません。

そういう意味でも、(他人から普通の人と見られるよう)小市民を目指しているのかもしれないですね。

いや、小市民と見られるよう他人との接触を避けているようにさえ見えます
小鳩は小佐内さんを、小佐内さんは小鳩を上手く利用して。

さてさて、二人は周囲から何を隠し、なぜ小市民を目指しているのでしょうか。

疑問 01-02

小鳩は、なぜ小市民を目指している?

疑問 01-03

小佐内は、なぜ小市民を目指している?

なぜ抜き取らなかった?

高田くんは、人目につかない所まで行ったのに、どうして手紙を抜き取らなかったのかな?

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話
時文

その疑問、全く同感です!

私もそれが一番引っかかりました。

ポシェットの口を開けば、ラブレターはすぐ見える場所にある。
ましてや取りにくそうな形状をしているわけでもなし。

人目に付かないところまで行くまでもなく、そもそも隠す前に手紙だけ抜き取れば良いはず

いや、手紙を抜き取って隠すより、ポシェットを見つからないよう持ち去って隠す方が何倍も大変です

なぜわざわざ、より大変な方法を選んだのでしょうか?

その理由も原作で明らかにされていました。

原作情報

まず、すぐに取り出せなかった理由は ──

 あまり物は入っていないようなことを言っていたけれど、いざ見てみると結構いろいろと入っていた。

- 中略 -

 さて。かきまわすように物を除けていくと、一番底から出てきたものは
「・・・これかな?」

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

ポシェットには思ったより色々物が入っていて、手紙は一番底にあったのです

小鳩も心情描写で推理しています ──

普通、自分の鞄に勝手に物を忍び込まされた相手は、怒る。告白どころじゃない。それに気づいて回収しようとしたけれど、雑然としたポシェットの底から封筒を取り出すのに手間取り、焦るあまり一時的にどこかにポシェットを隠してしまう。そして放課後、健吾率いる捜索隊の目を欺くため、捜索隊に加わった上で隠し場所を校舎外に移した。そういうことだろう。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

そもそも底に入れたのが失敗。
というか吉口さんに見つかったらキモい・・・。

ココア

ああ、ポシェットの中身全部見られた気がする!

時文

上にポンと置けばすぐに回収できたのにね

原作によると、手紙はポシェットの一番底にあったのですぐには取り出せなかったのです

アニメでは、ポシェットの口を開いた瞬間見えていました(苦笑)。
だから簡単に見つけられると感じてしまい違和感が残ってしまったのです。

だとしても、ポシェットを持って逃げていたのです。
そんな時間があるなら、手紙を抜き取りポシェットを今見つけたフリをすれば良いのです。

そんな疑問にも原作では答えが ──

「でも、小鳩くん。ポシェット捜しのとき、高田くんはぼくが見つけたよってポシェットを持っていくこともできたんだよね。どうして、あとからこっそり返すことにこだわったのかな」

- 中略 -

「小佐内さんだったら、そうする?」
 小佐内さんは少しの間視線を斜め上方にさ迷わせ、それからはにかんだ。
「できないと思う。白々しい。……ううん、盗人猛々しい」
「……高田くんは、放課後、校舎の中から外にポシェットを移すとき、封筒の回収もできたはずなんだ。その場では回収を急ぐ必要はなかったとはいえ、それを忘れたぐらいだから、自分が犯人じゃないって知られたくない一心が先に立ってたんじゃないかな
 なにせ健吾が意気込んでたから。ぼくは健吾の気持ちいいぐらいの 憤りっぷりを思い出し、くすりと笑った。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

今話一番引っかかってたことが、明快に説明されています。

高田は吉口さんのことが好きです。
今回一番避けなくてはいけないのは、ポシェットを盗んだのが自分だと疑われること

万が一疑われてしまえば ──
ポシェットの中に手紙を入れる、あるいはポシェットを盗むキモい男子

好きな子にそんな印象を与えてしまう。
それだけは絶対避けなくてはならない。
その一心が何よりも優先してしまい、(疑われる懸念から)自分が見つけたとも言い出せなかったのです。

そんな焦りを後押し、いや追い込んでいたのは堂島健吾の意気込み

自分の事でもなく吉口さんが彼女でもないのに、堂島にあんな憤りを見せられたら・・・。
高田でなくても、萎縮してしまうかもしれないですね(笑)

考察

きっと高田はポシェットを返すつもりだったのでしょう。
だから、雨に濡れない所に隠していたのです。

返すのが遅くなってしまったのは、実は堂島が捜索活動をしたからとも言えます。
正義感溢れる堂島の行動は返って物事をややこしくしていた、というオチなのかもしれないですね

ラブレターではなく…

健吾はポシェットは盗まれたか、隠されたかしたって言ってた。
でも、僕は盗む隠すに、もう一つ加えたいんだ。

仕掛けるってのをね

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

小鳩は、ポシェットは盗むでも隠すでもなく、仕掛ける可能性を考えていました。
いずれ返すつもりだろうから、屋根のある場所に隠しているだろうとさえ。

ポシェットが返されるなら、なぜ放っておかなかったのでしょうか?

小市民を目指す小鳩は、どうやら目立ちたくないようです。
だったら返ってくるだろうポシェットを探す必要なんてありません。
ましてや小佐内さんの超重要ミッションを先延ばしにしてまで!

これも原作にある小鳩の心情描写から理由が分かりました。

 こんなものが出てくるとは思わなかった。実はぼくが想像していたのは、盗聴器の類だったのだ。裏地を切り取り盗聴器を隠しまた縫い込める、そんな作業を想像していたのだけれど。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

なるほど。
小鳩は盗聴器の類いがポシェットに仕込まれると想像していたのです。

だから「仕掛ける」と言う表現をしていたのです

時文

ラブレターを仕掛ける、って大げさな言い方だなと思ってた

ココア

あっ、確かに

考察

盗聴器を仕掛けるのであれば、ポシェットが戻ってきたら、それは仕込み完了ということ

ポシェットの裏地を切り取り、盗聴器を仕込み縫い込める。

裏地の中に仕込まれると簡単には見つかりません。
切り取るか、探知機か何か持ってこないと発見は難しいかも。

だから、(小佐内さんの用事を後にしてでも)早く見つけたかったのではないでしょうか。

吉口さんの事を心配しているのです。
この辺は、他人に興味ないフリして優しさも見える小鳩くん。

先ほど私は、小鳩は恋愛感情はないと言いました。
でも、こんな優しさはあるのです。

まだまだ小鳩の性格が分からないですね。

ココア

そんなに複雑なの?

時文

まだ1話だからね!
私が分かってないだけだよ

原) 事件解決

さて、結局ポシェットはどうなったのでしょうか?

実は次話で何か結果が描かれるわけではありません。

時文

すみません、既に3話まで見て本レビューを書いてます

原作では結末が描かれています。
それも、すぐに。

原作情報

原作では、二人はポシェット盗難事件後にクレープ屋に行きます。そのクレープ屋で結果を知ります。

 電子音。ぼくのケータイに、メールが着いた。差出人は健吾。
ポシェットみつかった犯人みつからない

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

高田が、どのようにしてポシェットを返したかは描かれていません。

が、ポシェットは吉口さんの手元に戻ったのです。

さて、高田はどのようにしてポシェットを返したのでしょうか?
自分がしたことに触れたのでしょうか?

そして、ラブレターはどうしたのでしょうね・・・。

春期限定いちごタルト事件

あらすじ

ポシェット紛失事件が解決し、期間限定のいちごタルトを買いに行く二人。

事件勃発

小市民シリーズ 1話
TVアニメ「小市民シリーズ」第2弾PV より引用

春期限定いちごタルトください。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第1話

ようやく、念願の「春期限定いちごタルト」を入手。

だけどその後に事件勃発!
自転車を盗まれ、カゴに入れていたいちごタルトは無残にも・・・。

小市民シリーズ 1話
TVアニメ「小市民シリーズ」第2弾PV より引用

これが原作のタイトル『春期限定いちごタルト事件』か~~!

時文

って、事件と言うほど大げさな…いや事件だけど

ココア

確かに、タイトルにする程の事件では…

そもそも、なぜ事件が起きたのかも引っかかりますね(苦笑)。

まずは、なぜ自転車が盗まれたのか?

原作情報

原作によると、自転車に鍵はかかっていたようです。

見れば、踏み壊された鍵が駐車場に転がっている。まさか、こうも、白昼堂々と・・・。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

鍵を掛けていたから、まさかこんな白昼堂々盗んでいくとは思っていなかったのです。

いや、だとしても大切なものを自転車のカゴに置いたまま離れるのはあり得ないと思いますが・・・。

それに、あれだけハッキリと「自転車を盗まれ足がない」「自分で何とかしろ」と不良共が言っていたのです。

鍵を掛けていても、自転車が危ないと気に掛けると思いますが・・・。

小鳩くんは類い希なる推理力があるのでは?
プレッシャーを掛けられた男子高校生は予想外の行動をすることをついさっき(高田のポシェット盗難事件で)経験したばかりでは?

ココア

ああ、まあ確かに(苦笑)

時文

まあ、事件が起きないとミステリーは始まらないんだけどね(苦笑)

おわりに (『小市民シリーズ』1話とは)

小説 『春期限定いちごタルト事件』

本レビューを書いている時点で、私は既に3話まで鑑賞済みです。

私は原作未読です。3話鑑賞後に1話相当分の原作読み、本レビューを書いています。

正直に書きますね。
1話鑑賞時点では、面白いと思いませんでした・・・。
2話鑑賞時点では、申し訳ないですが「切ろう」とさえ思いました(苦笑)。

ミステリ好きなのでミステリ作品はチェックしておきたい。
本作をミステリを思ったからこそ、期待が高まり肩透かしを食らった感じ。

だけど、3話を見て少し印象が変わり作品の見方が変わりました。
本作は、(現時点では起きる事件が地味なので)ミステリというより ──
二人は如何にして本性を隠し通すか、あるいは化けの皮が剥がれていくのか

そんな視点で見ると興味が湧いてきました(笑)。

となると、原作にも興味が湧きポチッと購入。
原作は小鳩の一人称で描かれ、彼の心情描写と共に物語が進むので、まるでアニメの解説を読んでいるよう。

さすれば、1話も楽しく見れるのだから、あら不思議(笑)。

ラストの自転車泥棒は腑に落ちませんが・・・。
ポシェット盗難事件で引っかかっていた点は、原作を読むと理由が分かり概ね納得できました。

ならば、皆にもこの解釈を広めたい。
それが面白いアニメをより楽しんで欲しいと本サイトを立ち上げた私の役目かと!

ココア

時文は小市民にはなれないね!

時文

いやいや小市民だよ
小鳩くんとは逆で小市民が背伸びしてるだけ(笑)

ココア

なんか、上手いこと言ってる風…

ということで、1話合わなかった方も、3話まで見るのをオススメします。

時文

正直、2話は飛ばしても良いくらいかな…

ココア

えっ、そこまで!?

まあ、3話まで見ても物足りないと感じる方もいらっしゃるでしょうが(笑)。

以上、TVアニメ『小市民シリーズ』第1話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。

2話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。

ではでは。

きょうのひとこと幼く見えるから小佐内?
堂々としているから堂島?
なら、小鳩は…

疑問点 まとめ(Q&A一覧)

この章では、疑問点をまとめていきます。

「疑問点まとめ(Q&A一覧)」運用ルール
  • 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
  • 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
    ⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ
  • 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
    ※推測が入る場合は、断りを入れる
    解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
自分の番号を見つけホッとしているが、小鳩は自信がなかった?

自分は合格すると思っていた (自信はあった) (原作情報)

原作によると、落ちることは考えもしなかった。だけど自分の番号を見つけると自然と息を吐いた。少しは不安があった様子。

小鳩は、小佐内さんと約束をしたのに、なぜ堂島の呼び出しを断らない?

(原作では)堂島の方が早かった

アニメは小佐内さんとの約束が先だったが、原作では小佐内さんと約束をする前に堂島から電話を受けていた。

小鳩は、なぜ皆の前で推理をしない?

推理をして目立ちたくないから

原作によると、堂島から貸せと言われたのは手であって頭ではない。だから小鳩は推理しなかった。また小鳩は小市民を目指しているので、推理をして目立ちたくないと思われる。

小市民シリーズ 1話
TVアニメ「小市民シリーズ」第2弾PV より引用
小鳩は、なぜポシェットを見つけられた?

屋根がある場所を探していった (原作情報)

何かを仕掛けるつもりでポシェットを取ったと見込んだ小鳩。原作によると、いずれ返すつもりなら雨で濡らすわけはないと考え、屋根のある場所を片っ端から探していった。

高田は、なぜ途中で手紙を抜き取らなかった?

手紙はポシェットの一番底にあったから (原作情報)

原作によると、ポシェットの中は意外と物が入っていて一番底にあった手紙はすぐに取り出せなかった。また堂島の剣幕に押され、好きな子に犯人だと見つかりたくない一心で冷静ではなかったと思われる。

ポシェットは戻ってくると推理しながら、なぜ小鳩は探した?

盗聴器の類いが仕込まれると考えていたから (推測)

原作によると、小鳩は、犯人は盗聴器の類いを仕込むためにポシェットを一時的に隠したのではないかと推理していた。仕込まれる前に見つけた方が良いと考えすぐに行動したのではないか。

自転車に鍵をかけてなかった?

自転車に鍵をかけていた (原作情報)

原作によると、自転車には鍵がかかっており犯人は鍵を壊して盗んだ。

小市民シリーズ 1話
TVアニメ「小市民シリーズ」第2弾PV より引用
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
  • 疑問 01-01 「常悟朗の友だちなら我慢強い」とは?
  • 疑問 01-02 小鳩は、なぜ小市民を目指している?
  • 疑問 01-03 小佐内は、なぜ小市民を目指している?

今週の感想ツイート

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