アニメ【小市民シリーズ】10話(最終回)感想&考察 混ぜるな危険!?一緒にいるから悪癖直せない!?これでいいのかコンビ解消…

小市民シリーズ 10話

【文字数(本文):約1万4千文字(目安23分)

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『小市民シリーズ』第10話「スイート・メモリー(後編)」を鑑賞しました。

本レビューは1期10話レビューです。2期10話(20話)レビューはこちらです。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

今回アニメ化されたのは──

小市民シリーズ第2弾『夏期限定トロピカルパフェ事件』

終章「スイート・メモリー」の後半部分

+『秋期限定栗きんとん事件 上』の序盤

小説 『夏期限定トロピカルパフェ事件』

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

今話で解決しなかった疑問

最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレなし

アニメ『小市民シリーズ』の原作は、米澤穂信先生の小市民シリーズ第1弾『春期限定いちごタルト事件』、第2弾『夏期限定トロピカルパフェ事件』

私は、2作とも未読です。

アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって、次話以降のネタバレはなしなので、ご安心ください

アニメ鑑賞

原作小説を読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」

原作小説の情報は、「原作情報」として区別できるよう表記します。

原作情報
ココア

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!

引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──

これは、推理の連鎖で片がつく。

by 小説『春期限定いちごタルト事件』

ちなみに、考察や解説、疑問はオレンジ系 ──

考察

それ以外は、補足や余談、参考情報はブルー系 ──

補足

読む際の目安にして下さい。

全10話 各話リスト

小市民シリーズ (全10話)
話数サブタイトル原作小説
第1話羊の着ぐるみS1
第2話おいしいココアの作り方
第3話ハンプティ・ダンプティ
第4話狐狼の心
第5話巴里マカロンの謎短編集
第6話シャルロットだけはぼくのものS2
第7話シェイク・ハーフ
第8話おいで、キャンディーをあげる
第9話スイート・メモリー(前編)
第10話スイート・メモリー(後編)

※話数:リンクは各話レビューへ
※原作小説:S1(シリーズ第1弾)「春期限定いちごタルト事件」

      短編集「巴里マカロンの謎」
      S2「夏期限定トロピカルパフェ事件」
      第10話Bパートは「秋期秋期限定栗きんとん事件」

『小市民シリーズ (第2期)』のレビューはこちらからどうぞ。

目次

はじめに

TVアニメ「小市民シリーズ」WEB次回予告 第10話<スイート・メモリー(後編)>
今話あらすじ

小佐内さんの度を超した復讐行為をとがめる小鳩
小佐内さんは小市民になるには、二人は一緒にいてはいけないと切り返す・・・。

理性は感情に勝る?
それとも、心のままに生きよ?

どっちが正しい?ではなく、どちらも正しい。
心のままに動けば良いときもあるし、理性的に判断しなくてはならない時もあるはず。

混ぜるな危険? 一緒にいるからダメ?
オオカミとキツネが一緒にいるから、いつまで経っても悪い癖を直せない!?

確かに二人とも約束を破っているが、今回の事件で先に破ったのは小佐内さんでは?

でも、普段から約束を破っているのは小鳩の方か・・・。

どっちもどっち?
本性を知る相手といるから悪癖出してしまうのは事実かも。

小市民になるためには、二人の互恵関係解消は必然か・・・

いや、ダメでしょ!
二人は最高のコンビで(ある意味)相性もピッタリ。

時文

ってか、二人とも他の人では物足りないと思う

ココア

あーー、確かに

二人が別れてしまっては ──
小鳩は、推理ができずストレスが溜まる。
小佐内さんは、我慢できれば良いが、一度たがが外れると誰も止められないどころか、気づくこともできず暴走してしまう。

小佐内さんと対等に渡り合えるのは、小鳩のみ。
小鳩と知恵比べできるのは小佐内さんのみ。
彼女を止められるのは小鳩しかいないのです。

解決策は、二人が離れることではありません。
ましてや、新たなパートナーを見つけることでもありません。

そう思っていたのにエンディング・・・。

でも、ラストに2期制作決定告知!
そうこなくては!

でも、まずは今話を振り返っていきましょう。

感想&考察レビュー 第10話「スイート・メモリー(後編)」

謎解きの結末

あらすじ

溶けゆく夏期限定トロピカルパフェを挟んで向かい合う二人。小佐内さんを問い詰める小鳩に対し、楽しげに推理する小鳩について小佐内さんは語り始める。

小市民シリーズ 8話
TVアニメ「小市民シリーズ」WEB次回予告 第8話<おいで、キャンディーをあげる> より引用

犯罪の自覚なし?

── 小佐内さんを誘拐したのは、小佐内さん自身だった。

そうよ。
やっと当たったね、小鳩くん

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話

誘拐は小佐内さんの自作

石和いさわ馳美はせみは身代金の要求をしていません。
(電話をしたのは川俣かわまたさなえ)

拉致と恐喝と暴力行為はしましたが、誘拐は冤罪
仕込んだのは小佐内さん

前話ラスト、小鳩がそのことを指摘したのに全く気にしている様子がない小佐内さん。

原作情報

原作では次のように描写されています ──

 小佐内さんは悪びれなかったごまかすでもなく、知らぬ顔を決め込むこともしなかった。彼女は、えくぼを作って笑った。
「そうよ。やっと当たったね、小鳩くん」

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

とても興味深いのは1行目~2行目にかけて ──
ごまかすでもなく、知らぬ顔を決め込むこともしなかった

石和いさわに対してやったこと、小佐内さんは隠す気が全くないのです

小佐内さんは悪いことをしたと思っていないのです

復讐大好き人間だからの思考なのか。
それとも異常なのでしょうか・・・。

小鳩が真相に辿り着いても焦ることも慌てることもなく。
やっと当たったね」と少し自慢するように、または少し小バカにするように言う・・・。

肩を落とす小鳩を見て、小佐内さんは ──
石和いさわにバレるのではないか、と小鳩が心配しているのだと勘違いして、聞かれてもいない根拠を話し始めます・・・。

時文

私は疑問だったから、答え聞けるのは嬉しいけど…

信頼関係皆無

心配しないで、私がしたことはバレはしないから

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

そう、それです!
前話で分からなかったのは ──
誘拐をデッチ上げても、石和いさわら全員が誰も電話してない、と否定すればすぐにバレる事

小佐内さんともあろう人が、バレないと考えていたとは思えません。

なぜ簡単にバレるようなことをしたのでしょうか?

原作情報

原作に丁寧な説明がありました。

「心配しないで、ばれはしないから。石和さんのグループは石和さんが無理矢理仲間を引き連れているだけで、信頼関係なんて全然ないわたしが拉致されてた間も、わたしをどう扱うか全然意思が統制されてなかった逮捕された全員が口を揃えて『この中の誰も身代金要求の電話なんてかけてない』と言い切れるならちょっと困るけど、そんなことにはならないのきっといまごろ、みんながみんな自分以外の誰かを思い浮かべて、『あいつなら抜け駆けして身代金をせびりかねない』とか思ってる。そのために、さなえさんを使って、わたしを拉致すればお金が取れるかもしれないって発想は浸透させておいたから。

※太字部分はアニメではカット

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

小佐内さんは川俣かわまたさなえと連絡を取り合い、石和いさわグループの動向を探っていました。

彼女たちは互いを信頼していない
何をしでかすか分からない石和いさわに恐れているだけ。

だから、皆、あいつなら一人抜け駆けして身代金を要求しかねない、と互いに疑い出すというのです

その為に ──

そのために、さなえさんを使って、私を誘拐すればお金を取れるかもしれないって発想を浸透させておいたから

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

誘拐すれば金を取れる可能性をグループ内に浸透させておいたのです。

誰もが一度は、誘拐したら金が手に入ると思ったかもしれません。
ましてや、今回拉致したのですから、電話すれば脅迫できます。

誰かがそう考えてもおかしくないと信じ込ませる状況を、小佐内さんは作り上げていたのです

お見事!

私は、てっきり ──
もし川俣かわまたさなえが追求されても、小佐内さんを助けるために、大げさな誘拐をでっち上げたと答えるようにしていたのだと思っていました。

小佐内さんが心配で、警察に早く動いてもらうために誘拐を装った、と答えれば辻褄が合いますからね(笑)。

だから、身代金も500万円とウソっぽかったのだと・・・。

全然違いましたね(苦笑)。

疑問 09-01
連中が「脅迫電話などしてない」と証言すれば、誘拐してないとバレるのでは?

連中に信頼関係はないので、誰かがやったと疑う

石和グループの連中は信頼関係が皆無。警察に誘拐実行を問い詰められても、別の誰かが抜け駆けしたのだと疑うほど。結果、川俣さなえが電話したとはバレない。仮にバレたとしても、川俣さなえの発案だと信じ込ませているから問題ない。

抜かりない工作

ボイスチェンジャーも、私がさなえさんに持ち込ませたの。
あれには石和いさわさん達全員の指紋が付いてる

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

脅迫電話で使ったボイスチェンジャー(と同じ物)を、車に置いておく。
全員の指紋が付いているという手の込みよう。

これを仕込んだのも川俣かわまたさなえ!?

解説

この辺りは、アニメと原作を合わせるとよく分かります。

 そして、警察が調べると北条さんのライトバンからボイスチェンジャーが出てくるの。これももちろん、わたしがさなえさんに持ち込ませたもの。知らない間に置いてあったおもちゃに、石和さんたちは食いついたってそれでしばらく遊んで、飽きてライトバンに放っておいたって。つまりそれには、石和さんのグループ全員の指紋がついてる。
 石和さんたちは、誰一人としてそれを誰が持ってきたものか知らないはず。だからやっぱり、他の誰かが持ってきたんだと疑心暗鬼になってる。

※太字部分はアニメではカット

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

(原作情報) 拉致に使った車は北条智子の父親のもの。(8話 )

川俣かわまたさなえがボイスチェンジャーを、そっと持ち込み。
それに気付いた石和いさわらはしばらく遊び、その際指紋が付着。

今頃警察に問い詰められて、そもそもボイスチェンジャーは一体誰が持ってきたのだと、ここでも仲間を疑う疑心暗鬼に陥らせる。

それが、アニメの次のセリフに繋がるのです。

今頃、誰が持って来たんだ?って疑心暗鬼になっているはず

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

ボイスチェンジャーは、身代金要求の電話をかけた証拠なだけではありません。
グループ内で、疑心暗鬼を生む小道具にしたのです。

小佐内さんは、石和いさわに復讐するだけではなく・・・。
このグループを二度と成り立たせないために、ここまで手の込んだことをやったのかもしれませんね・・・

ココア

すご・・・

小佐内さんの仕込みはまだ続きます。

この計画、一番のネックは川俣かわまたさなえ
色々仕込んだ川俣かわまたさなえが自白したら、小佐内さんの企みは全て白日の下に晒されます。

そこにも抜かりはありませんでした ──

さなえさんには、この計画はさなえさんが思いついたものだって信じ込ませてあるから

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

小佐内ゆき誘拐計画・・・いや違いますね。

石和いさわ馳美はせみ少年院送り計画は ──
自ら思いつき実行した、と川俣かわまたさなえ自身に認識させているのです

確かに、川俣かわまたさなえは石和いさわグループから抜けたいと小佐内さんに相談しています。
知恵を授ける形で、自ら思いつくよう誘導したのでしょう。

小佐内さんの本性を知っていれば、この計画を考え出したのは小佐内さんだと気付くでしょう。

ですが ──

私は、さなえさんに脅されただけ

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

川俣かわまたさなえをグループから抜ける手助けをしなければ、小佐内さんが石和いさわグループに売られてしまう。

小佐内さんは、驚かされて知恵を貸しただけだと言うのです

ここまで準備され証拠が(デッチ上げでも)あり、「脅かされただけ」と言われてしまうと、小佐内さんの証言を信じてしまうでしょうね・・・。

考察

唯一の証拠が、ここでの小佐内さんの自白

でも、肝心なところで小佐内さん認めていません。

認めてくれるんだね?
石和いさわさんに小佐内さんを誘拐させたのは、小佐内さんだってことを。

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話

この問いに、小佐内さんは首を横に振って否定します。
小鳩相手でも、小佐内さんは罪を認めてはいないのです。

2025/08/22 追記:否定したのは、直接やったのは川俣かわまたさなえで自分ではない、という意味での否定ですね。

用意周到、対策は十分していたのです。

小佐内さんは、ある意味、完全犯罪をやってのけたのです
恐るべき女です、小佐内ゆきは。

ココア

うん、凄すぎる・・・

ただまあ川俣かわまたさなえがやったことになれば、石和の嫌疑が晴れ少年院送りにはできず小佐内さんの目的は達成できないことになりますが・・・。

犯罪は嗜好品ではない

犯罪はお菓子じゃないよ、小佐内さん
やってもいない罪に人を陥れる、これはダメだ、これはウソだよ

しかも、そのために川俣かわまたさなえやボクを使った。

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

互恵関係を結んでいようと、小佐内さんが大切であろうと、ダメなことはダメと言う小鳩。

ちゃんとした良い奴ですね、小鳩は。

時文

だから、中学時代嫌われたのでしょうね

ココア

あっ、そういうことか…

ただ、小鳩の戦略は失敗ですね。

小佐内さんの問題は、嘘つきか、そうでないかではありません。
追求しなくてはいけないのは、石和いさわにやってもいない誘拐事件の罪を着せたことです。

小佐内さんが石和いさわを重い罪にランクアップさせたのは犯罪だ、と追求すべきだったのです

そこをウソだと表現したものだから、ウソを付いているのは小鳩も同じ、と犯罪とウソをゴッチャにされあらぬ方向へ話を逸らされてしまったのです・・・。

とは言え、なぜウソを付いたのかを話していく内に、ようやく動機の根幹に迫ってきました。

他に手段がなかった?

私、本当はこんなことしたくなかった

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

小佐内さんは、なぜこんなことをしたのでしょうか?
拉致を阻止するだけでなく、なぜ誘拐事件にランクアップさせたのでしょうか?

お分かりですよね。

石和いさわさんは保護観察処分だったけど、別に悪いことをしたって思ってないと思う

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話

石和いさわは保護観察処分を受けても、悪いことをしたと思っていません。
現に、保護観察が終われば、チクった奴を探して復讐する始末。

保護観察程度では、これを何度も繰り返すだけ・・・
だから、もっと重い少年院送りになる誘拐事件にランクアップさせたのです

私が問いたいのは、ここからです。

時文

ちょっと過激なことを言うよ(苦笑)

ココア

えっ、何々?
大丈夫??

断っておきますが、小佐内さんが今回やったことを肯定しているのではありません石和いさわ達に被せた誘拐事件は冤罪で、小佐内さんは(情状酌量の余地はあるものの)何らかの罪に問われると思っています。

考察

小佐内さんは、誘拐事件を偽装し、石和いさわの罪を重くしました。
これでしばらく、石和いさわ川俣かわまたさなえや小佐内さんの近くに現れないでしょう。

さて、質問です。
小佐内さんがやった方法以外に、石和いさわをこれだけ押さえ込める方法はあったでしょうか?

保護観察では反省せず。
保護観察が終われば、かえって目を付けられてしまう。

警察に言っても、実害がなければ基本民事不介入です。
親や友達に言っても、あんなのの相手はできないでしょう。

堂島健吾のような腕っ節が強く頼りになっても、24時間365日警護は無理。
現実的ではありません。

それで、川俣かわまたさなえは堂島を排除し、小佐内さんの案を取り入れたのです

だから、川俣かわまたさなえは堂島に「邪魔だ」と言ったのでしょう。(7話 )

小市民シリーズ 7話
『小市民シリーズ』公式HP「あらすじ 第7話」より引用
時文

「(計画実行中だから)邪魔するな」という意味だったんだね

ココア

そういうことか~~

小佐内さんがやったことは、法に触れているかもしれません。
ですが、堂島健吾ができなかったことをやってのけたのです。

少なくとも川俣かわまたさなえは救われたのです

ココア

確かに、そうなんだよね…

再度、質問します。
あなたがもし川俣かわまたさなえだったら、どうすれば石和いさわの呪縛から逃れられると思いますか?

石和いさわのような人間相手に、きれい事だけで対抗できるでしょうか。

それでも、一線を越えてはダメ、犯罪はダメという方はいらっしゃるでしょう。

ならば、石和いさわの言いなりですか?
嵐が過ぎるまでジッと我慢しますか?

現実解として、転校するか引っ越すか。
それができれば平和な解決策と言えるかもしれません。

でも、それは実質逃げの一手。

ここはアニメ、創作の世界。
フィクションの中でくらい、何の力も持たない小市民が悪党を成敗するのもありではないでしょうか。

そう。
『小市民シリーズ』は、小市民が正義の味方になる物語だったのです。(←嘘です)

くれぐれも言っておきますが、小佐内さんの今回の行為を肯定しているのではありません! 良い子はマネしてはダメですよ!

原) プランB

私、本当はこんなことしたくなかった

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話
原作情報

原作では、上記セリフをさらに補完しています。

わたしは、本当はこんなことをしたくなかった。石和さんたちがわたしを拉致しないなら、それでいいと思ってただから、誘拐扇動のプランは放棄したのわざわざ、危険な目に遭うことはないわもし、本当に石和さんたちがわたしを連れ去った場合だけ発動する罪状ランクアッププランを選んだとき、わたしが本当に仕返しだけ考えていたと思うの?

※太字部分はアニメではカット

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

なんと、誘拐扇動プランも考えてはいたが放棄していたのです。

考察

確かに、川俣かわまたさなえにわざわざ身代金要求の電話をさせるなんて面倒なことをしなくても、直接石和いさわ達から電話させれば良い。

その方が、あとで警察に追求されてもボロが出ません。

でも、石和いさわに誘拐を扇動することはできたがしなかった、と小佐内さんは言っているのです

そこまで煽ることはせず、本当に拉致をした時だけ罪を重くするプランBだったと言うのです。

う~~ん。
信じて良いか、悩ましいですね・・・。

実際、誘拐扇動を実行しようとしたが、上手くいかなかったので罪状ランクアップに変更しても同じような結果になります。

小佐内さんのセリフは続きます。

「わたし、怖かったの。どれだけ虚勢を張っても、殴られたら痛い深い傷をつけられれば、残るの。石和さんが本当にわたしに手を出すなら、そんな人はできるだけ長くわたしから遠ざかってほしかった。一年でも半年でも長く、わたしのそばからいなくなってほしい。だから『誘拐犯』になってもらったの。わたしは危険に身を晒したわ肉を切らせて骨を断ったのそうしないと怖かったから。わたしのやったことが嘘だというなら、怖い人から逃げるための嘘だった……。

※太字部分はアニメではカット

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

肉を切らせて骨を断つ
面白い比喩を使っています。

考察

もちろん、一義的には実際に拉致され暴力を受けたことでしょう。

ただ、先の誘拐扇動プランの放棄と合わせて考えると ──
石和いさわに誘拐という冤罪を押しつける代わりに自分も罪を背負った、とも読み取れないでしょうか

時文

深読みしすぎかな?

そうなると ──
「そうしないと怖かったから」とは、そうやってリスクを背負わないと小佐内さんの行為が(今後)益々エスカレートしてしまう・・・。

自分が誰かに復讐するのを思い留まるよう、自分に罰を与えている

そんな風に考えている?

ココア

え~~そんなことまで!?

時文

さすがに深読みしすぎか(苦笑)

いずれにせよ・・・。

私、怖かったの

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

これが、小佐内さんが今回計画を目論んだ根幹

怖かったから、石和いさわをできる限り長い間、遠ざけたかったとしたら・・・。
たとえ後で小鳩に嫌われようと関係解消されようと、この方法を選択せざるを得なかったのかもしれないですね・・・。

小鳩も、小佐内さんが取った手段は一線を越えているが、他に石和いさわを遠ざける方法がなかったと気付いたから、その後追求しなかったのかもしれないですね・・・。

時文

ただ、ちょ~~と引っかかるのは…

ココア

ん?

時文

怖がってる割には、拉致される直前にリンゴ飴食べたり、石和相手に啖呵を切ったり、救出された直後お腹空いたりと尋常じゃない胆力を見せてるんだよな~~

ココア

確かに…

(原作情報) 原作小説は、小鳩の一人称形式で描かれているので小佐内さんの心情描写はなし。小鳩も小佐内さんの言葉の真偽については突っ込んでいません。ただ、小佐内さんは、小鳩は小佐内さんが怖がっていたなんて信じないだろうと言っています。

考える事しかできない

私がやったことがウソだと言うのなら、それは怖い人から逃げるためのウソだった・・・。

でも、そのウソを小鳩くんは絶対に分かってくれない。
なぜなら、小鳩くんは考える事ができるだけだから

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

小鳩くんは考える事ができるだけだから
変な言い回しですね。

時文

まあ、今回に限った話じゃないけど

ココア

確かに…

原作情報

これはストレートに原作を紹介しましょう。

なぜなら小鳩くんは、考えることができるだけだから。共感することができない人だから……わたしと、おんなじに

※太字部分はアニメではカット

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

小佐内さん曰く ──
小鳩は、(小佐内さん同様)他人に共感できない

二人は、感情ではなく頭で考えて動きます。

補足

1話 ──

小市民シリーズ 1話
『小市民シリーズ』公式HP「あらすじ 第1話」より引用

お前らには分かるだろ?
付き合ってるんなら、俺がどんな気持ちでこいつを仕込んだか・・・。

by 高田『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

好きな子にどうやって気持ちを伝えれば良いか、思い悩む気持ちに同意を求められた際、二人は全く分かりませんでした。(1話 )

小鳩と小佐内さんは、他人に共感することができないのです

傲慢

残るのは、傲慢なだけの高校生が二人。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

上記セリフの後、描かれたのは中学生時代の小鳩常悟朗。

(原作情報) 原作では、1巻プロローグで描かれています。(1話 )

原作では、小鳩の夢という形で描かれていた中学生時代。
人の気持ちを考えず、傲慢な態度で隠された謎や秘密を暴き、周囲から煙たがられる

そんな思いは二度としたくない。
だから、小鳩は推理を止めたのです。

これが小鳩が小市民を目指すことになった理由です。

防御策が限定解除に…

ねえ、小鳩くん。
私たち、もう一緒にいる意味ないよ

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

二人の関係は、それぞれが小市民になるために互いを利用する互恵関係。

ここで言う小市民とは ──
小鳩は、推理をしない
小佐内さんは、復讐をしない

ところが最近は、小鳩は小佐内さんの前では推理をしてしまい、小佐内さんは小鳩を当てにして復讐をしてしまう。

それぞれの本性を隠すために結んだ互恵関係だったのに、役割を果たしていないどころか、二人だけだとかえって素に戻ってしまっていたのです

時文

物語的にはそこが面白いんだけどね…

ココア

そうだよ!
なんで別れるの!?

では、小市民を諦めるのか・・・。

いいえ。
二人とも中学生時代には戻りたくはないのでしょう。
(だから、小鳩の中学生時代の黒歴史をここに持ってきたのだと思います)

ならば、本性を出してしまう要因を残しておいてはダメなのです・・・

── ボクは小佐内さんといるとき、一番探偵役めいたことをしてしまう。小佐内さんに甘えてたと言うしかない。

── 私も、小鳩くんがいるって安心感に甘えてた。

by 『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

二人一緒にいることが、いつの間にか小市民になるための障害になっていたのです。

真実はその瞳の中に…

ごめんね、小鳩くん。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

痴話ゲンカもできない二人。
二人は考えることができるだけ。
(相手に対して)怒らないし、悲しいとも思わない。

ならば、なぜ最後に小佐内さんは涙を流したのでしょうか・・・

相手に対して感情がなければ、悲しいと思いません。
心が動かなければ、涙など流しません。

でもね。
小鳩くんとのスイーツ巡り、楽しい気持ちも、なくはなかったの

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

小佐内さんが怖がっていたことを、小鳩に気付いて欲しかった。
小佐内さんの恐怖に同情して欲しかった、または心配して欲しかった。

責めるより、助けて欲しかった。
その上で、怒るなり止めて欲しかったのかもしれませんね・・・。

今話後半に登場した瓜野に対して、小佐内さんが返した言葉 ──

はっきりした男の子。
私、嫌いじゃないの。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

この言葉は、小鳩に求めていた要素なのかも・・・。

私は、これまでのレビューで散々、小佐内さんが小鳩を誘うのには理由があると書いてきました。(6話 )

小市民シリーズ 6話
TVアニメ「小市民シリーズ」第3弾PV より引用

それは、原作小説で小鳩一人称形式で書かれている、小鳩の心情描写を「正」としてきたからです。

考察

小鳩は決して頭で考えるだけで行動してきたのではありません

サカガミに復讐すると知り、真剣に小佐内さんを心配していました。
誘拐されたと知り、SOSメッセージが来た時、すぐさま知恵を巡らせました。

ただ、行動を起こす際、論理的な言い訳を付けているだけです。
自分に都合の良い解釈を・・・。

そのことを小鳩自身が気付いているのか、無意識下でやっているのかは分かりません。

ですが、内にある感情をまるでなかったように取り繕い。
表面上は何もないように振る舞う。

小佐内さんがそこまで見抜いているのだとしたら・・・

小佐内さんの瓜野に投げかけた言葉 ──

はっきりした男の子
私、嫌いじゃないの。

by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

逆に、小鳩のことを「はっきりしてない」と認定していると取れます。

小鳩が何にはっきりしていないのかというと ──
この流れからすると、小佐内さんに対する互恵関係を越えた友情、愛情を小鳩の中に感じているからこそ、それをおくびにも出さない小鳩に見切りを付けたのかもしれませんね・・・

決して、小鳩は無味乾燥で感情のない人間ではありません。
私は(アニメに合わせて)原作を読んできたので、小鳩には実に多彩な感情があることが分かります。

が、ここでは、小鳩くん、こんなことを考えていました・・・。

原作情報

「でもね。小鳩くんとのスイーツめぐり。……楽しい気持ちも、なくはなかったの」
 言わずもがなの一言だ余計な言葉だったよ、小佐内さんどうせ嘘つきだったなら詐欺師にもなって、都合の悪いことは最後まで伏せておくべきだったのに
 その点、ぼくにぬかりはないぼくは言わなかった「ぼくも、そこそこにね」とは

※太字部分は心情描写なためアニメではカット

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

一見、小佐内さんを嘘つき呼ばわりして、余計なことを言うなと責めているように見えます。

ココア

えっ、違うの?

時文

逆だね

考察

小佐内さんとスイーツ巡りをしている時、小佐内さんが(誘拐計画とは関係なく)楽しんでいるのを小鳩は感じていたのではないでしょうか。

そして、小鳩も同じように楽しかった。

ないと思っていた、愛情らしきものを感じていたのです

それを合理性や、理性で押さえつけているのではないでしょうか。

ココア

え~~っ、なんで!?

それは分かりません。
恥ずかしいと思っているのか、認めたくないのか・・・。

はたまた、感情に流されないのが優れた人間?格好いい?と思っているのか・・・。

(原作情報) ちなみに、これまでの既出情報によると、小鳩の好みはもう少し成熟した女性です(苦笑)。

でも、小佐内さんは別れ際に、自分の気持ちを認め少し吐露したのです。

二人の間に、愛情の「あ」くらいは芽生えている証しではないでしょうか。

夏期限定トロピカルパフェ事件

うえっ。

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

溶けきったパフェが美味しくなかったのか、マズそうな顔をする小鳩。

原作では ──

「……うっ」
 まずい。
 甘ったるい。甘すぎる。とても、我慢できるものではない。急激に胃が締めつけられ、胸が詰まる。紙ナプキンを口許に当て、ぼくは奥歯を噛みしめてひどい味に耐える。
 これは、ひどい。あまりにもひどい味だ。

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

元々甘い物が好きではない小鳩。
小佐内さんと別れた途端、その甘さに堪えられなくなったのです。

考察

小佐内さんと別れたショックが作用したのでしょうか?

そうとも捉えられますが、別の解釈もできます。

小佐内さんに付き合って食べていたときは、甘い物を我慢できていたのではないでしょうか

小佐内さんに合わせ、気を遣っていたのです。

これって、共感力ではないでしょうか・・・。

ココア

確かに…

原作は、まだパフェに関して続きます。

 ……その日から、ぼくはパフェだけは、食べられなくなった

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

なんと、小鳩はこれを境にパフェが食べられなくなったのです。

所詮はオオカミとキツネ。
片方は肉食で、もう片方は雑食。

袂を分かつと、同じ物を食べられなくなってしまう。
オオカミとキツネは、一緒にはなれないことを示唆しているのでしょうか・・・。

原作小説のタイトルにもなっている『夏期限定トロピカルパフェ事件』とは、小鳩がパフェを食べられなくなることだったのです!

ココア

えっ、そうなの!?
ってか、それって事件なの?

時文

いや、それ以外で関係するのは、二人が別れたこと?

ココア

それも嫌~~

まあ、それはいいとして・・・(苦笑)。

別れ話で逸らされましたが、結局、石和いさわの冤罪についてうやむやになりましたね。

恐るべし女、小佐内ゆき・・・。

原) 石和の処分

女子高生 金銭目的で仲間を誘拐

by 『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

結局、石和いさわは誘拐で逮捕されたようです
これは、小佐内さんの作戦通り事が進んだということです。

原作情報

原作によると ──

 石和馳美はやっぱり少年院に送られた。正確な罪状は、伝わってこなかった。小佐内ゆき誘拐事件は、新聞の地方版に少しだけ載った。

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

小佐内さんの狙い通り、石和いさわは少年院に送られたのです。
つまり、誘拐が石和いさわの罪として認められた可能性が高そうですね。

逆に言うと、今回の誘拐事件の真相について、小鳩は誰にも話さなかったということです。

こうして、小佐内ゆき誘拐事件は幕を閉じ、『夏期限定トロピカルパフェ事件』は終わったのです。

余談

ただ、先の記事 ──

女子高生 金銭目的で仲間を誘拐

by 『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

仲間を誘拐」というのが気になりますね。

小佐内さんは、石和いさわと中学時代同級生でしたが、仲間でもなんでもありません。

 石和馳美はやっぱり少年院に送られた。正確な罪状は、伝わってこなかった。小佐内ゆき誘拐事件は、新聞の地方版に少しだけ載った。そこには石和たちが「トラブルがあった仲間の少女を誘拐」したとあったけれど、「仲間」とされた小佐内さんがどう反応したのか、ぼくは知らない。

by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』

原作でも、「仲間」とされたことを小佐内さんが怒っているのではないかと、小鳩は気にしています。

エピローグとプロローグ

あらすじ

小鳩と小佐内さんの互恵関係は解消された。夏休みが明けて2学期が始まり、学校で出会っても互いに声を掛けることはなかった・・・。

原作小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』は、お店で別れたところで終わりです。

秋期限定栗きんとん事件

原作小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』は、前項、夏期限定トロピカルパフェの店で別れたところで終わりです。

今話Bパートで描かれたのは、小市民シリーズ第3弾『秋期限定栗きんとん事件』の内容だと思われます。

小説 『夏期限定トロピカルパフェ事件』

「思われます」と書いたのは、まだ私が読んでないからです。
新たなエピソードは、制作が決まった2期レビューで取り上げましょう。
それまで原作を読むのもお預けです。

時文

楽しみは後に取っておきます
決して、ここまでで既に1万2,000文字超になったからではありません!

ココア

あっ、1万文字超えたから止めたんだ…

プロローグ

小市民シリーズ 9話
『小市民シリーズ』公式HP「あらすじ 第10話」より引用

高校2年の夏休みが終わり、学校が再開されました。

小鳩は学校で小佐内さんとすれ違っても会話を交わすことはありません。
堂島は新聞部の部長になりました。

そして新キャラが登場!
小鳩と小佐内さんにそれぞれ新たな出会いが待っています。

今後は二人がそれぞれの道を歩む、オムニバス形式になっていくのでしょうか。

ココア

絶対そんなこと思ってないでしょ?

時文

うん、分かる?

仲丸 十希子

5時半ぴったり、時間に正確ね。

by 仲丸十希子『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

最終話の最後の最後で新キャラ登場。
しかも、小鳩に告白!?

考察

この3ヶ月、アニメ鑑賞後に合わせて原作小説をずっと読んできた身としては、この展開はとても興味深いです。

今話で黒歴史として描かれた小鳩の中学生時代。
小鳩以外は人形でしたが、実際小説でも小鳩は顔も名前も覚えていません
糾弾した相手も、鬱陶しいと言われた相手のことも・・・。

それだけではありません。
原作小説は、小鳩の一人称で描かれています。

小鳩の世界は小佐内さんと、堂島健吾。
あとはせいぜいその二人の家族のみ。

極端なことを言うと、小佐内さんと堂島健吾以外は、その他大勢扱い

事件や謎がある時は関係者として浮き彫りになりますが、日常生活において二人以外の人物にまるで興味がなさそうなのです。

そんな小鳩の世界に、接触してきた一人の女子・仲丸十希子。

彼女は小鳩に新たな世界を与えるのでしょうか。

瓜野 高彦

見とれてたんだ、この間から。

もし用事がなかったら、少しいいかな?
話してみたかったんだ。

by 瓜野高彦『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

一方、小佐内さん側には瓜野高彦が登場

余談

これまた、原作小説を読むのが楽しみになりました。

なぜか?

原作小説は、小鳩視点の一人称で描かれています。
小鳩パートと小佐内パートが描かれるのであれば、小佐内パートは一体どのように描かれるのでしょうか?

もしかして小佐内さん視点で描かれる!? (これは可能性少ないと思いますが(苦笑))

第三者視点で描かれるとちょっと残念ですが(笑)。
誰かの視点で描かれるとすると、また別の視点で『小市民シリーズ』世界を見ることができるのです。

彼は初登場ではなく、新聞部員として5話「伯林あげぱんの謎」に名前と姿だけ登場しています。

部員ですが、あげぱんロシアンルーレットに参加しなかった5人目の部員です。(5話 )

同じ3年を繰り返すのは嫌なんだよ。
そう決めたのに、もうほぼ半年経つ。

by 瓜野高彦『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

入学して半年ということは高校1年生。
つまり、小鳩や小佐内さんより一つ年下。

時文

瓜野は小佐内さんのこと先輩と分かってるのかな?

ココア

あっ、幼く見えるから同学年だと思ってるかも(笑)

小鳩と小佐内さんは、高校デビューならぬ、高校に入ってから小市民を目指しました。

瓜野も高校で何かやり遂げたいと考えている様子。
(瓜野にも相棒がいるのが面白い構図)

瓜野は次のエピソードで台風の目になるのでしょうか?
それとも小佐内さんに振り回される犠牲者になるのでしょうか・・・。

そして、最後の河原での爆発?炎上?は何かが始まる狼煙でしょうか。

中学時代の宿題

さて、最後に一つ気になったことを述べて、1期レビューを締めたい思います。

小佐内さんは、小鳩に別れ話を切り出す時、こんなセリフを言っていました ──

私、今日中学時代からの宿題を一つ済ませたの
ちょうど良い機会だと思う。

by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第10話

中学時代からの宿題を一つ済ませた」。

まるで、宿題はまだ他にも残っているように聞こえるのは、気のせいでしょうか?

おわりに (『小市民シリーズ』10話とは)

小説 『夏期限定トロピカルパフェ事件』

『小市民シリーズ』は ──
ミステリのように見せかけて、取り扱う事件はナゾナゾ?
ミステリーと見せかけて、サスペンス?

「ミステリ」とは通常の推理小説、探偵小説。「ミステリー」とは、ホラーや冒険小説を含めたエンターテイメント全般を指している意味で使っています。

最大の謎は、事件ではなく主人公達二人に隠された本性!?

下っ端や小物では二人の相手にならず。
何だかんだ言って、小鳩と小佐内さん二人の腹の探り合い、言葉の応酬に隠された心理戦が本当に楽しかった1期。

よくよく振り返ると、実は二人の競い合い構造だった1期。
最後は別れることになってしまいましたが、いつか再びタッグを組むことを信じて、2期は二人の本当の意味での共闘を見てみたいですね。


さて、5話で瓜野が出てきたことから、2期制作は早い段階から決定していたのでしょう。

原作小説の残りは『秋期限定栗きんとん事件』と完結編である『冬期限定ボンボンショコラ事件』。
『秋期限定栗きんとん事件』は上下2冊あり、合計3冊。

短編集の『巴里マカロンの謎』を入れると4冊弱!?

TVアニメ「小市民シリーズ」第2期決定PV

第2期決定PVに『冬期限定ボンボンショコラ事件』まで記載されているので、最後まで描かれるのでしょう。

2期は10話構成では厳しいでしょう。
12話、13話構成でもかなり詰め込まないといけないかもしれないですね。

私は原作未読です。ボリュームもテンポも分からずに想像しています。

残った原作は秋と冬。
2期が放送開始されるのは、来年春。
季節が微妙にズレているのが気になりますが、早いに越したことはありません。

絶対見ますし、各話レビューも書きますよ!

以上、TVアニメ『小市民シリーズ』第10(最終)話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。

2期のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。

ではでは。

きょうのひとこと2期は半年後…
分割2クールとは言わないのね(苦笑)

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よろしくお願い致します。

ココア

これで毎日ケーキ食べられるかな!?

時文

(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!

疑問点 まとめ(Q&A一覧)

この章では、疑問点をまとめていきます。

「疑問点まとめ(Q&A一覧)」運用ルール
  • 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
  • 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
    ⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ
  • 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
    ※推測が入る場合は、断りを入れる
    解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
連中が「脅迫電話などしてない」と証言すれば、誘拐してないとバレるのでは? (疑問 09-01)

連中に信頼関係はないので、誰かがやったと疑う

石和グループの連中は信頼関係が皆無。警察に誘拐実行を問い詰められても、別の誰かが抜け駆けしたのだと疑うほど。結果、川俣さなえが電話したとはバレない。仮にバレたとしても、川俣さなえの発案だと信じ込ませているから問題ない。

小佐内は、なぜ石和の罪をランクアップさせた?

できるだけ長い間、遠ざけたかったから

石和は悪事を重ねても自分が罪を犯した認識がなく、チクった相手に執拗に仕返しをする。保護観察ではなく、少年院送りにしてできるだけ長い間戻って来れないようにするために、罪をランクアップさせた ── というのが小佐内の主張。

小市民シリーズ 7話
『小市民シリーズ』公式HP「あらすじ 第8話」より引用
小鳩と小佐内は、なぜ別れた?

二人でいると、かえって本性を出してしまうから

小鳩は小佐内さんが相手だと推理をしてしまい、小佐内さんは小鳩が抑えてくれると信じて復讐をしてしまう。お互いの本性を知っているからこそ、気兼ねなく地を出せてしまうことがマズいと気づいた。

小市民シリーズ 10話
『小市民シリーズ』公式HP「あらすじ 第10話」より引用
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問

特になし

残っている疑問

なし

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