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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『小市民シリーズ』第9話「スイート・メモリー（前編）」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 小市民シリーズ第2弾『夏期限定トロピカルパフェ事件』
-
終章「スイート・メモリー」の前半部分
小説 『夏期限定トロピカルパフェ事件』
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- 誘拐された日は、なぜ地味な格好だった？
- メッセージをどうやって？
- 原) 小佐内さんは最初から気付いている？
- なぜあの時、リンゴ飴を食べたいと言わなかった？
- この夏の運命を左右する地図
- 小鳩に驕った理由
- 原) 小佐内が頭を抱えていたのはなぜ？
- (考察)なぜ小鳩に川俣さなえを紹介した？
※「原」は原作情報を根拠の中心にして考察しているトピック
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『小市民シリーズ』の原作は、米澤穂信先生の小市民シリーズ第1弾『春期限定いちごタルト事件』、第2弾『夏期限定トロピカルパフェ事件』。
私は、2作とも未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって、次話以降のネタバレはなしなので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
＋
原作小説を読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
原作小説の情報は、「原作情報」として区別できるよう表記します。
ココアこんな感じです
緑系の色を目印にしてね！
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
これは、推理の連鎖で片がつく。
by 小説『春期限定いちごタルト事件』
ちなみに、考察や解説、疑問はオレンジ系 ──
それ以外は、補足や余談、参考情報はブルー系 ──
読む際の目安にして下さい。
全10話 各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 原作小説 |
| 第1話 | 羊の着ぐるみ | S1 |
| 第2話 | おいしいココアの作り方 | |
| 第3話 | ハンプティ・ダンプティ | |
| 第4話 | 狐狼の心 | |
| 第5話 | 巴里マカロンの謎 | 短編集 |
| 第6話 | シャルロットだけはぼくのもの | S2 |
| 第7話 | シェイク・ハーフ | |
| 第8話 | おいで、キャンディーをあげる | |
| 第9話 | スイート・メモリー（前編） | |
| 第10話 |
※話数：リンクは各話レビューへ
※サブタイトル、原作小説：ネタバレを避けるため次話以降はマスク
※原作小説：S1(シリーズ第1弾)「春期限定いちごタルト事件」
短編集「巴里マカロンの謎」
S2「夏期限定トロピカルパフェ事件」
はじめに
誘拐事件から数日後、夏期限定トロピカルパフェを食べに来た二人。
小鳩は、小佐内は誘拐されることが分かっていただろうと推理する。
スイーツ×復讐＝最高の組み合わせ!?
どこまでが合法で、どこからが犯罪か。
準備したのはカウンターパンチか罠か。
保護観察中の悪童も、オオカミにかかれば掌の上。
標的にされたら最後、ヤキは未遂で倍返し。
復讐をスパイスに、スイーツ巡りもコンプリート。
石和だけでなく、小鳩も自分の思い通りに動かす小佐内さん。
さぞかし気持ち良かったでしょう。
さて、小鳩は小佐内さんの行為を許す(見逃す)のでしょうか・・・。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第9話「スイート・メモリー（前編）」
答え合わせ(1次)
誘拐事件が解決した数日後、小鳩と小佐内は〈小佐内スイーツセレクション・夏〉で最後に残った夏期限定トロピカルパフェを食べにきた。小鳩は、小佐内は誘拐されることを分かっていたと言う。
夏期限定トロピカルパフェ
お待たせしました。
by 店員『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
夏期限定トロピカルパフェでございます。
想像よりも、ずっと大きかった夏期限定トロピカルパフェ。
ココアスゴッ!
時文公式HP のパフェ大きすぎだろと思ってたけど、それ以上だった
前話ラスト ──
誘拐されるって分かってたんだよね、小佐内さん。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第8話
「分かってたんだよね」と指摘されておきながら、夏期限定トロピカルパフェが運ばれてくると、黙々と食べ始める小佐内さん。
ちょっと恐ろしいですね・・・。
ハンバーガーショップ
そのリーダーの名前は石和馳美という。
そして、小佐内さんを誘拐したグループのリーダーも石和馳美。
ちょっと驚きだね。－ 中略 －
どうしてあの日、あそこにいたの？
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
確かに、小佐内さんもあの店にいたのは引っかかりました。
が、小鳩と同じ店を目指していたのですから、小佐内さんは先に用事を済ませ目的の店「ベリーベリー」の近くのバーガーショップで休憩&時間調整しているのだと思っていました。
なぜなら、堂島と違って、小佐内さんは少し奥のテーブル席。
あそこからでは石和達の行動はよく見えません。
石和たちが見えるのは、角度的に堂島が座っていた窓際か、もっと真ん中のスペース。
(だから堂島が出て行った後、小佐内さんは席を移したのでしょう)
見張りをするなら、あの席では難しいと思いました。
また、内通者がいるのに、なぜ見張る必要があるのでしょうか？
制服のような格好
小佐内さんは休日に街を歩くときは、大抵小佐内さんらしくない格好をするんだよね。
誰にも小佐内ゆきだって分からないような。
でも、あの日の小佐内さんは、船高の夏服によく似た格好だった。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
もし、学校での姿しか知らない人が探そうとしたら、あの日の小佐内さんは見分けやすかっただろうね。
なぜか、服を変えるだけで小佐内さんと分からなくなる作品世界(笑)。
原作では、もっと特徴的なことを述べています。
街で見かけても、学校での小佐内さんの姿しか知らない場合、すぐには小佐内さんとわからないような服を着ていることが多いんだ。特徴的なのは、帽子だね。帽子を深くかぶってることが多い。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
なのに、あの日はかぶってなかった。服も制服風。これはつまり、学校での小佐内さんの姿に近いってことだよ。
小佐内さんは、街にいるときは帽子を被っていたのです。
それも目深に。
確かに、商店街で小佐内さんを見かけた時は帽子を被っていました。
(アニメは)全然目深ではありませんが・・・(苦笑)。
確かに目が隠れるくらい深く帽子を被れば、すぐには誰だか分かりません。
時文この後、健吾の家に行く時は、着替えて帽子被ってなかったね
ココアお～～、確かに！
そのようにして、小佐内さんは普段姿を隠していたのです。
ですが、誘拐された日は帽子も被っていなかった・・・。
誘拐された日の服装は、白シャツに紺色スカートと制服風。
学校での小佐内さんの姿に近づけ、犯人がどんなに間抜けでも簡単に見つけられるよう分かりやすくしたのです。
まるで、準備万端整えたのだから、ちゃんと誘拐してよね、と言わんばかりに・・・。
SOSメッセージ
誘拐されて、移動中に、犯人の目を盗んでこんなに長い文章を打つなんて無理がないかな。
── 私、メッセージを打つのがとっても早いの。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
移送中にメッセージを送ってきたという事は、犯人の目を盗んで打ったという事。
犯人が一人なら、車を運転している隙に・・・。
なんて事もできるかもしれませんが、助手席には雑然と物が散らばっていたので使った形跡はなし。
つまり、小佐内さんは後部座席に乗せられていた。
車に乗っていたのが一人(運転手)ならば、逃げられないよう縛り上げていたはず。
⇒ メッセージは打てない
乗っていたのが複数なら、小佐内さんと一緒に後部座席。
⇒ 犯人の目があり、スマホを堂々出してメッセージなど打てない
電話を掛けるくらいならできるかもしれないがメッセージ。
それもあれだけ長いメッセージを打つのは至難のワザ。
時文そもそも、石和らは、なぜスマホを取り上げない？
ココアあっ、確かに
原作では、もっと突っ込んでいます ──
「小佐内さんがぼくに伝えるべきは『りんごあめ四つ、カヌレ一つ』だけでよかった。それなのに、文の前後に六文字ずつ余計な言葉が入ってる。一ヶ所の誤字もなく、句点までしっかり打って、ね。どうもね、誘拐されて移送中に犯人の目を盗んで打った文面としては、いただけない感じがするよ」
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
犯人の目を盗んで打つなら、もっと焦っているはず。
小鳩の言うように、もっと短い文言で良いはず。
なのに、前後に「ごめんなさい」と普段通りのメッセージで、誤字脱字もないのです。
私、メッセージを打つのがとっても速いの。
そして、石和さん達はとってもお間抜けだった。── ちょっと信じがたいね。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
犯人グループは間抜けで、目を盗むのは簡単だった？
それに、小佐内さんはメッセージを打つのが速い？
信じない小鳩。
私も同感です。
後ろ手やポケットの中で打つならともかく。
さすがに目の前にスマホを出して、メッセージなど打てないでしょう。
そこそこ長い文章であれば尚更です。
逆に、後ろ手やポケットの中で打つなら、せいぜいワンクリックでしょう。
ガラケーならいざ知らず、タッチパネル式のスマホは押したかどうかも分かりません。
監禁場所を知らせる重要なSOSメッセージです。
そんな不確実な方法でメッセージを打ったりしないでしょう。
小佐内さんはどうやってメッセージを打ったのでしょうか？
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
考えられるのは ──
事前に監禁場所が分かっており、メッセージ内容を準備していた？
それなら、4対1の比率を使った暗号を考え出したのも頷けます。
事前に地図で確認して暗号を考えれば良いのです。
小佐内家に脅迫電話がかかってきて、しばらくしてからメッセージが届きました。
川俣さなえが電話をしたのなら時間も合わせていたのでしょう。
脅迫電話をした後を見計らって、小鳩にメッセージを送れば良いのです。
送り方は、そうですね・・・。
事前にメッセージを準備しておき ──
- 予約送信した
- 下書きだけしておいて、送信ボタンを押すだけにしておいた
といったところでしょうか。
もう一つ考えられるのは ──
石和が目論んでいたのは誘拐ではなく、拉致。
拉致だからメールくらいは許してくれたのかもしれないですね。
小佐内は、あの状況でどうやってメッセージを送った？
キツネとオオカミ
── 私、メッセージを打つのがとっても早いの。
── そして、石和さん達はとってもお間抜けだった。ちょっと信じがたいね。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
「ちょっと信じがたい」と言いながらそれ以上突っ込まない小鳩(苦笑)。
別の話題に話を移します。
ここの原作での小鳩の心情描写が面白い！
「ちょっと信じがたい」
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
「やっぱり？」
小佐内さんが小首をかしげる。きっと小佐内さんは、ぼくが何にどこまで気づいているのか、気づいている。気づいていて、話させようというのだ。それがどうしてなのかは、ぼくにはわからない。
小鳩は既に今回の誘拐事件の真相を見抜いている、と小佐内さんは気付いているようです。
確かに。
小佐内さんは気付いていたから、指摘されても動じなかったのでしょう。
内通者がいるのもバレると予想していたから、近くに川俣さなえを控えさせていたのでしょう。
ココアあっ、そうか！
にもかかわらず、小鳩に推理させようとしているのです。
小佐内さんは、なぜ自分で話さず小鳩を試すように(推理して)話をさせているのでしょうか？
空白の1時間半
── ティンカー・リンカーのピーチパイ！
小佐内さんが迷わずそう言ったのは、あの日の昼前からの外出で、もうリンゴ飴を食べてたから。
あの日、ぼくと食べに行く約束をしてたのに、どうしてもうリンゴ飴を食べたのか・・・。
小佐内さんは知ってたんだよ。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
自分が誘拐されることを。
なるほど。
前話冒頭、「むらまつや」の前にロリポップの包み紙があったのは ──
そこで拉致されたからだけではなく、リンゴ飴を食べていたことの伏線だったのです。(8話 )
小佐内さんが、リンゴ飴を食べていたことは凄い衝撃ですね。
前夜、あれだけ小鳩に推薦しておいて、自分一人で食べたのです。
しかも、これから拉致されるというのに食べていたのです。
ココアそうじゃん！
普通なら、拉致されると分かっていたら怖くてスイーツなど味も分かりません。
ですが、小佐内さんは攫われると分かっていて、リンゴ飴を堪能していたのです。
拉致如きに小佐内さんは緊張しない？
ヤバいですね・・・。
今話でも、小鳩に真相を突き付けられても平然と巨大パフェを堪能しています。
小佐内さん肝っ玉座りすぎです(爆)。
小佐内さんは「誘拐されることを知っていた」。
一番の証拠は、二人で一緒に食べに行く約束をしていた「むらまつやのリンゴ飴」を既に食べていたこと。
そして、小鳩がその事実に気付いたのは ──
<小佐内スイーツセレクション・夏>の次のターゲットを買ってあげると言ったら、リンゴ飴ではなくピーチパイと言ったことだったのです。(8話 )
誘拐事件が解決したのはまだ日が沈む前。
午後3時半であれば、まだ祭りはやっていただろうから3位の「むらまつやのリンゴ飴」も買えたはず。
なのに、小佐内さんは迷うことなく2位のピーチパイと答えてしまったのです。
原作では、その時、ヒントが示されていました。
小佐内さんが答えたとき ──
「〈ティンカー・リンカー〉のピーチパイ！ 白桃を使ってて、とってもとってもおいしいの！」
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
そしてそのまま、小佐内さんの笑顔は凍りつく。
蒸し暑い夏の日、この瞬間ぼくと小佐内さんの間にしんと冷えた空気が下りてきたのを、ぼくは確かに感じていた。
ピーチパイと答え、小佐内さんはマズいと思ったのです。
その凍り付いた笑顔を、小鳩は見逃していなかったのです。
小鳩くん、お見事です。
小佐内スイーツセレクション・夏
小佐内さんは、誘拐されることを知ってたから手を打った。
その準備こそが<小佐内スイーツセレクション・夏>だったんだ。－ 中略 －
真の目的は甘いものじゃなかった。
ああやって地図に基づいて行動させることで、ボクに<小佐内スイーツセレクション・夏>の存在を意識させて、いざという時、すぐにそれが頭に浮かぶようにする。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
小佐内さんは小鳩と付き合っているわけでも好きでもないことは、これまでもレビューに散々書いてきました。
よって、小佐内さんの一大イベント<小佐内スイーツセレクション・夏>に、小鳩は誘われる理由も何もありません。
なので、小佐内さんが誘うなら、他に何か目的があるのです。
これまでもそうだったのだから、今回も目的があるはずなのです。(6話 )
原作でも、再度淡々と述べられています。
夏休み、ぼくと小佐内さんは連絡を取る必要が全くない。なぜならぼくと小佐内さんは互恵関係にあるものの依存関係にはないから。会いたいがゆえに会うという必要がないからだ。小佐内さんが甘いものめぐりをやりたいのであれば、そうすればいいだけのことで、ぼくを誘う必要はない。ぼくはそこのところで、小佐内さんを信じていた。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
「小佐内さんは、楽しいからという理由でぼくを誘ったりはしない」
普通の女子と違い、小佐内さんは楽しいという理由で誰かを誘ったりはしません。
ましてや、異性の小鳩を指名したのです。
あの時、小佐内さんに聞いても、はぐらかされました。
今年の夏の計画を完遂するには、どうしても小鳩くんみたいな人がいて欲しいの。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第6話
スイーツ巡りをするのに小鳩のような人が必要？
6話時点では意味が分かりませんでしたが、今なら分かります。
石和への復讐計画を成功させるには小鳩が必要だった。
もっと言うなら、拉致されると分かっているのだから救出手段の確保が必要。
そこで小鳩の知恵働きを当てにしたのです。
この計画は、小佐内さんから地図を渡された時から・・・いや、<小佐内スイーツセレクション・夏>を作成していた夏休み前から始まっていたのです。
準備完了
小佐内さんが小鳩に地図を渡したのは夏休み初日。
翌日にはベスト10の店に。(6話 )
その後は、３日と空けずにスイーツ巡りをしています。(7話 )
その結果、小鳩の脳内に<小佐内スイーツセレクション・夏>が刻み込まれたのです。
その成果が、表に現れてくると ──
むらまつやの傍を通った時、ボクが「ここのリンゴ飴ランキングに入ってなかった？」て聞いたら、小佐内さんは嬉しそうだった。
ハンバーガーショップで健吾の残したメモの解読に地図が関わってると分かった後も、小佐内さんの上機嫌ぶりと言ったらなかった。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
小鳩の教育が順調に進んでいることを確信したのです。
だから、小佐内さんは ──
ねえ、小鳩くん。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第7話
今日のフローズンすいかヨーグルト、私がご馳走してあげるね。
突然、おごると言い出したのです。
石和との関係
── 石和 馳美と何があったか教えてくれる？
ごめんね。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
あんまり話したくないの。
前の話だから。
小鳩も(堂島も)ここまで関わったのだから、一体何があったのか知りたいと思うのは当然です。
石和は保護観察が終わると、自分をチクったのは誰か探していました。
今回は逮捕案件なので、もっと長い間保護観察が付くか、少年院に入れられるでしょう。
でも、いつかは出てきます。
小鳩と堂島は、今回石和に関わってしまいました。
(身バレしていませんが)逆恨みして狙われる可能性は十分あります。
ならば、小佐内さんと石和の間に何があったのか、大元の部分を知っておく必要はあると思うのですが・・・。
ですが、小佐内さんは話してくれません。
小鳩もあっさり引いてしまいます。
どうも小鳩は小佐内さんに優しいですね。
時文まあ、あまりペラペラ話されても物語として面白みがなくなるけど
原作では、小佐内さんが話したくない理由を、小鳩は推測しています。
もちろん、遠因は中学時代にあるのだろう。小市民を名乗って以降の小佐内さんが、薬物乱用グループと事を構えるようなことになるとは思えない。そして以前のことは、確かにお互いあまり話さない。ろくな思い出ではないことを、よく知っているからだ。 拒まれれば、無理にとは言えなかった。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
小鳩も中学生時代は思い出したくない過去があります。
自分も聞かれたくない過去があるから、小佐内さんの過去を無理に聞けないのかもしれないですね。
無理に聞き出さないのは小鳩の優しさかもしれません。
そうだよね、許せないよね。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
最初から小鳩くんに相談すれば良かったかもしれない。
が、小佐内さんは、小鳩にはこう言えばそれ以上追求しない。
と分かってて言っているような気もします(苦笑)。
ある意味、小佐内さんは小鳩の優しさにつけ込んでいるような・・・。
原作では、ここまで言われています。
さすがに小佐内さんだ、一筋縄ではいかない。うっかり「ごめんね」を信じてしまうところだった。いや、小佐内さんが負い目を感じていないとは思わない。だけど小佐内さんは、「小佐内さんは誘拐の事実をあらかじめ知っており、誘拐されてもすぐに救出されるよう策を立てていた」というところまででぼくの考えを止めるために、殊勝な言葉を述べたのだ。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
小鳩にこれ以上推理されないよう、小佐内さんは反省しているフリをしていたと言うのです。
ココア小佐内さん、もはやヤバいどころか危険な気がしてきた
時文だよね…
今話後半、小佐内さんが石和の罪を意図的にランクアップさせたことが分かります。
石和は確かにヤバそうです。
どんな理由があっても拉致してヤキを入れるなんてのは犯罪です。
が、かと言ってやってもいない罪を被せるのもやり過ぎです。
小佐内さんが、ここまでやってしまうことを踏まえると ──
中学生時代に本当に石和が犯罪を犯したのかも疑いたくなりますね・・・。
時文「話したくない」じゃなくて「(冤罪がバレるから)話せない」だったりして…
ココアえっ、えっ、それってマズくない！？
中学生時代、小佐内は石和と何があった？
答え合わせ(2次)
小鳩は小佐内と会話を重ねる内に、この計画には内通者がいると気付く。
照れ隠し!?
小佐内さんの行動力には舌を巻くよ。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
ボクはどっちかと言えば座り込んで考える方が性に合うから、小佐内さんには敵わないなってよく思う。
小鳩の上記セリフを聞いて、小佐内さんは頭を抱えます。
てっきり、知られたくない事まで小鳩に気付かれたので頭を抱えているのだと思いました(笑)。
ココアうん、そう思ってた
違うの！？
原作によると ──
無表情のまま、小佐内さんは自分の頭を抱えて少し左右に振った。何をしてるんだ、と一瞬思ったけど、どうやら照れてますというボディーランゲージらしい。スルーする。
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
なんと照れ隠しだというのです！
ココア照れ隠し！？
確かにアニメをよく見ると、頭を抱える直前、頬を赤く染めています。
小佐内さんは、照れていたのです。
時文小鳩は別に褒めてるのではなく、呆れてると思うんだけどね…
ココア確かに…
肝心要
なるほど。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
やっぱり、もう一つあった。
溶けかかったアイスの中からフルーツを見つける小鳩。
でも、もう一つあったとは、フルーツではなく今回の計画の裏にあること ──
内通者がいたんだ。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
石和グループ内に内通者がいたと、ここで確信したのです。
逆に、小鳩はここまで内通者がいるとは思っていなかったのです。
では、どのようにして石和グループの目論見を知ったと考えていたのでしょうか。
原作では、別の手段を想定していました。
盗聴とかも考えたんだけどね。でも昼間に情報を集められないのは結局同じだし、それに夜の間にしても小佐内さんが盗聴電波を拾いに夜歩きしてたって話は聞かなかった。ぼくが小佐内さんの家で聞いたのは、この夏休み、小佐内さんが夜中電話することが増えたってことだよ」
by 小説『夏期限定トロピカルパフェ事件』
盗聴して情報を得ていると考えていたのです。
小佐内さんの行動力には舌を巻くほど。
気が付いたら真後ろにいたりと、意外と隠密行動に長けています。
だとしても、この夏は少なくない時間を小鳩とスイーツ巡りをしていました。
夜に出歩いていた話も聞いていません。
ならばそんなに情報収集する時間はないはず。
そこへ、夜中に電話していることが増えたという母親の証言。
拉致計画の内容。
それも決行日時まで把握していたのは、内通者がいたに違いないと結論付けたのです。
小佐内さんじゃない！？
恐らく小佐内さんは、内通者を使ってグループの中に小佐内ゆき誘拐計画を浸透させる。
決行日時もコントロールする。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
救出者も用意しておく。
小佐内ゆき誘拐計画は、小佐内さん自身が誘導！？
今回の小佐内さんの復讐計画は、石和が元々計画していたものに便乗したのではなく、誘拐計画そのものを小佐内さん自身が誘導したと言うのです。
小鳩の推理に感心する小佐内さん。
認めてくれるんだね？
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
石和さんに小佐内さんを誘拐させたのは、小佐内さんだってことを。
小鳩の問いに、首を横に振って否定する小佐内さん。
ここまで見事な推理をされ、辻褄も合う結論を突き付けられてもとぼける！？
それに、ここでゲスト？？
この流れで、なぜ川俣さなえを紹介したのでしょうか？
川俣さなえ：とにかく、これはあんたが始末してね。いい、あたし達はもう知らない同士だからね。
小佐内ゆき：分かってる。じゃあね、さなえ。無事を祈ってる。
by 『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
川俣さなえが小佐内さんに渡したのは、脅迫電話の音声 ──
あらかじめ台本を決めて声を吹き込んでおいたの。
本番で慌ててマズいことを口走ったら困るから、という建前で、さなえさんにこれを喋らせたの。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
これはつまり、小佐内さんが仕込んだのは ──
拉致監禁を誘拐事件にランクアップさせただけでなく・・・。
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
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川俣さなえが誘拐の首謀者だと仕立てたのではないでしょうか。
石和たちが警察で聞き取りされれば、脅迫電話などしてないとバレます。
ボイスチェンジャーを持っていたものの、その後は声どころか顔も隠しておらず。さすがの警察も違和感に気付くと思います・・・。
(まあ簡単には信じてもらえないでしょうが(苦笑))
小佐内さんは、その場合の保険を用意しておいたのではないでしょうか。
川俣さなえに聞き取りが行われたとしても、自分が犯人だとは言いません。
もちろん、(真相に繋がる)小佐内さんとの関係も話さないでしょう。
なぜなら、川俣さなえも石和の罪が重くなった方が良いのです。
石和達が誘拐を企てたと見做された方が、刑が重くなる可能性が高くなります。
仮に、川俣さなえが、小佐内さんに罪をなすりつけようとすれば・・・。
脅迫電話の録音があります。
疑われ始めると私を脅した。
もう一度、抜ける手助けをしろって。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
じゃなかったら、石和さん達に私を引き渡すって。
小佐内さんは、石和だけでなく川俣さなえに対しても復讐をしたのです。
石和にまた目を付けられるのではないか、小佐内ゆき誘拐計画を企てたのがバレないか、今後ずっとビクビクしながら生きていかなくてはならないのです。
これが、小佐内さんが川俣さなえにかけた最後の言葉 ──
じゃあね、さなえ。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ 第9話
無事を祈ってる。
「無事を祈ってる」の真意ではないでしょうか。
ココアえ～～、小佐内さん怖い！
前話サブタイトル「おいで、キャンディーをあげる」は・・・。
小佐内さんが、ロリポップの包み紙で小鳩を事件に呼び込んだ気がします。
私に付いてくれば、楽しい思い(知恵試し)ができるよ、と。
さて、小鳩は彼女の罪を許す(見逃す)のでしょうか・・・。
となると「夏期限定トロピカルパフェ」は、最後の晩餐となるのでしょうか？
時文あっ、だから「スイート・メモリー」!?
ココアえっ、そういうことなの!?
連中が「脅迫電話などしてない」と証言すれば、誘拐してないとバレるのでは？
おわりに (『小市民シリーズ』9話とは)
小説 『夏期限定トロピカルパフェ事件』
石和への復讐を完遂し、夏期限定トロピカルパフェを平らげ、満足そうな小佐内さん。
計画力と行動力は勿論、その原動力となる執着心が凄い。
そして何より、これだけのことを実行するのに全く緊張も怯えもないこと。
あらかじめ予想できているとは言え・・・。
これから拉致されるのにリンゴ飴を食べたり、小鳩から「誘拐を知っていた」と指摘されても動揺することなく夏期限定トロピカルパフェを堪能する。
それどころか、復讐計画を話す際も、拉致中も(本音が見えると)嬉しそうでもありました。
ヤバい子だとは思っていましたが、ここまでとは。
これでは完全に犯罪者・・・。
(正確に言うと犯罪設計者、犯罪コンサルティングか)
ここまでやってしまったら。
そして、小鳩も知ってしまったら。
ここで二人の関係は終わってしまうのでしょうか・・・。
いや、小鳩曰く、小佐内さんは以前はオオカミ。
中学生時代も、こんなことをしていた！？
(メタ的な発言になってしまいますが)原作はまだ秋、冬と続きがあります。
だから、小佐内さんに関しては「お咎めなし」な気もしますが、それでは視聴後感が悪い。
次話は最終回。
果たして、どんな結末を見せてくれるのでしょうか。
時文まさか、ヴィラン誕生で締めないよね!?
ココアえっ、小佐内さんが悪役ってこと!?
時文秋、冬は、小佐内vs小鳩になったりして…
ココアそんなぁ～～
でも、二人の対決は確かに見てみたい気も…いや、やっぱり嫌！
以上、TVアニメ『小市民シリーズ』第9話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
10話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
- 誘拐当日、小佐内はなぜ地味な格好だった？
-
誰が見ても小佐内さんと分かるようにしていた (推測)
小鳩曰く、誘拐当日の小佐内さんの格好は船戸高校の夏服に似ていた。学校での小佐内さんしかしらない石和グループが、小佐内さんを見つけやすいようにしたのではないかと推測。
- 小佐内は、あの状況でどうやってメッセージを送った？ (疑問 08-02)
-
不明
本人曰く、メッセージを打つのが速く、石和達は間抜けだったらしい。
- 小佐内は、地図も見ずにどうやって南部体育館を示す暗号ができた？ (疑問 08-03)
-
不明
本人曰く、地図は頭に入っていたらしい。
- 約束通りの時間に行ったのに、なぜ小佐内は外出した？ (疑問 07-03)
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拉致される前に、リンゴ飴を食べるため
拉致されるには一人でいなくてはならない。約束の時間になれば小鳩が来てしまうので早めに家を出た。また、拉致されれば今日限定のリンゴ飴を食べられなくなるので、先に食べておいた。
- 小佐内が誘拐されたのは「むらまつや」前？ (疑問 08-01)
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「むらまつや」の前
小佐内は、この後拉致され自由に行動できないと分かっていた。年に1度のリンゴ飴を食べられない可能性が高かったので、拉致される前に食べていた。そこを拉致されたのだと思われる。
- <小佐内スイーツセレクション・夏>に、なぜ小鳩を誘った？ (疑問 06-01)
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小佐内手作り地図を小鳩に意識付けるため
この地図を使って監禁場所を暗号化して送る計画だったので、小鳩に地図を強く意識するよう<小佐内スイーツセレクション・夏>に付き合わせ連れ回した。
TVアニメ「小市民シリーズ」第3弾PV より引用 - 小佐内は、なぜ急に小鳩におごる気になった？ (疑問 07-02)
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小鳩の反応を見て、計画が順調に進んでいると確信したから
「むらまつや」の前を通り、小鳩の頭に自然と<小佐内スイーツセレクション・夏>が浮かんだのを確認でき、地図の刷り込みが順調にいっていると確信したから。
- 石和はヤキを入れるのに、なぜ身代金を要求した？ (疑問 08-04)
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身代金を要求したのは、石和ではなく川俣さなえ
石和の計画は小佐内ゆきを拉致してヤキを入れること。身代金要求の電話をしたのは川俣さなえ。小佐内の入れ知恵により、石和の罪をランクアップさせるため、身代金を要求して誘拐へと偽装した。
『小市民シリーズ』公式HP「あらすじ 第8話」より引用
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 09-01 中学生時代、小佐内は石和と何があった？
- 疑問 09-02 連中が「脅迫電話などしてない」と証言すれば、誘拐してないとバレるのでは？
残っている疑問
- 疑問 04-01 小佐内は、なぜ警察と関わりたくない？
今週の感想ツイート
#小市民シリーズ #小市民 9話
— 時文＠ここアニ(小市民シリーズレビュー中) (@toki23_a) September 8, 2024
スイーツ巡りと復讐は最高の組み合わせ!?
準備したのはカウンターパンチかトラップか
保護観察中の厄介者も狼にかかれば掌の上。標的にされたら最後、ヤキは未遂で倍返し。復讐をスパイスにスイーツ巡りもコンプリート
さて、小鳩は彼女を許すのでしょうか…次話最終回
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